看護師の離職率11.5%は高い?仕事を辞める理由とは|お役立ちガイド | 【マイナビ看護師】≪公式≫看護師の求人・転職・募集

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vol.32 ヘッドラインニュース

看護師の離職率11.5%は高い?仕事を辞める理由とは

2021.07.09 2022.09.29

看護師の離職率は、ほかの職種と比べて高いのか気になる方も多いでしょう。2019年の看護師の離職率は11.5%で、ほかの職種と比べてもあまり変わらない値となっています。この記事では、病床規模別や設置主体別、都道府県別の離職率から分かる離職率が高い病院の特徴について解説します。また、働きやすい職場の特徴もまとめているので、ぜひご一読ください。

看護師の離職率は11.5%

日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」によると、2019年度の正規雇用の看護師の離職率は11.5%でした。ちなみに、新卒採用者だけで見ると8.6%、既卒採用者だけで見ると16.4%と、既卒採用者の離職率のほうが高いことがわかります。

ちなみに、 過去5年の看護師の離職率は以下のとおりです。

正規雇用の看護師 新卒採用者 既卒採用者
2019年度 11.5% 8.6% 16.4%
2018年度 10.7% 7.8% 17.7%
2017年度 10.9% 7.5%
2016年度 10.9% 7.6%
2015年度 10.9% 7.8%

参照元
日本看護協会
2020年病院看護実態調査
2019年病院看護実態調査
2018年病院看護実態調査
2017年病院看護実態調査
2016年病院看護実態調査

いずれの年も正規雇用の看護師の離職率は10%ほどで、新卒看護師の離職率は8%前後でした。新卒採用者よりも既卒採用者の離職率のほうが、2倍以上高くなっています。

病床規模別の離職率

次に、病床規模別の離職率を見ていきましょう。
2019年度の病床規模別の離職率は以下のとおりです。

正規雇用の看護師 新卒採用者 既卒採用者
99床以下 13.5% 14.8% 23.1%
100~199床 12.9% 10.2% 19.4%
200~299床 12.4% 8.2% 14.3%
300~399床 11.8% 8.0% 12.7%
400~499床 10.0% 7.6% 10.6%
500床以上 10.7% 8.5% 11.5%

参照元
日本看護協会
2020年病院看護実態調査(4)病床規模別離職率

正規雇用の看護師の離職率は99床以下が13.5%、500床以上が10.7%でした。病床規模が大きくなるにつれて離職率が下がっており、99床以下と500床以上では2.8%の差があります。

また、新卒採用者だけの離職率も99床以下が14.8%なのに対し500床以上は8.5%と、病床規模が大きいほうが離職率が下がっています。既卒採用者だけの離職率では、99床以下と500床以上で11.6%もの差がありました。

設置主体別の離職率

次に、設置主体別の離職率を見ていきます。
設置主体によっても、離職率は大きく異なります。

正規雇用の看護師 新卒採用者 既卒採用者
国立 10.2% 7.4% 11.3%
公立 8.5% 7.4% 8.9%
日本赤十字社 9.4% 7.1% 9.0%
済生会 14.9% 11.3% 16.0%
厚生農業協同組合連合会 11.1% 5.7% 15.9%
その他公的医療機関 17.7% 4.9% 7.7%
社会保険関係団体 10.1% 8.6% 11.7%
公益社団法人、公益財団法人 12.2% 8.5% 14.8%
私立学校法人 12.1% 10.2% 10.4%
医療法人 14.4% 10.0% 18.8%
社会福祉法人 10.8% 9.5% 12.7%
医療生協 13.4% 8.3% 13.2%
会社 8.9% 5.7% 9.0%
その他の法人 12.2% 7.9% 17.2%
個人 20.3% 20.8% 31.9%

[参照元]
日本看護協会
2020年病院看護実態調査(3)設置主体別離職率

正規雇用の看護師の離職率は、個人・その他公的医療機関・済生会で高い傾向にあります。最も離職率が低いのは公立で8.5%でした。

新卒採用者だけで見ると個人・済生会・私立学校法人が、既卒採用者では個人・医療法人・その他の法人の離職率が高い結果となっています。

全体的に見て個人病院は離職率が高く、公立病院は離職率が低い傾向にあります。公立病院で働く看護師は公務員扱いとなり、雇用条件も公務員に準じています。

そのため、充実した福利厚生や安定した働き方ができる点が要因となり、離職率が低くなっているものと考えられます。

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都道府県別の離職率

次に、都道府県別の離職率は以下のとおりです。

正規雇用の看護師 新卒採用者 既卒採用者
北海道 11.3% 5.2% 17.1%
青森県 9.1% 8.2% 15.0%
岩手県 5.6% 5.9% 13.9%
宮城県 9.8% 6.0% 11.6%
秋田県 6.7% 4.6% 16.7%
山形県 7.5% 3.1% 10.1%
福島県 9.2% 6.9% 11.7%
茨城県 12.1% 8.8% 19.1%
栃木県 9.3% 9.9% 12.0%
群馬県 9.1% 8.5% 12.4%
埼玉県 13.5% 10.4% 15.0%
千葉県 14.3% 8.1% 18.6%
東京都 14.9% 12.1% 16.5%
神奈川県 13.8% 7.9% 19.2%
新潟県 9.3% 7.0% 20.7%
富山県 7.4% 3.3% 11.8%
石川県 8.4% 8.2% 12.1%
福井県 8.8% 3.4% 22.3%
山梨県 9.4% 8.9% 10.4%
長野県 9.1% 6.3% 10.3%
岐阜県 11.5% 5.5% 10.6%
静岡県 10.0% 4.8% 12.2%
愛知県 13.1% 7.5% 14.5%
三重県 9.4% 4.7% 18.9%
滋賀県 9.6% 8.2% 9.9%
京都府 12.0% 7.7% 15.7%
大阪府 13.5% 10.8% 18.2%
兵庫県 14.2% 10.3% 17.4%
奈良県 11.1% 10.8% 23.1%
和歌山県 9.1% 4.2% 26.8%
鳥取県 7.4% 6.5% 12.0%
島根県 7.5% 6.2% 5.4%
岡山県 10.5% 7.7% 18.5%
広島県 10.5% 11.1% 14.8%
山口県 10.8% 11.2% 20.4%
徳島県 7.4% 6.1% 15.5%
香川県 9.1% 12.2% 13.9%
愛媛県 9.3% 12.7% 21.6%
高知県 9.9% 5.1% 11.0%
福岡県 11.6% 8.3% 16.7%
佐賀県 8.7% 5.3% 18.6%
長崎県 10.0% 7.9% 15.5%
熊本県 10.0% 7.6% 15.3%
大分県 10.8% 9.2% 20.1%
宮崎県 12.6% 9.4% 13.9%
鹿児島県 11.7% 6.4% 21.8%
沖縄県 9.9% 4.8% 8.7%

[参照元] 日本看護協会
2020年病院看護実態調査(2)都道府県別離職率

正規雇用の看護師の離職率を見ると、最も高かったのは東京都で14.9%でした。

次に千葉県が14.3%、以降は兵庫県が14.2%、神奈川県が13.8%、埼玉県と大阪府が13.5%と続きます。比較的に都心部の離職率が高い傾向にあるようです。反対に、離職率が最も低いのは岩手県で5.6%でした。

なお、新卒採用者の離職率で最も高かったのは愛媛県で12.7%、既卒採用者では和歌山県で26.8%でした。

看護師の離職率が高い病院の特徴

2020年病院看護実態調査の統計を見ると、規模が小さい病院や都心部にある病院の離職率が高い傾向にありました。

規模が小さい

病床規模で離職率に差があるのは、働きやすさや続けやすさが関係していると考えられます。
看護師の多くは女性です。女性は男性に比べて、結婚や出産、育児などのライフステージの変化によって、働き方が変わる傾向が高いです。

特にこどもが小さいときは、夜勤ができなかったり突発的に休んだりすることもあるでしょう。規模が大きい病院では看護師の人員も多いため、時短勤務や突発的な休みに対応可能な場合が多いです。また、病院によっては託児所や病児保育施設があるため、子どもを預けながら働くことができます。

しかし、規模の小さい病院では人員の問題もあり、突発的な休みや時短勤務に対応できない場合も。託児所を設置している病院も少ないので、育児をしながら仕事を続けるのは難しいのが現状です。そのため、仕事を続けたい気持ちはあっても、続けられずに離職してしまう看護師がいます。

都心部にある

地域による離職率の差には、転職先の多さが関係していると考えられます。
東京都や千葉県、兵庫県、神奈川県、埼玉県、大阪府などの都心部は、地方に比べて医療施設の数が多いため、転職先も豊富にあります。ほかの分野に挑戦したい、キャリアアップをしたいと考えたときに、転職しやすいため離職率が高くなっているものと考えられます。

一方、地方の病院の離職率が低いのは、転職先が都心部より少ないこともありますが、仕事と育児の両立がしやすいことも理由として考えられます。

前述したように、仕事と育児を両立できずに離職する方がいますが、地方で実家の近くに住んでいる場合、両親の協力を得られれば仕事と育児の両立は可能に。両親のサポートが厚ければ、出産前と同じようなシフト勤務も可能なので離職せずに仕事を続けられるでしょう。

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ほかの職種と比べて看護師の離職率は高い?

厚生労働省の「2019 年(令和元年)雇用動向調査」によると、2019年の一般労働者の離職率は11.4%でした。看護師の離職率は11.5%のため、ほぼ差がないことがわかります。
なお、産業別に見た離職率は以下のとおりです。

産業 離職率
鉱業、採石業、砂利採取業 11.0%
建設業 9.2%
製造業 9.6%
電気・ガス・熱供給・水道業 15.4%
情報通信業 9.6%
運輸業、郵便業 12.5%
卸売業、小売業 15.4%
金融業、保険業 10.7%
不動産業、物品賃貸業 15.1%
学術研究、専門・技術サービス業 10.6%
宿泊業、飲食サービス業 33.6%
生活関連サービス業、娯楽業 20.5%
教育、学習支援業 17.7%
医療、福祉 14.4%
複合サービス事業 7.9%
サービス業(他に分類されないもの) 18.8%

[参照元]
厚生労働省
2019 年(令和元年)雇用動向調査

産業別に見ると、看護師が含まれる医療、福祉の離職率は14.4%でした。産業別で見ても、医療、福祉の離職率はそれほど高くなく、平均値であることがわかります。なお、離職率が最も高かったのは、宿泊業、飲食サービス業の33.6%で、医療、福祉とは19.2%もの差がありました。

看護師が離職する理由

ここまで看護師の離職率について触れてきましたが、なぜ看護師は離職をするのでしょう。以下では、看護師が離職する理由について紹介します。

結婚・出産などのライフステージの変化

近年は男性看護師も増加傾向にありますが、未だ多くは女性看護師です。

厚生労働省の「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、女性看護師は全体の92.2%でした。

女性は結婚、妊娠、出産などのライフステージの変化をきっかけに離職するケースが多いです。育児に専念したい方もいれば、仕事と育児の両立が難しく辞めざるを得ない方もいます。

[参照元]
厚生労働省
平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況

人間関係の悩み

看護師に限らず、職場の人間関係に悩み退職を決断する方は多くいます。

看護師は看護師同士はもちろん、医師や薬剤師、検査技師、理学療法士など、さまざまな職種と協力し合って行う仕事です。また、医療スタッフだけでなく、患者やその家族とも関わります。

そのため、うまくコミュニケーションが取れなかったり人間関係が悪化すると、働きづらくなり離職をしてしまうようです。

勤務環境への不満

ただでさえ大変な看護師の仕事ですが、人手不足の医療現場では残業や夜勤回数が多くハードワークになることも。

また、せっかくの休日も、勉強会や呼び出しでしっかり休めない場合があります。そのため、心身ともに疲れてしまい、過酷な労働環境を理由に離職してしまうようです。

また、業務量に対して給料が安い、手当がつかない、昇給が見込めないなど、待遇面を理由に辞める方もいます。

スキルアップやキャリアアップを目指して

スキルアップやキャリアアップ、収入アップのために、離職する看護師の方は多くいます。

専門分野に特化した看護をしたい方や管理職に就きたい方、希望する診療科で働きたい方、看護師とは違う職に就きたい方などさまざま。また、資格を取得するための勉強時間を確保するために、時間の融通が利く医療機関に転職する方もいます。

看護師の離職率からみる働きやすい職場とは

看護師の離職率が低い職場とは、どのような職場なのでしょうか。
日本看護協会は「就業継続が可能な看護職の働き方の提案」において、看護師が安心して働き続けられる環境についてまとめています。その内容は、夜勤や時間外労働の軽減、処遇に関するものなどさまざまです。以下では、看護師の働きやすい職場について解説します。

福利厚生が充実している

福利厚生が充実している職場は、看護師にとって働きやすいといえます。
福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があり、法定福利厚生は法律で定められたもので社会保険などが該当します。

一方、定外福利厚生は各企業や医療機関が独自に定めた福利厚生のことです。交通費や住宅手当、資格手当、退職金制度、育児支援制度、時短勤務制度などが該当します。

看護師の多くは女性です。そのため、ライフステージの変化に対応できるような時短勤務制度や育児支援制度などの法定外福利厚生が充実している職場は、仕事を続けやすく働きやすいといえるでしょう。

人間関係が良好

看護師に限ったことではありませんが、人間関係が良好な職場は働きやすいといえます。

看護師はチームで仕事を行うため、こまめに業務に関する連携をするなどスタッフ同士でコミュニケーションを取ることが大切です。

威圧的な態度を取る人や相手によって態度を変える人がいると、不満が生まれて人間関係はギクシャクしてしまうでしょう。もちろん、いじめのある職場は論外です。
年齢や役職など関係なく、円滑なコミュニケーションが取れる職場が働きやすいといえます。

働きやすい勤務体制である

自分に合った勤務体制であることも、働きやすい職場の特徴といえます。
働く医療機関によって、勤務形態や残業の多さはさまざま。次の勤務までのインターバルが短かったり残業が多かったりすると、疲労回復やリフレッシュが難しく疲れが溜まってしまいます。

ただでさえ看護師は体力の必要な仕事なので、しっかり休めないと離職に繋がる可能性もあるのです。

日本看護協会の「就業継続が可能な看護職の働き方の提案」では、「勤務間隔は11時間以上あける」「勤務拘束時間13時間以内」「夜勤・交代制勤務者においては時間外労働をなくす」などの条件を満たすことで、看護師が働きやすくなるといわれています。

また、2交代制や3交代制など、自分に合った勤務形態で働ける職場が働きやすいといえるでしょう。

[参照元]
日本看護協会
就業継続が可能な看護職の働き方の提案

キャリアアップ制度がある職場

キャリアアップ制度の有無も、看護師の働きやすさに関係しているといえます。
たとえば、クリニカルラダーのような基準があれば自分のレベルの可視化が可能です。自身の強みだけでなく弱みも理解できるので、修正しようとモチベーションアップにも繋がるでしょう。

また、スキルアップのための資格取得支援制度などもあれば、働きながら資格取得に向けた勉強が可能です。資格を取得することで専門性が高められ、資格手当があれば給与アップにも繋がります。

仕事を続けながらスキルアップやキャリアアップ、給与アップができる職場は、働きやすい職場といえるでしょう。

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