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vol.35 ヘッドラインニュース

看護師の退職金はいつ・いくらもらえる? 勤続年数や職場ごとの金額を紹介

2021.07.27 2022.09.29

「定年退職した場合、退職金はいくら貰えるのだろう? 」「3年で辞めた場合、退職金は貰えるの? 」など、退職金に関する疑問を抱えている看護師の方は多いでしょう。退職金は退職金制度や算出方法によって、支給される時期や金額が異なります。

当記事では、勤続年数や勤める職場ごとの退職金相場を紹介。また、計算方法や退職金アップにつながる方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

看護師の退職金制度

退職金制度には、「退職一時金制度」、「企業年金制度」、「前払い制度」の3つがあります。退職金と聞くと退職時に支給されるお金と考えがちですが、制度によって支給される時期や受け取り方法はさまざまです。

以下では、3つの退職金制度について解説。自身が働く病院やクリニック、施設では、どの退職金制度を適用しているか、就業規則や給与規定を確認しておきましょう。

退職一時金制度

退職一時金制度とは、退職時に退職金が一括で支給される制度のことです。3つの制度の中で、最もスタンダードな制度といえるでしょう。

支払われる退職金の金額は勤続年数や退職時の役職、保持している資格、仕事への貢献度などによって決められるのが一般的です。勤続年数によって金額が設定される場合は、定年退職でなく中途退職でも支払われる可能性があります。

なお、会社都合退職か自己都合退職かによって、支給される金額や条件が異なる場合もあります。

企業年金制度

企業年金制度とは、既定の年齢に達した後に年金として退職金が支給される制度のことです。「退職年金制度」ともいわれています。一生涯に渡って支給され続ける場合もあれば、既定の年齢までの支給だったりなど、支給される期間はさまざまです。

なお、医療機関によっては、退職一時金制度と企業年金制度のどちらを希望するか選べる場合も。また、退職金の一部が一時金として退職時に支給され、残りは年金として支払われるなど、退職一時金制度と企業年金制度を併用している場合もあります。

前払い制度

前払い制度とは、あらかじめ決められた金額が月給や賞与に上乗せする形で支払われる退職金制度のことです。基本給がほかの病院やクリニック、施設に比べて高く設定されている場合は、前払い制度が適用されている可能性があります。

前払い制度では在職中の収入が増えますが、その分税金や社会保険料が高くなるデメリットもあります。退職時や退職後に退職金が支給されないため、在職中から老後に向けて運用を行っておくと良いでしょう。

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看護師の退職金はいつ・いくらもらえる?

退職金について悩んでいる看護師

前述したように、看護師の退職金は退職金制度によって、支給される時期や金額がさまざま。また、医療機関によっても異なります。一般的に退職一時金制度を適用している場合は、勤続3年目から退職金が出ることが多いようです。

以下では看護師の退職金の相場を勤続3年目、勤続5年目、勤続10年目、勤続20年目に分けて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

勤続3年目の看護師の退職金

勤続3年目の看護師の退職金は、多く見積もっても30万円ほどが相場といわれています。医療機関によっては30万円以下だったり、支給されない場合もあります。

新卒の場合、勤続3年目はやっと一人前にひととおりの仕事ができるようになる時期です。また、中途入社の場合も、職場に慣れてこれから戦力となる時期です。

退職金の金額は、勤続年数や職場への貢献度によって決められるのがほとんど。そのため、勤続年数が少なく職場への貢献度がそれほど高くない勤続3年目の退職金は、給与1ヶ月分の30万円前後が目安となるでしょう。

勤続5年目の看護師の退職金

勤続5年目の看護師の退職金は、30~50万円ほどが相場といわれています。

新卒入社の場合は勤続5年目となるとひととおりの仕事ができるようになっており、後輩の指導を行う時期です。人によってはプリセプターやメンターとして活躍しています。中途入社の場合も、経験を積んで戦力として活躍している時期でしょう。

退職一時金制度を適用している医療機関の場合、勤続3年目では支給されないこともありますが、勤続5年目では支給されることがほとんど。そのため、転職を考えている場合は、同じ職場に3年以上勤めて退職金を受け取って離職するのが賢明です。

なお、勤続5年以上になると、退職金の相場は50~100万円ほどに上がります。退職時にまとまった金額が受け取れるため、転職までの生活費にあてることが可能です。仮に100万円の退職金を受け取れると3ヶ月ほどの生活費となるため、次の転職先やキャリアプランをじっくり考える余裕もあるでしょう。

勤続10年目の看護師の退職金

勤続10年目の看護師の退職金の相場は、250~300万円ほどです。勤続3年目や勤続5年目と比較すると、かなり金額が上がります。同じ職場に10年勤めたことに加え、貢献度もそれなりにあると考えられるため、妥当な評価による金額といっていいでしょう。

勤続10年目となると新卒入社の場合でも30歳を超える年齢です。人によっては、看護主任などの役職に就くことも。役職に就いている人は、その分多くの退職金を支給される可能性があります。

なお、勤続10年目は出産・育児などのライフステージの変化によって、転職・退職を検討する人が多くなる時期でもあります。ステップアップのために、一度退職して勉強したいと考える人もいるでしょう。退職金を受け取ることで、出産・育児資金や勉強費用にあてることができます。

勤続20年目の看護師の退職金

勤続20年目の看護師の退職金の相場は、450~600万円ほどです。

勤続20年となると、新卒入社の場合でも40歳以上でベテランの域です。中途入社であれば、定年退職目前の50代の方もいるでしょう。

40~50代は子どもが大学に進学したり自身の老後の生活費の準備をしたりなど、お金が必要になる場面が多い時期です。定年退職を迎えるまえに退職してしまうと、自己都合退職となり退職金の金額が下がる可能性もあるので、就業規則を事前に確認しておきましょう。

また、退職金に勤続年数や貢献度、役職が反映されない医療機関では、勤続20年でも300万円ほどしか支給されない場合があります。十分な金額の退職金を受け取りたい方は、早い段階で勤続年数や貢献度、役職、基本給などが退職金に反映される医療機関へ転職しておくのがおすすめです。

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看護師の退職金は職場によって金額が異なる

看護師の退職金は、勤める職場によっても大きく金額が異なります。ここでは、国立病院・公立病院・私立病院の退職金の相場を紹介します。

国立病院

国立病院に勤務する看護師が、定年退職した場合の退職金の相場は1,800万円ほどです。役職に就いていた人は、2,000万円以上にもなるといわれています。

国立病院に勤める看護師の退職金が高い理由は、準公務員だった背景があります。

2015年4月以前は準公務員とみなされていたため、「国家公務員退職手当法」にもとづいて退職金が支給されていました。しかし、2015年4月に国立病院機構の独立行政法人化が施行。

給料や退職金の支払いについては公務員と同等の扱いを受けることはなくなりましたが、退職金の金額は以前と同程度の水準を維持しているといわれています。

そのため、国立病院に勤める看護師の退職金の相場はかなり高い金額となっているのです。

公立病院

公立病院に勤務する看護師の退職金の相場は、都道府県立で1,400万円、政令指定都市で1,900万円、市町村立で1,800万円ほどといわれています。

県立病院や市立病院に勤務する看護師は、地方公務員となります。そのため、退職金は「地方公務員法」にもとづいて支給されるのです。

退職金の金額は自治体(都道府県や市町村)によって異なりますが、ほかの医療機関よりも比較的高水準です。中でも政令指定都市の退職金は、約1,900万円と高くなっています。

私立病院

私立病院に勤務する看護師の退職金の相場は、およそ1,000~2,000万円ほどです。

私立病院の場合は運営状況や施設規模、運営方針によって大きな差があり、2,000万円ほど支給される病院もあれば1,000万円以下の病院もあります。名の知れた有名な大病院だったとしても赤字経営であれば退職金は低くなる場合も。

逆に、小規模でも黒字経営の病院であれば、高額な退職金が支給される可能性があります。そのため、退職金制度だけでなく、病院の経営についても調べておくと良いでしょう。

また、中には退職金を低く抑える代わりに、給与を高く設定している病院もあります。

公務員看護師の退職金

公務員看護師の退職金は、ほかの医療機関に比べて高い水準となっています。ここでは、国家公務員と地方公務員の退職金の算出方法について解説。また、国家公務員や地方公務員として働ける勤務先について紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

国家公務員の退職金

国家公務員の退職金は「国家公務員法」によって定められており、算出方法は以下のとおりです。

退職手当額 = 退職日の俸給月給 × 退職理由別・勤続年数別支給率

俸給月給とは、一般的な会社員における基本給のことです。俸給額は職種ごとに俸給表で算出されます。人事院の「令和2年国家公務員給与等実態調査の結果概要 」によると、看護師の平均俸給額は317,928円でした。

これは平均年齢47.3 歳の俸給額になるため、勤続年数が増える定年の60歳ではさらに高くなる可能性があります。なお、退職理由別・勤続年数別支給率は、「国家公務員退職手当支給率早見表」で確認可能です。

なお、国家公務員の看護師は官公庁に勤めます。勤務先には以下の医療機関があります。

・国立ハンセン病療養所
・医療刑務所
・自衛隊病院
・宮内庁病院
・厚生労働省(看護系技官)

国家公務員の看護師は刑務所や宮内庁など、一般的な医療機関とは異なる環境で働きます。厚生労働省では、看護系技官としてのデスクワークが主な仕事です。

■参照元
人事院
令和2年国家公務員給与等実態調査の結果概要

内閣官房
国家公務員退職手当支給率早見表

地方公務員の退職金

地方公務員の退職金は「地方公務員法」によって、国家公務員の制度等に準じると定められています。算出方法は以下のとおりです。

退職手当額 = 基本額 + 調整額
基本額 = 退職日給料月額 × 退職理由別・勤続年数別支給率

調整額 = 調整月額のうちその額が多いものから60月分の額を合計した数

地方公務員の退職理由別・勤続年数別支給率は総務省の「地方公務員の退職手当制度について」で確認可能です。算出方法は国家公務員と似ていますが、地方公務員の場合は調整額がプラスされます。

なお、地方公務員の看護師の勤務先は以下のどおりです。

・都道府県立または市町村立の病院、クリニック
・公立の看護学校
・公立の保育園や保育所、幼稚園
・各自治体の保健所や保健センター
・地域包括センター
・障害者福祉施設

病院やクリニックだけでなく、保育園や幼稚園、保健所、福祉施設など、さまざまな形態の勤務先があります。保健所や保健センターは、保健師が多く活躍している職場といえるでしょう。

■参照元
総務省
地方公務員の退職手当制度について

看護師の退職金の計算方法

退職金を計算している看護師

公務員以外の看護師の退職金の計算方法は、医療機関によってさまざまです。以下では、基本給ベース・勤続年数ベース・固定金ベース・功績倍率ベースの4つの計算方法について紹介します。

基本給ベース

退職時の基本給に勤続年数をかける、最もベーシックな退職金の計算方法です。

退職金 = 基本給 × 勤続年数

たとえば、退職時の基本給が20万円で勤続15年だった場合の退職金は300万円となります。手取り額ではなく基本給なので、残業代や夜勤手当が含まれた金額で計算をしないように注意しましょう。

勤続年数ベース

勤続年数ベースは、各医療機関が勤続年数によって退職金の金額を定める方法です。たとえば、勤続年数が5年以上で100万円、10年以上で200万円、20年以上で300万円というように定められています。

医療機関によって、勤続年数ごとの退職金の金額は異なります。勤続何年でいくらの退職金が支払われるかは、就業規則を確認しましょう。

なお、5年目に入ったら100万円支給されるのか、それとも5年間勤めあげたら100万円支給されるのかなど、どのタイミングで退職金が支払われるのかもチェックしておくと良いでしょう。

固定金ベース

医療機関が設定した固定金額に勤続年数を掛ける計算方法です。

退職金 = 固定金 × 勤続年数

たとえば、固定金が15万円で勤続15年の場合の退職金は225万円となります。あくまで固定金がベースとなるので、たとえ昇給したり役職に就いたりしても退職金には反映されません。

固定金の相場は15万円ほどで、中には10万円ほどの医療機関もあります。固定金が10万円の場合、勤続35年でも350万円です。固定金によっては、退職金が少ない場合があります。

なお、固定金が設定されていても勤続1年や2年では、退職金が支払われないことがほとんど。固定金ベースに限らず、退職金は勤続3年以上で支払われる場合が多いです。

功績倍率ベース

功績倍率ベースは、基本給に勤続年数と功績倍率を掛ける計算方法です。

退職金 = 基本給 × 勤続年数 × 功績倍率

功績倍率は職場への貢献度によって決まり、1が基準とされています。たとえば、医療機関から高評価を得て功績倍率が1.3だった場合は、基本給が20万円で勤続15年だと退職金は390万円です。

逆にマイナス評価で功績倍率が0.7だった場合は、同じ基本給と勤続年数でも、退職金は210万円となります。

医療機関からの評価によって金額が大きく変わるのが、功績倍率ベースで計算される退職金の特徴といえるでしょう。

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看護師が退職金を増やすには?

ここまで退職金の相場や計算方法について解説してきましたが、看護師が退職金を増やすにはどのようにしたら良いのでしょうか。以下では、退職金アップの可能性がある主な3つの方法を紹介します。

ポイント1.役職に就く

看護主任や看護師長、看護部長などの役職に就くことで、退職金の金額は上がる可能性があります。特に「基本給ベース」や「功績倍率ベース」の計算方法で退職金を算出している医療機関の場合は、役職に就くことで基本給が上がると退職金も増えるでしょう。

ポイント2.資格を取得する

「功績倍率ベース」の計算方法で退職金を算出している医療機関で、認定看護師や専門看護師などの資格を活かして働いている場合、評価が高くなり退職金が増える可能性があります。

また、助産師資格を取得して助産師として働いたり、保健師資格を取得して保健師として働くことで、基本給が上がり退職金アップにつながる場合も。保健師の場合は各自治体の保健所や保健センターに勤務することで、地方公務員として退職金が受け取れるので、大幅な退職金アップになるでしょう。

ポイント3.大手の医療機関に勤める

前述したように、国立病院や公立病院などの退職金は比較的高水準です。国立病院に勤める看護師は準公務員でなくなった2015年4月以降も、高い水準の退職金を支給されています。

また、公立病院は地方公務員となるため退職金は高めです。特に地方公務員は勤続年数によって支給額が異なるので、若いうちから定年まで勤めることで、多額の退職金を受け取れるでしょう。

そのほかの大手医療機関でも、2,000万円ほどの退職金が支給される場合があります。ただし、経営状況が良くなければ退職金は少ない可能性があるので注意が必要です。

退職金制度がない職場もある

退職金を支払うのは雇用側の義務ではありません。そのため、退職金制度がない医療機関もあります。

一般的に国公立病院や規模の大きな医療機関は、退職金制度が整っている傾向が高いです。しかし、個人経営の病院や小規模クリニック、介護施設などでは退職金制度がないことも珍しくありません。

退職金制度の有無は、就業規則や給与規定を確認することでわかります。もし、就業規則や給与規定に退職金に関する記載がなければ、退職金は無いと考えて良いでしょう。

なお、就職や転職をする場合は、就業規則や給与規定を見て退職金制度の有無を確認しておきましょう。

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