京都府では看護師の求人数が多く、さまざまな種類の施設形態の求人があります。
ただし、地域によって求人数や施設形態が大きく異なるため、エリアごとの特徴を押さえると希望の就業場所を探しやすくなります。
ここでは、京都府における看護師求人の特徴や看護師の平均給与について解説します。
再就職を希望している人や看護師を目指している人を支援する、京都府の制度も掲載しているため、京都府の看護師求人情報を求めている人はぜひ参考にしてください。
1. 京都府における看護師の求人状況と特徴
京都府における平成30年度の看護師・准看護師の有効求人倍率は下記の表の通りです。2021年10月時点における一般企業の有効求人倍率1.09倍と比較すると、看護師・准看護師の求人の割合は多いといえます。
また、京都府の看護師・准看護師の求人情報には次のような特徴があります。
●看護師・准看護師ともに需要が高く、求人数が豊富にある
京都府における2021年11月時点の病院・一般診療所の総数は、2,333施設です。
日本医師会が公表しているデータによれば、京都府の「人口10万人あたりの施設数」は84.29施設と、医療施設が豊富に設置されていることが分かります。
(出典:日本医師会・地域医療情報システム「地域別統計(京都府)」)
京都府全体として、医療施設数は減少傾向ですが、肛門外科・リハビリテーション科・腎臓内科などは2016年から2018年までの3年間で緩やかに増加しています。
(出典:京都府「京都府保健福祉統計 第6章 医療・介護(平成30年)」)
また、京都府から出されている看護師の求人情報には「未経験者歓迎」「ブランク不問」「他職種・他業種からの転職可」とする職場が多く見られます。そのため、看護師・准看護師としての実務経験がない人やブランクがあって復職を考えている人、他職種・他分野から転職を考えている人にとって、京都府は希望の勤務先を見つけやすい場所といえるでしょう。
●エリアによって看護師の求人数に大きな幅がある
京都府は、15市6郡10町1村からなる、南北に細長い形状の府です。地域によって人口・世帯数に大きな差があるため、看護師・准看護師の求人情報の傾向にも大きな幅があります。
たとえば、京都市内は総合病院や救急対応病院、リハビリテーション病院などの求人が多い傾向にあります。京都府の北部地域や南部地域では、特別養護老人ホームや訪問看護ステーション、地域密着型病院の求人が多いことが特徴です。
病院・一般診療所の数も、京都市は2018年10月時点で1,591施設と、京都府全体の約64%を占めています。
(出典:京都府「京都府保健福祉統計 第6章 医療・介護(平成30年)」)
また、京都府は1府5県に隣接しているため、他府県から勤務している看護師・准看護師も少なくありません。特に、京都市内は交通の便がよく通勤に便利であるため、看護師・准看護師の勤務地として人気のあるエリアです。
●教育体制が充実しており、パート・アルバイトからキャリアップを目指せる
2022年1月時点でマイナビ看護師に登録されている京都府の看護師パート求人数は540件、准看護師パート求人数は357件です。女性が働きやすい環境を整備している職場が多く、家庭の都合に合わせて柔軟に働き方を変えながら長く勤めることができます。
さらに、教育指導や研修制度、資格取得支援が充実している施設が複数あるため、パートやアルバイトで入職してから資格取得や正社員へのキャリアアップを目指すことも可能です。職場で経験を積みながら、認定看護師・専門看護師の取得を目指せる施設もあります。
2. 【京都府】看護師の平均給与
厚生労働省が発表している「令和元年賃金構造基本統計調査」によると、京都府で働く看護師・准看護師の給与は全国に比べて高水準です。全国平均よりも給与水準が高いことから、京都府における看護師・准看護師の需要が高いことが分かります。
資格手当や通勤手当、残業手当に限らず、看護師の場合は準夜手当・夜勤手当がつくため、求人情報を探す際は手当を含めた給与額を確認しておきましょう。
看護師・准看護師として働きながら資格取得を目指している場合は、研修費や出張費の支給があるかチェックすることをおすすめします。
ただし、賞与や手当の金額は就業先によって異なります。
必ずしも平均年収と同等の金額を得られるとは限らない点に注意しましょう。
3. 京都府が進める看護人材の支援・取り組み
京都府では看護師が学びやすく、働きやすい環境が整えられています。
たとえば、看護師不足の地域で働く意思のある看護学生に学費を補助したり、復職を考えている看護師の就業をサポートしたりする制度を用意しています。
ここからは、京都府が行っているさまざまな支援・取り組みの中から、「京都府看護師等修学資金貸付制度」と「看護職再就業支援講習標準プログラム」を紹介します。
3-1. 京都府看護師等修学資金貸付制度
「京都府看護師等修学資金貸付制度」は、看護師が不足している地域で働く意思のある学生に就学資金を貸し付ける制度です。京都府外の養成施設に通う学生も制度の対象となります。看護師の採用充足率の低い北部地域や、200床未満の病院・診療所・介護老人保健施設の看護師不足解消を目的としています。
制度の申請に通れば、1か月当たり15,000円~36,000円の修学資金を受け取ることができます。通学している間は、毎年申請することが可能です。
卒業後、指定の施設で一定期間勤務した場合は、修学資金を返納する必要はありません。
対象者 |
- 看護師養成施設の在学生で、京都府北部地域や200床未満の病院・診療所・介護施設に従事する意思のある人
|
補助金 |
- 国公立養成施設在学生
:看護師32,000円 :准看護師15,000円
- 私立養成施設在学生
:看護師36,000円 :准看護師21,000円
|
返納 |
免除対象施設に一定期間就業した場合は修学資金の返納が免除される
|
(出典:京都府「京都府看護師等修学資金貸付制度について」)
3-2. 看護職再就業支援講習標準プログラム
看護職再就業支援講習標準プログラムは、再就業を希望する看護師の不安軽減を目的に実施されている看護力再開発講習です。京都府の各地域にある病院や施設で、再就職に必要な知識・技術を修得できる講習会が開催されています。
病院・福祉施設など、就業希望先施設の特性に沿った講習内容を選択できます。
受講を希望する場合は京都府ナースセンターに申し込み、登録と受講を希望する施設を相談します。相談後、希望施設での受講可否が決定となります。
4. 【京都府】看護師の求人が多いエリア
ここからは、京都府内で看護師求人が多い3つのエリアの特徴を説明します。
京都府の中心として栄える京都市、観光地で有名な宇治市、京都の南西に位置する長岡京市における、それぞれの看護師求人の特徴を挙げています。
求人情報は地域ごとに特徴があるため、希望の就業先を見つける際の参考にしてください。
求人情報の特徴 |
京都市 |
- ・京都府内で最も求人件数が豊富
- ・有料老人ホーム・老健などの求人が多い
- ・残業が少なめの就業先が多い
|
宇治市 |
- ・地域密着型の病院から大規模病院までさまざまな求人がある
- ・高齢者施設や障害者施設の求人が多い
- ・正社員の求人が多い
|
長岡京市 |
- ・託児所完備や産休・育休実績ありの求人がある
- ・訪問看護ステーションの求人が多い
- ・年間休日が多めの求人が複数ある
|
木津川市 |
- ・訪問看護や介護施設、クリニック、保育園などの求人が多い
- ・「年間休日120以上」「残業10H以内」「残業なし」など、働きやすい環境が豊富
- ・正社員はもちろん、パート・アルバイト求人も多く働き方が選択可能
|
福知山市 |
- ・急性期病院から、クリニック、訪問看護、介護施設まで幅広いラインアップ
- ・常勤と非常勤が選択可能な求人が多く、働きやすい
- ・「マイカー通勤可(相談可)」の求人が多く通勤しやすい
|
京都市は、京都府の中でも求人件数が多いエリアです。有料老人ホーム・老健などの施設やクリニックからの求人が豊富にあります。救急対応病院のほか、急性期・回復期・慢性期・精神科など、特色のある病院からの求人も少なくありません。残業が少なめの職場が多いため、家庭と仕事を両立したい人に京都市はおすすめの地域です。
宇治市は、急性期から在宅療養までを支える地域に密着した病院や、グループ法人の福祉施設が多い地域です。正社員だけでなく、雇用形態が非常勤の求人も充実しています。日勤のみ・日祝休みの求人もあるため、宇治市では生活に合わせた柔軟な働き方ができるでしょう。
長岡京市では訪問看護ステーションの求人が多く、地域医療に興味がある人におすすめです。託児所完備や休日が多めの就業先があるため、小さな子どもがいる人やプライベートの時間をしっかり確保したい人には長岡京市が向いています。
まとめ
京都府は、看護師・准看護師の求人数が充実しているため、希望の職場を見つけやすい地域です。准看護師から看護師を目指すために勉強中の人や、ブランクがあって再就職を希望している人への支援制度もあります。
とはいえ、求人情報だけでは分からないことも多く、転職・復職時は不安に思うことも多いでしょう。
「マイナビ看護師」では、求職者様の希望に沿った就業先の紹介や面接のアドバイスといった無料転職サポートを無料で行っております。スムーズに転職活動を進めたいという人は、ぜひマイナビ看護師にご相談ください。
※当記事は2022年1月現在の情報を基に作成しています