当記事では、大分県の看護師の平均給与や求人の特徴、看護師・准看護師を支援する施策などを紹介します。大分県で看護師求人を探す際の参考にしてください。
1. 【2022年】大分県における看護師の有効求人倍率と求人市場の特徴は?
大分県における看護師・准看護師・一般企業の有効求人倍率は、下記のとおりです。
2018年現在の看護師数をみると、大分県内の人口10万人あたりの看護師数は1,276.2人で、全国10位の高い水準です。大分県の看護や介護における体制は、充実しているといえるでしょう。
(出典:大分県「看護師数(人口10万人あたり)」)
また、2021年11月時点の大分県における医療施設数は、下記のとおりです。
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医療施設数(大分県) |
人口10万人あたり |
病院 |
152 |
大分県:13.52 |
全国:6.49 |
一般診療所 |
806 |
大分県:71.72 |
全国:69.75 |
(出典:地域医療情報システム(日本医師会)「大分県」)
全国的に知られる雲仙岳や阿蘇山をはじめ、九州には17の活火山があり、そのうち3つが大分県に存在します。そのため、大分県は災害時の救急医療に力を入れています。
大分県保健医療計画では、看護職員や医療施設の充足などの目標を設定し、計画を立て、達成状況を評価しています。県内の22の病院に災害派遣医療チーム(DMAT)が設置され、うち14の病院は災害拠点病院に指定されていることからも、有事の備えにしっかりと取り組んでいることがうかがえます。(2016年時点)
(出典:大分県「(第7次)大分県医療計画について」)
2. 【2022年】大分県の看護師の平均年収は?
ここでは、大分県と全国における看護師関連職の平均給与を紹介します。
全国平均と比較すると、大分県の平均年収は全般的に少なめです。なお、隣接する福岡県・熊本県・宮崎県における看護師の平均年収は、次のようになっています。
・福岡県:約463万円
・熊本県:約424万円
・宮崎県:約455万円
(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」)
ただし、あくまで平均値であり、勤め先や勤務内容などによって差があります。求人を探すときには平均年収を意識しながら、勤務内容や条件などをしっかりチェックすることが大切です。
■全国と比べるとやや低い平均年収
大分県の看護師の平均年収は全国平均よりも少なめであるものの、超過労働時間数は全国平均と同等なため、仕事とプライベートの両立がしやすい環境といえるでしょう。平均年齢や勤続年数が全国平均よりも多いことからも、落ち着いて長く働ける職場が多いと考えられます。
(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」)
大分県の看護師求人は多種多様であり、残業が少ない病院、夜勤がない求人などさまざまなものがあります。そのため、希望条件にあった求人をみつけやすいでしょう。
3. 大分県で看護師の求人が多いエリアは?
大分県内で看護師の求人数がもっとも多いのは、県庁所在地である大分市です。次いで温泉地として名高い別府市、北部九州の中心地として栄えた日田市に多くの求人が見られます。
求人情報の特徴 |
大分市 |
- 正社員だけでなく、パート・アルバイトの求人も豊富にある
- 二交代制の求人が多く、残業が発生しにくい
- 住宅に関する支援が充実している
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別府市 |
- 高齢者施設からの求人が多い
- 徒歩10分以内の立地で、マイカー通勤可の求人がある
- 年収450万円以上を支給する施設もあり、高収入を目指せる
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日田市 |
- 病院や訪問看護など、さまざまな施設形態の求人がある
- 残業少なめ、日勤のみなど育児中の人にも働きやすい環境が整っている
- パート・アルバイトの求人が豊富にある
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上記の3市には大分県内にある病院の約6割が集中しているため、求人数が安定していることが特徴です。大分県には、もともと医療施設の数が少なく、求人が少ないエリアもあるため、県外からの就職・転職を検討する際には注意してください。
4. 大分県が進める看護人材の支援・取り組みは?
全国的にみても看護師の人数が充実している大分県では、さらなる看護人材の確保や支援のために、奨学金制度や就職相談などさまざまな取り組みを行っています。
ここでは、大分県が進めている取り組みについて具体的に紹介します。
4-1. 看護師等修学資金貸与
大分県では、地域による看護師の数の偏りや、病院整備で起こる看護師不足を解消するために、大分県立病院看護師修学資金被貸与を行っています。修学資金を貸与する人は面接による選考で決定されます。
看護師等修学資金貸与制度とは、保健師・助産師・看護師・准看護師を養成する学校で学ぶ学生に対して、修学資金を無利子で貸与する国の制度です。資金を提供するのは都道府県であり、学生は学校を通じて卒業後に働きたい都道府県に申請します。
貸与の種類および金額は下記のとおりです。(2021年3月時点)
対象者 |
- 看護職員を養成する学校(県内外問わず)に在学中かつ卒業後に大分県内の200床未満の病院で看護職員として就職希望の者
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貸与月額金 |
- 保健師・助産師・看護師(国公立):32,000円
- 保健師・助産師・看護師(民間立):36,000円
- 准看護師(国公立):15,000円
- 准看護師(民間立):21,000円
- 免許取得後大学院へと進んだ場合:83,000円
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(出典:「県外学生向け200226」)
次の要件をすべて満たす場合には、貸与を受けた修学資金の返済が免除されます。
・卒業後1年以内に看護師などの免許を取得
・免許取得後すぐに200床未満の病院などに勤務開始
・200床未満の病院などに5年間勤務
看護師免許を取得後、大分県で働きたいと考えている人は資料請求してみてはいかがでしょうか。
4-2. 大分県ナースセンター看護職員無料職業紹介所
大分県看護協会では、大分県知事の指定を受けた無料職業紹介所「大分県ナースセンター」を運営しています。ナースセンターの利用には会員登録が必要ですが、仕事探しをはじめとするさまざまな就業支援サービスを無料で受けられます。
看護師として求職しているときは看護職専門の就業相談員が対応し、経験や希望条件などに沿って就職をサポートします。フルタイムで働くのは難しい子育て世代や、定年退職後のプラチナ世代なども利用可能です。研修会や実習が無料で受けられるほか、看護職を離れてブランクがある人も復職しやすいサポートもあります。
(出典:公益社団法人 大分県看護協会「ナースセンターとは」)
4-3. 看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金
高齢化社会に対応するためには、在宅看護や訪問介護の充実も重要です。大分県は在宅・訪問看護を支援するために、初任者の訪問看護職員に対する研修補助事業や、在宅看護体制機能強化事業を行っています。
初任者の訪問看護職員に対する研修補助事業では、訪問看護師の実地訓練や最新機器の導入のために必要経費を補助しています。在宅看護体制機能強化事業は、在宅看護の看護師が特定行為を行うための研修受講推進支援です。
(出典:日本看護協会「看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金」)
5. 大分県の魅力・名所・生活環境
瀬戸内海に面し、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた大分県の人口は1,113,607人(2021年11月時点)で、県庁所在地は大分市です。
(出典:大分県「大分県の人口推計」)
別府温泉や由布院温泉など、大分県内16市町村に温泉が湧き出る源泉があり、源泉数・湧出量ともに日本一を誇る温泉地として有名です。また、地熱を利用した再生可能エネルギー自給率も日本一を誇ります。
大分県は温泉地としてだけでなく、工業都市としても有名です。鉄鋼・石油化学・非鉄金属など、さまざまな業種の工場が県内にバランスよく配置され、九州のなかでも製造品出荷額が高くなっています。
東九州自動車道や大分自動車道などの高速道路が整備され、県内はもちろん県外へのアクセスも良好です。東京からは新幹線利用で6時間30分ほど、飛行機利用なら1時間30分ほどでアクセスできます。
まとめ
大分県の人口10万人あたりの病院数は、全国平均の約2倍にあたります。日本一の温泉地であり、活火山に囲まれていることから、災害救急医療に力を入れているのが特徴です。看護師・准看護師の給与水準は全国平均よりも低めですが、実績やスキルによっては平均以上の給与を得られるでしょう。
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※当記事は2022年1月現在の情報を基に作成しています