高知県は、県民のための医療が充実している県です。人口10万人あたりで見た病院数と県内で働く看護師数は、いずれも全国1位となっています。
平均年収は全国平均と比べて低くなっていますが、実際には職場ごとに賃金差があるため就業先の選び方によって年収を上げられます。
「高知県看護師等養成奨学貸与制度」など、これから高知県で看護師として働きたい人のための支援施策も整備されています。この記事では、高知県における看護師の求人情報について詳しく解説します。看護師の平均給与や支援施策、求人が多いエリアの情報まで幅広く解説するため、高知県の看護師求人を探している人はぜひ参考にしてください。
1. 【2022年】高知県における看護師の有効求人倍率と求人市場の特徴は?
人口10万人あたりの病院数が多い高知県には、一定数の看護職求人があります。各医療施設では、看護職に携わる人の働きやすい職場づくりに取り組んでいるため、就業しやすい求人が多いことが特徴です。
より働きやすい職場を求めて高知県で看護師の仕事探しをしている人にとって、有効求人倍率はチェックしておきたいポイントとなります。有効求人倍率とは、求職者1人あたりの求人件数です。月間有効求人数を月間有効求職者数で割ると算出できます。
下記は、高知県における看護師と准看護師、一般企業の有効求人倍率をまとめた表です。
高知県では、一般企業よりも看護師のほうが有効求人倍率は高くなっています。看護師の有効求人倍率は一般企業の2倍以上であり、高知県の求人市場で看護師は転職しやすい傾向です。
高知県は、全国の中でも高齢者の人口割合が非常に高い特性があります。
(出典:高知県「高知県推計人口」)
そのため、介護施設などの求人数も少なくありません。今後は高齢者数の減少が予想されるものの、総人口も減るため高齢化は進む見込みです。ますます看護師の役割は重要となります。
■人口10万人あたりの病院数・病床数が全国1位
2021年11月1日時点の日本医師会のデータによると、高知県には病院が121施設、一般診療所は422施設あります。どちらも数だけで見ると特に多いわけでもありません。
(出典:日本医師会・地域医療情報システム「地域別統計(高知県)」)
しかし、2018年10月1日時点で、人口10万人あたりに換算した病院数は約17施設で全国1位となっています。さらに、病床数も10万人あたりで見ると全国1位です。
(出典:高知県健康政策部医療政策課「高知県の医療・介護の現状と今後の対応」)
高知県は病床数が多い一方、看護師数も全国最多となっています。就業先により異なるものの、一般的には看護師が患者一人ひとりに向きあいやすい就業環境です。
(出典:日本医師会・地域医療情報システム「地域別統計(高知県)」)
施設数や看護師数はエリアによって差があり、人口が最も集中している高知市をはじめ、南国市や土佐市といった中央医療圏に集中している状況です。対して、その周辺部では医療施設や看護師の数を十分に確保できず、医療過疎が起こっています。高知県の多くの市区町村を占める中山間地域では看護師が不足しており、需要は高い傾向です。
2.【2022年】高知県の看護師の平均年収は?
高知県で働く看護師と准看護師の平均年収について、同じ高知県内にある一般企業や全国の平均年収と比較しながら解説します。
下記は、高知県と全国それぞれにおける看護師関連職・一般企業の平均年収をまとめた表です。
高知県で働く看護師や助産師の平均年収は、給与所得者の平均年収を上回っています。一方で、全国の看護師や准看護師などの平均年収と比べると、高知県で働く看護師や准看護師のほうが低くなっています。
高知県の平均年収が低いことは、看護師のみならず一般企業も同じです。県内において看護師や准看護師の年収が、特に低いというわけではありません。
■高知県は全国平均に比べてやや低めの傾向
前述の通り、高知県の看護師の平均年収は全国的に見ると低い傾向ですが、これはあくまでも平均値の比較です。就業先や勤務条件などによって賞与や手当の内容が変わるため、働き方によって平均以上の年収を得られます。
たとえば、夜勤をして夜勤手当や残業手当をもらえれば年収を上げることは可能です。22時~5時の勤務は深夜割増賃金が適用され、通常の夜勤手当よりさらに割増となります。スキルアップをして専門看護師や認定看護師などの専門性の高い資格を取得すれば、資格手当が付くこともあるでしょう。
3. 高知県で看護師の求人が多いエリアは?
高知県の求人数で圧倒的に多いエリアは、医療機関が多く、県内の人口が集中している高知市です。高知県の看護師求人の半数以上を占めています。高知市と比べると少ないものの、南国市や宿毛市、土佐清水市、香南市にも募集はあります。
求人情報の特徴 |
高知市 |
- ・未経験者歓迎の施設が多く、これから就職する人も勤務先を見つけやすい
- ・残業少なめ、オンコールなしなど働きやすい環境が整っている
- ・研修制度が充実している求人がある
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南国市 |
- ・各種手当が充実した施設が多く、高給与を見込める
- ・病院、高齢者施設のほか、保育施設での勤務を募集する求人がある
- ・住宅関連の支援制度が充実した求人が多い
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4. 高知県が進める看護人材の支援・取り組みは?
高知県は日本で最も看護師数が多い県ですが、実際には地域差があり、エリアによっては看護師の数が足りていません。行政機関が連携をとりながら、より多くの看護人材を確保するためのさまざまな支援や取り組みを行っています。
ここでは、看護師を目指す人への就学支援金制度など、高知県が行っている主な2つの支援や取り組みについて紹介します。
4-1. 看護師等修学資金貸与事業
高知県看護師等養成奨学貸付金制度は、看護師を目指して養成施設などで学んでいる人を対象に奨学金を貸与する制度です。奨学金を借りられる対象者であれば支援を受けられます。
対象者 |
- 下記3つの要件をすべて満たすことが条件
- 【1】看護師などの養成施設に在学している
- 【2】卒業後は高知県内にある指定の医療機関や訪問看護ステーションなどで看護師または准看護師として働く意思がある
- 【3】勉学への熱意があり心身が健全である
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貸与月額 |
- 看護師(国公立):45,000円
- 看護師(私立の大学):54,000円
- 看護師(大学以外の私立):53,000円
- 准看護師(養成施設):30,000円
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(出典:高知県「看護師を目指す方への奨学金」)
奨学金は返済することが前提で貸与されますが、一定の条件を満たしていれば免除が認められます。免除を受けられる条件は、養成施設卒業後1年以内に看護師免許を取得することと、指定医療機関に看護師として従事した期間が貸与を受けた期間の1.5倍に達することです。
同制度を利用すれば、経済的に不安を感じている人でも看護師を目指せます。長期的に看護師として働くことを考えている場合は、奨学金を受けても返済不要です。卒業後の負担もなく安心です。
4-2. 高知県ナースセンター
高知県ナースセンターは、高知県から指定を受けた高知県看護協会が運営している機関です。看護師などの人材確保に向けた、さまざまな支援を行っています。たとえば、ハローワークと連携して取り組んでいる無料の職業紹介や進路相談、復職希望者などを対象とした研修会の実施なども取り組みの1つです。
ハローワークの移動相談なども行い、看護職の就業希望者をサポートしています。就業相談は看護職の相談員が行っていて、経験をもとにしたアドバイスやキャリアプランの実現も含めた専門的な相談支援を受けることも可能です。
(出典:高知県ナースセンター)
5. 高知県の魅力・名所・生活環境
太平洋と四国山地に挟まれた高知県は、豊かな自然と美しい景観に恵まれた県です。四国最長で、日本三大清流の1つともいわれる四万十川をはじめとした大小さまざまな河川や、桂浜・室戸岬といった有名な絶景スポットもあります。
高知県は歴史に名を残す数々の偉人を世に送り出していることでも知られていて、坂本龍馬や板垣退助など名だたる顔ぶれがそろう偉人の宝庫です。
2021年1月1日時点の高知県の推計人口は、688,583人です。そのうち最も人口が集まり、求人数も多いエリアが県庁所在地の高知市です。(出典:高知県「高知県推計人口」)
高知県内でも、特に高知市は働く人が住みやすい町となっています。高知市は保育園や幼稚園などの施設も充実していて、子育て中でも働きやすい環境が整っています。自然も豊かな県であるため、子どもにとってもよい環境です。
まとめ
高知県は人口に対する病院数が多く、看護環境が整備されている県です。さまざまな支援があるため、今後看護師として働きたい人も復職を考えている人も仕事に就きやすくなっています。特に高知市は求人数が多いため、子育てとの両立を考えている人でも働きやすいエリアです。
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※当記事は2022年1月現在の情報を基に作成しています