山形県は東北南部に位置する県です。病院数自体は多くはありませんが人口も少なく、人口あたりの施設数は全国平均と同程度となっています。そのため、看護師としての就職・転職がしやすい地域だといえるでしょう。また、医療従事者が不足しないように山形県独自の看護師支援施策も展開されています。
この記事では、山形県の看護師の平均給与から有効求人倍率、求人が多いエリアまで幅広く解説します。また、山形県独自の看護師支援策についても紹介するので、山形県で看護師として働きたい人、看護師求人を探している人は、ぜひ参考にしてください。
1. 【2022年】山形県における看護師の有効求人倍率と求人市場の特徴は?
山形県は東京都や大阪府などの大都市と比べると人口は少ないですが、求人自体は多くあり、就職や転職がしやすいエリアです。
山形県における看護師・准看護師・一般企業の有効求人倍率は、下記の通りです。
全国の有効求人倍率は看護師が2.63倍、准看護師1.47倍です。看護師については全国平均を少し下回っていますが、准看護師は全国平均を大幅に上回っています。そのため、山形県内では准看護師のほうが転職しやすい状況です。
また、山形県では一般企業の有効求人倍率も1倍を超えており、一般企業であっても比較的就職・転職しやすいエリアです。看護師や准看護師は、一般企業のおよそ2~3倍近くあるため、さらに転職しやすいといえます。
■山形県の医療施設や数は少ないが人口あたりの施設数は充実している
山形県の一般診療所数は726施設、病院数は67施設となっています。人口10万人あたりの施設数をみた場合、一般診療所は67.98施設、病院は6.27施設です。人口あたりの施設数の全国平均は一般診療所が69.75施設、病院数6.39施設であり、山形県の医療施設数は全国平均を下回っているものの人口あたりの施設数は同程度といえます。
(出典:日本医師会・地域医療情報システム「地域別統計(山形県)」)
全国平均と比べると一般診療所や病院数はやや少ない状況ではありますが、ほぼ全国平均と同レベルのため、人口あたりの施設数はある程度充実しており、求人数も豊富にあります。
山形県では一般診療所数は多めで、 地域住民を密接にかかわるクリニックが多い傾向です。そのため、地域密着型のクリニックで働きたい場合は転職しやすいでしょう。また、高齢化が進んでおり、将来的に在宅診療の需要が高まると予想されます。
2. 【2022年】山形県の看護師の平均年収は?
ここでは、山形県と全国における看護師関連職と給与所得者の平均給与を紹介します。
山形県における看護師関連職平均年収は、全国平均と比べると低めです。しかし、看護師や准看護師の場合、キャリアや夜勤の日数などによって年収は大きく異なります。そのため、
働き方次第で平均よりも高水準の年収を狙うことは可能です。
■山形県の看護師の年収はほぼ全国平均よりやや少ない
上記の通り、山形県の看護師の平均年収は全国平均よりも低いため、年収を重視する場合には物足りないケースもあるかもしれません。
ただし、年収はクリニックや病院などの施設形態によっても異なります。人手が不足しているようなクリニックだと、給与が高めに設定されているケースも珍しくありません。
3. 山形県で看護師の求人が多いエリアは?
山形県において求人が多いエリアの特徴を解説します。
求人情報の特徴 |
山形市 |
- ・大規模病院、ホスピス、訪問看護など幅広い求人がある
- ・ブランクのある人を歓迎している求人が多い
- ・正社員求人が多く、スキルアップを図れる
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米沢市 |
- ・地域に密着した病院からの求人が多い
- ・24時間託児所完備、キャリアアップ支援制度ありなど、サポートが充実した求人が多い
- ・賞与3.5か月分を支給する求人がある
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酒田市 |
- ・老人ホームや訪問看護をそろえたケアミックス病院がある
- ・年間休日120日以上など、働きやすい環境の求人が多い
- ・マイカー通勤可で通勤しやすい求人が豊富にある
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鶴岡市 |
- ・介護施設、地域密着、訪問看護、リハビリテーションなど幅広い求人がある
- ・多くがマイカー通勤可能で、ワークライフバランスを保てる求人が多い
- ・正社員求人が多く、安定的にキャリアを積める
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新庄市 |
- ・在宅医療、訪問看護など、地域に根ざした求人が多い
- ・訪問入浴やデイサービス求人、トラベルナース求人等が豊富
- ・「残業が10H以下」などプライベートとの両立が取りやすい
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山形県内で圧倒的に求人数が多いのは山形市です。一方、東村山郡や西村山郡、最上郡など求人0という地域もあるため、エリアによっては就職先がみつからない場合もあるでしょう。
就職しやすさを重視するのなら、求人が多い山形市がおすすめです。「マイナビ看護師」では、山形県の看護師求人を250件以上(山形市だけでも100件以上)掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
4. 山形県が進める看護人材の支援・取り組みは?
山形県は大都市と比べると人口自体は少ないです。しかし、高齢化が進んでいるという背景から、医療関係へのニーズが高まると予想されています。医師だけでなく、看護師や准看護師などが不足しないように、山形県ではさまざまな支援や取り組みがなされています。
ここでは、どのような支援策・取り組みが行われているのかを紹介します。
4-1. 看護師等修学資金貸与事業
山形県が行っている山形県看護職員就学資金貸与事業について、具体的な支援内容は下記の通りです。
こちらの修学金貸与は定員が80人までと決まっています。しかし、先着順ではなく書類審査により対象者が決められるため、期間内であれば急いで申し込みをする必要はありません。
山形県内の医療機関などに就職して、5年間または7年間継続して業務に従事した場合には就学資金の返還が免除されます。詳細な情報については山形県のホームページに記載されているため、確認してみましょう。
4-2. 山形方式・看護師等生涯サポートプログラム
山形県と医療機関が連携を取って行っているプログラムです。山形県では看護師需要が高く、その需要を埋めるために立案・実施されました。
山形方式・看護師等生涯サポートプログラムでは、各種セミナーやワークショップなどを定期的に開催しています。将来を担う子どもたちに看護師の魅力を伝えるという目的で開催され、看護師を目指す若者の創出に力を入れています。
また、看護師として就労した後は看護師OBとの交流会や相談窓口の設置などを行い、現役看護師の悩みや課題に寄り添う仕組みです。進路相談や求人、メンタルヘルスサポートなども行っており、県内就職率の向上や離職率の低下といった効果が表れています。
(出典:山形県「『山形方式・看護師等生涯サポートプログラム』(令和3年度))
4-3. 山形県看護師等キャリアアップ支援事業
山形県内で働く看護師のやりがいを醸成し、離職防止につなげるという目的でキャリアップの際に必要な一部経費を県が負担する支援事業です。看護師を県内に定着させるという目的もあります。
山形県看護師等キャリアアップ支援事業の具体的な支援内容は、下記の通りです。
対象となる資格・研修 |
- 日本看護協会が認定する認定看護師資格
- 日本精神科看護協会が認定する精神科認定看護師資格
- 保健師助産師看護師法第37条の2で定める特定行為の研修
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補助対象施設 |
- 病院
- 診療所
- 介護老人保健施設
- 訪問看護ステーション
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補助要件 |
資格取得後、対象施設に継続して3年勤務する |
補助対象経費 |
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基準額 |
2,000万円 |
(出典:山形県「令和3年度看護師等キャリアアップ支援事業について」)
5. 山形県の魅力・名所・生活環境
山形県の人口は、2021年12月現在で1,053,029人です。(出典:山形県「山形県の人口と世帯数(推計)」)
東北の南部に位置しており、県境の多くが日本海に面しています。東京からは新幹線で約3時間とアクセスも悪くありません。
山形県はさくらんぼの産地として知られており、全国生産量の約7割を山形県が占めています。ほかにも、ぶどうや桃など果物の生産地として有名です。
(出典:山形県「さくらんぼ」)
また、蔵王山や羽黒山などの山々、最上川などの河川があり、美しい景色や自然が楽しめます。蔵王温泉や天童温泉などの温泉地やスキー場も豊富にあり、冬場の観光客が多い点も特徴的です。ウィンタースポーツが好きな人は十分に楽しめる地域でしょう。
まとめ
山形県は、一般診療所や病院数は全国平均を下回っていますが、人口10万人あたりの施設・病院数は全国平均と同程度となっています。また、看護師の有効求人倍率も高く、就職や転職しやすいエリアだといえるでしょう。看護師の年収は全国平均と比較すると低めですが、超過労働時間は少なくプライベートを重視する人にとっては働きやすい環境です。
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※当記事は2022年1月現在の情報を基に作成しています