四国の東側に位置し、美しい自然に囲まれる徳島県は、「鳴門の渦潮」や「阿波おどり」など多くの観光資源を持つ県です。人口は少ないものの、その分人口10万人あたりの医療施設数や看護師数が充実しています。
また、看護師の平均年収は全国平均レベルで、四国地方ではもっとも高い水準となっています。
この記事では、徳島県の看護師や准看護師の平均給与、求人の多いエリア、県が取り組む看護人材への支援などを詳しく紹介します。徳島県で看護師求人を探す際の参考にしてください。
1. 【2022年】徳島県における看護師の有効求人倍率と求人市場の特徴は?
看護師・准看護師・一般企業について、徳島県における有効求人倍率は下記の通りです。
全国を対象としたデータでは、看護師の有効求人倍率は1.98倍です。全国と比較すると、徳島県の看護師有効求人倍率はやや低いものの、一般企業と比べると高い数値であり、看護師の求人が多いことが分かります。
また、准看護師の全国における有効求人倍率は1.58倍で、徳島県は全国平均よりもやや高めです。
■徳島県は人口10万人あたりの医療施設数が多い
徳島県の病院数は106施設、一般診療所は576施設です(2021年11月時点)。人口10万人あたりの施設数を全国と比較すると、次のようになります。
2021年12月現在の徳島県の人口は、およそ710,585人です。
(出典:徳島県「徳島県の人口(徳島県推計人口)」)
医療施設の数に対して人口が少ないため、人口10万人あたりの病院ならびに一般診療所の数は全国平均よりもかなり高い数値を示しています。医療施設数と人口の関係から、徳島県の医療体制は充実しているといえるでしょう。
2. 【2022年】徳島県の看護師の平均年収は?
徳島県の平均年収を全国平均と見比べてみると、看護師関連職と給与所得者では次のような違いがみられます。
看護師の平均給与は、全国平均と比べてやや高めです。2018年の看護師の平均年収は約458万円であり、2年で大幅に年収がアップしています。このことから、徳島県では看護師の待遇改善に力を入れていることが分かります。
(出典:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」)
■徳島県の看護師の年収は全国平均並
徳島県の看護師の平均月収は、ほぼ全国平均レベルとなっています。また、四国における看護師の平均年収は、徳島県:約504万円、香川県:約468万円、愛媛県:約444万円、高知県:約約441万円で、四国の中でも平均年収が高いという結果が出ています。
ただし、平均年齢や勤続年数は全国平均よりも高めです。長く働ける環境が整っていること、キャリア豊富な看護師が多いことなども、給与水準の高さに関係しているのかもしれません。
(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」)
なお、年収はあくまで平均値です。実際の年収は、それぞれの医療施設によっても変わります。より自分にあった求人を探すためには、マイナビ看護師を利用してみてください。
3. 徳島県で看護師の求人が多いエリアは?
徳島県の看護師求人がもっとも多いのが徳島市、次いで鳴門市となっています。それぞれの看護師求人の特徴は、下記の通りです。
求人情報の特徴 |
徳島市 |
- ・病院、施設、クリニックなど施設形態が幅広い
- ・県内トップクラスの給与を誇る求人がある
- ・「託児所あり」「産休・育休実績あり」など、育児中の人への支援が充実している
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鳴門市 |
- ・正社員だけでなく、契約社員、パート・アルバイトの求人もある
- ・夜勤手当、住宅手当、子ども手当など各種手当が充実している
- ・災害に特化した病院からの求人がある
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小松島市 |
- ・残業少なめ、夜勤なし、土日休みなど、働きやすい求人が多い
- ・マイカー通勤可能な求人がほとんど
- ・地域医療に貢献できるクリニックや施設が多い
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阿南市 |
- ・病院や訪問看護、デイサービスなど施設形態が幅広い
- ・マイカー通勤可能な求人がほとんど
- ・管理職候補の求人もある
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徳島市や鳴門市が含まれる東部医療圏には県内医療機関の約7割が集中しているため、必然的に看護師の求人数も多めです。一方で、南部医療圏の那賀郡や海部郡など、ほとんど求人がないエリアもみられます。
4. 徳島県が進める看護人材の支援・取り組みは?
徳島県は四国の中ではもっとも看護師の平均給与が高く、看護師の人数も充実している県です。看護師の人材確保や支援のために、県では看護学生に対する奨学金貸与や看護師の就職・復職についての相談対応などを行っています。
ここでは、それらの取り組みについて具体的に紹介します。
4-1. 看護師等修学資金貸与事業
保健師・助産師・看護師・准看護師を養成する学校に在籍または進学する学生は、看護師等修学資金貸与という制度を利用できます。
看護師等修学資金貸与の制度は各都道府県が運用しているため、それぞれによって条件や貸与月額が違います。徳島県の場合は下記の通りです。
対象者 |
- 【1】もしくは【2】の要件にあてはまる者
- 【1】県内外の看護職員養成所に在学している学生
- 【2】看護に関する修士課程に在学している学生
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貸与月額 |
- 看護師・保健師・助産師(国公立):32,000円
- 看護師・保健師・助産師(民間立):36,000円
- 准看護師(国公立):15,000円
- 准看護師(民間立):21,000円
- 修士課程(国内):83,000円
- 修士課程(海外):200,000円
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(出典:安心とくしま「徳島県看護師等修学資金貸付事業のご案内」)
原則として返還義務がありますが、次の条件を満たした場合は返還が免除されます。
・養成施設修学資金:卒業後1年以内に免許を取得し、徳島県内の施設(条件あり)において引き続き5年間勤務したとき
・修士課程修学資金:修士課程を修了した日から1年以内に、徳島県内の施設(条件あり)において引き続き5年間勤務したとき
徳島県で看護師や准看護士、保健師、助産師として働きたいと考えている人は、制度について調べてみてください。
4-2. 徳島県ナースセンターの設置
徳島県看護協会が県知事の指定を受けて運営する徳島県ナースセンターは、1993年に「看護師などの人材確保の促進に関する法律」に基づき設置された組織です。看護師などを対象とした無料の職業紹介や就業相談、看護業務から離れている有資格者を対象とした復職支援の研修などを行っています。
また、一般の人に看護師を知ってもらうための活動として、定期的に看護体験やイベントを開催しています。
(出典:公益社団法人 徳島県看護協会「ナースセンター」)
5. 徳島県の魅力・名所・生活環境
徳島県は四国の東側に位置する県で、人口は710,585人(2021年12月現在)、県庁所在地は徳島市です。
(出典:徳島県「徳島県の人口(徳島県推計人口))
徳島県といえば真っ先に「阿波おどり」が有名です。阿波おどりは約400年の歴史を持つ伝統芸能です。特に8月中旬に徳島市で行われる阿波おどりは知名度が高く、全国から大勢の踊り子や見物客が集まります。また、弘法大師ゆかりの四国八十八ヶ所お遍路巡りのスタート地点としても知られています。
県内各地で美しい自然を満喫できることも徳島県の特徴といえるでしょう。世界三大潮流の1つ「鳴門の渦潮」、うみがめの産卵地として知られる「大浜海岸」、国の天然記念物・名勝に指定されている岩肌の絶景「大歩危・小歩危(おおぼけこぼけ)」、日本三奇橋の1つに数えられる「祖谷のかずら橋」などは代表的な観光名所です。
1300年の伝統を誇る「阿波和紙」、江戸時代からの伝統産業「阿波藍染め」といった工芸品も見逃せません。グルメでは「徳島ラーメン」や「たらいうどん」などの麺類が有名で、「鳴門鯛」や「鳴門わかめ」などは全国的に知られる徳島県のブランド食材です。
まとめ
徳島県には、古くから地域医療を支える歴史ある病院が多くみられます。その一方で新しい病院もどんどん増えているため、看護師の求人も多めです。看護師の平均給与は全国平均レベルで、就業相談や再就職支援などの制度も充実しています。「託児所あり」「産休・育休あり」といった病院も多く、子育て世代の看護師にも働きやすい環境といえます。
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※当記事は2022年1月現在の情報を基に作成しています