看護師2年目転職すべきか迷ったら…転職2年目で多い転職理由とは?
入職して2年目となれば、仕事のやり方にも慣れて、少し余裕が出てくる頃です。1年前より周囲が見えるようになるため、職場に不満を感じる方も多いでしょう。すると、「もっと良い職場に転職したい…」と考える人も出てきます。
日本医療労働組合連合が2017年に実施した「看護職員の労働実態調査」によると、74.9%の看護師が「仕事を辞めたい」と思いながら働いていることがわかりました。20.9%の人に至っては、仕事を辞めたいと「いつも思う」と回答しています。
看護師全体でこのように感じているため、「転職したいけど、まだ2年目だから」などと考える必要はありません。この記事では、2年目看護師の転職理由や、2年目で転職したいと思ったときにすべきことを解説します。
1.2年目看護師の役割とは
看護師として働き始めて2年目となると、新人の頃よりできる業務が増えています。プリセプターに頼らなくて良い場面も増え、1年前より自信を持って仕事に臨めるようにもなっています。
ただ、2年目といってもまだまだ経験が浅く、看護技術は発展途上にあることも事実です。慌ただしい職場では2年目ということもあって質問しづらくなりますが、積極性を忘れてはいけません。
また、新人看護師から見れば2年目看護師は「先輩」と呼ばれる立場です。年齢が近いこともあり、頼られる機会も多くなります。自分が教える立場になることで、「教える難しさ」も感じ始めるでしょう。
2年目看護師は、周囲を見渡す余裕ができることも特徴です。仕事の面では落ち着いた対応ができるようになります。しかし、周囲が見えるからこその不満も感じやすくなります。
看護師としての成長度合いには個人差がありますが、2年目は職場に不満を持ち始めることで転職を考える人も多くなる頃なのです。
①看護師の離職率
看護師になって辞める人はどのくらいいるのでしょうか?次は、看護師の離職率をチェックしてみましょう。
公益社団法人 日本看護協会の「2020年 病院看護実態調査」によると、看護師の離職率は11.5%でした。多くの人から「辞める人が多い」とイメージされやすい職業ですが、思ったよりも少ないのではないでしょうか?
では、ほかの職業の離職率とも比較してみましょう。
厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」を見ると、大卒2年目の離職率は11.3%でした。わずかに看護師の方が高いものの、ほぼ変わらない結果といえます。
看護師はストレスが多い職業ともいわれますが、世間のイメージほど離職率は高くないのが実情です。
ちなみに、「2020年 病院看護実態調査」によると、新人看護師の離職率は8.6%でした。離職率は2年目以降の看護師の方が高いことがわかります。
離職率から見ても、2年目は新人の頃より不満を抱えやすいと考えられます。
②看護師の有効求人倍率
転職しやすさの目安となる看護師の有効求人倍率も見てみましょう。
eナースセンターの「令和元年度NCCS中央統計」によると、看護師の有効求人倍率は全国平均で265.12%(約2.65倍)でした。
では、一般職の有効求人倍率はどうでしょうか?
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「職業紹介-都道府県別有効求人倍率」によると、2021年2月の有効求人倍率は全国平均で1.09倍でした。
有効求人倍率を比較すると、看護師の転職しやすさがわかります。
また、同資料によると、一般職の有効求人倍率で最も高かったのは、福井県の1.55倍です。看護師の有効求人倍率の平均(約2.65倍)の方が高いのです。そのため、看護師はどの都道府県でも転職しやすい職業といえるでしょう。
なお、厚生労働省は、団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、看護師を含む看護職員が3~13万人不足するとの見通しを発表しています。
このことからも、看護師が転職しやすいことは将来的にも変わらないものと考えられます。
2.2年目で辞めたいと思った人の転職理由
仕事や職場の雰囲気にも慣れた2年目看護師は、これから本格的に戦力となっていく存在です。看護師を続けるうえで仕事量の多さや人間関係など、ストレスとなる要素はいろいろあります。では、看護師をされている方は、今後も同じ仕事を続けたいと思っているのでしょうか?
マイナビ看護師の「看護師白書 2020年度版」では、「今後も看護職を続けていく意思があるか?」について調査しています。「看護職として長く働き続けたい」と回答した人は44.6%でした。このことから、約半数以上の人は将来的には看護師を続ける可能性が低いことがわかります。
では、看護師を辞める人は、何が理由となって転職を決意するのでしょうか?2年目看護師でよくある転職理由は次の3つです。
2年目看護師の転職理由
・上司や先輩との人間関係
・待遇面の不満
・看護師に向いていないという不安
転職理由を詳しく解説します。
理由①上司や先輩との人間関係
まず、人間関係に悩んで転職する人が多くいます。人間関係の悩みでは、次のような例があります。
・インシデントを押し付けられる
・自分がいじめの対象になり、プリセプターに毎日怒られる
・緊急入院があるたびに上司がイライラしている
・報告が必要で話しかけているのに、きちんと対応してもらえない
看護師は人の命に関わる仕事のため、常にストレスのかかる環境にいます。だからといって、同僚に対して嫌なことをして良いわけではありません。
マイナビ看護師の「看護師白書 2020年度版」では、ハラスメントについても調査しています。「職場のハラスメント状況は?」との質問に、58.1%の人が「受けたことがある」と回答しています。
「ほかの職員が受けているのを見たことがある」と回答した人も15.2%いたため、人間関係に悩む人の多さがうかがえます。
2年目看護師は職場ではまだまだ弱い立場にいるため、人間関係に悩み始めると、「転職したい」と考える人は多いのです。
理由②待遇面の不満
給与の少なさを理由に転職する20代看護師も多くいます。
マイナビ看護師の「看護師白書 2020年度版」では、看護師の給与に対する満足度がわかります。
・とても満足している…4.9%
・満足している…12.8%
・どちらかといえば満足している…29.0%
・どちらかといえば満足していない…24.3%
・満足していない…16.4%
・まったく満足していない…12.6%
「満足している」人の合計よりも、「満足していない」人の合計の方が多い結果です。看護師は救急対応や夜勤など、ハードな仕事をこなす必要があります。しかし、半数以上の人は業務内容に見合った給与ではないと感じているようです。
また、勤務時間外に行われる勉強会や研修などに、手当が付かないことに不満を感じている看護師も多くいます。そのほか、看護記録など書類提出のために残業したにもかかわらず、サービス残業と扱われることに悩む看護師もいます。
入職して2年目となれば仕事に慣れてくる分、納得できない待遇にも目が向きやすくなるのでしょう。
理由③看護師に向いていないという不安
看護師は患者さんの命に関わる仕事をしているだけに、「またミスしたらどうしよう」と考えがちです。何度もミスを繰り返しているうちに、「自分に看護師は向いていないのでは…」と悩み始め、ほかの職業に転職する人もいます。
1年目であればプリセプターが付いているため、大きなミスは起こりにくいでしょう。しかし、2年目となればひとりでできる業務は増えるものの、ミスはすべて自分の責任です。
夜勤のある病院では、不規則な勤務で体調を崩す人もいます。体調を崩せば仕事はもちろん、私生活にも影響が出るため、「自分に続けられるのか」と不安な気持ちになるのは当然です。
このように「自分は看護師に向いていない」と判断して、辞める2年目看護師も多いのです。
3.2年目で転職したいと思った時にすべきこと。
看護師は売り手市場が続く職業ですが、すべての人が転職に成功するわけではありません。よく検討しないで転職すれば、再び辞めてしまうことも考えられます。
公益社団法人 日本看護協会の「2020年 病院看護実態調査」によれば、看護職経験者の離職率は16.4%と、正規雇用看護師の11.5%よりも高いことがわかっています。つまり、転職経験者は転職未経験者より辞めてしまう確率が高いのです。
そのため最後は、2年目看護師が「転職したいと思ったときにすべきこと」を5つご紹介します。
①心身の不調を感じた時はまずは職場に相談を
2年目となれば職場によってはプリセプターを任されることもあります。勉強会や研修でメインメンバーを任されるようになることも増えるでしょう。その結果、業務の負担が増えることで大きなストレスがかかり、心身の調子を崩す人も出てきます。
心や体に不調を感じ始めたら、まずは職場に相談することをおすすめします。
心や体に次のような症状が出ている場合は、とくに注意してください。
【心の症状】
・好きだったことが楽しめない
・不安感が強い
・意欲が低下する
・会話の内容が入ってこない
【体の症状】
・眠れない
・食欲がない
・動悸や息苦しさがある
・頭や肩、腰などに痛みを感じる
以上のような症状が出ている場合は、うつ病かもしれません。
早めに専門の医師に相談しましょう。
また、職場に相談するにしても、なかには聞き入れてもらえないケースもあるでしょう。パワハラ的な職場の場合は、相談ではなくすぐに転職活動を始めることをおすすめします。
②周りに相談する
転職を考え始めたら、まずは家族や先輩看護師など、信頼できる周囲の人に相談してみてください。
家族であれば、誰よりも親身になって話を聞いてくれるでしょう。人によっては、転職先が決まってから報告する場合もあります。しかし、逆の立場で何の相談もなしに転職されたら、驚くのではないでしょうか。そのため、転職を考え始めたら、まずは家族に相談することをおすすめします。
プリセプターを含め、職場に信頼できる先輩看護師がいれば、転職ではなく業務上の悩みとして相談してみましょう。
自分と同じような経験をしている先輩看護師なら、失敗談を交えながら相談に乗ってくれるかもしれません。先輩としても、後輩から相談されれば信頼されていると分かるため、悪い気がする人はいないでしょう。
ただし、先輩看護師に相談する場合は、仕事で悩んでいることが職場に広まる可能性があります。よって相談相手選びは慎重に行いましょう。
③転職の優先順位を考える
転職する前に、希望する条件の優先順位を考えることも重要です。
転職しようかと悩み始めると、多くの人は転職すればすべて解決すると思いがちです。しかし、それは間違いです。
今の職場を辞めたいと考えているときは、悪いところにしか目が向きません。そういったときは、「転職すること」が目的になってしまうため、理想とする職場は手に入らないでしょう。つまり、よく検討しないで転職先を選んでしまうということです。
そこで、どんな条件を優先して転職するかを考えましょう。たとえば、仕事自体は好きだけど不規則な勤務で体調を崩しやすいという人は、「夜勤なし」を最優先に転職先を探すのが良いでしょう。
自分がどのようなことに不満を感じていて、どういった環境が理想かを突き詰めて考えることが重要です。
④自身のアピール&ウィークポイントを明確にする
自分の強みと弱みの整理も、転職前にやっておくべきことです。2年目看護師には1年間働いた経験があります。
どんな業務にやりがいを感じたか、どういったことが得意だったかを紙に書き出してみてください。患者さんが回復していく様子にやりがいを感じた、高齢者と話をするのが得意だったなど、これまでを振り返りながら、整理してみましょう。
併せて苦手だったことや、嫌だったことも思い出してみてください。患者さんを看取るのがとくにつらかった、夜勤で体調を崩すことが多かったなど、それぞれ書き出してみましょう。
自分の強みと弱みが明確になれば、転職後に「向いていなかった」と感じる可能性を低くできます。
高齢者と関わるのが得意な場合は療養型病院や介護施設、看取るのがつらかったら回復期病棟など、働きやすい環境を見つけましょう。
⑤無料転職相談を利用する
無料の転職相談会を利用して、プロのキャリアアドバイザーに相談することもおすすめです。
マイナビ看護師でも、無料の個別転職相談会を行っています。プロのキャリアアドバイザーに直接会って相談できますし、電話やメールなどの遠隔サポートも実施しています。
もちろん、無理に転職先を紹介することもないため、はじめての方も安心です。
ひとりでは難しいキャリアの棚卸しや、転職理由の順位付けなど、経験豊富なキャリアアドバイザーがサポートしてくれます。
転職活動で必要な履歴書や職務経歴書の書き方も指導してくれるため、転職しようかお悩みの2年目看護師の方は、気軽に申し込んでみてください。
4.まとめ
転職したいと思っても、まずは客観的に自分を見つめ直して今後を考えることが重要です。2年目看護師に多い転職理由は、人間関係や待遇面の不満ですが、なかには看護師に向いていないと考えて転職する人もいます。
しかし、これらの理由で安易に転職先を決めてしまっては、また「職場が合わない」と感じて辞めてしまうかもしれません。それを防ぐには、転職前に自分の強みと弱みを明確にすることがポイントです。
ひとりで明確にするのが難しければ、マイナビ看護師の無料転職相談会を活用してみましょう。マイナビ看護師なら、転職のプロであるキャリアアドバイザーが、あなたの強みや弱みを明確にしてくれますし、実績やスキル・条件を考慮した無料転職サポートも実施しています。
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