看護師が転職しているのは何年目?転職活動をする上でベストな経験年数や時期
転職を考えている看護師さんにとって、転職するタイミングは大きな悩み事のひとつです。「勤続何年目に転職すればベストなの?」「3年目、4年目にはどんな違いがあるの?」など疑問に思ったことがある方は多いと思います。しかし、「〇年目の転職はまだ早い」「〇年目の転職がオススメ」などの情報を聞いても現場を知っているぶん鵜呑みにしていいものか、迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、転職時期ごとのメリット・デメリットや施設別の求人情報などをご紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
1.平均勤続年数は5年未満以下が約4割
日本医療労働連合会発行の「看護職員の労働実態調査『報告書』」によると、勤続年数について、「5年未満」以下と答えた看護師はおよそ4割にのぼることが明らかになっています。その背景には結婚や出産、育児などのライフイベントと仕事の両立が難しいことがうかがえます。看護師の労働環境は厳しく、体の不調を感じる方もいます。なかでも、常に疲れがとれない状態が続いていると感じる看護師が多いようです。
長時間勤務のほかにも、患者からのセクハラ、上司、医師からのパワハラなどの人間関係や残業代の未払い、夜勤のつらさ、休暇や休憩の取りづらさなど、看護師の仕事上の悩みは多岐にわたります。看護師は慢性的な人手不足に陥っている職種。そのため看護師一人あたりの負担が増え、労働環境の悪化につながっている実態がうかがえます。
2.経験3年目以内で転職をするメリットデメリット
一般的に、3年以内の転職はあまり好ましくないと考えられているようです。しかし、3年以内の転職にもメリットがあります。ここでは看護師が3年以内に転職するメリットとデメリットを見ていきましょう。
①3年目以内で転職するメリット
■今の職場では実現できないキャリアやスキルを手に入れることができる
現在の職場の業務内容が、将来目指すキャリアに直結しない場合は、キャリアを叶えられる職場へ転職することで理想のキャリアに近づくことができます。特に年齢が若ければ新しい環境にも適応しやすく、今までの仕事のやり方に固執せずに柔軟に対応できる可能性も高いでしょう。
■相場より年収が低い場合には年収アップが見込める
転職は大きく年収を上げられる機会のひとつ。経験年数が少ないために看護師全体の平均年収より低めになることはあるでしょう。しかし、同じ経験年数の平均年収よりも低く、年収アップを考えているのであれば、3年未満であっても転職を検討してもよいでしょう。
■激務の職場の場合、ワークライフバランスの取れた職場に転職することで心身の健康を保てる
看護師の仕事は激務であることがめずらしくありません。今、我慢して働いても一度体調を崩してしまい回復までに時間がかかった場合、長期的に見るとキャリアや生涯年収の観点で損失になることも考えられます。激務のあまり心身の健康に影響を及ぼしているのなら、転職を考えるのもひとつの手です。
②3年目以内で転職するデメリット
■チームリーダー・プリセプター未経験が経験不足とみなされることがある
実務経験が3年未満だと、リーダーや、後進の指導にあたるプリセプターをまだ経験していないことがあります。これらの業務経験がない場合、マネジメント能力や指導能力が十分でないとみなされ、転職先の選択肢が狭まることも考えられるため注意が必要です。
■奨学金を借りている場合、返金の必要が出てくるケースがある
看護師奨学金制度を利用している方が3年以内に離職する場合は注意が必要です。借入時に指定された勤務年数より早く離職してしまうと、奨学金を返金しなければならないことがあるからです。自身が借りている奨学金の条件を確認してから、転職するようにしましょう。
■給与に影響が出る可能性がある
看護師の給与は経験年数に影響されます。日本看護協会発表の「2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査報告書」によると、医療機関の9割以上が給与を決定する際に看護師としての経験年数を評価しているとのデータもあります。将来的な給与アップを考えると、3年以上の経験を積んでから転職するほうがよいといえそうです。
また、退職金は勤続年数が3年以上でないと支給されない医療機関が多いです。そのため、3年目で転職する場合はタイミングによっては今の勤務先で退職金を受け取れない可能性があります。
3.経験4年目以上で転職をするメリットデメリット
3年以内に転職するケースについてご紹介しましたが、では3年以上勤務してから転職するメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
①4年目以上で転職するメリット
■経験・スキル面から即戦力・管理職候補として評価される可能性がある
4年目以降になると、看護師としての基本的なスキルや経験は身についていると考えられます。そのため、即戦力の人材や管理職候補として評価され、キャリアアップにつながるでしょう。
■給与アップが見込める
4年目以降ではある程度の実務経験と能力があると評価されるため、給与アップが見込めます。また、退職金が支払われる場合もあります。
■転職先の選択肢の幅が広がる
3年以上勤めてからの転職は、3年未満での転職よりも転職先の選択肢が広がります。3年間きっちりと勤め上げることで、根気・継続力があると評価してもらえるため、急いで転職する必要がなければまずは3年間勤めてから転職するほうがよいといえるでしょう。
転職は今や一般的。しかし、3年未満での離職は「すぐに辞めてしまうのではないか」と採用側からネガティブにとらえられる可能性が高く、思い通りに転職活動が進まないケースもあります。
②3年目以上で転職するデメリット
■転職先で今までの経験・スキルが生かせないことがある
4年目以降だと、通常業務以外にもマネジメント業務や後進の指導(プリセプター)、看護研究、委員会への参加といった幅広い経験を積んでいることがほとんどです。いわゆる即戦力として転職先でも期待されることが多い一方、今まで重ねてきた経験やスキルが転職先とミスマッチしてしまうケースもあります。応募先の医療機関が求める条件とマッチしているか、応募前に確認することが大切です。
■結婚、出産、育児などのライフステージの変化で、思うような転職先が選べなくなる可能性がある
4年目以降はちょうど、結婚や出産、育児といったライフイベントと重なる時期です。そのため、看護師としての経験やスキルはあっても思うように転職先が選べないこともあります。転職を考える際には、在職中に結婚や出産などをしても仕事が続けられそうか、ライフステージが変化してもキャリアが積めるかなど、自身のキャリアプランを立てておくことが大切です。
4.施設の種類によって変わる求人倍率や求められる人材
看護師の転職において、経験年数ごとのメリット・デメリットのほかに押さえておきたいのが希望する転職先の施設の種類です。施設の種類によって、求人倍率や求められる人材が異なるからです。ひとくちに看護師を募集しているといっても、たとえば、企業(企業看護師)と病院(病棟看護師)では求人倍率に大きな差があります。
転職後に後悔しないために、イメージで転職先を決めないことも大切です。クリニックだからといって時間にゆとりをもって働けるとは限りません。また、美容クリニックなどではノルマ達成や高い接客力など、看護師本来のスキルとは異なるスキルが求められるケースもよくあります。このように、施設の種類や診療科によっても求められる人材は変わるため、どんな働き方がしたいか、どんなキャリアを築きたいか、転職先でそれらは叶えられそうかなど、よく考えることが後悔しない転職への近道です。
①施設別の求人倍率とは?
施設別の求人倍率とは、病院の病床数やデイサービスセンター(通所介護)、訪問看護ステーションといった施設の種類ごとにわけた求人倍率のことです。看護師は人手不足が叫ばれる職種のひとつですから、求人倍率も高く推移しています。全体として求人倍率は高めですが、施設の種類によって倍率にばらつきも見られます。
例えば日本看護協会「2019(令和元)年度 ナースセンター登録データに基づく 看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書」のデータを見てみましょう。施設全体の求人倍率は2.34倍ですが、施設ごとに見てみると「訪問看護ステーション」が3.10倍と、「病院(20〜199床)」1.99倍 、 「病院(200〜499床)」1.64倍よりも高くなっていることがわかります。
②施設別の有効求人倍率と自身の経験年数も検討の上、転職すべきか決めましょう
看護師が転職を考える際には、転職先の条件だけでなく、自身の経験年数と施設別の求人倍率の2つもあわせて考慮に入れる必要があります。せっかく転職したいと思っても、経験年数が少ないことで転職先の選択の幅が狭まったり、転職したい施設の求人倍率が低く希望する転職先が決まらなかったりすることがあるためです。
転職はタイミングが重要なポイントのひとつです。ベストなタイミングで希望の転職を叶えられるよう、転職までに得たいスキルを積む方法を考えたり、希望する施設の求人倍率の動向を定期的にチェックしたりするなど、すぐに転職をしなくても今から準備を始めておくとよいでしょう。
5.転職サポートを受けながら転職すべきか考えよう
転職活動は、応募先を探したり応募書類をまとめたり、採用のために応募先とやりとりをしたりと、仕事と並行して進めることが大変なこともあります。また、初めての転職の場合には何から始めたらよいのか迷うケースもあります。そうした場合には、「マイナビ看護師」など転職サポートを受けられる看護師向けの転職サイトの利用がおすすめです。
転職サイトを利用しての転職活動は、看護師の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーからのアドバイスや応募書類の添削、条件にマッチする医療機関の紹介など、さまざまな転職サポートが受けられます。面接の日程や各種交渉なども代行してくれるため、忙しい仕事の合間をぬって応募先とやりとりする手間もありません。
①転職サポートとは?
一般の転職サイトや求人広告は、企業(病院)への自己応募になりますが、マイナビ看護師などの転職サポートは、求職者と希望先の病院の間に入り、内定を得るまであらゆるサポートを行うことが特徴です。その人にぴったりの求人(非公開求人含む)を紹介してくれるので、自分一人で転職活動をするよりも多くの求人に出会えます。また、先述した通りキャリアアドバイザーによるキャリアプランの検討や応募書類の添削、面接対策などのキャリアコンサルティングのほか、面接日程の調整代行、退職交渉についてのアドバイス、給与福利厚生・入社日の交渉などもしてくれます。
②無料で転職相談ができる!
マイナビ看護師などの転職サポートの利用は無料です。また、今後のキャリアや今転職すべきかといった相談にも無料で乗ってくれます。看護業界に精通したキャリアアドバイザーが親身に話を聞き、今後のキャリアプランの相談、スキルの棚卸し、希望条件の優先順位付けなどを無料で行ってくれます。客観的な視点からさまざまなアドバイスをしてくれるので、自分のことを見つめ直すきっかけにもなるでしょう。
③マイナビ看護師の場合は、実際転職しなくても、相談するだけでも可!
「マイナビ看護師」の利用は少し敷居が高く感じられる、という方はいらっしゃるかもしれません。しかし、転職への決意が固まっていない場合や実際に転職しなくても利用可能です。まずは相談するだけでもOKです。また、求人情報や業界動向などの情報を収集するための利用や、経験年数・スキルといった視点から現在の職場が自分に合っているのか、適正年収なのか判断するための利用方法で活用することもできます。
6.まとめ
ここでは、経験年数別の転職事情や施設別の求人倍率、マイナビ看護師をはじめとする看護師向け転職サイトの活用方法についてご紹介しました。転職する理由は人によってさまざまですが、経験3年目以内で転職をする場合と経験4年目以上で転職をする場合とでは、メリットデメリットが違ってきます。また、医療施設形態ごとに特徴や求める人材も違うので転職活動の際は注意が必要です。
転職で悩んだら日本最大級の転職サイト「マイナビ看護師」を頼ってください。日本全国、さまざまなエリアの求人情報を掲載しており、産休・有給の取得実績のほか、院内の雰囲気や看護師長のお人柄など、詳細な情報もご紹介しています。また、看護業界に精通しているプロのキャリアアドバイザーによる無料転職サポートも受けることができるのも特徴です。一人ひとりに合わせて親身に対応してくれるので、転職を希望する際は、マイナビ看護師をぜひご利用ください。
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