看護師の働き方 平成30年間でどう変わった? 第6回 | 看護師の求人・転職情報はマイナビ看護師日本最大級の看護師転職サービス

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vol.25

看護師の働き方 平成30年間でどう変わった?

第6回 チーム医療の中で看護師はどう振る舞う?【看護師のポジション・後編】

【 「看護師の働き方 平成30年間でどう変わった?」 全8 タイトル一覧】

第1回 看護師のニーズはとどまるところを知らない【キャリア・前編】
2 看護師資格の急増とキャリアプランの変化【キャリア・後編】
第3回 看護師の待遇とワークライフバランス【職場環境・前編】
第4回 潜在看護師の「浮上」に期待【職場環境・後編】
5 看護師=女性の時代は終わった【ポジジョン・前編】
第6回 チーム医療の中で看護師はどう振る舞う?【ポジション・後編】
7 地域包括ケアシステムと看護師の役割【医療システム・前編】
8 令和時代の看護師に求められることは?【医療システム・後編】

まずはクイズに挑戦!

1.医療パターナリズムを超えてチーム医療が定着

1-1.パターナリズムの弊害

今でこそ「チーム医療」は一般的になっていますが、わが国の医療においては長い間、医師を頂点としたパターナリズム(家父長主義)が当たり前だと考えられてきました。つまり、知識や技術に優れる医師が、そうではない他の医療従事者や患者さんに対して「保護」を与える代わりに「従属」を求めるというものです。こうした体制の下では、看護師は自身の専門性に基づいたケアがしにくくなりますし、患者さんもインフォームドコンセントどころではありません。

1-2.「コメディカル」の一般化

ちなみに、医師以外の医療従事者は、かつてはパラメディカル(para medicalと呼ばれていました。“para-”は「補足的な」「従属する」という意味の接頭辞であり、医療現場における医師を頂点としたピラミッド構造の表れとも考えられます。しかし、医師のみならずすべての医療スタッフによる連携の重要性が浸透したことにより、“co-”(協同)を接頭辞としたコメディカル(co-medical)という呼称が提唱され、一般化するに至っています。ただし、そもそもすべての医療従事者は対等な関係で、職種の違いは役割の違いにすぎないという前提に立てば、医師とそれ以外を分けて呼称すること自体がナンセンスなのかもしれません。

1-3.「チーム医療」の定義

「チーム医療」とは具体的にどのような医療のあり方を指すのかについては、様々な議論が展開されてきました。明確な定義が打ち出されたのはわずか9年ほど前の、2010年(平成22年)の「チーム医療の推進に関する検討会報告書」(厚生労働省)においてでした。同報告書では「チーム医療とは、『医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること』と一般的に理解されている」と述べられています。

1-4.看護師の役割の拡大

看護師も高度な専門性を備えた医療チームの一員です。チーム医療においては「患者さんの最も身近(ベッドサイドなど)にいる」という他の医療従事者にはない立ち位置を生かして、主体的・能動的な貢献が求められます2003年(平成15年)の「新たな看護のあり方に関する検討会報告書」(厚生労働省)では、「療養生活の支援については、看護師等が、知識・技能を高め、医師等との適切な連携のもとに、その専門性、自律性を発揮し、患者の生活の質の向上に資する的確な看護判断を行い、適切な看護技術を提供していくことが求められている」と記されています。医師とは別の視点から看護師が行う診断(看護診断)やアセスメントが注目されるようになったのも、こうした流れがあったためです。

また、同検討会の「中間まとめ」(2002年/平成14年)では、看護師が行う静脈注射を「診療の補助」に含めるよう提言され、同年、そのように行政解釈が変更されました(従来は、薬剤の血管注入により身体に及ぼす影響が甚大であること、技術的に困難であることを理由として、看護師等の業務範囲を超えているとの行政解釈が示されてきました)。本シリーズ第2回で紹介したように、認定看護師/専門看護師制度や特定行為研修制度等の看護師の資格制度が増加していますが、このように看護師の業務範囲が拡大した要因の一つにチーム医療の定着があったことは確かでしょう。

2.多職種による専門医療チームの誕生

2-1.栄養サポートチーム(NST)

チーム医療といえば、広く臨床で活躍するようになった多職種チームのことも忘れてはなりません。その代表となるのは、やはり栄養サポートチーム(NSTでしょう。職種の壁にとらわれず、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリテーションスタッフらがチームを組み、病棟を回診するなどして患者さんの栄養管理に当たっています。このように、院内の各部署からメンバーを集め、目的を持ったチーム活動はpotluck party method(持ち寄りパーティー方式)と呼ばれ、欧米を中心に拡大してきたものです。

2-2.potluck party method

わが国で初めてpotluck party methodによる全科型NSTが結成されたのは1998年(平成10年)のことで、以降急速に全国へ広がっていきました。2010年(平成22年)に診療報酬で栄養サポートチーム加算が新設されたことも大きな後押しとなりました。その他にも、感染対策チーム、褥瘡管理チーム、摂食・嚥下サポートチーム、緩和ケアチームといった多職種チームが活動するようになり、それぞれで看護師が大きな役割を果たしています。

2-3.これからのチーム医療

看護師は、前述のように常に患者さんのそばでケアをする立場にあり、他の医療従事者に比べて人数も多いので、メンバー間の橋渡し役として「チーム医療の要」となることが期待されています。実際、病棟と多職種チームをつないで機能させるリンクナースの役割を担う看護師もいます。このように臨床で看護師の存在感が大きくなった背景には、チーム医療の一般化があると言えるでしょう。

なお、これまでのチーム医療といえばひとつの医療施設内における連携を指すことが一般的でしたが、今後は違います。地域医療の重要性が増す「令和」の時代は、訪問看護ステーションや調剤薬局、往診医など、医療施設の枠組みを超えた連携が期待されます。自施設外の医療従事者と協働する機会も増え、「チーム医療」のあり方も変化していくのではないでしょうか。

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【監修者プロフィール】
木村憲洋(きむら・のりひろ)
高崎健康福祉大学 健康福祉学部 医療福祉情報学科 准教授

1971年、栃木県足利市生まれ。武蔵工業大学工学部機械工学科卒業後、神尾記念病院、医療法人杏林会・今井病院を経て、現職。著書に『医療費のしくみ』『病院のしくみ』『薬局のしくみ』(いずれも日本実業出版社)などがある。

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