看護師の働き方 平成30年間でどう変わった? 第7回 | 看護師の求人・転職情報はマイナビ看護師日本最大級の看護師転職サービス

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vol.26

看護師の働き方 平成30年間でどう変わった?

第7回 地域包括ケアシステムと看護師の役割【医療システム・前編】

平成時代30年あまりを通して、看護師の働き方はどのように変化してきたのでしょうか。シリーズ「看護師の働き方 平成30年間でどう変わった?」では全8回にわたり、平成年間の看護師を取り巻く環境の変化を振り返ります。新たな「令和」時代がスタートする節目において過去に学び、現状をとらえ、来るべき将来に思いを馳せてみませんか?

まずはクイズに挑戦!

1.地域包括ケアシステム

1-1.「地域包括ケア」概念の誕生

地域包括ケアは、いわゆる「2025年問題」を解決するために構想された最近の考え方だと思われがちです。しかし、地域包括ケアの概念が誕生したのは意外にも平成時代よりも前の昭和時代、1980年代ごろのことでした。広島県御調町(現・尾道市)にある公立みつぎ総合病院の山口昇医師が、医療を一般家庭へ届ける「出前サービス」など、地域で寝たきりゼロをめざした先進的な取り組みを始めました。すなわち、わが国における地域包括ケアの草分け的な活動だったのです。

1-2.ゴールドプラン

こうした地方での局地的な活動が全国規模の大きな動きとなったのは、1989年(平成元年)の「高齢者保健福祉推進十か年戦略」(いわゆる「ゴールドプラン」)策定以降だといえるでしょう。ホームヘルパーの大増員や寝たきり老人ゼロ作戦を中心とした方針が掲げられ、各地で在宅医療・介護体制の整備が進められるようになりました。こうした流れを受けて、2000年(平成12年)には介護保険法の施行、そして「ゴールドプラン21」がスタート。しかし、単純に医療と看護を連携させるだけでは、認知症を伴う要介護高齢者を支えていくことは難しいことが次第に分かってきました。

1-3.医療介護総合確保推進法

そこで高齢者介護研究会(厚生労働省老健局長の私的研究会)が2003年(平成15年)に発表したのが「2015年の高齢者介護――高齢者の宣言を支えるケアの確立に向けて」という報告書です。ここでは医療・介護・生活支援など各機能が連携することの重要性が説かれました。この点は以降の各種研究でも重視され、2014年(平成26年)に施行された「医療介護総合確保推進法」などにつながっていきます。同法では、医療と介護を同格のものとして扱い、両者の有機的な連携を推進することが企図されています。その結果、現在のような地域包括ケアシステムが確立されていったのです。

1-4.看護師の役割

こうした流れの中で、看護師はチーム医療のキーパーソンと位置付けられ、病院内のみならず地域において多職種をつなぐ役割も期待されるようになりました。このことは診療報酬改定にも明確に表れているといえます。特に2014年度(平成26年度)の改定以降、7対1病床を大幅に削減して、地域包括ケア病棟や在宅医療へシフトする方向性が強まりました。病院看護師であっても、患者さんの入院中のことだけを考えればよいのではなく、「自宅に戻ったらどうなる?」「どうすれば自宅に戻れる?」という視点が求められるようになったのです。

2.訪問看護師への期待

2-1.訪問看護師のニーズ拡大

在宅医療が一般化した現在では、人工呼吸器を装着している患者さんやがん終末期の患者さんなど、医療依存度が高い人も地域で生活することが増えています。そこで重要になってくるのが、訪問看護ステーションや訪問看護師の存在です。

■訪問看護ステーション数の推移

※1993年~1999年:訪問看護実態調査(厚生労働省統計情報部)/2000年~2013年:介護サービス施設・事業所調査(厚生労働省統計情報部)

(公益社団法人日本看護協会・他「訪問看護アクションプラン25」をもとに作成)

訪問看護ステーションやそこで従事する看護職員の数は、横ばいの状態が長く続いた後、平成24年(2012年)から再び増加しています。しかし、地域による偏在や、事業所そのものが小規模であることが多いといった理由から、急速に高まるニーズに対応しきれていないのが現状です。「訪問看護アクションプラン2025」(日本看護協会・他)によれば、2013年(平成25年)時点において、訪問看護ステーションに従事する看護職員は4万1000人程度でした。しかし、自宅で最期を迎える人の割合を現状の12.5%から30%(オランダやフランスなどと同程度)まで引き上げるためには、約15万人の訪問看護師(病院などで訪問看護に従事する看護職員を含む)が必要になるということです。

■訪問看護ステーションの従事者数の推移

※1999年:訪問看護実態調査(厚生労働省統計情報部)/2000年~2013年:介護サービス施設・事業所調査(厚生労働省統計情報部)

(公益社団法人日本看護協会・他「訪問看護アクションプラン25」をもとに作成)

訪問看護師の数を増やすためには、新卒看護師や潜在看護師を含めた多様な人材の受け入れが欠かせません。従来は「訪問看護は病院などで経験を積んでから転職するもの」という認識が一般的でしたが、現在では新卒者を受け入れて教育を施そうとする、積極的な事業所が増えています。また、育児中の看護師の再就職先としても検討してもらえるよう、「オンコールなし」「週に数回だけ訪問」といった働き方を用意するなど、労働環境を改善する流れも強まっています。

2-2.訪問看護事業所の機能拡大

さらに、訪問看護事業所そのものについて、機能を拡大していく動きもあります。そのひとつが、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)の拡充です。これまではバラバラだった「通い」「泊まり」「訪問(看護・介護)」のサービスを一元的に担うことで、利用者や家族のニーズに柔軟に対応できると期待されています。2012年(平成24年)度の診療報酬改定で新設されて以来、徐々にその数を増やし、2017年(平成29年)3月末時点で全国に357もの事業所が開設されています(参照データ<1>参照)。

訪問看護は、患者さんの生活の場に入って24時間365日ケアを提供するという重要な役割を担うものです。地域包括ケアシステムにおける看護の拠点として、元号が令和時代もその存在感は増していくばかりでしょう。

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【監修者プロフィール】
木村憲洋(きむら・のりひろ)
高崎健康福祉大学 健康福祉学部 医療福祉情報学科 准教授

1971年、栃木県足利市生まれ。武蔵工業大学工学部機械工学科卒業後、神尾記念病院、医療法人杏林会・今井病院を経て、現職。著書に『医療費のしくみ』『病院のしくみ』『薬局のしくみ』(いずれも日本実業出版社)などがある。

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