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判断ミスで患者さんが生命の危機に!看護師を辞めたほうがいいのかも……

vol.10 おりんのお悩み相談室

判断ミスで患者さんが生命の危機に!看護師を辞めたほうがいいのかも……

2019.10.25 2022.09.28
お悩み相談 vol.10
判断ミスで患者さんが生命の危機に!
(42歳・女性・救急病院勤務)
おりんのアドバイス
大切なことは“失敗”とどう向き合うか

「先輩看護師や師長は、失敗したことがないから、私たちの気持ちなんてわからないよね」
な~んて、思っている後輩看護師のみなさん、それは大きな間違いです。
今は失敗しなそうに見える先輩も、 『看護師を辞めよう』と思うような失敗を多かれ少なかれ経験しているものです。現在、看護師長としてバリバリ活躍しているC子さん(52歳)も、そんな経験をしたひとりです。

それはC子さん(当時42歳の中堅看護師)が
亜急性期病院から救急病院へ転職して、初めての夜勤の日に起きました。

夕食時、下肢の蜂窩織炎(ほうかしきえん)で入院している患者Aさんの家族から、看護師C子さんに「(Aさんの)体調が悪い」と、訴えがありました。訪室するとAさんは倦怠感の症状が表れ、熱発(ねっぱつ)し、胸をさすっていました。しかし、Cさんは申し送りで、Aさんが入浴していたことを聞いていたため、その疲労感だと思い、とくに処置をせず、様子を見ることにしました。しばらくすると、再度Aさんの家族から「(Aさんの)呼吸がつらそうで、徐々に悪くなっているようだ」と訴えがあったので、酸素飽和度を測定し、酸素投与して主治医に連絡を取ることに。

その直後に事態は急変――。Aさんの症状が急激に悪化したのです。

すぐに病棟回診中の循環器内科医師により、救命処置がとられました。医師の診断は『急性肺塞栓症』。緊急カテーテル治療を行うこととなり、ようやく一命を取り留めました。
目の前で一瞬にして病状が悪化したことにより、家族は激しく動揺。『あの看護師に言ったはずなのに、なんで?』という思いが強く、体調不良から急変時までの経過をすぐに受け入れらません。

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判断ミスを後悔、自己嫌悪の日々

C子さんは、自分を責めました。
「蜂窩織炎による下肢の感染症から血栓を生じ、肺塞栓を合併することを予測できなかったこと。対応が遅れ、患者さんが呼吸困難を起こし、生命の危機状態に合わせたこと。自分の知識不足と安易な判断ミスにすべての要因があり、中堅看護師として自分が恥ずかしい」

きちんと医師に報告して処置が施されたのだから、C子さんの行動に問題はないというとらえかたもできるでしょう。しかし、C子さんは この日のできごとを“大失敗”だったと話し、こう振り返ります。
「保守的な視点で考えると、とくに問題は無いととらえることもできるでしょう。しかし、もっと症状アセスメントが的確で、素早く対応していれば、重篤化せずスムーズに治療が受けられ、患者さんもご家族も苦しまずにすんだとも考えられます」

夜勤明け自宅に戻ったあと、強烈に落ち込んだC子さん。その日から、病院に行くのがいやになり、退職まで考えました。

「ほかの看護師より経験があったから余計に自分が情けないと思い、病院へ向かう足が重たく感じました。立ち直るにも時間がかかりました」

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“失敗”と向き合うことが“成長”のカギ

そんなC子さんを支えたのは、 “看護師仲間”でした。
「自宅で落ち込んでいると、夜勤のときに一緒だった若い看護師スタッフのふたりから、励ましのメールが届いて、ほんとにうれしかった。数日後には、私を励ますために女子会を企画してくれて 『一緒に乗り切りましょう』といってくれたの。その言葉が心に響いて、 このまま逃げたらいけないと反省し、この事例にきちんと向き合って前に進もうと強く思ったんです

その後C子さんは、Aさんが退院するまで看護ケアに率先して介入。再入院の際は、担当病棟ではなくても必ず病室を訪ねて挨拶に出向きました。
1年後、Aさんと家族が『あのときは看護師さんも大変だったね』といってくれた日に、ようやく自分を許せたC子さん。
「自分の失敗にどう向き合うべきかを学んだ貴重な体験談でした」

現在は看護師長として、部下のミスや失敗をフォローする側になったC子さんですが、過去にはこうした失敗を経験したそうです。

失敗をしない人なんていません。こうした失敗をいくつも経験して今があるのです。おりんも同じように沢山の失敗を経験しました。ですから、失敗して落ち込んだとき「師長や先輩に、私の気持ちなんてわかるはずない!」と、 心を閉ざしてしまうのではなく、経験豊富な先輩や同僚に自分の気持ちを素直に話してみてはどうでしょう? 仲間のおかげでC子さんが辞めなかったように、気持ちを支えてくれる人などが見つかれば、きっと問題解決の糸口が見えるはずです。

“失敗”や“ミス”をしたときのおりんの処方箋です――

おりんの処方箋
  • 1 失敗に対して言い訳をしない
  • 2 失敗と向き合う勇気を持とう
  • 3 失敗の中にある課題を見つける

『看護師を辞めたい』と思うような失敗をしたとき、落ち込むのは簡単です。しかし、ただ落ち込むだけでは、何も生まれません。

自分の行動を振り返り、 言い訳をせず失敗の原因や問題点を考え、 自分の課題を見つけてみましょう。 向き合うことはとても勇気がいることですが、 必ずあなたを大きく成長させてくれるはずです。



(編集部からのコメント)
おりんさんの『失敗への処方箋』いかがでしたか?現場で大失敗をして「もうムリ!」と落ち込んだり、自暴自棄になったりしたら、処方箋を使ってみてください。看護に対する考え方や向き合い方が変わるはずです。それでも心が折れそうになったら「マイナビ看護師」のキャリアアドバイザー(CA)に相談してみるのもいいかもしれません。本音でとことん話せるCAが、悩める看護師さんの気持ちを元気に前向きにしてくれるはずです。

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行徳倫子(ぎょうとく りんこ)
行徳倫子(ぎょうとく りんこ)

佐賀女子短期大学付属看護学校を卒業後、33年間看護師として民間病院や公的病院での一般急性期の医療に携わり、看護実践や教育・看護管理などの経験を培う。豊富な経験を活かした講演会やセミナーは悩める看護師たちに高く評価されている。現在は、医療法人鵬志会 別府病院にて看護部長として勤務中。

この記事を書いた人

行徳倫子(ぎょうとくりんこ)

佐賀女子短期大学付属看護学校を卒業後、33年間看護師として民間病院や公的病院での一般急性期の医療に携わり、看護実践や教育・看護管理などの経験を培う。豊富な経験を活かした講演会やセミナーは悩める看護師たちに高く評価されている。現在は、医療法人鵬志会 別府病院にて看護部長として勤務中。

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