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vol.4 看護師の年収調査

看護師の年収は大卒ではいくら?調査結果を詳しく解説!

2021.04.01 2022.09.28

専門職として需要の高い看護師。他の職業と比べて、平均的な年収も高い傾向があります。とはいえ、学歴によって年収に差があり、同じ看護師であっても大卒と専門校卒では受け取れる金額が異なるケースがみられます。今回は、調査結果にもとづき、大卒の看護師が受け取る平均年収額や、勤務地域・病院規模による年収の差などを詳しく解説します。

看護師の初任給ってどれくらい? 最新データでチェック!

「学歴による看護師の初任給の差」について紹介する前に、初任給の定義について再確認しておきましょう。厚生労働省が報告する「賃金構造基本統計調査結果(初任給)」では、初任給を次のように定義しています。

本調査の初任給は、通常の所定労働時間、日数を勤務した新規学卒者の6月分所定内給与額(所定内労働時間に対して支払われる賃金であって、基本給のほか諸手当が含まれているが、超過労働給与額は含まれていない。)から通勤手当を除いたものである。

引用:厚生労働省「賃金構造基本統計調査結果(初任給)」より

つまり、その年の3月に、学校教育法に基づく高校や高専、短大、大学を卒業した人や、大学院修士課程を修了し修士号を取得した新卒者が、契約内容に基づいた時間と日数を勤務したことに対して支払われる、6月分の賃金が「初任給」となります。この賃金には、基本給やその他の諸手当が含まれますが、残業などの超過労働給与額と交通手当は含まれません。また、初任給には、夜勤手当が含まれる場合もありますが、新卒の場合は、新人教育などの進行度に応じて夜勤が数カ月免除されることも少なくありません。そのため、大卒看護師の初任給は、日勤のみの計算で支払われる賃金ととらえておくとよいでしょう。

専門卒と大卒の平均初任給を比較

日本看護協会が行った「病院看護実態調査(2019年)」の結果によると、2020年度採用の新卒看護師に設定されていた予定初任給は以下の通りです。「平均税込給与総額」とは、税金や通勤手当、住宅手当、家族手当、夜勤手当、当直手当等を含み、時間外勤務の手当てを除いたものを指します。また、夜勤をした場合には、該当月に三交代で夜勤を8回(二交代らなら夜勤4回)行ったと想定しています。

専門卒と大卒の平均初任給を比較
平均基本給与額 平均税込給与総額
高卒+3 年課程新卒、単身・民間アパート居住 201,263 円 264,307 円
大卒、単身・民間アパート居住 207,856 円 272,018 円

予定初任給の時点で、すでに専門卒と大卒の間には平均基本給与額で6,593円、平均税込給与総額では7,711円の差があります。各施設の賞与額にも違いがみられますが、年収に換算すると、専門卒の看護師と大卒では92,532円の差が生じることになります。

ちなみに2020年には、看護師の初任給平均額が専門卒、大卒ともに2年ぶりの増加となりました。具体的には、大卒看護師の初任給は平均基本給与額で1,248円、平均税込給与総額では637円、前年度よりも増加しています。なお、大卒看護師の初任給は、年度ごとに若干の増減はあるものの、全体としては増加していく傾向がみられます。

看護系大学大学院卒の平均初任給

同調査によると、同じく2020年度採用となった看護系大学大学院卒の新卒看護師がもらえる予定初任給(単身・民間アパート居住)は、平均基本給与額が 211,814円、平均税込給与総額が 277,472 円となっています。これを専門卒と比較すると、平均基本給与額では10,551円、平均税込給与総額では13,165円ほど高い数字。一般大卒と比べても、平均基本給与額では3,958円、平均税込給与総額では5,454円高くなっています。

このことからも、学歴が高くなることに比例して、初任給も高くなる傾向は明らかで、専門看護師や認定看護師といった有資格者には、手当が加算される施設もあります。

病院の施設主体や規模によっても違いがある?

看護師の初任給は、学歴だけでなく施設規模によっても異なります。ここでは、初任給が高い傾向にある施設や病院規模と初任給の関係について紹介しましょう。

大卒看護師の初任給が高い設置主体ベスト5

「病院看護実態調査(2019年)」によると、大卒の初任給が高い設置主体ベスト5は以下のとおりです。なお、このランキングでは平均基本給与額に着目して順位付けしています。

大卒看護師の初任給が高い設置主体ベスト5
設置主体 平均基本給与額(円) 平均税込給与総額(円)
1位 社会保険関係団体 224,948円 288,626円
2位 日本赤十字社 221,960円 281,997円
3位 公立 214,656円 273,981円
4位 私立学校法人 213,833円 287,688円
5位 会社 213,726円 265,024円

国立病院に勤務すると年収が高くなる、というイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、国立病院は5位圏外。1位の社会保険関係団体には、健康保険組合およびその連合会、共済組合、国民健康保険組合などがあり、それぞれの団体が経営する病院施設などが含まれます。2位の日本赤十字社は、福利厚生が充実していることも初任給の高さに影響を与えていると推察されます。続く3位の公立病院は、公務員として採用されるため、景気や病院の経営状況の影響を受けにくいという特徴もあります。

病院の規模と初任給の関係

続いて、病床規模による違いを見てみましょう。「病院看護実態調査(2019年)」では、病床数別の初任給(大卒)について以下のように報告されています。

病院の規模と初任給の関係
平均基本給与額 平均税込給与総額
99 床以下 204,144円 268,687円
100~199 205,866円 270,809円
200~299 208,298円 270,189円
300~399  210,926円 276,099円
400~499  211,880円 273,551円
500床以上 215,193円 279,936円

病床数の多い病院(施設)ほど収入が高い傾向にありますが、大規模な施設には労働組合が設置されているケースが多く、その活動も活発。そうした点が、看護師をはじめとする労働者の賃金、労働条件の改善に影響を与えていると推察することができます。

加えて、大規模な病院では「福利厚生も充実しているケースが多い」ということも、覚えておくとよいでしょう。特に女性にとっては、妊娠・出産などのライフイベントを考慮した職場選びが大切。職場復帰や子育てと仕事の両立、キャリアプランなどを考えた場合、福利厚生の充実した環境を見つけることが、収入の安定につながるでしょう。

地域による違いは?

同じ大卒の看護師であっても、施設のある地域によって初任給にも差があることがわかりましたが、地域による初任給の違いについてもみていきましょう。

大卒看護師の初任給が高い都道府県ベスト5

「病院看護実態調査(2019年)」によると、大卒の初任給が高い都道府県は以下のような順位に。なお、こちらも設置主体ランキングと同様に、平均基本給与額に着目して順位付けしています。

大卒看護師の初任給が高い都道府県ベスト5
県名 平均基本給与額 平均税込給与総額
1位 愛知県 217,189 円 288,002円
2位 埼玉県 216,763 円 285,737円
3位 神奈川県 216,718 円 290,213円
4位 滋賀県 215,867円 284,367円
5位 千葉県 214,765 円 295,595円

表にはベスト5しか記載されていませんが、最下位となったのは宮城県で、平均基本給与額は195,846円、平均税込給与総額は248,713円でした。この数字を1位の愛知県と比較すると、平均基本給与額で21,343円、平均税込給与総額では39,289円もの差があることがわかります。

一概にはいえませんが、大卒看護師の初任給が高い地域では、教育体制やキャリア支援などの面で、「働きやすい施設が多い」という可能性が考えられます。その理由は? 看護師が集まりやすく、人材が安定していれば、病院も効率よく運営できるため、それが初任給の高さに反映されていると考えられるからです。

地域ごとの傾向

大卒看護師の初任給の差をエリア別にみてみると、首都圏をはじめ東海地方、関西地方で高い傾向にあります。つまり、大卒看護師の初任給は、「大規模病院のある都市部において高い傾向がある」と理解しておくとよいでしょう。

25歳と35歳の平均年収はどれくらい差がある?

大卒看護師は、専門学校卒と比べて初任給が高い傾向にあることは、すでに説明したとおり。では、勤続年数による違いはあるのでしょうか。その点についても、厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査(2019年)」を参考にまとめてみました。

勤続5年目と勤続10年目の年収を比較

まずは、勤続5年目と勤続10年目の女性看護師の年収を比較し、5年間でどれほど年収がアップするのかについて紹介しましょう。

【男性・年齢別】平均手取り額
所定内給与額 年収
勤続5年目(25歳から29歳) 290,100円 4,276,200円
勤続10年目(35歳から39歳)

298,300円

4,311,000円

勤続5年目に該当する25歳から29歳の女性看護師の所定内給与額は290,100円、勤続10年目に該当する35歳から39歳にでは298,300円でした。所定内給与額のみでも8,200円上昇していることが分かります。年収で比較すると5年目では4,276,200円で、10年目では4,311,000円。つまり、5年目から10年目までの5年間で34,800円昇給していることになります。

年代による年収の変化

看護師の平均年収は20代前半が高くても、その後、伸び悩む場合があります。女性の場合、結婚・妊娠・出産・育児などを機に、キャリアが中断されてしまうケースも多く、その点が影響しているのでしょう。

看護師は再就職しやすい職種

看護師は、国家資格を所有する専門職であり、他の職種と比べて再就職しやすい職業だといえます。また、ライフスタイルに合わせて、勤務形態を変えながらキャリアを継続することも可能で、大規模病院のシフト勤務から、日勤のみのクリニックに転職したり、地域に根付いた訪問看護ステーションで働いたりする選択肢もあります。

ライフイベントなどによってキャリアを一度中断しても、働くことのできる施設や働き方の選択肢は多いので、復職や転職を考える際には、自分にとって最適な施設や働き方を検討してみるとよいでしょう。

自分の年収を見直してみよう!

ここまで、大卒の看護師の年収について多角的な視点で紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。もし、現在の勤務先において、「専門卒との基本給の差がない」と感じている人がいたら、転職を考えてみるのも一つの方法です。大卒の看護師として納得のいく収入となるように、これからの働き方をしっかりと見直してみてください。

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この記事を書いた人

ブルーナ明子(ぶるーなあきこ)
ライター(元看護師・助産師)

助産師と看護師の臨床経験と知識、育児経験を活かし、医療・ヘルスケア・育児分野のライターとして活躍中。修士論文では、母親の背景と楽しく育児をするための関連因子を分析。現在、この結果を社会に生かす方法を模索中。

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