
看護師の最適な転職時期は? タイミングの見極め方を徹底解説!
転職を考えたときには、できるだけ転職が成功しやすい時期を選びたいものです。一般企業では転職適期がありますが、看護師はどうでしょうか。今回は、看護師が転職を成功させるための「狙い目となる時期」について詳しく解説します。スムーズな転職となるよう、タイミングを見極めてみましょう。
(目次)
看護師の求人動向にはどんな特徴がある?
一般企業では、教育コストを抑えることを目的に、例年4月からの採用を目指しているため、2月から3月にかけての求人が増える傾向にあります。また、中途採用の場合には、10月の採用を目指して、8月から9月にかけての求人が増えます。しかし、これはあくまでも一般企業の傾向。看護師の場合は少し状況が異なります。ここからは、看護師が転職を考える際の「最適なタイミング」について、求人動向の特徴から考えてみましょう。
看護師の求人が増加する時期、減る時期
看護師の求人は、1月および6月から7月にかけて増加傾向にあるとされています。その理由のひとつとしてあげられるのが、「ボーナスを受け取ってから退職する方が多い」ということ。そうした人員を補充するために、求人が増えやすいのです。
一方、求人が少ない傾向にあるのは4月、12月です。4月は、どの施設においても新卒の入職者が増えるため、人員が不足するケースはそれほど多くありません。また、12月は年末年始の長期休暇を控えていることに加えて、業界全体が繁忙期で申し送りなどの余裕がないことから、求人が減る傾向にあります。
即戦力を求めた求人が多い時期
人員の状況とは別に、即戦力を求めて募集をかける時期もあります。施設によって傾向は異なりますが、人員強化の大量採用を行うケースが多くみられるのは9月。臨床経験が豊富で、即戦力になれるスキルがあるなら、9月はスムーズな転職を目指すための“絶好の時期”だといえそうです。
看護師が転職時期を見極めるポイント
転職を成功させるには、なんといっても最適な時期を見極めることが大切です。転職時期を誤ってしまうと、「現職でのボーナスを受け取れなかった」「転職先への入職後に適切な教育を受けられなかった」などの失敗につながる可能性もあるのでご注意を。焦りすぎることなく、各月の求人動向やボーナスの支払時期、一般的な施設の年間スケジュールなどを加味しながら、しっかりと時期を見極めましょう。以下に、月ごとの具体的なチェックポイントをまとめておくので、そちらも参考にしてみてください。
1月および6~7月:求人が豊富な時期を狙う
前述したように、看護師の退職は“ボーナスの支払いを受けた後”に増える傾向にあり、退職者の人員を補うケースが多い1月および6月から7月にかけては求人が増えます。そのため、「多くの選択肢から自分に合った職場を見つけたい」という方には、絶好の転職時期となるでしょう。特に、年始にあたる1月は、転職活動を行う人が少ないために競争率も低め。転職を成功させるには、狙い目の時期です。
ただし、現職でのボーナスを受けとるためには、支払日に施設に在籍していることが鉄則。「タイミングを誤ったせいで、ボーナスを受け取れなかった」という事態を避けるためにも、事前にボーナスの支給日、要件などを確認してから、転職時期を決めるようにしてください。
4月、8月、12月を除き、入職時に十分な教育を受けられる時期を狙う
看護師としての臨床経験が豊富でも、転職先ですぐに業務に慣れるのは難しいもの。業務遂行の方法は施設によって異なるため、まずは、それぞれに合ったやり方を学び、覚える必要があります。業務上のトラブルを回避し、転職先で円滑に勤務するためには、「十分に教育を受けられない時期」を避けるのがよいでしょう。
たとえば4月。新卒者の教育が行われているため、即戦力が期待される中途採用者まで教育の手が回らないことが考えられます。また、8月や12月は、スタッフが休暇を取得する時期のため、現場は人手に余裕がありません。このあたりでの転職は、できるだけ避けるのが賢明です。
落ち着いて入職したいなら2月が狙い目
2月は、職員の採用や退職が少ないため、採用担当者の業務が比較的落ち着いている傾向に。そのため、この時期の転職は「採用担当者にじっくり向き合ってもらえる可能性が高い」と考えられます。求人数は少ないかもしれませんが、「落ち着いて転職活動を進めたい」という方は、2月の転職を目指して計画を立ててみてはいかがでしょうか。
臨床経験や希望する施設に応じて転職時期を決める
看護師の転職においては、「自身の臨床経験をより生かせるタイミング」や、「希望する施設ごとの最適なタイミング」にも気を配りたいもの。ここでは、転職の理由や希望する施設ごとに、おすすめ転職時期をご紹介しましょう。
個人クリニックへの転職を目指す場合
規模の大きい施設では、定期的に大量採用予定の募集が行われる傾向にありますが、規模の小さい個人クリニックや医院などの施設では、欠員が生じた場合にのみ求人を出すケースがほとんど。そのため、個人クリニックや医院への転職を目指す場合は、こまめに求人情報を確認し、募集のタイミングに合わせて転職を考えることになります。特に、新生活がはじまる4月から5月にかけて、あるいは9月から10月にかけては、個人クリニックでも募集の可能性が高まります。チャンスを見極めながら、上手に転職活動を進めましょう。
総合病院・大学病院への転職を目指す場合
総合病院や大学病院への入職を希望する場合には、余裕をもって転職準備を進めることが大切です。4月の入職を目指す場合には、前年度の5月ごろから転職活動をはじめ、夏までには内定をもらえるように進めるとよいでしょう。また、年度途中の入職を目指す場合には、夏のボーナス後や冬のボーナス後の求人を見込んで、秋から冬の募集に向けた転職活動を行うのがおすすめ。いずれにしても、できる限り早い段階で情報収集を行い、余裕のある計画を立てておくことが、成功のポイントといえます。
臨床経験の長さに合わせて考える
スキルアップやキャリアパスを考えた転職を目指す場合には、自身の臨床経験を考慮したうえで、転職時期を決めることも大切です。特に、臨床経験が3年未満での転職は、「すぐに退職してしまうのではないか」という不安を抱かれたり、「基礎的な看護技術や知識が不足しているかもしれない」と思われたりする可能性もあります。教育体制や研修制度、サポート体制をこまめにチェックするのはもちろんのこと、希望する転職先の求人動向に応じて活動時期を決めるとよいでしょう。
訪問看護師への転職を目指す場合
在宅医療への需要が高まる現在、訪問看護師への転職も選択肢の一つでしょう。以前は、「訪問看護師は、臨床経験が10年ほどないと難しい」といわれていましたが、需要の高まりとともに、臨床経験の少ない看護師の育成に力を入れる事業所も増えています。また、訪問看護師の勤務先には、訪問看護ステーション、病院、クリニック(診療所)などがあり、勤務形態もさまざま。自分の希望に沿った働き方を選びやすい仕事ともいえます。
なお、臨床経験が少ないものの、訪問看護師への転職を目指すという場合には、転職先の勤務形態だけでなく、入職後に受けることのできる教育制度やサポート体制についても、事前に確認しておくと安心です。医療需要のピークといわれる2025年には、2016年の約2.5倍に当たる12万人の訪問看護師が必要になるといわれているので、こまめに情報を確認しながら、転職のチャンスを見極めましょう。
コロナ禍での転職はどうなる?
新型コロナウイルスの感染拡大は、病院の経営状況にも影響を与えています。一般社団法人日本病院会、一般社団法人日本医療法人協会、公益社団法人全日本病院協会が合同で実施した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査(2020年度第2四半期)」によると、新型コロナウイルス感染患者の受け入れの有無に関わらず、多くの施設が前年度同期の医業利益を下回り、赤字となっているのが現状。2020年9月には、若干の回復傾向も見られましたが、患者さん側の受診控えが継続していることもあり、今後の見通しも不透明です。
その一方で、医療現場では看護師の需要がさらに高まっており、多くの病院や施設で看護師の確保に手を尽くしています。慢性的な人手不足に加えて、施設によってはコロナへの対応もあるため、転職を考える際には、どのような環境で働くことになるのかもしっかり確認し、適切なタイミングを考えるようにしましょう。
十分に情報収集して転職の適期を見極めよう
情報収集が不十分なままで転職を進めてしまうと、期待とは異なる環境でストレスが溜まったり、早期離職につながってしまったりする可能性があります。まずは、転職先候補の情報をしっかり確認し、転職のメリットを最大限に得られる時期・タイミングを見極めるようにしてください。
「自分一人で、最適な転職時期を見極めるのは難しい」と感じたら、転職エージェントに相談するのもひとつの方法です。看護師専門のエージェントなら、それぞれの希望や将来の展望にあった転職先や時期を決めるためのサポートも充実しており、“頼れる味方”になってくれるはず。看護師の転職先選びや転職時期に悩んだときは、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
文:ブルーナ明子 元看護師・助産師
\ご希望に合った求人を紹介します/
「事前に職場の雰囲気を知りたい」「求人票に書いてないような情報を知りたい」……そんなときは、看護師転職のプロ「マイナビ看護師のキャリアアドバイザー」にお任せください。すべて無料であなたにピッタリの職場を探すお手伝いをさせていただきます。まずはお問い合わせください!
[参考・文献]
J-STAGE鈴木惠子他-研究報告-再就業看護師の「再就業前の予想と現実との負の不一致」と「再就業の満足感」の関連
マイナビAGENT 転職のベストなタイミングは?年齢別、退職の流れなど
日本看護協会 都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査 統計表
日本看護協会 「都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」
一般社団法人日本病院会他 新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査(2020年度第2四半期)
株式会社マイナビ マイナビ看護師 訪問看護師まるわかりガイド
一般社団法人 全国訪問看護事業協会 平成30年度 訪問看護講師人材 養成研修会
関連記事はこちら
Related article
-
看護師が夏に転職するメリットとは?注意点や流れを解説!
ヘッドラインニュース2022.12.07
-
看護師が冬に転職するメリットと心得、注意点を解説!
ヘッドラインニュース2022.09.29
-
20代看護師はいつ転職すべき?転職理由・転職活動をする上でのポイント
キャリアアップの強化書2022.09.29
-
30代看護師はいつ転職すべき?転職理由・転職活動をする上でのポイント
キャリアアップの強化書2022.09.29
-
40代看護師はいつ転職すべき?転職理由・転職活動をする上でのポイント
キャリアアップの強化書2022.09.29
-
50代看護師はいつ転職すべき?転職理由・転職活動をする上でのポイント
キャリアアップの強化書2022.09.29
人気記事ランキング
Ranking
新着・注目のコンテンツ
New arrival・Featured
-
看護師のタイプ診断
簡単2ステップで、あなたのタイプを診断しあなたと相性ピッタリのキャリアアドバイザーをご紹介します!
-
看護師のお仕事マッチング診断
好みの求人を選んでいただくだけで、あなたのご希望にぴったり合う求人をご紹介します!
-
看護師の年収診断
今の年収は適正?看護師さんのための年収診断ツールです。
-
看護師の年収調査
周りの看護師の年収はいくらくらい?!他の職業との比較や年収診断も可能です。
-
はじめての転職
ささいな悩み・不安もお気軽に!まずは看護師専門キャリアアドバイザーに、相談してみませんか?
-
現役看護部長
おりんのお悩み相談室現役看護部長の行徳輪子さんが、看護師さんの仕事の悩みにお答えします。
-
お悩みQ&A
周りには相談しづらい転職の疑問・お悩みに、スペシャリストがお答えします。
転職・復職に悩んだら、
まずはマイナビ看護師にご相談ください。
業界を熟知したキャリアアドバイザーと
一緒に、
理想の転職を叶えましょう!
ニュース・コラム
診断ツール
転職・キャリアアップ
業界研究
看護師の求人を資格から探す
看護師の求人を勤務形態で探す
看護師の求人を雇用形態で探す
看護師の求人を施設形態で探す
看護師の求人を担当業務で探す
看護師の求人を診療科目で探す
看護師の求人をこだわりで探す
看護師の求人を勤務地で探す
看護師の求人を資格から探す
- 看護師の求人 |
- 准看護師の求人 |
- 助産師の求人 |
- 保健師の求人 |
- ケアマネージャーの求人
看護師の求人を勤務形態で探す
看護師の求人を雇用形態で探す
看護師の求人を施設形態で探す
- 病院 |
- 急性期病院 |
- ケアミックス型病院 |
- 療養型病院 |
- 精神科病院 |
- 精神科クリニック |
- 精神科訪問看護 |
- 検診センター |
- クリニック・診療所 |
- 美容クリニック |
- 老人ホーム・特養・老健などの施設 |
- 訪問看護ステーション |
- 看護師資格・経験を活かせる一般企業 |
- 治験関連企業(CRA、CRCなど) |
- 保育施設(保育園) |
- リハビリテーション病院
看護師の求人を担当業務で探す
看護師の求人を診療科目で探す
看護師の求人をこだわりで探す
- 未経験歓迎 |
- 復職・ブランク可 |
- 寮・借り上げ社宅あり |
- 住宅補助・手当あり |
- 託児所・保育支援あり |
- 産休・育休実績あり |
- 資格取得支援あり |
- 電子カルテあり |
- 副業OK |
- 土日・祝日休み |
- 4週8休以上(または週休2日以上) |
- 駅チカ(徒歩10分以内) |
- マイカー通勤可・相談可 |
- 残業10h以下(ほぼなし) |
- 年収500万円以上可 |
- 年間休日多め |
- 1月入職可能 |
- 4月入職可能 |
- 夏~秋入職可 |
- オンコールなし |
- 積極採用中 |
- WEB面接OK |
- 管理職 |
- トラベルナース