2018年度 診療報酬・介護報酬ダブル改定の要点 <各論7:介護報酬改定のポイント(居宅サービス編)> | 看護師の求人・転職情報はマイナビ看護師日本最大級の看護師転職サービス

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vol.015

木村憲洋氏セミナー
2018年度 診療報酬・介護報酬ダブル改定の要点
―各論7:介護報酬改定のポイント(居宅サービス編)

2018年3月17日(土)は東京、3月25日(日)は大阪にて、マイナビ主催の診療報酬・介護報酬改定セミナーが開かれました(第1部として診療報酬・介護報酬改定の、第2部として調剤報酬改定のポイントを解説しました)。講師にお迎えしたのは、ベストセラー『医療費のしくみ』の著者でもあり、診療報酬・介護報酬の裏側まで知り尽くす斯界の第一人者、高崎健康福祉大学准教授の木村憲洋氏です。今回は診療報酬改定の、介護報酬の居宅サービスに関する改定のポイントを解説します。

訪問介護

訪問介護の基本報酬は、生活援助に関して若干のマイナスとなった一方、身体介護に関してはプラスとなりました。したがって、身体介護に重点を置いたサービス提供が事業所の収益へ貢献することになるでしょう。

また、老計第10号(平成12年3月17日厚生労働省老健局老人福祉計画課長通知「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」)で規定される身体介護と生活援助の具体的な内容について、身体介護として行われる「自立生活支援のための見守り的援助」に当たるものが明確化されました。

これらのことから、利用者の自立支援につながる身体介護を重視する国の方針が見て取れそうです。

※厚生労働省「平成30年度介護報酬改定の主な事項について」より

「生活機能向上連携加算」は、I(100単位/月:新設)とII(200単位/月)の2段階に改定されました。IIでは従来通り連携先のリハビリテーション職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)などが利用者宅を訪問することが必要ですが、IではICT(動画など)を活用して理学療法士などと情報共有し、その助言を受けてサービス提供責任者が生活機能の向上を目的とした訪問介護計画を作成すれば算定可能となっています。

訪問看護を含む訪問系サービス(ほかに夜間対応型訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護)では、集合住宅減算が見直されました。減算対象の建物の範囲が広がったこと、月当たりの利用者数に応じて減算幅が拡大されたことがポイントです。

※厚生労働省「平成30年度介護報酬改定の主な事項について」より

訪問看護

訪問看護の基本報酬は要介護者と要支援者で別々に設定されるようになり、対象が要介護者では微増、要支援者では大幅にマイナスとなっています。利用者の状態に応じてメリハリを付けたということでしょう。

※厚生労働省「平成30年度介護報酬改定の主な事項について」より

リハビリテーション職による訪問の基本報酬も大幅に引き下げられています。さらに、リハビリテーション職による訪問を行う場合、看護職員が連携して定期的に(3か月に1回)アセスメントすることが必須とされました。従来は両職種の連携が十分になされていないケースが少なくなかったため、これを是正する狙いがあります。

そのほか、ターミナルケアや24時間対応を評価するため、「看護体制強化加算I」の新設(600単位/月)、「緊急時訪問看護加算」の引き上げといった改定が行われています。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションの基本報酬はマイナスされましたが、「リハビリテーションマネジメント加算」が大幅に強化され、これをしっかりと算定すれば全体として報酬増となる構図です。

同加算の算定においては、指定訪問リハビリテーション事業所の医師がリハビリテーション職に対して、リハビリの目的、リハビリ開始前または実施中の留意事項、やむを得ずリハビリを中止する場合の基準、リハビリによる利用者の負荷といったことに関して1以上の指示を行うことが高く評価されるようになりました(同加算III:320単位/月)。また、厚生労働省のデータベースVISITにリハビリテーション計画書などを提出した場合、3か月に1回に限り同加算IV(420単位/月)を算定可能です。

通所リハビリテーション

通所リハビリテーションの基本報酬は、全体的な傾向として、要介護度の高い利用者に関してプラス、4時間以上の長時間利用に関して大幅マイナスとなっています。しかし、訪問リハビリテーションと同様に「リハビリテーションマネジメント加算」が大幅に強化され、減収をカバーできるようになっています。とはいえ、リハビリの短時間化を推進したほうが、報酬上は有利であるといえるでしょう。

※厚生労働省「平成30年度介護報酬改定の主な事項について」より

通所介護

通所介護の基本報酬は、地域密着型の一部を除いて全面的にマイナス傾向となっています。サービス提供が短時間であるほど、事業所が大規模であるほどマイナス幅が大きく、多くの事業所にとって難しい舵取りが迫られることになるでしょう。

また、「ADL維持等加算」(I=3単位/月、II=6単位/月)が新設され、通所介護にアウトカム評価が導入されたことも大きなポイントです。利用者のBarthel Index(日常生活動作に関する高齢者や障害者の機能的評価を数値化したもの)をサービス開始時と6か月目で測定し、利用者全体としてADLレベルが維持・向上されている場合に算定できます。リハビリテーションの成果を明確な数値として出すことが求められるわけで、Barthel Index測定を業務のルーチンに組み込むことを含め、事業所として対応が求められるでしょう。

※厚生労働省「平成30年度介護報酬改定の主な事項について」より

短期入所生活介護

短期入所生活介護の基本報酬は、従来型個室と多床室で同一に改められ、その結果として従来型個室ではプラス、多床室ではマイナスとなっています。これは介護老人福祉施設の従来型個室・多床室の基本報酬と合わせたためです。

ケア体制に関する加算も見直され、看護職員や介護職員を手厚く配置して条件を満たした場合に、新設の「看護体制加算III・IV」「夜勤職員配置加算III・IV」で評価されるようになりました。

また、専門的ケアに対する評価として「認知症専門ケア加算I・II」が新設されました。対象となる利用者数が多いことから、施設の収益に貢献しそうです。

特定施設入居者生活介護

特定施設入居者生活介護の基本報酬は、利用者の要介護度を問わずプラスとなっています。

また、「退院・退所時連携加算」(30単位/日)が新設され、医療施設(介護老人保健施設、介護医療院を含む)から入居者を受け入れ、その施設の職員と連携しながらサービス調整を行った場合に算定可能です(入居日から30日間に限る)。

以上を俯瞰すると、「利用者の自立支援の後押し」「事業所や専門職種間の連携の促進」「サービスに対するアウトカム評価の導入」といったことが今次改定の大きなポイントになっているといえるでしょう。こうした流れは次回改定以降も続いていくと考えられるため、各事業所には「今のうちから対応できるものは進んで対応しておく」という積極的な姿勢が求められます。


【セミナー講師・監修者プロフィール】
木村憲洋(きむら・のりひろ)
高崎健康福祉大学 健康福祉学部 医療福祉情報学科 准教授

1971年、栃木県足利市生まれ。武蔵工業大学工学部機械工学科卒業後、神尾記念病院、医療法人杏林会・今井病院を経て、現職。著書に『医療費のしくみ』『病院のしくみ』『薬局のしくみ』(いずれも日本実業出版社)などがある。

メディカルフォーラム当日の配布資料について

メディカルフォーラム当日の配布資料(第一部、第二部)が、以下からダウンロードが可能です。

■【第一部】診療報酬・介護報酬改定 当日配布資料

■【第二部】調剤報酬改定の概要と経営戦略 当日配布資料

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