2018年度 診療報酬・介護報酬ダブル改定の要点 <各論4:在宅医療・訪問看護の質量両面での拡充が急務> | 看護師の求人・転職情報はマイナビ看護師日本最大級の看護師転職サービス

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vol.012

木村憲洋氏セミナー
2018年度 診療報酬・介護報酬ダブル改定の要点
―各論4:在宅医療・訪問看護の質量両面での拡充が急務

2018年3月17日(土)は東京、3月25日(日)は大阪にて、マイナビ主催の診療報酬・介護報酬改定セミナーが開かれました(第1部として診療報酬・介護報酬改定の、第2部として調剤報酬改定のポイントを解説しました)。講師にお迎えしたのは、ベストセラー『医療費のしくみ』の著者でもあり、診療報酬・介護報酬の裏側まで知り尽くす斯界の第一人者、高崎健康福祉大学准教授の木村憲洋氏です。今回は、診療報酬改定の各論4として、在宅医療・訪問看護に関する改訂のポイントを紹介します。

在宅患者訪問診療料は依頼を受けた側も算定可能に

2006年度の診療報酬改定で創設された在宅療養支援診療所(在支診)をはじめ、地域医療の受け皿を拡大する施策が推し進められてきたところですが、今次改定でもその大きな流れは変わりません。しかし、近年は在支診の施設数が伸び悩んでいることを受けて、在支診以外の医療機関を含めて報酬を設定し、地域医療の裾野を広げようとしている点が今次改定のポイントの一つです。

具体的には、まず「在宅患者訪問診療料」にⅠとⅡの区分が設けられました。従来の在宅患者訪問診療料(改定後のⅠ-1に相当)では1人の患者につき1か所の医療機関しか算定できませんでしたが、新設された在宅患者訪問診療料1-2では他の医療機関からの依頼で訪問診療を行った場合、依頼を受けた側の医療機関にも点数がつくようになりました。他の医療機関からの依頼があった日を含む月から6か月を限度として、同一建物居住者以外の場合は830点、同一建物居住者の場合は178点を月1回算定できます。

また、在宅患者訪問診療料II(新設)は、医療機関が自施設に併設される介護施設等の入居者に対して訪問診療を行うことを評価するものです。患者1人につき週3回を限度として、144点を算定できます。

在総管・施設総管の調整

「在宅時医学総合管理料(在総管)」「施設入居時等医学総合管理料(施設総管)」に関しては、いくつかの調整が加えられています。

まず、機能強化型の在支診・在支病(在宅療養支援病院)、通常の在支診・在支病、その他の医療機関について、月2回以上訪問する場合は患者数を問わず一律に100点が引き下げられました。一方で、月1回の訪問の場合は、通常の在支診・在支病は20点、その他の医療機関は50点が引き上げられました。この調整の裏には、月1回の訪問で対応可能なケースでは過剰な訪問を抑制して医療コストを下げるとともに、より多くの患者に訪問診療サービスが行き渡るようにする狙いがあると考えられます。

ただし、とりわけ通院が困難と考えられる患者については、それに対する医学的管理を特に評価するため、在総管・施設総管に「包括的支援加算」(150点/月)が新設されました。

在支診以外の診療所については、在総管・施設総管に「継続診療加算」(216点/月)が新設されました。自施設の外来を受診していた患者の通院が難しくなったとき、訪問診療に移行して医学的管理を継続することを評価するものです。

終末期患者への往診と看取り

地域医療の拡大は、終末期を在宅で送り、そのまま看取りとなる患者の増加をも意味します。今次改定では、そうした患者が適切な診療やケアを受けつつ最期まで在宅療養を継続できるように、支援に当たる医療機関への報酬が調整されています。

例えば、往診料の「緊急往診加算」は算定対象として終末期患者を含めることが可能になりました。また、機能強化型在支診・在支病の施設基準の一つである在宅看取り実績の対象を広げ、入院日を含む直近6か月に訪問診療を実施していれば、当該医療機関または連携医療機関で7日以内の入院を経て死亡したケースも実績とされるようになりました。

訪問看護ステーションの人材育成にも目配り

地域医療の担い手として病院や診療所と並ぶ重要な存在である訪問看護ステーションについても、人材育成、医療機関との連携、ターミナルケアの部分を中心に報酬の見直しが図られました。

例えば、今次改定で新設された「機能強化型訪問看護管理療養費3」では、地域の医療機関の看護職員を受け入れて研修させたり、研修や相談対応を通して他施設や地域住民と交流を図ったりすることが評価されています。

医療機関との連携については、訪問看護管理療養費の「退院時共同指導加算」が6,000円から8,000円に引き上げられるとともに、「訪問看護ステーションと特別の関係にある医療機関、介護老人保健施設は算定不可」とされていた要件が削除されました。すなわち、医療機関併設の訪問看護ステーションなど「特別の関係」がある場合でも、積極的な連携が金銭的に評価されるようになったわけです。

ターミナルケアについては、「在宅ターミナルケア加算」や「訪問看護ターミナルケア療養費」で報酬が引き上げられたほか、機能強化型訪問看護管理療養費におけるターミナルケア件数のカウントにおいて、あらかじめ聴取した患者・家族の意向に基づき連携医療機関へ入院させ、その後7日以内に死亡したケースも含まれるようになりました。

そのほか、「24時間対応体制加算」が引き上げられたり(5,400円→6,400円)、複数名による訪問看護の対象が拡大され(「利用者の身体的理由により、1人の看護師等による訪問看護が困難と認められる」場合は看護職員と看護補助者の訪問が可能に)、報酬も引き上げられたりするなど、訪問看護に関しても診療報酬を通して時代のニーズに即したかたちへと誘導する意図が明確に表れているといえるでしょう。

出典:メディカルサポネット


【セミナー講師・監修者プロフィール】
木村憲洋(きむら・のりひろ)
高崎健康福祉大学 健康福祉学部 医療福祉情報学科 准教授

1971年、栃木県足利市生まれ。武蔵工業大学工学部機械工学科卒業後、神尾記念病院、医療法人杏林会・今井病院を経て、現職。著書に『医療費のしくみ』『病院のしくみ』『薬局のしくみ』(いずれも日本実業出版社)などがある。

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■【第一部】診療報酬・介護報酬改定 当日配布資料

■【第二部】調剤報酬改定の概要と経営戦略 当日配布資料

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