
公務員看護師とは? メリット・デメリットと種類・目指し方も
「看護師」と一口に言ってもさまざまな種類があり、公務員看護師もそのうちの一つです。公務員看護師について名前は聞いたことがあるものの、詳しいことまで把握していない人は多いでしょう。公務員看護師を目指す場合は、メリット・デメリットや種類などの詳細を知っておくことが重要です。
今回は、公務員看護師の詳細について解説します。公務員看護師の種類や仕事内容に加えて、目指す方法も併せて解説するため、公務員看護師に興味のある人はこの記事を参考にしてください。
公務員看護師とは
公務員看護師とは、国や自治体が運営する病院などで働く看護師のことを指します。公務員看護師の業務内容は、医療法人などが運営する民間機関で働く看護師と大きく変わりません。
公務員看護師は公立の看護学校や県立の病院などで働きます。公務員看護師には特有のメリット・デメリットがあるため、事前に確認しておきましょう。
ここでは、公務員看護師として働くメリット・デメリットを解説します。
公務員看護師のメリット
公務員看護師として働くメリットは以下のとおりです。
〇収入が安定している
公務員として働く場合、不況によるあおりを受けることはありません。民間のように職場が倒産する心配がなく、ボーナスも保証されているため、収入が安定しています。
〇福利厚生が充実している
公務員は休日が明確に定められており、年次有給休暇や夏季休暇などを取得できます。また、住宅手当や通勤手当など手当の種類も豊富です。育児休暇や産前産後休暇の取得を推奨するところもあり、性別に関わらず働きやすい環境を整えるために福利厚生が充実しています。
〇研修の教育制度が整っている
公務員看護師が働く場所は公的医療機関のため、職員である看護師の医療技術を高水準に保つことが必要です。高水準を保てるよう、基礎から応用まで網羅された研修体制が整っています。海外の医療施設と交流が行われることもあり、スキルアップしやすい環境です。着実にキャリアアップを実現したい場合には、公務員看護師が適しているでしょう。
福利厚生や研修制度の充実など、長く働ける環境が用意されていることが公務員看護師として働くメリットです。
公務員看護師のデメリット
公務員看護師として働くデメリットは以下のとおりです。
〇雇用保険に加入できない
国家公務員や地方公務員は雇用保険法の適用対象外のため、公務員を退職しても失業給付を受けられません。退職する場合も失業保険の利用はできず、再就職手当などの雇用保険に準ずる手当についても受け取ることはできないようになっています。
〇設備の古い病院が多い
公的な病院・施設は国の税金で運営されています。予算配分が決まっており、設備に十分な費用を充てられないケースもあるため、設備の古い病院が多い傾向です。比較的新しく、清潔感のある場所で働きたい人にとっては不満を感じることがあるでしょう。
〇年功序列の体制が残っている
公務員の給与制度は年功序列で上がるため、民間のような成果報酬型の制度はありません。実力主義で稼ぎたい人は、公務員雇用で働くと給与面が不満に感じることもあります。副業は禁止されており、不満に感じた場合でも別途の収入は見込めません。
副業の禁止などのように、さまざまな制約があることが公務員看護師として働くデメリットです。
公務員看護師の種類と仕事内容
公務員看護師は、働く環境や職場ごとで種類が分かれます。勤務先の病院や組織によって地方公務員と国家公務員に分かれ、独立行政法人が運営する医療機関で勤める場合は「準公務員」として扱われます。
ここでは、公務員看護師の種類や特徴を解説するため、公務員看護師の違いを知りたい人は参考にしてください。
地方公務員として働く看護師
地方公務員の概要や主な勤務先などは、下記のとおりです。
〇地方公務員として働く看護師 | |
---|---|
概要 | 都道府県や市町村などの自治体が運営する病院に勤める看護師 |
勤務先 | ・各自治体の保健所・保健センター ・都道府県立病院、市立病院・診療所 ・公立教育機関 ・児童福祉機関 |
特徴 | ・地方公務員として働く場合、都道府県や市町村の自治体などに採用され、地方行政に関わる業務を行う ・地域住民に密着した医療や教育に関わるサービスを提供する |
求人数は少ないものの、公立の保育園などで働く看護師も地方公務員に該当します。
国家公務員として働く看護師
国家公務員の概要や主な勤務先などは、下記のとおりです。
〇国家公務員として働く看護師 | |
---|---|
概要 | 国が管轄する官公庁に勤める看護師 |
勤務先 | ・国立ハンセン病療養所(厚生労働省) ・宮内庁病院(宮内庁) ・医療刑務所(法務省) ・自衛隊病院(防衛省) |
特徴 | ・国家公務員として働く場合、宮内庁・防衛省・厚生労働省・法務省のいずれかで勤務となる ・国家公務員法という法律で勤務時間や給与規定が定められ、各種公務員の中でも規律が厳しい ・刑務所や自衛隊など、民間機関では立ち入れない場所での勤務となる |
国家公務員は狭き門であり、実際に働くことは非常に難しい傾向です。病院勤め以外では、厚生労働省で働く「看護系技官」という職種が選択肢としてあげられます。看護系技官は、看護師の知識を活かした事務職としての活躍が求められます。
準公務員として働く看護師
前提として、「準公務員」という言葉は公的には存在しません。公益法人や独立行政法人などの公的な機関に勤め、公務員と同じ役割をこなすことから、準公務員と呼ばれます。
準公務員の概要や主な勤務先などは、下記のとおりです。
〇準公務員として働く看護師 | |
---|---|
概要 | 公務に準ずる公共性や公益性のある仕事を行う看護師 |
勤務先 | ・国公立の大学病院 ・国立(県立)病院機構 ・KKR病院(国家公務員共済組合) ・国立がん研究センター ・赤十字病院(日本赤十字社) ・済生会病院 ・労災病院 ・健保連病院 ・厚生連病院 |
特徴 | ・準公務員は「みなし公務員」とも呼ばれ、公務員と同待遇が受けられる |
多くある勤務先の中でも、特にKKR病院は待遇がよいと言われています。福利厚生が充実していることも多く、働きやすい環境が特徴的です。
公務員看護師を目指す方法|難易度・向いている人も
公務員看護師を目指す場合、公務員試験を受ける必要はありません。採用試験で合格すれば、公務員看護師として働くことができます。しかし、公務員看護師はそもそも求人数が少なく、中途採用の募集も多くありません。毎年3月から6月ごろまでの間に募集をする自治体が多いため、時期を狙って転職活動を行いましょう。
公務員看護師の求人情報は、自治体や病院の公式ホームページで探す方法がおすすめです。また、転職活動に不安がある場合は、転職エージェントに登録することも有効と言えます。
公務員看護師に向いている人の特徴は、以下のとおりです。
〇社会貢献をしたい人
公的病院は「国民の命を守る」役割に特化した病院のため、一心に命を助けたいと思う気持ちがある人が向いています。災害派遣医療チーム(DMAT)を組織している病院もあり、災害が発生すれば全国各地へ緊急応援にも向かいます。
〇協調性がある人
看護師の仕事はチームで行います。特に公務員看護師は長く勤める人も多いため、自己主張が強い人は向きません。ゆずり合って協力できる人が向いています。
〇コツコツ努力ができる人
公務員の給与は年功序列で上がるため、すぐに結果を求めずにコツコツ頑張れる人が向いています。
まとめ
公務員看護師は、公務員試験を受けなくても公務員として働けるため人気が高く、求人も少ない職種です。公務員看護師にはさまざまな種類があり、仕事内容や勤務先も異なることから、事前に詳細を把握しておきましょう。
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