看護師の転職面接を成功させるには? よくある質問&回答例も紹介
看護師の転職活動においては、履歴書などの応募書類を送ったらすぐに面接が決まることも少なくありません。面接は、転職活動の中でも採用結果を左右する重要な要素のひとつです。これまで培ってきた経験やスキルを面接官に伝えるとともに、自分の強みや人間性をアピールできる面接はかなりウエイトが重いため、しっかりと準備をして臨みたいところです。
そこで今回は、看護師の転職活動の面接で気を付けるポイントについて、詳しく解説します。事前に準備しておくべきことや、よくある質問と回答例も紹介しますので、転職活動の参考にしてください。
1.看護師の面接のための事前準備
まずは、面接のための事前準備を行いましょう。面接までにやるべきこと・用意しておくべきことは次の4つです。
1-1. 情報収集
1-2. 持ち物
1-3. アクセス
1-4. 服装・身だしなみ
面接当日になって慌てることのないよう、余裕を持ったスケジュールを立てて準備を進めましょう。
1-1.情報収集
応募するクリニックや病院を絞るため、転職活動の最初に情報収集を行う方は多いでしょう。しかし、面接が決まったら、もう一度その病院やクリニック、介護施設の情報をあらためて調べ直しておきましょう。
前提として、選考を受ける施設の理念や方針、特徴を知っておくのは最低限のマナーです。また、ほとんどの面接で志望動機を聞かれますので、理念や特徴を絡めて回答することで、「ここで働きたい」という熱意が伝わりやすくなるでしょう。
1-2.持ち物
面接当日の持ち物として、以下のものを準備しておきます。
・応募書類
・筆記用具
・メモ、手帳
・印鑑
・腕時計
・その他応募先から指定されているもの
応募の際に履歴書・経歴書や看護師免許のコピーなどを郵送していても、念のため応募書類のコピーを用意しておきます。面接前に読み返しておくことで、面接時の回答とのギャップを防ぐことができます。
1-3.アクセス
面接会場までのアクセスは、前日までに必ず確認しておきましょう。看護師の転職活動では、面接が1回で終わることも多いです。そのため、当日道に迷うなどして遅刻すると、貴重な面接での印象を著しく落としてしまうことになりかねません。
また、当日に公共の交通機関が遅延する可能性もあるので、15分前には会場に到着するつもりで余裕を持って行動しましょう。実際に交通機関を利用し、前日までに下見をしておくのもおすすめです。
1-4.服装・身だしなみ
看護師の転職活動においての面接はウエイトが重く、採用可否に直結するケースも多いです。そのため、面接時の服装や身だしなみについても抜かりなく整えておくようにしましょう。
以下の記事では、看護師の転職面接での服装について詳しくご紹介しています。服装や身だしなみに関してより詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
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2.看護師転職で頻出! 面接でよく聞かれる質問&回答例
一般企業への転職と同様に、看護師の転職面接でもよく聞かれる質問がいくつかあります。ある程度質問内容は決まっているため、あらかじめ回答を準備し、しっかりと練習しておきましょう。練習を通して伝えたいことを簡潔に明確に表現できるようになれば、面接官からの印象もよくなるでしょう。
ここでは、よく聞かれる質問と回答例をご紹介します。
自己紹介をお願いします
面接の最初に行われる、応募者に口頭で自己紹介をしてもらうための質問です。挨拶を済ませて「今から面接が始まる」ことを伝えると同時に、簡単な質問で応募者が話しやすい雰囲気を作る導入の役割もあります。
自己紹介のポイントは、「自分の名前(フルネーム)」「最終学歴」「職務経歴」の3点を必ず含めて簡潔に答えることです。最終学歴と職務経歴は、学校名や病院名を略さずに正式名称で伝えましょう。
面接官に好印象を与えるには、自己紹介の最初に面接の場を用意してくれたお礼を伝えたり、志望動機や自分の強みを一言添えたりすることもおすすめ。ただし、志望動機や強みは後々の質問で聞かれることが多いので、長々と語らないようにしましょう。自己紹介の最後は「本日はよろしくお願いいたします」で結びます。
【回答例】
「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。田中花子と申します。○○大学を卒業後、××病院消化器内科で6年間勤務しました。今後はがん看護の知識と経験を深めたいと考え、緩和ケア病棟のある御院を志望いたしました。本日はよろしくお願いいたします。」
自己PRをしてください
応募者自身の性格や強みを知るための質問です。「あなたはどのような性格ですか? 」「あなたの強みを教えてください」のように、ピンポイントに質問される場合もあります。
自分自身が思う性格や強みを、どのように仕事に活かせるかという点も含めて回答しましょう。前職での経験やスキルを交えて話すのもおすすめです。「体力がある」「行動力がある」「冷静に行動できる」「コミュニケーション能力が高い」など、看護業務に直結するアピールポイントを見つけてください。
【回答例】
「私の強みは、コミュニケーション能力の高さです。学生時代には、福祉施設へのボランティアに参加し、高齢の方や障害を持った方々をはじめ、職員の方やボランティアとしてともに活動した多くの人とコミュニケーションを経験しました。幅広い年代の方や境遇の異なる人々と関わる難しさを知り、同時に触れあいや寄り添うことの大事さを実感しました。この経験は、今後の看護の業務に活かせると思っています。患者様との触れあいを大切に、さらにコミュニケーション能力を磨いていきたいと考えています。」
志望動機を教えてください
志望動機は聞かれる確率が非常に高い質問です。「ほかのクリニックや病院、施設ではなく、なぜここでなければいけないのか」を聞かれています。そのため、どんな応募先にも当てはまるような曖昧な内容ではなく、応募先の経営方針・規模・看護体制などの特徴を上手に織り交ぜながら伝えるように心がけましょう。
また、自分を採用することで病院側にどのようなメリットがあるのかを添えられるとベストです。ただし、実際にはそうだとしても、待遇面のことばかりを言うのはNGです。ポジティブな印象になる回答を心がけましょう。
【回答例】
「私は、前職で終末期医療に携わり、在宅で最期を迎える方やそのご家族がより快適に過ごせる支援をしたいと考えるようになりました。貴院では、往診による在宅医療に力を入れておられると知り、これまでの経験を活かして患者様やご家族に寄り添った看護ができるのではないかと思い、貴院を志望しました。」
退職(転職)理由を教えてください
退職・転職の理由は、確実に聞かれる質問の一つといえます。なぜこの質問をされるのかというと、応募者が責任感のある人物か判断し、同じような理由で離職しないかを確認するためです。また、この質問によって、応募者の人柄と、仕事に対する価値観を知れるためでもあります。
「職場の人間関係が良くなかった」「人手不足のため体力的に辛かった」などのネガティブな理由だと、「問題を人のせいにする」「同様の問題が起きたら辞めてしまうかも」と悪い印象を与えかねません。回答のポイントは、ネガティブな内容を避け、ポジティブな表現に変換して伝えることです。
【回答例】
「前職では、総合病院の病棟看護の業務を担当していました。この経験を通じて、基本的な看護師としてのスキルを一通り身につけることができました。今後は、さらにスキルアップをするため、より深い知識とスキルを身につけられる環境に身を置きたいと考えました。前職よりも規模が大きく設備が充実した貴院なら、自分のスキルアップに繋がり、経験を踏まえて新たな業務への挑戦も可能だと思い、転職を決意しました」
長所・短所はなんですか?
面接で長所・短所を質問される理由は、応募者の人柄を知るためです。長所には何があり、短所とどのように向き合っているかを見て、面接官は活躍できる人材かどうかの判断材料にします。
長所を挙げるときのポイントは、看護師の業務内容と関連付けて説明すること。「明るい性格」「行動力に自信がある」などの長所を挙げた後に、その長所が業務でどのように役立ったかを具体的に示しましょう。
一方で、短所を挙げるときのポイントは、努力して改善できる内容を選ぶことです。たとえば、「集中しすぎてしまうこと」が短所なら、「周りに目を向ける姿勢を忘れないようにしている」と改善の努力も伝えます。ただし、「時間を守れない」「不注意が多い」など、看護業務に支障が出るような短所を伝えるのは避けましょう。
「短所は特にありません」と答えることもNGです。面接官は長所・短所の質問を通して、応募者が自己分析できているかも見ています。短所がないと答えると、「短所がないのではなく、自己分析ができていない」と面接官は判断します。
【回答例】
「私の長所は、計画性があるところです。物事を順序だてて進めることが好きで、毎日の看護業務もあらかじめ計画を立てて行っております。前職では病棟のタイムスケジュール作成も任されておりました。短所は、細かなことを気にするところです。気になったことがあるときは、本当に重要なことか、今すぐ対処すべきことかを判断してから行動するようにしております。」
あなたの看護観を教えてください
看護観とは「看護師としての信念」や「大切にしていること」です。応募先のクリニックや病院、介護施設の方針や理念が、応募者の信念とマッチしているかどうかをチェックするための質問です。また、それによって、すぐに辞めずに長い期間働いてくれる人材かどうかが判断されます。
回答では、自分自身がどのような看護師を目指しているか、自分なりに伝えることが大事です。応募先の看護理念と前職での経験を踏まえ、ポジティブな印象の言葉で伝えるようにしましょう。
【回答例】
「私は、気軽に話ができること、安心・信頼できる存在であることが看護師にとって大切だと考えます。患者様の中には、看護師から声をかけられるまで辛さを我慢する方も多いように感じました。患者様の様子に気を配ることももちろん大切ですが、患者様自身が違和感を覚えたときにすぐ相談してもらえる存在になれれば、患者様の苦痛を少しでも軽減できるのではないかと思い、話しかけやすい雰囲気づくりに努めています。」
■関連ページ
【面接対策】看護観の作り方と例文集
当院の理念についてどう思われますか?
応募者が医療機関について興味を持ち、しっかりと調べたうえで応募しているかを見るための質問です。医療機関が掲げる理念は、病院のホームページやパンフレットなどに記載があるので、面接前にチェックするようにしましょう。
また、面接官は応募者がどのような考えを持っているか、自院の雰囲気と合う人材であるかも知りたがっています。自分の持っている看護観と照らし合わせて、理念への意見や共感する部分などを自分の言葉で説明しましょう。ただし、医療機関が掲げる理念を否定したり、けなしたりすることはNGです。
類似した質問としては、「当院の理念に共感した部分はありますか」や「当院の強みは何があると考えますか」などがあります。いずれも応募先の企業研究をしっかりと行っていれば答えられる質問です。
【回答例】
「御院の理念である『患者様の健康と幸せを追求する医療』は、看護師として働くうえで大切な考え方だと感じています。病気の治療を目的として患者様に医療を提供するだけではなく、治療後も患者様が健康に満ち足りた毎日を過ごせるよう願う理念に、私は共感いたしました。御院に入職後は患者様に寄り添った看護を行い、退院後の生活を明るく思い描けるサポート体制の構築に貢献していきたいと考えております。」
インシデントの経験はありますか?
インシデントは「ヒヤリ・ハット」とも言われます。確認不足や連絡事項の伝達ミスなどによって引き起こされる、重大な事故になりかねないような事態のことです。看護師として勤務するかぎりは、必ずこうしたインシデントは起こります。
そのため、この質問ではインシデントの有無を問われているのではなく、「どういった事態にどう対処したか」あるいは「インシデントを経験した後、予防のためにどのような取り組みをしてきたか」を答えるのが大事です。的確に答えられれば、業務に対しての意識の高さと、失敗しても成長につなげられるとアピールできます。
【回答例】
「認知症を持つ患者様の看護を担当していたときに、知らない内に患者様が病室を出てしまい、所在不明になったことがありました。慌てて探すと、院内で迷っていらっしゃる患者様を見つけられたので大事には至りませんでしたが、認知症の方に対する理解を欠いていたこと、患者様の不安な気持ちに寄り添いきれていなかったことを反省しました。以降は、症状についての勉強会に参加したり、病棟全体で所在確認をするなどの対策を行ったりして、再発予防に努めていました。」
業務に関するスキル・能力をアピールしてください
応募者がどのようなスキル・能力を有しているのかを聞くための質問です。転職活動中の看護師を採用する医療機関は、応募者が即戦力として働いてくれることを期待しているため、このような質問が行われます。
スキル・能力をアピールするときは、応募先の施設形態や、希望する配属先を踏まえて回答することが大切。たとえば、応募先が回復期を専門とする病院なら、リハビリ支援や心理的アプローチといった入院中の患者さんを支援できるスキルをアピールしましょう。
なお、業務に関するスキル・能力とは看護技術のことだけではありません。医療スタッフをまとめ上げるマネジメント力や、部門・病棟間のスムーズな連携を実現させる交渉力なども、アピールできるスキル・能力に含まれます。
【回答例】
「前職で透析室に勤めていた経験により、透析機器の操作と患者様への穿刺について十分に習熟しております。特に穿刺は患者様に苦痛を与えることなく行えるようになり、患者様からも『あなたの採血は痛くなくてよかった』とお褒めの言葉をたびたびいただきました。透析技術認定士の資格も前年に取得いたしました。御院の透析センターに入職後も、患者様が苦痛や不安を感じない人工透析を行える看護師として貢献したいと考えております。」
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患者さんと接する中で印象深いエピソードはありますか?
この質問を通して、面接官は応募者の性格や感性、看護師としてやりがいに感じることを知るのが目的です。エピソードの内容は、自分らしさを表現できる内容であればどんなことでも構いません。患者様とのやり取りの中で感じたこと、学んだことを織り交ぜて回答しましょう。
ただし、どんなエピソードでもよいといっても「患者様と趣味が同じということが分かり、盛り上がった」というようなプライベートな内容は適しません。看護師として経験したことや成長したことが伝えられるエピソードを選びましょう。
【回答例】
「ある時、定期的に治療に来られる患者様が『何回来てもやっぱり緊張する』とおっしゃったことが印象深く残っています。その患者様は笑顔の絶えない明るい方だったので、緊張や不安を感じていたとは思いもよりませんでした。そして、長期に及ぶ治療で慣れた病院に通っていても、そういった不安や緊張は誰しもが持っていると実感しました。それをきっかけに、少しでも不安や緊張を和らげられるよう、気軽に話しかけやすい雰囲気づくりによりいっそう努めるようになりました。」
勤務条件に関する希望はありますか?
応募先に入職できた場合にどのような環境で勤務したいか、希望条件があるかを尋ねる質問です。同時に「入職後の働き方にまで応募者が考えを巡らせているか」を見る質問でもあります。
勤務条件の希望は、応募先の求人票に沿った条件で、かつ具体的に伝えることが大切です。たとえば、求人票に週3日以上勤務と記載されている場合は、勤務日数の希望や出勤が難しい曜日を伝えましょう。希望する診療科・部署がある場合も伝えます。
ただし、勤務条件の希望をいくつも伝えると「扱いの難しい人材」と思われる可能性もあります。勤務時間・部署・夜勤の可否など、自分にとって優先度が高い条件をあらかじめ絞り込んでおき、希望を聞かれたときに答えられるようにしましょう。
【回答例】
「保育園に入園している子どもの送り迎えがあるため、勤務時間は8時から16時までの日勤を希望いたします。オンコールと夜勤は合わせて週2回であれば対応できます」
「配属先は呼吸器内科を希望いたします。特定行為研修の呼吸器関連区分を修了しており、前職も呼吸器内科で勤めていたため、能力と経験を活かせると考えております」
キャリアプランを話してください
キャリアプランとは、自分の理想とする将来像を実現するための行動計画のこと。キャリアプランを聞く質問には、応募者に看護師としての向上心があるのか、職場との大きなミスマッチがないかを確認する意図があります。
キャリアプランを回答するときは、まずは自分がどのような看護師になりたいかを伝えて、その実現に向けた努力や目標を順序よく話すとよいでしょう。キャリアプランの目標は管理職だけではなく、看護領域の専門性を深めるといった内容でも問題ありません。
類似の質問としては「当院で実現したい希望や働き方はありますか」や「5年後はどのような立場で働いていると考えますか」などがあります。長く働いてくれる応募者を面接官は採用したいと考えていることが多いため、自分の将来像やキャリアプランはしっかりと組み立てましょう。
【回答例】
「私は10年後までに看護主任になることを目標としたキャリアプランを考えております。御院に入職後は病棟看護師で5年間の実務経験を積み、実地指導者研修を経て実地指導者として新人看護師の指導を担当し、3年から5年間のマネジメント経験を積んだうえで看護主任になることが私のプランです。看護主任になった後は、さらに看護師長を目指して頑張りたいと思います」
3. 看護師の面接中に答えに困りやすい質問&回答例
看護師の面接では、答えに困る質問がされるケースもあります。答えに困る質問であっても「分かりません」と回答することは避けて、「自分なりに考えた答え」を伝えるようにしましょう。
【質問】希望した配属先に入れなかった場合はどうしますか?
【回答例】
「希望とは異なる配属先に入った場合でも、患者様に信頼される看護を提供したい気持ちは変わりません。新しい職場と業務から自分の知見を広げて、患者様の治療に一層の貢献ができる看護師として成長したいと思います。」
【質問】勤務中に電話でお子さんの病気が伝えられたとき、どのように対応しますか?
【回答例】
「まずは子どもの状態と、病院に行ったかを尋ねます。子どもの症状が重い場合は直属の上司に相談して、早引きができるかを確認します」
面接官が答えに困る質問をする理由は、応募者の飾らない答えを知るためです。応募者の多くは面接でよく聞かれる質問への回答をあらかじめ用意しているので、中には本心・本音ではない答えが含まれることもあります。
そこで、面接官は答えを用意していないであろう質問をして、応募者の人間性や価値観を知る手がかりとします。つまり、面接官が本当に知りたいのは「応募者の人物像」です。答えに困る質問には「面接官に伝えたい自分の人物像」を紐づけて回答しましょう。
答える必要がない質問もある
面接官によい印象を与えるためには、面接の質問にしっかりと答えることが大切です。しかし、中には答える必要がない質問もあります。
答える必要がない質問とは、本人の適性・能力と関係しない内容を聞き出す質問や、性的差別につながる質問のことです。厚生労働省が定める「採用選考時に配慮すべき事項」や、男女雇用機会均等法により、企業が応募者に行ってはならない質問は決められています。
参考:
厚生労働省「公正な採用選考の基本」
e-Gov法令検索「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」
答える必要がない質問の具体例は、以下の通りです。
【質問の例】
・配偶者はどちらにお勤めですか?
・現在のお住まいは戸建てですか、それともマンションですか?
・愛読書はありますか?
・尊敬する人物を挙げてください。
・入職後は労働組合に加入しますか?
・結婚の予定はありますか?
・出産後も当院で働けますか
面接で不適切な質問をされた場合は、まず質問の意図を考えましょう。面接官によっては、話の流れでうっかりと不適切な質問をしてしまうケースもあります。たとえば、自分の愛読書などは、相手に伝えてもよいと判断した場合は伝えても構いません。
一方で、セクハラや性差別などにつながる質問は、その場では無難にかわすとよいでしょう。たとえば、「出産後も当院で働けますか」は「出産は現在考えていないので分かりません」のように回答すると穏便に収められます。
4. 看護師面接でよくある「逆質問」の例
逆質問とは、面接終盤に「当院や仕事について何か質問はありますか」と面接官に促されて行う質問のことです。応募者が気になっていること・知りたいことに面接官が回答して、入職後のミスマッチを減らすことを目的としています。
逆質問では、入職後の看護業務に関連する質問内容がおすすめです。ホームページや求人票を見れば分かる情報は避けて、逆質問で聞かなければ分からない、重要性が高い質問を選びましょう。
また、給与や休日について逆質問をするときは「お金や休みを重視する人」と見なされないように注意が必要です。面接官にマイナスイメージを与えないように、給与や休日の話題はオブラートに包んで質問してください。
逆面接は、応募者が面接官に質問できる貴重な機会です。面接対策をする際は、逆質問で聞きたいポイントを事前にまとめておきましょう。
入職までに取り組むこと
採用決定から入職までに、何を勉強しておくと業務に役立つのかを尋ねる質問です。採用されることだけを目標とせず、入職後に活躍したいという意欲を見せることで、「当院への志望意欲が強い人材」と面接官にアピールできます。
ただし、看護師は担当業務の幅が広い仕事であり、「何を勉強すればよいか」といった漠然とした質問では面接官が答えに困る可能性があります。「看護技術の中では何を勉強すればよいですか」のように、勉強の方向性をある程度絞り込んで質問するとよいでしょう。
【逆質問の例】
・入職までに勉強しておくとよい手技はありますか?
・入職した看護師が担当する業務を教えていただけませんか?
・入職前に行われる研修の内容について教えてください
職場の雰囲気
職場でどのような看護師が働いているかなどを聞くことで、職場の雰囲気をつかむことができます。また、看護師の仕事では良好な人間関係を築くことが重要になるので、「職場になじむ努力ができる」点は面接官へのアピールポイントになります。
職場の雰囲気に関する質問をすると、職場の実態をつかむことも可能です。たとえば、看護師の平均年齢を逆質問で尋ねた際、平均年齢が極端に若い職場は、看護経験年数の豊富な人が不足している傾向にあります。自分が知りたい情報に合わせて、職場の雰囲気を聞ける質問を行いましょう。
【逆質問の例】
・御院で働いている看護師の平均年齢は何歳くらいでしょうか?
・一病棟あたり、看護師は平均して何人働いていますか?
・御院では主にどのような経歴の看護師が活躍していますか?
働き方
応募先で実際に活躍している看護師の働き方について質問することで、入職して働くための心構えができます。医療機関側も入職後のミスマッチは防ぎたいと考えるため、働き方を聞く質問は面接官に好印象を与えられるでしょう。
ただし、働き方についての質問は、求人票に記載されている情報と重複しやすい点に注意してください。求人票に書かれている情報をよく調べておき、記載がない情報に関する質問を選びましょう。
【逆質問の例】
・御院で働く看護師の一日のスケジュールを教えてください。
・3交替制で働く看護師は何人くらいいますでしょうか?
・看護師の残業は1か月あたり何時間程度でしょうか?
研修制度や教育体制
研修制度や教育体制の取り組みについて質問することで、応募先が看護師のスキルアップに力を入れているかどうかが分かります。看護師としての能力を磨きたいという姿勢を見せて、「勉強意欲が高い人材である」と面接官にアピールもできる質問です。
また、研修制度や教育体制が整っている職場は、同僚看護師の看護スキルも高い傾向にあります。入職後も看護技術を高めたい人や、仕事のできる同僚と一緒に働きたい人は、研修制度や教育体制についての質問を行いましょう。
【逆質問の例】
・入職後の研修期間は何日程度でしょうか?
・外部の研修会などへの参加は認められているでしょうか?
・院内で開催される勉強会はありますか?
5. 回答内容以外で面接官がチェックしているポイント
面接では、回答内容はもちろん、それ以外にも面接官がチェックしているポイントがあります。質問に対する答え方がどんなに完璧でも「態度がよくない」「目を合わせられない」「丁寧さに欠ける」と、面接官はマイナスの印象を抱きかねません。ここでは、回答内容以外に見られているポイントをご紹介します。
態度・表情・コミュニケーションスキル
看護師という職業は、医師やほかの医療スタッフと連携して人の命を救ったり、患者様やそのご家族などと関わったりするなど、人と接する機会が多い仕事です。そのため、面接のときには、コミュニケーションを重視するケースも少なくありません。そして、コミュニケーションスキルの中には、人の話を聞いているとき・話しているときの態度や表情も含まれます。
面接の短い時間だけでは「コミュニケーションスキルが秀でて高い」ということは分かりませんが、「社会人としてきちんとした態度で受け答えすることができるか」は確認できるでしょう。表情についても同様で、険しい表情・暗い表情はネガティブな印象を与えます。緊張していても明るい表情を意識し、姿勢を正してハキハキと受け答えすることが大切です。
目を合わせて話ができているか
コミュニケーションスキルの一つとして、目線は十分に意識しましょう。話を聞いているとき・自分が話すときに目線が定まらないと、「この人の話は本当に信じてもよいのか? 」と相手に不安を与えてしまったり、「落ち着きがない」「頼りがいがない」と判断されてしまったりする可能性があります。
話を聞くとき・話すときは、しっかりと面接官と目を合わせ、言いたいことがしっかりと相手に伝わっているか確認しながら話を進めるように心がけましょう。
受け答えがはっきりしているか
看護師の転職面接では人柄を重視して採用可否が決まることも多いため、自分自身の伝えたいことをしっかりと伝えられているかが非常に大事になります。コミュニケーションスキルという点でも、面接中の受け答えははっきりと、端的で明確に回答することを意識しておきたいところです。
また、面接の冒頭ではアイスブレイクのため、面接官がくだけた話し方で接してくることもあります。「相手がそう来たから」と自分もくだけた態度で接するのではなく、丁寧で礼儀正しい受け答えを心がけましょう。
まとめ:転職のプロをフル活用して転職活動を成功させましょう
看護師の転職活動では、面接が一回のみの場合も多いです。そのため、面接が決まったら事前準備を怠らず、よくある質問に対しては回答を用意しておきましょう。あらかじめ準備することで、自分がアピールしたい部分を精査でき、熱意や強みをよりクリアに応募先に伝えることができます。
それでも面接時の受け答えに悩まれる方は少なくありません。マイナビ看護師ではキャリアアドバイザーによる面接対策を事前に行っており、当日の服装や質問内容へのアドバイスを行っています。「用意した回答が問題ないか不安」「もっと良い伝え方があるかもしれない」「面接では緊張でうまく話せる自信がない」という場合は、マイナビ看護師をご活用ください。実際にマイナビ看護師を利用した方からは、「メールや電話での面接対策、同行してもらえてよかった」という声をいただいております。貴重な面接のチャンスを逃さないために、うまく活用して転職活動を成功に導きましょう。
※当記事は2022年5月時点の情報をもとに作成しています
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