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02鬱(うつ)で退職……でももう一度やり直すことを決めました!

鬱(うつ)で退職……でももう一度やり直すことを決めました!


「僕は、学校卒業して念願のICUに配属されました。しかし仕事がうまくできなくて自分を責め、鬱になり退職しました。1年間何もせず過ごしましたが、もう一度やり直そうと気持ちが固まり貴院を受けることにしました」
眉間にしわを寄せ、硬い表情の彼。
そんな彼にかけた言葉は、「2年間、お疲れ様でした。もう一度やり直そうと思った自分を誉めましょうか」という自然で何気ない言葉でした。
これは実際にあった中途採用面接時のワンシーンです。
転職にはいろいろな理由があります。「環境を変えて自分も変える」「もう一度やり直して夢に再挑戦したい」「とにかく今の環境から逃れたい」などさまざまです。
変えた環境なかで、自分がどのように振る舞うかで良くも悪くもなります。
自分自身の意志と行動で未来は変わっていくものです。そのような人生岐路の真っ只中に行う就職面接という時間は、双方にいくつかの課題を生じさせます。
受験者は、これから自分を確立していくためのチャンスを得る場として、強い意志表明と実践行動計画を発表します。対して面接官は、受験者に対して、チャンスの場を提示するとともに厳しい忠告を行います。
そこには、受験者に対して今後の生き方をサポートするという責任が生じるのです。

私は、彼の熱い思いと言動に賭けました。
「もう一度やり直したい」という言葉を聞いて、配属先は同じ環境のICUを提案しました。大学病院よりも規模は小さいけれど、同じ環境で、彼に自信を付けて欲しいと考えたからです。彼は、躊躇しながらも「頑張ります」と答えました。
私は彼の復職への思いを固めるため、ICUの男性師長を呼び、面談に切り替えました。現場のリアルな声を彼に聞かせ、そこに彼の存在価値があることを伝えたかったからです。すると、彼の発した言葉が「頑張ります」から「やらせてください」に変わりました。
入職後の彼はとにかく“一生懸命 ”で、その活躍はめざましく、みるみる頭角を現しました。そして、自分の苦い経験から『決して批判者にはならず、すべてを受け入れ、穏やかに業務改善を行う』という後輩の指導法を確立していったのです。
現在、彼はICUの主任として活躍しています。
挫折を経験し、逆境から得たものを糧に、チャンスをつかみ、未来を変えることに成功しました。
- 1自分の意志と行動で職場環境や未来を変えよう
- 2変えた環境を活かす振る舞いを心がけて
- 3経験した挫折はチャンスに変えよう!
ICUという戦場の中でも、決して笑顔を絶やすことはありません。それは今後、指導した後輩たちにも受け継がれていくことでしょう。

佐賀女子短期大学付属看護学校を卒業後、33年間看護師として民間病院や公的病院での一般急性期の医療に携わり、看護実践や教育・看護管理などの経験を培う。豊富な経験を活かした講演会やセミナーは悩める看護師たちに高く評価されている。現在は、医療法人鵬志会 別府病院にて看護部長として勤務中。

行徳倫子(ぎょうとくりんこ)
佐賀女子短期大学付属看護学校を卒業後、33年間看護師として民間病院や公的病院での一般急性期の医療に携わり、看護実践や教育・看護管理などの経験を培う。豊富な経験を活かした講演会やセミナーは悩める看護師たちに高く評価されている。現在は、医療法人鵬志会 別府病院にて看護部長として勤務中。
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