認定看護管理者とは? 資格取得の流れやメリット、求められる能力|お役立ちガイド | 【マイナビ看護師】≪公式≫看護師の求人・転職・募集

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vol.102 キャリアアップの強化書

認定看護管理者とは? 資格取得の流れやメリット、求められる能力

2026.10.08 2026.10.07

「認定看護管理者とはどのような制度なのか」「取得までにどのような経験が必要か」と気になっている看護師の方もいるのではないでしょうか。 この記事では、認定看護管理者の概要や求められる能力、資格取得までの流れを解説します。あわせて、教育課程の内容や取得するメリット、向いている看護師の特徴についても紹介するので、キャリア形成の参考にしてください。

※認定看護管理者教育は現在、制度の見直しが進められています。本記事では2026年9月時点の現行制度を中心に説明し、新制度への移行予定についても紹介します。受講・受験を検討する際は、日本看護協会の最新情報をご確認ください。

▶看護管理者とは?どんな仕事? 魅力や役割は?

監修
宮崎萌絵

宮崎 萌絵(みやざき もえ)
看護師としてICU・救急の臨床現場を経て、消化器内科クリニックに勤務。現在はキャリアコンサルタントとして、看護師の転職・キャリア支援や看護学生のキャリア相談にも従事。急性期から慢性期までの現場理解をもとに、看護師の働き方やキャリア形成に関する情報を分かりやすく発信している。

認定看護管理者とは

認定看護管理者とは、多様なヘルスケアニーズを持つ人々に対して質の高い看護サービスを組織的に提供できるよう、優れた管理能力を発揮する看護管理者を指します。日本看護協会が認定する資格であり、病院や施設などの組織において、看護の質や安全、人材育成、組織運営などの幅広い視点を持って創造的に組織を発展させる役割を担っています。

認定看護管理者制度の目的と役割

認定看護管理者制度の目的は、多様なヘルスケアニーズに対して質の高い看護サービスが組織的に提供されるよう、看護管理者の資質と看護の水準の維持・向上を目指すことです。

役割としては、看護部門の目標を設定して組織を動かすだけでなく、多職種と連携しながら組織運営や病院経営にも関わることが求められます。現場の課題を早期に把握して解決へ導くほか、スタッフが安心して働ける環境づくりを推進する役割も担います。

認定看護管理者に求められる6つの能力

日本看護協会では、認定看護管理者をはじめとする看護管理者に求められる能力として、以下の6つを示しています。

能力 定義
組織管理能力 組織の方針を実現するために資源を活用し、看護組織をつくる力
質管理能力 患者の生命と生活、尊厳を尊重し、看護の質を組織として保証する力
人材育成能力 将来を見据えて看護人材を組織的に育成、支援する力
危機管理能力 予測されるリスクを回避し、安全を確保するとともに、危機的状況に陥った際に影響を最小限に抑える力
政策立案能力 看護の質向上のために制度・政策を活用及び立案する力
創造する能力 幅広い視野から組織の方向性を見出し、これまでにない新たなものを創り出そうと挑戦する力

認定看護管理者は現場の看護実践を支えるだけでなく、組織全体の看護の質向上や人材育成、医療安全の推進にも関わります。そのため、幅広いマネジメント能力を備え、組織を牽引していくことが求められます。

参照元:
日本看護協会「認定看護管理者」
日本看護協会「病院看護管理者のマネジメントラダー」

▶看護師に必要な8つの能力とは? スキルを伸ばすポイントを徹底解説

認定看護管理者になるには

認定看護管理者になるには、一定の基準を満たしたうえで日本看護協会が実施する認定審査に合格する必要があります。資格取得までには、実務経験の積み重ねに加え、認定看護管理者教育課程の修了など複数の要件を満たさなければなりません。

ここでは、認定看護管理者になるために必要な要件や資格取得までの流れについて解説します。

受験資格

受験資格を得るためには、日本国の看護師免許取得後、通算5年以上の実務経験が必要です。そのうえで、以下いずれかの要件を満たしている必要があります。

  • 認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している者
  • 看護管理に関連する学問領域の修士以上の学位を取得している者

まずは自身の経歴がこれらの基準を満たしているか、事前にしっかりと確認しておきましょう。

認定看護管理者教育課程を修了する

認定看護管理者教育課程は、看護管理に関する知識や技術を段階的に学ぶためのプログラムです。ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの3課程に分かれており、それぞれ所定の時間数が定められています。

各課程の教育時間は以下のとおりです。

  • ファーストレベル:105時間
  • セカンドレベル:180時間
  • サードレベル:180時間

講義や演習を通じて、組織マネジメントや人材育成、経営的な視点など、現場の管理業務に生かせる実践的な能力を身に付けます。サードレベルまでを修了することが、認定審査の受験要件の1つとなっています。

認定審査に合格する

受験資格を満たしたあとは、日本看護協会が実施する認定審査に臨みます。審査は書類審査と筆記試験によって行われます。

筆記試験では、認定看護管理者カリキュラム基準に基づく知識や判断力が問われます。出題範囲や試験方式は年度によって変更される可能性があるため、受験前に日本看護協会の最新情報を確認しておきましょう。

5年ごとの更新審査を受ける

認定看護管理者の資格は更新制となっており、5年ごとに更新審査を受ける必要があります。資格取得後も看護管理者としての実践を重ねながら、継続的に専門性を高めていくことが求められます。

更新の際には、過去5年間の看護管理の実践実績や研修への参加、研究活動などの実績を証明する書類を提出します。

参照元:日本看護協会「認定看護管理者」

認定看護管理者教育課程の3つのレベル

認定看護管理者教育課程には、ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの3課程があります。看護管理者としての役割や経験に応じて学習内容が設定されており、段階的に知識やマネジメント能力を高められる点が特徴です。ここでは、各レベルの受講要件や教育目的、到達目標、教科目について解説します。

ファーストレベル

ファーストレベルは、管理業務に関心がある人が、将来的に看護管理者を目指す際に必要な看護管理の基礎を体系的に身に付けることを目的とした課程です。

受講要件

  1. 日本国の看護師免許を有する者
  2. 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある者
  3. 管理業務に関心がある者

教育目的

看護専門職として必要な管理に関する基本的知識・技術・態度を習得する

到達目標

  1. ヘルスケアシステムの構造と現状を理解できる
  2. 組織的看護サービス提供上の諸問題を客観的に分析できる
  3. 看護管理者の役割と活動を理解し、これからの看護管理者のあり方を考察できる

教科目と時間数

教科目 時間数
ヘルスケアシステム論Ⅰ 15
組織管理論Ⅰ 15
人材管理Ⅰ 30
資源管理Ⅰ 15
質管理Ⅰ 15
統合演習Ⅰ 15

ファーストレベルでは、保健医療福祉政策や地域包括ケアシステムなどヘルスケアを取り巻く環境への理解を深めるとともに、組織管理や人材管理、質管理など、看護管理者に求められる基礎的な知識・技術を学びます。

参照元:日本看護協会「認定看護管理者カリキュラム基準【ファーストレベル】」

セカンドレベル

セカンドレベルは、看護師長や副看護師長など、主に部署運営を担う立場に求められる実践的なマネジメント能力の習得を目指す課程です。

受講要件

  1. 日本国の看護師免許を有する者
  2. 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある者
  3. 認定看護管理者教育課程ファーストレベルを修了している者
    または看護部長相当の職位にある者、もしくは副看護部長相当の職位に1年以上就いている者

教育目的

看護管理者として基本的責務を遂行するために必要な知識・技術・態度を習得する

到達目標

  1. 組織の理念と看護部門の理念の整合性を図りながら担当部署の目標を設定し、達成に向けた看護管理過程を展開できる
  2. 保健・医療・福祉サービスを提供するための質管理ができる

教科目と時間数

教科目 時間数
ヘルスケアシステム論Ⅱ 15
組織管理論Ⅱ 30
人材管理Ⅱ 45
資源管理Ⅱ 15
質管理Ⅱ 30
統合演習Ⅱ 45

セカンドレベルでは、保健医療福祉政策や組織運営、人材育成、看護サービスの質向上について学びます。組織理念と部署目標を踏まえながら、担当部署を管理・運営するための実践的な能力を養う内容となっています。

参照元:日本看護協会「認定看護管理者カリキュラム基準【セカンドレベル】」

サードレベル

サードレベルは、看護部長など組織全体の運営を担う立場に求められる高度なマネジメント能力の習得を目指す課程です。

受講要件

  1. 日本国の看護師免許を有する者
  2. 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある者
  3. 認定看護管理者教育課程セカンドレベルを修了している者
    または看護部長相当の職位にある者、もしくは副看護部長相当の職位に1年以上就いている者

教育目的

多様なヘルスケアニーズを持つ個人、家族、地域住民及び社会に対して、質の高い組織的看護サービスを提供するために必要な知識・技術・態度を習得する

到達目標

  1. 保健医療福祉の政策動向を理解し、それらが看護管理に与える影響を考えることができる
  2. 社会が求めるヘルスケアサービスを提供するために、看護現場の現状を分析し、データ化して提示することができる
  3. 経営管理の視点に立ったマネジメントが展開できる

教科目と時間数

教科目 時間数
ヘルスケアシステム論Ⅲ 30
組織管理論Ⅲ 30
人材管理Ⅲ 15
資源管理Ⅲ 30
質管理Ⅲ 30
統合演習Ⅲ 45

サードレベルでは、保健医療福祉政策や経営管理、組織変革、人材戦略などについて学びます。組織全体を俯瞰しながら看護部門を運営し、質の高い看護サービスの提供や組織の発展を支えるマネジメント能力を養う内容となっています。

参照元:
日本看護協会「認定看護管理者カリキュラム基準【サードレベル】」
日本看護協会「認定看護管理者」

以上は現行の認定看護管理者教育課程です。日本看護協会では認定看護管理者教育の見直しを進めており、従来のファーストレベル・セカンドレベル・サードレベルによる教育課程から、新たな教育制度への移行が進められています。看護管理研修は2027年度(一部2026年11月から日本看護協会にて先行実施)から順次実施され、新たな認定看護管理者教育課程は2028年度から開始される予定です。

認定看護管理者になるメリット

認定看護管理者の資格を取得することで、看護管理に関する専門知識やマネジメント能力を体系的に身に付けることができます。看護管理者としての実践力を高められるだけでなく、組織運営や人材育成、看護の質向上にも生かせる点が特徴です。

また、キャリアアップを目指す際の強みにもなります。ここでは、認定看護管理者を取得することで得られる主なメリットについて解説します。

看護管理の専門知識を体系的に学べる

認定看護管理者教育課程では、ヘルスケアシステムや組織管理、人材マネジメントなど、看護管理に必要な知識を体系的に学びます。現場での経験だけでは身に付きにくい理論やマネジメント手法について理解を深められる点が特徴です。

根拠に基づいた看護管理の考え方が身に付くことで、日々の業務で直面する課題に対しても、客観的なデータや理論を踏まえながら判断しやすくなるでしょう。

管理職としてのキャリアアップにつながる

認定看護管理者の資格取得は、管理職としてのキャリア形成に役立ちます。看護管理に関する知識や能力を体系的に習得していることの裏付けになるためです。

組織運営や人材育成、経営的な視点などを体系的に学ぶことで、看護部門全体を見渡しながら判断・行動する力を養えます。より責任の大きな役割を担うための土台づくりにつながるでしょう。

組織運営や人材育成に生かせる

認定看護管理者教育課程では、組織運営や人材育成に必要な知識やマネジメント手法を体系的に学びます。こうした知識を生かすことで、スタッフ一人ひとりの能力を引き出しながら、組織として成果を上げられる体制づくりに取り組みやすくなるでしょう。

また、危機管理や資源管理に関する知識を生かすことで、組織が抱える課題を多角的に捉え、より効果的な運営につなげることができます。

看護の質向上に貢献できる

認定看護管理者の資格を取得することで、病院や施設全体の看護サービスの質向上に貢献できます。個人の経験や能力だけに頼るのではなく、安全管理の徹底やケア手順の見直しなどを通じて、組織として質を保証する体制づくりを進められるためです。

患者さんに安全で質の高い看護を提供できる環境を整えることは、組織全体の信頼性向上にもつながります。自身のマネジメントや方針立案を通じて、より良い看護提供体制の構築に関われる点は、認定看護管理者ならではの魅力といえるでしょう。

認定看護管理者に向いている看護師の特徴

認定看護管理者に向いているのは、現場での看護実践だけでなく、組織全体を見渡しながら課題解決や人材育成に取り組める看護師です。看護部門のマネジメントを担う立場であるため、自身の看護観や将来のキャリアプランと合致しているかを考えることも大切になります。

ここでは、認定看護管理者に向いている看護師の特徴を4つ紹介します。

人材育成や教育に関心がある

認定看護管理者には、スタッフの成長を支えながら組織全体の人材育成を推進する役割があります。後輩の指導やスタッフのキャリア支援に熱意を持って取り組める看護師は、認定看護管理者としての役割にやりがいを感じやすいでしょう。

実際の業務では単に知識や技術を伝えるだけでなく、スタッフが長く働き続けられる教育体制の整備や適材適所の人員配置にも携わります。周囲を強く引っ張るタイプだけでなく、スタッフの意見を聞き、関係者間を調整しながら組織を前に進められる人にも適しています。人材育成に関心があり、組織の成長を支える役割を担いたいと考える人は、認定看護管理者に求められる役割との親和性が高いでしょう。

リーダーシップを発揮したい

認定看護管理者にはスタッフの意見を調整し、多職種とも円滑に連携しながら課題解決を図るリーダーシップが求められます。周囲を巻き込みながら目標達成に向けて組織を牽引できる人が力を発揮しやすいでしょう。

また、予期せぬトラブルに直面した際に冷静に状況を分析し、チームの進むべき方向を示す判断力も欠かせません。そのため、周囲と信頼関係を築きながら、より良い職場環境づくりを主導したいと考える人に向いています。

組織運営やマネジメントに興味がある

認定看護管理者は現場の看護実践だけでなく、組織全体の運営にも深く関わる立場です。そのため、病院や施設の運営に関心があり、経営的な視点から組織を支えたい人に向いています。

また、人員配置や予算管理、組織目標の達成に向けた取り組みなど、看護部門を円滑に運営するためのマネジメント力が求められます。組織全体を俯瞰しながら課題解決に取り組める人は、認定看護管理者としての役割に魅力を感じやすいでしょう。

看護の質向上に貢献したい

患者さんへより良い看護を提供するためには、個人の努力だけでなく、組織全体で質を高める取り組みが欠かせません。組織的な視点から看護の質向上や改善活動に携わりたい人は、認定看護管理者の役割にやりがいを見出しやすいでしょう。

認定看護管理者には、現場の課題を分析しながら業務改善や安全管理を推進し、組織として看護の質向上を図る役割があります。患者さんへより良い看護を届けるために、組織全体へ働きかけたいと考える人に向いています。

認定看護管理者に関するよくある質問

認定看護管理者になるには何年かかりますか?

看護師免許取得後、通算5年以上の実務経験が必要です。また、現行制度では、認定看護管理者教育課程のファーストレベルからサードレベルまでを順に修了する必要があるため、資格取得までには一定の期間を要します。教育課程の受講期間は、教育機関の開講日程や本人の受講ペースによって異なるため、一律にはいえません。働きながら段階的に受講していくケースが多いため、数年単位の計画を立てて資格取得を目指すのが一般的です。

管理職経験がなくても認定看護管理者を目指せますか?

現行制度では、管理職経験がなくても、実務経験が通算5年以上あり、管理業務に関心があればファーストレベルから学び始めることは可能です。一方、2028年度以降の新たな認定看護管理者教育課程を受講するには、看護管理研修の修了などに加えて、師長相当以上などの看護管理の職にあることが求められます。そのため、認定看護管理者を目指す場合は、制度の変更点を確認しながら、自身の経験や職位に応じて計画的に準備を進めることが大切です。

認定看護管理者を取得すると給料は上がりますか?

認定看護管理者を取得したからといって、必ずしも給与が上がるとは限りません。給与への反映方法は勤務先によって異なり、資格手当が支給されない場合もあります。

一方で、認定看護管理者として培った知識や経験を生かして管理職を目指すことで、結果として収入アップにつながるケースもあります。

5年ごとの更新審査ではどのような実績が求められますか?

認定看護管理者の資格を更新するためには、認定期間内に看護管理に関する実践や活動実績を積み重ねる必要があります。

具体的には、研修への参加や研究活動など、過去5年間の自己研鑽などの実績が評価対象となります。更新要件は変更される場合があるため、最新の情報を日本看護協会の案内で確認することが大切です。

参照元:日本看護協会「認定看護管理者」

認定看護管理者のファーストレベルはなくなるのですか?

日本看護協会では認定看護管理者教育の見直しを進めており、従来のファーストレベル・セカンドレベル・サードレベルによる教育課程から、新たな教育制度への移行が進められています。看護管理研修は2027年度(一部2026年11月から日本看護協会にて先行実施)から順次実施され、新たな認定看護管理者教育課程は2028年度から開始される予定です。

ただし、すでに修了した教育課程が無効になるわけではありません。移行に伴う経過措置も設けられているため、認定看護管理者を目指す場合は、日本看護協会が公表している最新の制度内容を確認しておきましょう。

参照元:日本看護協会「認定看護管理者教育の見直し」

まとめ

認定看護管理者は看護部門の運営や人材育成、看護の質向上を担う看護管理のスペシャリストです。現場の看護実践を支えるだけでなく、組織全体を見渡しながら課題解決や組織運営に取り組む役割が求められます。

資格取得までには一定の実務経験や教育課程の修了が必要ですが、看護管理に関する知識やマネジメント能力を体系的に学べる点が魅力です。将来的に看護部門のマネジメントに関わりたいと考えている場合は、自身のキャリアプランと照らし合わせながら、認定看護管理者の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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