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看護師の転職は難しい? うまくいかない理由と成功のポイントを解説
「看護師の転職は難しいのではないか」「年齢やブランクがあると不利になるのでは」と不安を感じているかたもいるのではないでしょうか。 看護師は全国的に需要が高く、求人も豊富にあります。ただし、希望条件が多すぎたり、転職の準備が不十分だったりすると、転職活動が思うように進まないこともあります。
この記事では、看護師の転職が難しいと感じる主な理由や転職が難航しやすい看護師の特徴、転職を成功させるためのポイントを詳しく解説します。
宮崎 萌絵(みやざき もえ)
看護師としてICU・救急の臨床現場を経て、消化器内科クリニックに勤務。現在はキャリアコンサルタントとして、看護師の転職・キャリア支援や看護学生のキャリア相談にも従事。急性期から慢性期までの現場理解をもとに、看護師の働き方やキャリア形成に関する情報を分かりやすく発信している。
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看護師の転職は難しい?
「看護師の転職は難しい」という声を耳にすることがありますが、看護職のニーズは高い水準にあります。ただし、年齢や経験、希望条件によっては、自分に合う求人が見つかりにくいことも。その結果、「思うように転職先が決まらない」「応募しても採用に至らない」と感じるケースもあります。
ここでは、看護師の転職市場の現状と、「転職が難しい」と感じる背景について解説します。
全体的な有効求人倍率は高く、需要は大きい
看護師は全国的に人材需要が高く、転職の機会に恵まれやすい職種です。厚生労働省によると、2024年度の看護職員全体(保健師・助産師・看護師)の有効求人倍率は全国平均が2.06倍でした。求職者1人に対して2件以上の求人がある計算となり、全体として看護師を求める職場が多いことが分かります。
高齢化の進行に伴い、病院だけでなく訪問看護ステーションや介護施設、地域包括ケアに関わる職場でも看護師の需要が高まっています。数値の上では「仕事が見つからなくて困る」という状況にはなりにくく、採用市場全体としては比較的転職しやすい状況といえます。
「難しい」と感じるのは、年齢や希望条件とのミスマッチが原因
求人数が豊富であるにもかかわらず、転職が難しいと感じてしまう原因として、年齢や希望条件、求めるキャリアと、採用側が求める人物像との間に生じるミスマッチが挙げられます。
例えば、特定の人気求人に募集が集中したり、年齢に応じた役割と自身のスキルにズレがあったりすると、選考が思うように進まなくなるケースがあります。また、夜勤なし・高給与・残業なしといった好条件ばかりを並べてしまうと該当する求人が限られ、結果として難航してしまうことも珍しくありません。
転職の難しさは求人の量そのものよりも、自分に合う職場の選び方や転職活動の進め方に左右されるケースが多いといえます。
看護師の転職が難しいと感じる主な理由
看護師の採用市場全体としては求人が豊富であるものの、個人の状況や目指す方向性によっては、転職活動が思うように進まないことがあります。看護師が転職の壁にぶつかりやすい5つの理由について、詳しく解説します。
希望条件に合う求人が見つからない
転職活動を進めるなかで、「給与水準を下げたくない」「夜勤なしの常勤が良い」「残業が少なく、かつ家から近い職場がいい」など理想の条件を重ねていくと、該当する求人が少なくなってしまうことがあります。
条件が増えるほど、希望に合う求人の数は自然と限られてきます。看護師全体の求人は豊富にあっても、応募を検討できる職場がなかなか見つからず、「自分に合う求人がない」と感じることも少なくありません。
【40代・50代】即戦力として高い能力が求められる
40代や50代の看護師の採用において、多くの医療機関や施設は「すぐに業務をこなせる即戦力」や「周囲のスタッフをまとめるリーダーシップ」を期待する傾向にあります。
そのため、これまでの経験やスキルが応募先の求める役割と合っていない場合には、選考が思うように進まないことがあります。年齢を重ねるほど、即戦力としての専門性やマネジメント能力を期待されやすくなる点も、転職を難しく感じる理由の1つです。
【ブランクあり】知識やスキルのアップデートが求められる
出産や育児、他職種への転職などで一定期間のブランクがある場合、医療現場の急速な変化に対応するための「知識やスキルのアップデート」が求められます。例えば、新しい医療機器や電子カルテの操作、最新の業務プロセスへの即応性が期待されるため、採用側が慎重になる場合があります。
復職後、いかにスムーズに業務へ適応できるか、具体的なイメージを伝えられるように準備をしておきましょう。
【未経験分野】意欲や適性を具体的に示す必要がある
「急性期病棟から訪問看護へ」「病棟から美容クリニックへ」といった未経験分野への転職では、これまでの看護スキルがそのまま通用しない場面も多くあります。採用側としては、早期離職を防ぐために「なぜこの分野なのか」「どのような適性があるのか」をていねいに確認する傾向にあります。
単に「興味があるから」という理由だけでなく、新しい業務を積極的に学ぶ意欲を具体的な言葉で示せるかどうかが、採用側にとって大きな評価ポイントとなります。
【転職回数が多い】すぐ辞めるのではと懸念されやすい
転職回数が多い場合、採用担当者から「入職してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を持たれやすくなります。医療機関や施設側としては、採用や教育にかかるコストを考慮し、できるだけ長く定着してくれる人材を採用したいと考えるためです。
過去の退職理由に明確な理由や前向きな目的がある場合、それを書類や面接で論理的に伝え、定着性をしっかりアピールできれば、採用側からの高い信頼や好印象につながりやすくなります。
転職が難航してしまう看護師の特徴
採用市場全体の需要が大きいにもかかわらず、転職活動が長引いてしまう看護師には、事前の準備や進め方にいくつかの共通した課題が見られます。転職が難航しやすい看護師の特徴を5つ紹介します。
キャリアの軸や転職理由が曖昧
「いまの職場に不満があるから」「環境を変えたいから」など、曖昧な理由で活動をはじめてしまうと、転職先を選ぶ基準が定まらず難航しやすくなります。
採用側から「自院でなくても良いのではないか」と判断される要因にもなりやすいため、まずは「なぜ転職するのか」を明確にすることが大切です。
仕事内容や職場環境を十分に確認していない
給与や休日数といった求人票の表面的な条件だけで応募先を決めてしまい、具体的な業務内容や職場の実際の環境を十分に確認していないことも、転職の難航や後悔の原因になります。
例えば、入職後に「想像以上に夜勤の負担が大きかった」「希望していた診療科の業務とは異なっていた」といったギャップが生じ、早期離職や再転職を繰り返す悪循環に陥るケースがあります。
希望条件が多く優先順位を整理できていない
新しい職場に求める条件が多く、どれを最優先すべきかが整理できていないと、いつまでも応募先を絞り込むことができません。高給与、残業なし、良好な人間関係、充実した研修体制など、すべての理想を満たす求人は市場のなかでも見つけにくいのが現状です。
条件を並べるばかりで譲れないポイントが定まっていないと、自分に合った求人を逃してしまうことにもつながりかねません。
自己PRや志望動機を整理できていない
これまでの経験を振り返る棚卸しが不足しており、自分の強みを伝えるための自己PRや志望動機を整理できていないことも、転職が難航する看護師の特徴の1つです。特に未経験の分野や新しい役割に挑戦する際、これまでのスキルをどう生かせるかを論理的に説明できないと、採用側に熱意や適性が伝わりにくくなります。
転職を急ぎすぎている
「早くいまの職場を辞めたい」という焦りから、十分な準備や検討を行わないまま活動を進めてしまうケースです。転職を急ぎすぎると、1社ごとの書類作成や面接対策に十分な時間を割くことができず、結果として選考を通過できないリスクが高まります。
また、情報収集が不足しているために、自分の希望や適性に合わない求人に応募してしまい、なかなか内定に結びつかず、転職活動期間だけが長引いてしまうことも少なくありません。
看護師が転職を成功させるためのポイント
転職を難しく感じてしまう原因の多くは、事前の準備や情報収集によって解消することが可能です。希望に合う職場を見つけ、納得のいく転職を実現するために押さえておきたい5つのポイントを解説します。
転職理由とキャリアの方向性を明確にする
まずは「なぜ転職したいのか」という理由と、「今後どのような看護師を目指したいか」というキャリアの方向性を明確にすることが大切です。現状の不満を書き出して整理するだけでなく、次の職場で何を解決したいのかを言語化しておくことで、一貫性のある志望動機や自己PRを作ることができます。
軸がしっかりしていると、面接でも転職理由や志望動機に一貫性が生まれ、採用担当者に熱意や定着性を伝えやすくなります。
希望条件に優先順位をつける
すべての希望を完璧に満たす求人を探すのは容易ではないため、条件に優先順位をつけることが重要です。例えば、「今回は夜勤なしの生活リズムを最優先し、給与はある程度の範囲であれば妥協する」といった基準を自分で決めておきます。
「譲れない必須条件」と「叶えばうれしい希望条件」を明確に切り分けておくことで、豊富な求人のなかから自分に合う職場をスムーズに絞り込めるようになります。
複数の求人を比較する
求人を1つに絞らず、複数の求人を比較検討することが大切です。同じ診療科や施設形態であっても、運営母体や組織の規模によって、実際の業務負担や手当のしくみ、職場の雰囲気は大きく異なります。
複数の選択肢を並べて客観的に比べることで、それぞれの職場のメリット・デメリットが浮き彫りになり、より自分に適した環境を選びやすくなります。
情報収集を徹底する
転職を成功させるためには、求人票に記載された条件だけで判断せず、職場の実際の働き方まで確認することが重要です。例えば、残業時間や有給休暇の取得状況、教育体制、スタッフの定着状況などを把握しておくことで、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
情報収集の方法としては、職場見学を活用するのが効果的です。実際に現場を訪れることで、スタッフ同士のコミュニケーションの様子や職場の雰囲気、設備環境など、求人票だけでは分からない情報を確認できます。
転職エージェントを活用する
自分一人で集められる情報には限りがあるため、看護師向けの転職エージェントを活用するのも有効な方法です。転職エージェントは各医療機関や施設の採用担当者と直接やり取りをしているため、職場の雰囲気や過去に転職した看護師の定着率など、より詳しい内部情報を把握している場合があります。
また、条件交渉や面接スケジュールの調整などを代行してもらえるほか、客観的な視点からキャリアのアドバイスを受けることで、視野を広げながら転職活動を進めやすくなります。
看護師の転職に関するよくある質問
看護師の転職活動において、多くの方が抱きやすい疑問や不安についてマイナビ看護師のキャリアアドバイザーが回答します。事前に疑問を解消し、転職活動を円滑に進めましょう。
未経験分野への転職は難しいですか?
未経験の分野であっても、看護師としての基礎的なスキルがあれば転職することは十分に可能です。実際に、病棟から施設やクリニック、あるいはまったく別の診療科へ挑戦する看護師は少なくありません。
ただし、選考では「なぜ未経験の分野に挑戦したいのか」という意欲や適性を具体的かつ客観的に示す必要があります。新しい業務を積極的に学ぶ姿勢を伝えることで、未経験であっても採用につながりやすくなります。
ブランクがあると転職は不利ですか?
ブランクがあることで、転職や復職が不利になるとは限りません。看護師の需要は高く、復職希望者向けに研修や段階的なフォロー体制を整えている職場もあります。
ただし、ブランクの期間が長い場合には、最新の知識や技術を学び直す必要があります。応募先を選ぶ際には、高給与や休日日数などの条件面だけでなく、ブランクを受け入れてくれる職場を選ぶことも大切です。そのような職場は、教育やフォロー体制が整っており、長期的に就業しやすい傾向があります。選考では、勤務可能な条件や働き方の希望を明確にしたうえで、復職への意欲と、長期的に就業したい意思を前向きに伝えることが大切です。
転職回数が多いと不利になりますか?
転職回数の多さが必ずしも不利になるとは限りません。ただし、短期間での離職を何度も繰り返している場合は、採用側から「入職してもまたすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を持たれやすくなるのも事実です。
短期離職の場合は、過去の退職理由を無理に前向きな表現にするのではなく、職場環境が合わなかった具体的な理由を正直に伝えたほうがよいこともあります。家庭の事情や親の病気など、やむを得ない理由がある場合は、そのまま伝えたうえで、現在は問題なく働けることもセットで伝えましょう。
前向きに新しいことへ挑戦したいとだけ伝えると、興味の移り変わりが早い、自分本位な転職をする人と捉えられてしまう可能性もあります。在籍期間や応募先によって退職理由の伝え方は異なるため、転職アドバイザーに相談するのがおすすめです。自分で考える場合は、「自分が採用担当者ならこの回答に納得できるか」「一緒に働きたいと思える理由か」という観点で考えてみるとよいでしょう。
転職におすすめのタイミングはありますか?
看護師の入職時期としては、4月が最も多く、その次に1~2月、7~8月が続きます。
転職活動を始める時期としては、入職希望時期から逆算して、早めに情報収集を始めることがおすすめです。求人によっては、4月入職向けの募集を1年前から開始する場合もあります。転職活動を始めた時点で人気の求人の採用が終了していることを避けるためにも、転職を考え始めたら早めに情報収集を行い、動き出すタイミングを決めておくとよいでしょう。
また、現職での区切りのよいタイミングに合わせて転職を目指す場合は、逆算して余裕を持ったスケジュールを組んでおくと、円満な退職・入職につながります。
40代・50代以降の転職は難しいですか?
20代や30代の若手層と比較すると、求められる役割や採用基準が変化するため、難易度が上がる側面はあります。一方で、40代・50代以降の方は子育てが一段落し、働き方に制限がない方も多いため、受け入れ先は多くあります。特に、これまで経験してきたことを生かせる職場であれば、採用の可能性は高まりやすいでしょう。
注意点としては、これまでの経験があるからこそ、新しい職場環境や人間関係になじめるかどうかを採用側が気にする点です。経験値だけでなく、面接での態度や伝える内容も大切になります。「環境に適応できる」「若い世代ともなじめる」「一から素直に学ぶ気持ちがある」という姿勢を示すことで、採用の可能性を高められます。
まとめ
看護職は有効求人倍率が高く、採用市場全体としては需要の大きい職種です。転職が思うように進まない背景には、年齢やブランク、未経験分野への挑戦といった個々の状況に加え、希望条件と求人内容とのミスマッチが関係していることが少なくありません。
また、転職活動が難航しやすい看護師には、転職理由やキャリアの方向性が曖昧であることや、情報収集や準備が不十分であることなど、共通する傾向があります。 転職を成功させるためには、自分の強みや働き方の希望を明確にし、十分な情報収集を行うことが欠かせません。焦らず準備を進めながら、自分に合った職場を見つけていきましょう。
マイナビ看護師は、看護職に特化した転職サービスです。 キャリアアドバイザーによる転職サポートのほか、看護師に向けた役立つ情報を発信しています。応募書類の添削や面接対策などのサポートも行っているため、転職を検討しているかたはぜひご相談ください。
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