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訪問看護への転職で失敗する原因は? よくある理由・後悔しないポイント・対処法を解説
訪問看護に興味はあるものの、「転職して後悔しないだろうか」「自分に向いているのか分からない」と不安を感じている看護師のかたもいるのではないでしょうか。
訪問看護は利用者さんの生活に深く関わりながら、一人ひとりに寄り添った看護を実践できるやりがいのある仕事です。一方で、一人で判断する場面の多さやオンコール対応、教育体制の違いなど、病院勤務とは異なる働き方にとまどうこともあります。
この記事では、訪問看護への転職で失敗したと感じる主な理由や訪問看護に向いている人の特徴、転職で後悔しないためのポイント、転職後にミスマッチを感じた時の対処法まで詳しく解説します。訪問看護への転職を検討しているかたは、ぜひ参考にしてください。
野本 真理映(のもと まりえ)
総合病院にて看護師として勤務後、精神科の看護師・保健師のほか、地域包括支援センターにて保健師などを経験。その後、個人事業主として独立。オンラインカウンセリングや、産業保健についての執筆などを手掛けている。
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訪問看護への転職で失敗したと感じる理由
訪問看護はやりがいが大きい一方で、病院勤務とは異なる業務環境にとまどいを感じるケースも少なくありません。転職後に「思っていた働き方と違った」とギャップを感じる主な理由について、6つのポイントから詳しく解説します。
一人での判断や責任の重さに不安を感じる
訪問看護は看護師が一人で利用者さんの自宅を訪問し、その場でアセスメントや処置を行うのが特徴です。病院のように周囲にすぐ相談できる医師や同僚がいない環境のなかで、自分一人で状況を判断しなければならない場面が多く、その責任の重さにプレッシャーを感じることがあります。
特に急変時の対応や判断に迷う場面において、一人で対応することへの不安が重なり、転職を後悔する一因になることがあります。
オンコール対応の負担が大きい
多くの訪問看護ステーションでは、夜間や休日の緊急事態に備えて、電話で対応するオンコールを導入しています。実際に呼び出しを受ける頻度はステーションによって異なりますが、「いつ電話が鳴るか分からない」という緊張感を持って過ごす時間は、精神的な負担になりやすい人もいます。
睡眠が妨げられたり、プライベートの外出が制限されたりするなど、生活リズムの変化に適応できず、想像以上の負担を感じてしまう場合があります。
教育体制が整っておらず不安が残る
訪問看護ステーションのなかには、教育制度やマニュアルが十分に整備されていない職場も存在します。病院のような長期にわたる研修期間がなく、数回の同行訪問を終えたあと、すぐに一人での訪問を任されるケースもあります。
十分な指導を受けられないまま実務に入ることや、自分の看護技術が適切かどうか確認できないもどかしさが、不安を感じるきっかけになることがあります。
人間関係や職場の雰囲気が合わない
訪問看護は一人で行動する時間が多い仕事ですが、ステーション内でのスタッフ同士の連携は不可欠です。少人数の組織であることが多いため、管理者や同僚との相性、職場の雰囲気が日々の働きやすさに直結します。
限られた人数で業務を回すなかでコミュニケーションが円滑に取れなかったり、方針の違いを感じたりすると、職場に馴染めずストレスを感じやすくなります。
訪問件数や業務量が多く負担が大きい
一日の訪問件数や、それに伴う記録業務の多さが負担になるケースもあります。例えば、一日に5〜6件以上の訪問をこなしながら、移動時間の合間に記録をつけたり、多職種への連絡調整を行ったりと、業務が多忙を極める職場も存在します。
利用者一人ひとりとじっくり向き合いたいという希望を持って転職したものの、現実は時間に追われるばかりで、理想の看護ができないことにギャップを感じてしまう場合があります。
移動やスケジュール管理が想像以上に大変
訪問看護では、車や自転車などを使って利用者さんの自宅を回る移動時間が発生します。悪天候時の移動や不慣れな道での運転、駐車場の確保などにストレスを感じる人もいます。
また、訪問時間が厳密に決まっているなかで、交通状況や予期せぬ処置の延長によってスケジュールがずれ込むこともあります。時間に追われながら分単位の調整を行うことに、肉体的・精神的な疲れを感じてしまうのも、転職後に負担の大きさを感じる要因の一つです。
訪問看護が向いている人の特徴
訪問看護では、利用者さんの自宅という限られた環境のなかで、その場の状況に応じて判断しながら看護を行います。病院勤務とは異なる視点や対応力が求められるため、転職前に自分の性格や看護観に合っているかどうかを考えておくことが大切です。
ここでは、訪問看護に向いている人の特徴を4つ紹介します。
自立して判断・行動できる人
利用者さんの状態を見極めながら、自分で判断して行動できる人が訪問看護に向いているでしょう。訪問先では看護師が一人で対応する場面も多く、その場の状況に応じて優先順位を考えながらケアを進める力が求められます。
例えば、ご自宅にある洗面器やタオルを活用して清拭を行うなど、限られた環境のなかで工夫しながらケアを組み立てることも少なくありません。利用者さんの生活に合わせて柔軟に対応し、自分の判断で看護を進めていくことにやりがいを感じる人に向いています。
利用者一人ひとりとじっくり向き合いたい人
一対一の関わりを通じて、利用者一人ひとりとじっくり向き合いたいと考える人に適した環境といえます。病院では多くの患者さんを同時に担当するため、日々の業務に追われてコミュニケーションの時間が十分に取れないこともあります。
一方、訪問看護では決められた時間のなかで目の前の利用者さんに集中できるため、そのかたの価値観やこれまでの歩みを尊重したていねいなケアが可能です。病状の管理だけでなく、その人らしい生活や療養の形を支えていくことに喜びを感じる人は、大きなやりがいを感じやすいでしょう。
コミュニケーション力が高い人
利用者さんやご家族、更には他職種と円滑に連携するためのコミュニケーション力が高い人も訪問看護に向いています。訪問看護では自宅というプライベートな空間にうかがうため、相手の生活習慣や思いを尊重しながら、安心感を与えられるような言葉がけや立ち居振る舞いが大切になります。
また、主治医やケアマネジャーなどへ状況を正確に伝え、チームで支えるしくみを整える役割も担います。相手の意図を汲み取り、信頼関係を築きながらより良い療養環境を整えていくプロセスに、やりがいを見出せる人に向いている職場です。
柔軟に対応できる人
現場の状況や利用者さんの希望に合わせて、柔軟に対応できることも重要な資質の一つです。訪問看護の現場では、事前の計画どおりにいかないことや、その場での判断を求められる場面が多々あります。
例えば、急な体調変化や生活環境の変化に合わせてケアの優先順位を組み替えたり、マニュアルにない工夫を取り入れたりすることもあります。一つのやり方に固執せず、「いまのこのかたにとってベストな対応は何か」をその都度前向きに模索できる人は、変化の多い訪問看護の仕事でも自分らしく働き続けることができるでしょう。
訪問看護への転職で失敗しないためのポイント
訪問看護への転職で後悔しないためには、求人票の条件面だけでなく、実際の勤務環境や業務の流れについて事前に細かく把握しておくことが大切です。入職後のミスマッチを防ぐために確認しておきたい6つのポイントを解説します。
具体的な仕事内容や働き方を事前に理解しておく
病院での看護業務と訪問看護では、仕事の流れや求められる役割が大きく異なります。そのため、具体的な仕事内容や働き方を事前に理解しておくことが大切です。例えば、医療処置の内容や介護保険・医療保険のしくみに基づく書類作成など、訪問看護特有の実務についてイメージを持っておくと入職後のギャップを減らせます。
特に病院勤務の経験が長い人は、生活の場で提供する看護のあり方にとまどいやすいため、事前の情報収集で働き方のイメージを膨らませておくと良いでしょう。
オンコールや訪問件数の実態を確認する
体力的・精神的な負担に直結するオンコールや訪問件数については、事前の実態確認が欠かせません。「オンコールあり」の求人であっても、実際の月間の担当回数や夜間にスマートフォンが鳴る頻度、出動を伴う件数はステーションによって異なります。
また、一日の平均訪問件数が何件なのか、移動時間はどの程度確保されているのかについても聞いておく必要があります。これらの数値を明確にしておくことで、自分の体力やライフスタイルに合う職場かどうかを客観的に判断しやすくなります。
教育体制や同行訪問の有無をチェックする
一人での訪問に不安がある場合は、職場の教育体制や同行訪問の有無、その期間を必ずチェックしておきましょう。特に初めて訪問看護に挑戦する際には、「何回程度先輩が同行してくれるのか」「独り立ちの基準はどこにあるのか」が重要なポイントとなります。
座学の研修があるか、困った時に相談できるサポート体制が整っているかなど、自分が安心してステップアップできる環境があるかを確認しておくことが、転職後のミスマッチを防ぐことにつながります。
複数の求人を比較する
一つのステーションだけで決めてしまわず、複数の求人を比較することが大切です。訪問看護ステーションは、大手の法人が運営する大規模なものから、個人のアットホームな事業所まで規模や方針が多様です。
複数の求人を並べて比べることで、基本給や手当のバランス、休日の取りやすさ、理念の違いなどが浮き彫りになります。広い視野で複数の職場を見ることで、自分に合った職場を見つけやすくなります。
職場見学や体験訪問を行う
転職で失敗しないためには、面接を受ける前や内定を承諾する前に職場見学を行うのがおすすめです。訪問看護ステーションの事務所に足を運ぶことで、スタッフ同士の会話の様子や、管理者の人柄といった職場のリアルな雰囲気を肌で感じられます。
また、可能であれば同行の形で体験訪問をさせてもらうと、移動の大変さや、利用者さん・ご家族とどのように接しているのかといった現場の空気感を具体的に把握することができます。
転職エージェントに内部事情を確認する
求人票や公式のホームページだけでは見えにくい組織の内情を知るために、転職エージェントに内部事情を確認するのも一つの方法です。転職エージェントは、過去にそのステーションに入職した看護師からのフィードバックを蓄積している場合があります。
「実際の残業時間はどれくらいか」「人間関係のトラブルはないか」「利用者さんからの評判はどうか」など、自分では直接聞きにくいリアルな情報を代わりに収集してもらうことで、より納得感のある選択につながります。
関連記事:訪問看護での働き方
訪問看護への転職に失敗したと感じた時の対処法
もし転職後に「自分には合わないかもしれない」と感じても、すぐに退職を決断する必要はありません。現状を整理しながら働き方を見直したり、自分に合った環境を見つけたりすることも可能です。
ここでは、自分に合った働き方を取り戻すための3つの対処法を解説します。
上司・管理者に働き方や業務内容の調整を相談する
現在の悩みが業務量や特定のスケジュールに起因するものである場合、まずは上司や管理者に働き方や業務内容の調整を相談してみるのが先決です。例えば、「オンコールの回数を一時的に減らしてほしい」「一日の訪問件数を調整してほしい」「不安な処置があるため、もう一度同行訪問をお願いしたい」など、具体的な要望を伝えてみましょう。
訪問看護ステーション側も、スタッフが一人で悩みを抱えて離職してしまうことは避けたいと考えているのが一般的です。現状の負担を正直に打ち明けることで、業務の割り振りを見直してもらえたり、サポート体制を強化してもらえたりする可能性があります。
別の訪問看護ステーションへの転職を検討する
管理者へ相談しても環境が改善されない場合や、職場の理念・人間関係そのものが合わないと感じる場合は、別の訪問看護ステーションへの転職を検討するのも一つの方法といえます。訪問看護という仕事自体には魅力を感じているのであれば、働く環境を変えるだけで、これまでの悩みを改善できることもあります。
小規模でアットホームな事業所から大手の事業所まで、訪問看護ステーションは多種多様です。今回の経験で得た「自分に合わなかった条件」を教訓に、次は自分に合う条件を整理しながら、より納得できる職場を選んでいきましょう。
訪問看護以外への転職を検討する
実際に働いてみて、「一人で判断する働き方が自分には合わない」「オンコール対応の負担が大きい」などと感じた場合は、訪問看護以外の職場を検討するのも一つの選択肢です。看護師の資格を生かせる職場は、病院やクリニック、介護施設、保育園、企業など幅広くあります。
訪問看護に挑戦したからこそ、自分に合う環境や理想の働き方の基準が明確になることもあります。その気づきを生かして次の職場を探すことで、自分のライフスタイルや強みに合った環境を見つけやすくなるでしょう。
訪問看護への転職に関するよくある質問
訪問看護への転職を検討するにあたって、多くのかたが抱きやすい疑問や不安についてマイナビ看護師のキャリアアドバイザーが回答します。あらかじめ疑問を解消して、後悔のない転職にしましょう。
訪問看護へはどのくらいの経験年数があれば転職できますか?
訪問看護への転職に、必須となる具体的な経験年数はありません。新卒や臨床経験1〜2年目の看護師を受け入れている訪問看護ステーションもあります。
ただし、一般的には「基本的な看護技術やアセスメント能力が身についているとされる、臨床経験3年程度」を目安としている職場が多い傾向にあります。自身の経験年数に不安がある場合は、教育体制や同行訪問の充実度を事前に確認しておきましょう。
訪問看護が「きつい」と言われる理由は?
訪問看護が「きつい」と言われる背景には、病院勤務とは異なる働き方があります。具体的には、周囲に医師や同僚がいないなかで一人で判断する責任の重さ、夜間や休日の対応を担うオンコールによる精神的・身体的な負担などが挙げられます。
また、医療機器が十分にそろっていない利用者様のご自宅でケアを行うことに加え、衛生環境が整っていないご自宅でのケアに負担を感じる人もいます。潔癖症の方やほこりアレルギーの方は、体質的にきついと感じる場合があるでしょう。
さらに、悪天候時の移動、利用者様やご家族との密なコミュニケーションなど、病院とは異なる環境で働くことにも負担を感じる人がいます。エリアによっては電動自転車で訪問することもあり、移動に伴う体力的な負担や、天候・季節による大変さを感じる場合もあります。
車の運転に自信がなくても訪問看護はできますか?
車の運転に自信がない場合でも、訪問看護で働くことは可能です。訪問看護ステーションによっては専属の運転手がいるほか、電動自転車や公共交通機関、徒歩で訪問をする職場もあります。
募集要項を確認したり、事前に問い合わせたりして、移動手段がどのように指定されているかを確認しましょう。
訪問看護にミスマッチを感じやすい人の特徴は?
ルーティンワークやマニュアルどおりに業務をこなすことを好む人は、訪問看護の環境にとまどいやすいといえます。利用者様の生活環境やご家族の意向に合わせて、その都度柔軟にケアの方法を変える必要があるためです。
また、周囲に常にスタッフがいて、相談しながら業務を進めたいと考える人も、ミスマッチを感じやすい傾向にあります。夜間や休日のオンコールに負担を感じる人は、オンコールのない職場を選ぶとよいでしょう。訪問看護のなかには、軽度の利用者様を中心とする事業所や精神科に特化した事業所など、オンコールなしで働ける職場もあります。
訪問看護から病院に戻ることはできますか?
訪問看護を経験したあとに、再び病院勤務に戻ることは可能です。訪問看護で培った高いアセスメント能力や急変時の判断力、疾患だけでなく生活までを視野に入れた看護観は、病院の病棟や外来、在宅復帰を支援する地域包括ケア病棟などでも生かしやすい経験といえます。
転職の面接では、訪問看護に挑戦した理由や、そこで得た学びを病院でどのように生かしたいかを具体的に説明することが大切です。訪問看護で得た経験を自身の成長として整理して伝えられれば、病院への復職を前向きに進めやすくなります。
まとめ
訪問看護への転職で「失敗した」と感じる背景には、一人で判断する責任の重さやオンコール対応、教育体制への不安、人間関係、業務量など、さまざまな要因があります。転職で後悔しないためには、業務の実態や教育体制、職場の雰囲気などを事前に確認し、自分に合った環境を選ぶことが重要です。十分な情報収集を行い、自分の看護観やライフスタイルに合った職場を見つけましょう。
訪問看護への転職を考えているかたは、マイナビ看護師にご相談ください。
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