午後
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第1問
世界保健機関〈WHO〉が定義する健康について正しいのはどれか。
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1.単に病気や虚弱のない状態である。
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2.国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。
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3.肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
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4.経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。
第8問
平成25年(2013年)の国民生活基礎調査で、要介護者からみた主な介護者の続柄で割合が最も多いのはどれか。
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1.同居の父母
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2.別居の家族
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3.同居の配偶者
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4.同居の子の配偶者
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第16問
インドメタシン内服薬の禁忌はどれか。
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1.痛風(gout)
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2.膀胱炎(cystitis)
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3.消化性潰瘍(peptic ulcer)
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4.関節リウマチ(rheumatoid arthritis)
第18問
男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。
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1.30~40度
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2.80~90度
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3.120~130度
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4.160~170度
第23問
呼びかけに反応はないが正常な呼吸がみられる傷病者に対して、まず行うべき対応はどれか。
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1.下肢を挙上する。
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2.胸骨圧迫を行う。
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3.回復体位をとる。
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4.自動体外式除細動器〈AED〉を装着する。
第25問
マズロー,A.H.〈Maslow,A.H.〉の基本的欲求階層論で最高次の欲求はどれか。
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1.安全の欲求
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2.承認の欲求
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3.生理的欲求
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4.自己実現の欲求
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5.所属と愛の欲求
第27問
ビタミンと生理作用の組合せで正しいのはどれか。
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1.ビタミンA―嗅覚閾値の低下
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2.ビタミンD―Fe2+吸収の抑制
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3.ビタミンE―脂質の酸化防止
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4.ビタミンK―血栓の溶解
第28問
呼吸不全(respiratory failure)について正しいのはどれか。
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1.喘息(asthma)の重積発作によって慢性呼吸不全(chronic respiratory failure)になる。
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2.動脈血酸素分圧〈PaO2〉で2つの型に分類される。
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3.動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が60mmHg以下をいう。
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4.Hugh-Jones〈ヒュー・ジョーンズ〉分類は呼吸困難の程度を表す。
第29問
薬剤とその副作用(有害事象)の組合せで正しいのはどれか。
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1.副腎皮質ステロイド―低血糖
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2.ニューキノロン系抗菌薬―髄膜炎(meningitis)
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3.アミノグリコシド系抗菌薬―視神経障害
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4.スタチン〈HMG-CoA還元酵素阻害薬〉―横紋筋融解症(rhabdomyolysis)
第30問
Sjögren〈シェーグレン〉症候群(Sjögren syndrome)について正しいのはどれか。
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1.網膜炎(retinitis)を合併する。
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2.男女比は1対1である。
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3.主症状は乾燥症状である。
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4.抗核抗体の陽性率は30%程度である。
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第34問
クリティカル・シンキングの思考過程で正しいのはどれか。
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1.物事を否定的にみる。
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2.主観的情報を重視する。
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3.直感的にアプローチをする。
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4.根拠に基づいた判断を行う。
第35問
学習支援として、集団指導よりも個別指導が望ましいのはどれか。
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1.小学生へのインフルエンザ予防の指導
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2.塩分摂取量が多い地域住民への食事指導
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3.ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染者への生活指導
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4.3~4か月児健康診査に来た保護者への離乳食の指導
第37問
Aさん(85歳、女性)。左側の人工股関節置換術後10日である。日中は看護師の援助によって車椅子でトイレまで行くことは可能であるが、夜間はポータブルトイレを使用している。 Aさんの夜間の療養環境を整える上で適切なのはどれか。
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1.足側のベッド柵は下げておく。
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2.着脱しやすいスリッパを用意する。
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3.ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。
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4.移動時につかまれるようにオーバーテーブルを整える。
第38問
1948年に、看護教育の現状等に関する大規模な調査報告書「これからの看護(Nursing for the future)」を著した人物はどれか。
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1.リチャーズ,L.〈Richards,L.〉
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2.ブラウン,E.L.〈Brown,E.L.〉
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3.レイニンガー,M.M.〈Leininger,M.M.〉
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4.ゴールドマーク,J.C.〈Goldmark,J.C.〉
第40問
麻薬の取り扱いで正しいのはどれか。
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1.看護師は麻薬施用者免許を取得できる。
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2.麻薬を廃棄したときは市町村長に届け出る。
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3.アンプルの麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
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4.麻薬及び向精神薬取締法に管理について規定されている。
第42問
成人男性に対する全身麻酔下の膵頭十二指腸切除術が9時に開始されてから40分間の経過を表に示す。 9時40分の時点で、間接介助の看護師が医師に確認の上、実施することとして適切なのはどれか。
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1.輸血を準備する。
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2.下半身を心臓より高くする。
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3.加温マットの設定温度を上げる。
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4.次の尿量測定を40分後に実施する。
第43問
インスリン製剤について正しいのはどれか。
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1.経口投与が可能である。
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2.冷凍庫で長期保存できる。
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3.皮下注射は同じ部位に行う。
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4.飛行機に搭乗する際は手荷物として持ち込む。
第44問
廃用症侯群(disuse syndrome)を予防する方法で正しいのはどれか。
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1.関節固定後の等張性運動
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2.ギプス固定後からの等尺性運動
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3.下腿の中枢から末梢へのマッサージ
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4.足底板の装着による下腿三頭筋の収縮
第45問
造影CTの際に最も注意が必要なのはどれか。
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1.閉所に対する恐怖がある患者
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2.気管支喘息(bronchial asthma)の既往がある患者
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3.ペースメーカーを装着している患者
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4.既往に上部消化管造影検査後の腹痛がある患者
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第46問
下垂体腺腫(pituitary adenoma)について正しいのはどれか。
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1.褐色細胞腫(pheochromocytoma)が最も多い。
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2.トルコ鞍の狭小化を認める。
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3.典型的な視野障害として同名半盲がある。
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4.代表的な外科治療として経鼻的な経蝶形骨洞法による下垂体切除術がある。
第47問
緑内障(glaucoma)と診断された患者への説明で適切なのはどれか。
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1.「治療すれば視野障害は改善します」
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2.「水晶体の代謝が低下して起こる病気です」
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3.「自覚症状がなくても進行しやすい病気です」
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4.「眼瞼のマッサージが眼圧降下に効果的です」
第48問
梅毒(syphilis)について正しいのはどれか。
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1.ウイルス感染症である。
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2.感染経路は空気感染である。
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3.治療の第一選択薬はステロイド外用薬である。
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4.梅毒血清反応における生物学的偽陽性の要因に妊娠がある。
第49問
老年期の加齢に伴う生殖器および生殖機能の変化で正しいのはどれか。
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1.卵巣が肥大する。
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2.腟壁が薄くなる。
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3.精液中の精子がなくなる。
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4.男性はテストステロンが増加する。
第55問
入院中に陰圧室に隔離すべき感染症はどれか。
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1.麻疹(measles)
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2.風疹(rubella)
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3.手足口病(hand,foot and mouth disease)
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4.流行性耳下腺炎(mumps)
第56問
閉経について正しいのはどれか。
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1.月経は永久に停止する。
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2.子宮機能の低下で生じる。
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3.原発性無月経(primary amenorrhea)のことである。
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4.月経が3か月みられない時点で閉経と判定する。
第57問
正常な胎児の分娩機転について正しいのはどれか。
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1.骨盤内嵌入時、胎児の背中は母体の背側にある。
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2.胎児の前頭部が先進する。
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3.胎児の顔は母体の背側を向いて娩出される。
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4.肩甲横径が骨盤の横径に一致する方向で娩出される。
第59問
精神保健活動における二次予防に該当するのはどれか。
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1.地域の子育てサークルへの支援
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2.休職中のうつ病(depression)患者への復職支援
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3.企業内でのメンタルヘルス講座の開催
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4.学校を長期間欠席している児童への家庭訪問
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第62問
健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。
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1.サービス対象は75歳以上である。
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2.訪問看護師が訪問看護計画を立案する。
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3.要介護状態区分に応じて区分支給限度基準額が定められている。
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4.利用者の居宅までの訪問看護師の交通費は、診療報酬に含まれる。
第63問
Aさん(75歳、男性)。1人暮らし。慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)〈COPD〉のため、2年前から在宅酸素療法を開始し、週に2回の訪問看護を利用している。訪問看護師はAさんから「最近、洗濯物を干すときに息が苦しくて疲れるが、自分でできることは続けたい」と相談された。 Aさんの労作時の息苦しさを緩和する方法について、訪問看護師が行う指導で適切なのはどれか。
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1.労作時は酸素流量を増やす。
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2.呼吸は呼気より吸気を長くする。
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3.動作に合わせて短速呼吸をする。
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4.腕を上げるときは息を吐きながら行う。
第64問
Aさん(80歳、男性)は、20年前に大腸癌(colorectal cancer)でストーマを造設し、現在週1回の訪問看護を利用している。訪問看護師は、訪問時にAさんから「2日前から腹痛がある」と相談を受けた。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数24/分、脈拍84/分、血圧138/60mmHgである。 訪問看護師がAさんの腹痛をアセスメントするための情報で最も優先度が高いのはどれか。
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1.排便の有無
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2.身体活動量
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3.食物の摂取状況
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4.ストーマ周囲の皮膚の状態
第65問
Aさん(70歳、男性)。1人暮らし。脳出血(cerebral hemorrhage)の手術後、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。神経因性膀胱(neurogenic bladder)のため、膀胱留置カテーテルを挿入している。要介護2で、退院後は看護小規模多機能型居宅介護を利用する予定である。 退院後にAさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。
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1.蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。
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2.カテーテルは大腿の内側に固定する。
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3.外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。
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4.カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。
第67問
高速道路で衝突事故が発生し、20人が受傷した。A病院は、5人の重症患者を受け入れ、あわただしい雰囲気となっている。 医療を安全かつ円滑に行うために、救急外来のリーダー看護師に求められる役割として誤っているのはどれか。
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1.チームで患者情報を共有する。
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2.スタッフの役割分担を明確にする。
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3.患者誤認が生じないように注意喚起する。
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4.電話による安否の問い合わせに回答する。
第68問
紙カルテと比較したときの電子カルテの特徴として正しいのはどれか。
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1.データ集計が困難である。
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2.診療録の保存期間が短い。
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3.多職種間の情報共有が容易になる。
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4.個人情報漏えいの危険性がなくなる。
第69問
医療機関に勤務する看護師のうち、特殊健康診断の対象となるのはどれか。
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1.内視鏡室で勤務する看護師
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2.精神科病棟で勤務する看護師
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3.血管造影室で勤務する看護師
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4.一般病棟で勤務する夜勤専従の看護師
第70問
神経伝達物質と効果器の組合せで正しいのはどれか。
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1.γ-アミノ酪酸〈GABA〉―気管
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2.アセチルコリン―瞳孔散大筋
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3.アドレナリン―血管
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4.セロトニン―心筋
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5.ドパミン―汗腺
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第76問
感染症と保健所への届出期間の組合せで正しいのはどれか。
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1.結核(tuberculosis)―診断後7日以内
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2.梅毒(syphilis)―診断後直ちに
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3.E型肝炎(hepatitis E)―診断後直ちに
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4.腸管出血性大腸菌感染症(enterohemorrhagic E.coli infection)―診断後7日以内
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5.後天性免疫不全症候群〈AIDS〉(acquired immunodeficiency syndrome)―診断後直ちに
第77問
平成24年(2012年)の医療法の改正によって、医療計画には (1) 疾病・ (2) 事業及び在宅医療の医療体制に関する事項を定めることとされている。 (1)と(2)に入る数字の組合せで正しいのはどれか。
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1.(1)4―(2)4
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2.(1)4―(2)5
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3.(1)5―(2)4
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4.(1)5―(2)5
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5.(1)6―(2)6
第78問
筋骨格系の加齢に伴う変化が発症の一因となるのはどれか。
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1.肺結核(pulmonary tuberculosis)
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2.骨盤臓器脱(pelvic organ prolapse)
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3.前立腺肥大症(prostatic hyperplasia)
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4.加齢黄斑変性(age-related macular degeneration)
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5.慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉(chronic obstructive pulmonary disease)
第79問
平成25年度(2013年度)の「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」における養介護施設従事者等による虐待で最も多いのはどれか。
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1.性的虐待
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2.介護等放棄
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3.身体的虐待
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4.心理的虐待
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5.経済的虐待
第80問
Aさん(66歳、女性)は、4年前に前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断され、介護老人福祉施設に入所している。時々、隣の席の人のおやつを食べるため、トラブルになることがある。 この状況で考えられるAさんの症状はどれか。
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1.脱抑制
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2.記憶障害
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3.常同行動
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4.自発性の低下
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5.物盗られ妄想
第81問
社会福祉士及び介護福祉士法に基づき、介護福祉士が一定の条件を満たす場合に行うことができる医療行為はどれか。
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1.摘 便
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2.創処置
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3.血糖測定
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4.喀痰吸引
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5.インスリン注射
第82問
精神障害者のリカバリ〈回復〉について正しいのはどれか。
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1.ストレングスモデルが適用される。
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2.目標に向かう直線的な過程である。
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3.精神疾患が寛解した時点から始まる。
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4.精神障害者が1人で達成を目指すものである。
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5.精神障害者が病識を獲得するまでの過程である。
第83問
健常な成人の心臓について、右心室と左心室で等しいのはどれか。2つ選べ。
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1.単位時間当たりの収縮の回数
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2.拡張時の内圧
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3.収縮時の内圧
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4.心室壁の厚さ
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5.1回拍出量
第84問
難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉において国が行うとされているのはどれか。2つ選べ。
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1.申請に基づく特定医療費の支給
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2.難病の治療方法に関する調査及び研究の推進
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3.指定難病に係る医療を実施する医療機関の指定
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4.支給認定の申請に添付する診断書を作成する医師の指定
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5.難病に関する施策の総合的な推進のための基本的な方針の策定
第85問
急性期の患者の特徴で適切なのはどれか。2つ選べ。
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1.症状の変化が乏しい。
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2.エネルギー消費量が少ない。
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3.身体の恒常性が崩れやすい。
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4.生命の危機状態になりやすい。
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5.セルフマネジメントが必要となる。
第88問
妊娠の成立の機序で正しいのはどれか。2つ選べ。
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1.原始卵胞から卵子が排出される。
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2.排卵後の卵子は卵管采によって卵管に取り込まれる。
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3.受精は精子と卵子との融合である。
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4.受精卵は子宮内で2細胞期になる。
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5.着床は排卵後3日目に起こる。
第89問
Aさん(65歳、女性)は、5年前に乳癌(breast cancer)の左胸筋温存乳房切除術と左腋窩リンパ節郭清術を受けた。1年前に大腿骨転移のため日常生活動作〈ADL〉に一部介助が必要となり、訪問看護を利用し在宅で療養している。Aさんの左上腕内側の皮膚をつまむと健側より厚みがある。 訪問看護師がAさんに指導する左上腕のケア方法で正しいのはどれか。2つ選べ。
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1.指圧する。
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2.皮膚の露出は少なくする。
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3.保湿クリームを塗布する。
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4.ナイロン製タオルで洗う。
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5.アルカリ性石けんで洗浄する。
第90問
出生体重3,200gの新生児。日齢3の体重は3,100gである。 このときの体重減少率を求めよ。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第2位を四捨五入すること。
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https://kango.mynavi.jp/examination/images/2018/P90.png
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第91問
Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部X線写真と胸部CTによって特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)による間質性肺炎(interstitial pneumonia)と診断され入院した。 既往歴:42歳で糖尿病(diabetes mellitus)と診断された。59歳と61歳で肺炎(pneumonia)に罹患した。 生活歴:3年前から禁煙している(20~59歳は20本/日)。 身体所見:BMI 17.6。体温38.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。 検査所見:血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb 10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、随時血糖85mg/dL、CRP 13.2mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH 7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr。胸部X線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。 入院時のAさんの身体状況のアセスメントで適切なのはどれか。
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1.水様性の気道分泌物が貯留している。
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2.呼吸性アシドーシスである。
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3.栄養状態は良好である。
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4.I型呼吸不全である。
第92問
Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部X線写真と胸部CTによって特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)による間質性肺炎(interstitial pneumonia)と診断され入院した。 既往歴:42歳で糖尿病(diabetes mellitus)と診断された。59歳と61歳で肺炎(pneumonia)に罹患した。 生活歴:3年前から禁煙している(20~59歳は20本/日)。 身体所見:BMI 17.6。体温38.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。 検査所見:血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb 10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、随時血糖85mg/dL、CRP 13.2mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH 7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr。胸部X線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。 Aさんは入院後に呼吸機能検査を受けることになった。換気障害の分類を図に示す。 Aさんの呼吸機能検査の結果で考えられるのはどれか。
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1.A
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2.B
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3.C
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4.D
第93問
Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部X線写真と胸部CTによって特発性肺線維症(idiopathic pulmonary fibrosis)による間質性肺炎(interstitial pneumonia)と診断され入院した。 既往歴:42歳で糖尿病(diabetes mellitus)と診断された。59歳と61歳で肺炎(pneumonia)に罹患した。 生活歴:3年前から禁煙している(20~59歳は20本/日)。 身体所見:BMI 17.6。体温38.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。 検査所見:血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb 10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、随時血糖85mg/dL、CRP 13.2mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH 7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr。胸部X線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。 入院後18日。Aさんは2日後に自宅へ退院することとなった。Aさんは「病院に来る前は、息苦しくて死ぬかと思った。あのような思いはもうしたくない。家に帰ってまた息苦しくならないか不安だ」と言う。 Aさんが症状を自己管理できるように指導する内容で適切なのはどれか。
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1.習慣的に腹式呼吸をする。
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2.入浴時は肩まで湯に浸かる。
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3.動作時は前傾姿勢を保持する。
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4.息苦しくなったら仰臥位を保持する。
第94問
Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。Aさんは頭部CTでくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%であった。 ICU入室から24時間以内に注意すべきAさんの症状や徴候はどれか。
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1.Kussmaul〈クスマウル〉呼吸
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2.膝蓋腱反射の低下
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3.企図振戦
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4.瞳孔散大
第95問
Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。Aさんは頭部CTでくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%であった。 Aさんは脳血管造影で右中大脳動脈に動脈瘤(aneurysm)が確認され、脳血管内治療(コイル塞栓術)が実施された。その後、Aさんは意識清明で問題なく経過していたが、手術後6日から刺激に対する反応が鈍くなり、閉眼していることが多くなった。意識レベルはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉II-10。左上肢はBarré〈バレー〉徴候陽性を示した。 Aさんに生じていることとして最も考えられるのはどれか。
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1.けいれん発作
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2.脳血管攣縮
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3.せん妄
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4.再出血
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5.水頭症(hydrocephalus)
第96問
Aさん(52歳、女性)。自宅で突然激しい頭痛と悪心が出現し、自力で救急車を要請し、搬送された。ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-2で頭痛を訴えており、発汗著明であった。瞳孔径は両側3.0mm。上下肢の麻痺はない。Aさんは頭部CTでくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)と診断され、ICUに入室した。入室時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧156/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%であった。 手術後14日、頭部CTで右大脳半球に小範囲の脳梗塞(cerebral infarction)が認められた。Aさんは、左上肢の挙上はできるが維持が困難であり、左膝の屈曲はできるが左下肢の挙上は困難である。意識は清明であるが、Aさんは左片麻痺があるため動こうとしない。 Aさんへの看護で最も適切なのはどれか。
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1.日常生活動作〈ADL〉の自立度をアセスメントする。
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2.歩行訓練のときは杖の使用を勧める。
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3.左上肢の筋力増強運動を指導する。
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4.車椅子への移乗は全介助で行う。
第97問
Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 Aさんの状態に該当する認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。
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1.ランクIIa
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2.ランクIIb
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3.ランクIIIa
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4.ランクIIIb
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5.ランクM
第98問
Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 その後、Aさんは、コンロの火を消し忘れることや、買い物に行って自宅に戻れないことが何度もあり、在宅での生活が困難になったため、介護老人福祉施設に入所した。Aさんは自分の思い通りにならないときに、大声を出して暴れることがあった。時折落ち着かない様子で施設内を徘徊することがあったが、看護師が話しかけると、立ち止まり「散歩しています」と笑顔で話していた。ある日、Aさんがエレベーター前に1人で立っていたため、看護師がどこへ行くのか尋ねると、Aさんは「家に帰ります」と言った。 このときの看護師の対応として最も適切なのはどれか。
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1.「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。
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2.「トイレに行きましょう」とトイレに誘導する。
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3.「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する。
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4.「入所中なので家には帰れません」と説明する。
第99問
Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。 普段は入浴を楽しみにしていたAさんが、1週前に浴室で誤って冷たい水をかぶってしまい、それ以来「お風呂に入ると寒いから嫌だ」と言って、入浴を拒否するようになった。この日も「お風呂は寒い」と言って入浴を拒否している。看護師が浴室と脱衣室の室温を確認すると 26℃~28℃にあたためられていた。また、施設内の温度は一定に設定されており、浴室から部屋まで移動する間も寒さを感じることはなかった。 Aさんへの対応として適切なのはどれか。
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1.入浴の必要性を説明する。
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2.特殊浴槽での入浴を勧める。
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3.一緒に湯の温度を確認する。
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4.今日は入浴しなくてよいと伝える。
第100問
A君(14歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。 B教諭が病院に電話連絡したところ、熱中症(heat illness)の疑いがあるため、A君をタクシーで病院に連れて行くこととなった。このときのA君の意識は清明で、体温は38.7℃であった。 病院到着までに、看護師がB教諭に指示する処置として適切なのはどれか。
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1.A君の体を冷やす。
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2.A君に水を飲ませる。
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3.A君の上体を高くする。
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4.中枢から末梢に向けてA君の手足をマッサージする。
第101問
A君(14歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。 B教諭に付き添われて、A君は病院に到着した。来院時、A君のバイタルサインは、体温38.5℃、呼吸数26/分、脈拍128/分、血圧90/48mmHgであった。口唇粘膜は乾燥し、皮膚をつまむとゆっくり戻る状態であった。血液検査データは、赤血球580万/μL、白血球12,500/μL、Hb 16.8g/dL、Na 152mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 109mEq/L、クレアチニン0.9mg/dLであった。尿比重1.035。受診時の身長165cm、体重57kg(発症前60kg)。 A君の状態に対するアセスメントとして適切なのはどれか。
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1.貧血である。
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2.低カリウム血症である。
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3.高ナトリウム血症である。
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4.循環血液量が増加している。
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5.ツルゴール反応は正常である。
第102問
A君(14歳、男子)は、夏休みのサッカー部の部活動で、朝10時から12時まで屋外で練習した。昼食時におにぎり2個とお茶を500mL摂取し、休憩後の13時から15時まで再び練習した。この日は晴天で、外気温は32℃であった。15分休憩し練習を再開したところ、A君は突然頭痛と悪心とを訴え、グラウンドの隅に座り込んだ。サッカー部担当のB教諭が、A君を日陰で横にして休ませ様子をみていたが、症状が改善せず、顔面蒼白、冷汗が出現した。A君は「気持ち悪い」と言った後に嘔吐した。 A君は熱中症(heat illness)と診断された。点滴静脈内注射の後、A君の状態は回復し、家族とともに帰宅することとなった。付き添いのB教諭から、今後の部活動における熱中症予防について看護師に相談があった。 熱中症予防のための指導内容で適切なのはどれか。
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1.袖口の狭い服の着用を促す。
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2.口渇がなくても水分摂取を促す。
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3.湿度が高いときに部活動をする。
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4.休憩は90分に1回を目安にする。
第103問
A君(13歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。 身体所見:体温36.7℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。 検査所見:血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80~120%)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉32.0秒(基準対照31.2秒)。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP 0.1mg/dL。補体価(CH50)41IU/mL(基準値30~45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50~99/1視野。 A君の状態から最も考えられる疾患はどれか。
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1.川崎病(Kawasaki disease)
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2.血友病A(hemophilia A)
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3.急性リンパ性白血病(acute lymphoblastic leukemia)
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4.全身性エリテマトーデス〈SLE〉(systemic lupus erythematosus)
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5.Henoch-Schönlein〈ヘノッホ・シェーンライン〉紫斑病(Henoch-Schönlein purpura)〈IgA血管炎〉(IgA vasculitis)
第104問
A君(13歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。 身体所見:体温36.7℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。 検査所見:血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80~120%)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉32.0秒(基準対照31.2秒)。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP 0.1mg/dL。補体価(CH50)41IU/mL(基準値30~45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50~99/1視野。 その後6か月間、A君は外来で経過観察となった。関節症状および紫斑は自然に消失したが、尿の異常と低蛋白血症は変わらず、その他の所見も変化がなかった。 A君の尿の異常の確定診断をするために最も重要な検査はどれか。
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1.腎生検
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2.咽頭培養
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3.腹部MRI
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4.クレアチニンクリアランスの測定
第105問
A君(13歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。 身体所見:体温36.7℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。 検査所見:血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80~120%)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉32.0秒(基準対照31.2秒)。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP 0.1mg/dL。補体価(CH50)41IU/mL(基準値30~45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50~99/1視野。 検査の結果、A君は2年間のステロイド治療が必要と判断された。1か月後に外来受診の予定である。 看護師からA君に対して行う生活指導で適切なのはどれか。
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1.「水分を積極的に摂取してください」
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2.「紫斑が出現したら記録してください」
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3.「蛋白質を制限した食事を摂取してください」
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4.「日光をなるべく浴びないようにしてください」
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第106問
Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。 このときにAさんから収集する情報として優先度が高いのはどれか。
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1.排尿回数
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2.咳嗽の有無
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3.鎮咳薬の使用状況
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4.生活上のストレス要因
第107問
Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。 Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。Aさんは「今までは自分の力で薬をやめられると思ったけれど、やっぱりできなかった。仕事もしていないし、家に帰ったらまた薬を買ってしまいそうだ。今度こそ何とかやめたい」と話している。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
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1.服薬心理教育を実施する。
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2.ハローワークを紹介する。
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3.生活技能訓練〈SST〉を勧める。
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4.薬物依存症者のリハビリテーション施設の情報を提供する。
第108問
Aさん(32歳、男性)。自宅の部屋で多量の鎮咳薬を見つけた母親に心配され、自宅近くの病院を受診した。「5年前、仕事が忙しくなって風邪がなかなか治らないことがあった。そのときに処方された咳止めの薬を飲むと、頭がボーッとして気持ちが良かったのがきっかけで、近所の薬局で咳止めを買うようになった。3年前から飲む量が増えるようになり、やめられなくなっている。仕事もうまくいかなくなり、退職した」と言う。Aさんは紹介を受けた精神科を受診した。 Aさんは鎮咳薬による薬物依存症と診断され、任意入院となった。入院2週後、Aさん、主治医および担当看護師で、今後の治療について話し合った。 さらに2週が経過し、Aさんは鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固め、今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。Aさんの父親はAさんが幼少期のころ死亡しており、Aさんは母親と2人で暮らしていた。母親は週2回面会に来て、Aさんに対して小さな子どもに接するように世話をしていた。担当看護師が母親と今後のことについて話すと、母親は「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と話した。 担当看護師の母親への声かけで適切なのはどれか。
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1.「親戚で頼りになる方はいませんか」
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2.「なるべく怒らせないようにすることが大切です」
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3.「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」
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4.「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」
第109問
Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。 入院後、Aさんは主治医と話し合い、1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けている。看護師が確認するといつも洗面所にいる。 Aさんが決めた回数を超えて洗面所で手洗いを続けているときに、看護師がとる対応で適切なのはどれか。
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1.手洗いを続けてしまうことについてAさんと一緒に話し合う。
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2.病棟は清潔であることをAさんに説明する。
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3.主治医にAさんの隔離について相談する。
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4.Aさんと決めた手洗いの回数を増やす。
第110問
Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。 Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。両親は共働きで、毎日面会に来ることはできない。Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては母親と口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が、看護師に相談してきた。 母親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
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1.父親と交代で毎日面会に来るよう勧める。
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2.Aさんからの自宅への連絡を制限することを約束する。
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3.Aさんの代わりに看護師がAさんの苦悩を母親に伝える。
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4.Aさんと母親との話し合いに看護師が同席することを提案する。
第111問
Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。 入院1か月後、手洗い行為は軽減してきた。Aさんはカーテンを閉め切って1人で過ごしていることが多いが、担当看護師や主治医とは治療についての話ができるようになってきた。Aさんは「薬を飲む以外にできることはありますか」と聞いてきた。 このときのAさんに最も有効と考えられるのはどれか。
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1.催眠療法
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2.作業療法
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3.認知行動療法
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4.就労移行支援
第112問
Aさん(76歳、女性)。夫(74歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson disease)と診断された。現在、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージIII、要介護1である。トイレと浴室には手すりが設置されている。レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。最近、足がすくむことが増えたため受診した。Aさんは主治医から「薬剤の効果を評価するために、服薬時間や生活の状況を日誌に記録しましょう。2週後にまた受診してください」と説明を受けた。 外来看護師が日誌に記録する内容をAさんに指導することになった。 日誌に記録する内容で最も重要なのはどれか。
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1.食事の量
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2.便の性状
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3.振戦の有無
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4.排尿の回数
第113問
Aさん(76歳、女性)。夫(74歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson disease)と診断された。現在、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージIII、要介護1である。トイレと浴室には手すりが設置されている。レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。最近、足がすくむことが増えたため受診した。Aさんは主治医から「薬剤の効果を評価するために、服薬時間や生活の状況を日誌に記録しましょう。2週後にまた受診してください」と説明を受けた。 Aさんと夫は、2週後に日誌を持って受診した。レボドパの処方が1日4回に増量されることになり、病状管理と療養指導のためAさんは週1回の訪問看護を利用することになった。薬剤が増量されてから1週が経過し、足がすくむことが少なくなった。Aさんから「足がすくむようになってから浴槽に入るのをやめていたけれど、入浴しても大丈夫でしょうか」と訪問看護師に相談があった。 Aさんに指導する内容で最も適切なのはどれか。
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1.「レボドパが効いている時間に入浴しましょう」
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2.「通所介護の入浴を利用しましょう」
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3.「訪問入浴介護を利用しましょう」
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4.「シャワー浴にしましょう」
第115問
Aさん(72 歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。 妻から聴取したAさんに関する以下の情報のうち、治療方針を決定するために最も重要な情報はどれか。
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1.5年前から禁煙していた。
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2.最近、眠りが浅いと言っていた。
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3.今朝5時にトイレから戻って来た。
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4.健康診査を2年間受診していなかった。
第116問
Aさん(72 歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。 Aさんは、左中大脳動脈領域の脳梗塞(cerebral infarction)と診断 され、組織プラスミノーゲンアクチベータ〈t-PA〉による血栓溶解療法が行われた。入院から2日後、右片麻痺は残存しているものの、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉I-3と改善がみられた。多職種カンファレンスで経口栄養を検討したが、言語聴覚士による評価では、Aさんは誤嚥のリスクが高いと判断され、経鼻胃管による経管栄養を行うこととなっ た。 Aさんに行う経管栄養法について適切なのはどれか。
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1.白湯から開始する。
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2.開始前に胃残渣を確認する。
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3.経鼻胃管挿入中は嚥下訓練を中止する。
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4.1日の目標摂取エネルギー量は2,200kcalとする。
第117問
Aさん(72 歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。 入院3日の20時、Aさんは覚醒し、点滴を触ったり、経鼻胃管を抜こうとしたりしており、落ち着かない様子である。 担当看護師が最初に行う対応で適切なのはどれか。
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1.身体拘束を行う。
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2.早めに消灯をする。
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3.バイタルサインを測定する。
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4.向精神薬の使用を検討する。
第118問
Aさん(34歳、経産婦)は、夫(35歳)と長男のB君(3歳)との3人暮らし。これまでの妊娠経過に異常はなかった。20時に体重3,150gの男児を正常分娩した。分娩所要時間は6時間30分、分娩時出血量は480mLであった。第1度会陰裂傷のため、縫合術を受けた。その他の分娩の経過に問題はなかった。 Aさんは翌日の2時に尿意があり、自然排尿があった。8時に「昨夜は後陣痛の痛みが強くて眠れませんでした。おっぱいを飲ませたら、後陣痛がさらに強くなって、汗が出てきました」と言う。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、脈拍68/分、血圧125/70mmHgであった。 このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
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1.授乳を促す。
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2.入浴を勧める。
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3.骨盤底筋体操を指導する。
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4.鎮痛薬の使用を医師に相談することを伝える。
第119問
Aさん(34歳、経産婦)は、夫(35歳)と長男のB君(3歳)との3人暮らし。これまでの妊娠経過に異常はなかった。20時に体重3,150gの男児を正常分娩した。分娩所要時間は6時間30分、分娩時出血量は480mLであった。第1度会陰裂傷のため、縫合術を受けた。その他の分娩の経過に問題はなかった。 産褥5日。Aさんの退院のため、夫とB君が迎えに来た。AさんはB君の自宅での様子を夫から聞いた。B君は「ご飯を食べさせてほしい」と訴えたり、「赤ちゃんを家に連れて来ないで」と泣いたりしていたという。そのことを知ったAさんはB君を抱きしめ、B君の話をゆっくり聞いていた。Aさんは退院後のB君への対応について心配になり、看護師に相談した。 Aさんへの説明で最も適切なのはどれか。
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1.「B君に好きな物を食べさせましょう」
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2.「B君の世話は夫にしてもらいましょう」
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3.「B君と一緒に赤ちゃんの世話をしましょう」
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4.「B君に兄としてしっかりするように話しましょう」
第120問
Aさん(82歳、男性)。長男夫婦との3人暮らし。4年前に認知症(dementia)と診断された。Barthel〈バーセル〉インデックスは100点、Mini Mental State Examination〈MMSE〉は18 点。環境の変化で落ち着きがなくなることがある。日頃は温泉旅行やカラオケを楽しんでいる。右外果にできた創傷から右下腿の腫脹と疼痛が出現したため病院を受診したところ、蜂窩織炎(cellulitis)と診断されて入院した。入院翌日、右下腿の腫脹と疼痛は続いている。担当看護師は、認知症の行動・心理症状〈BPSD〉を最小限にするための看護を計画することとした。 担当看護師が計画するAさんへの看護で適切でないのはどれか。
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1.右下腿を足浴する。
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2.右下腿を挙上する。
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3.温泉旅行の話をする。
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4.Aさんが好きな歌を歌う機会をつくる。
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5.「治療で病状が改善すると抗核抗体が陰性になります」
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年度別過去問題集
2015年度 (第105回)
第107回看護師国家試験 採点除外等問題の対象は10問です。
L午前の問題:[2][9][11][83] L午後の問題:[4][5][12][22][24][114]