午前
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第1問
日本の将来推計人口で2020年の65歳以上人口が総人口に占める割合に最も近いのはどれか。
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1.15%
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2.30%
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3.45%
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4.60%
- 解答・解説
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将来推計人口は、国勢調査の結果をもとに将来の人口規模や年齢構成を推計したもので、国立社会保障・人口問題研究所が作成しています。総務省統計局によると、平成27年(2015年)の65歳以上の高齢者人口は3384万人で、総人口に占める割合は26.7%でした。日本においては今後も人口が減少して、相対的に高齢化率が上昇すると考えられています。将来推計人口の結果を見ると、老年人口は平成32年(2020年)には約30%、平成72年(2060年)には約40%に達し、国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になるとされています。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第2問
日本の平成22年(2010年)における傷病別にみた通院者率が男女ともに最も高いのはどれか。
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1.腰痛症
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2.高血圧症(hypertension)
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3.歯の病気
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4.眼の病気
- 解答・解説
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通院者率とは、慢性的な病気や症状のために継続して通院している人の割合(人口1,000人当たり)です。「継続的な通院」ということを理解しているかどうかが解答のポイントになります。傷病別にみると、平成22年(2010年)においては、男女とも高血圧症が最も高く、男性では第2位が歯の病気、第3位が糖尿病、女性では第2位が脂質異常症(高コレステロール血症など)、第3位が歯の病気となっています。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第3問
国民健康保険の保険者はどれか。
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1.国
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2.都道府県
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3.市町村
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4.健康保険組合
- 解答・解説
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1.(×)国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるよう努めなければならないと定められています(国民健康保険法第4条)。
2.(×)都道府県は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるよう必要な指導を行います(国民健康保険法第4条)。
3.(○)国民健康保険(国保)は、市町村の区域内に住所を有する自営業者、農林水産業従事者、非正規労働者、退職者、無職者などを被保険者とするものです。市町村を保険者とする市町村国保と、同業者組合を保険者とする国保組合の2種類があります。一般的に市町村国保の財政状況は厳しく、補填を受けながらの厳しい運営が続いています。
4.(×)健康保険組合は、いわゆるサラリーマンなどを対象とする被用者保険の保険者です。健康保険組合を持たない企業の従業員は、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に加入します。
第4問
医療従事者による十分な説明に基づく患者の同意を示すのはどれか。
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1.エンパワメント
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2.コンプライアンス
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3.リスクマネジメント
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4.インフォームド・コンセント
- 解答・解説
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1.(×)エンパワメントとは、その人が本来持っている身体的・精神的な能力を最大限発揮できるよう援助することです。
2.(×)コンプライアンスとは、患者が医療従事者に指示された服薬や注意事項を遵守することです。ただし、強権的に指示に従わせるようなニュアンスがあるため、代わって「アドヒアランス」という言葉が広く使われるようになっています。
3.(×)リスクマネジメントとは、危機管理のことです。
4.(○)インフォームド・コンセントとは、医療従事者による十分な説明を受け、患者が正しく理解・納得したうえで同意することです。説明しただけでは不十分で、それに対する理解・納得が伴って、初めてインフォームド・コンセントに基づく同意が成立します。
第5問
受精から着床開始までの期間はどれか。
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1.1~2日
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2.6~7日
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3.13~14日
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4.20~21日
- 解答・解説
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受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら卵管を通って子宮まで達し、子宮内膜へ入り込もうとします(着床開始)。ここまでに6~7日かかります。進入時の子宮内膜上皮・欠損部が完全に修復され、受精卵が子宮内膜に埋没した状態が着床の完了で、開始から完了までは4~5日かかります。着床が開始されると、母体では妊娠検査薬の陽性反応を示すhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の分泌が始まります。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第6問
思春期の子どもの親に対する行動の特徴で適切なのはどれか。
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1.親からの干渉を嫌うようになる。
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2.親と離れると不安な様子になる。
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3.親に秘密を打ち明けるようになる。
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4.親からの助言を素直に聞けるようになる。
- 解答・解説
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エリクソンの発達段階論は乳児期から老年期までの8段階に分けられており、設問の思春期(青年期)は第5段階に当たります。いわゆる反抗期(正確には第二反抗期)で、親からの干渉を嫌い、親への反抗・反発(心理的なものを含む)を通して次第にアイデンティティ(自己同一性)を確立させていきます。その間、親に対して秘密にすることも増え、親からの助言を素直に聞けないこともしばしばでしょう。なお、親と離れると不安な様子になるのは、乳児期にみられる分離不安です。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第7問
加齢によって衰えやすい機能はどれか。
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1.記銘力
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2.洞察力
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3.判断力
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4.統合力
- 解答・解説
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知能は、「流動性知能」(記銘力、想起力など)と「結晶性知能」(洞察力、判断力、統合力など)に分けられます。流動性知能は神経系の加齢変化に伴って衰えやすい一方、結晶性知能は過去の経験や学習の積み重ねに依拠する部分が大きいため、加齢による衰えが生じにくいことが特徴です(認知症を発症した場合でも多くの部分が保たれる)。記銘力(新しく経験したことを覚えておく能力)は流動性知能に含まれるため、加齢によって衰えやすい機能だといえます。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第8問
要介護者に対し看護、医学的管理の下において必要な医療や日常生活上の世話を行う施設はどれか。
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1.授産施設
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2.保健センター
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3.介護老人保健施設
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4.特別養護老人ホーム
- 解答・解説
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1.(×)授産施設は、生活保護法に規定された保護施設です。
2.(×)保健センターは、市町村における母子保健・老人保健の拠点です。
3.(○)介護老人保健施設(老健)は、病状が安定して入院治療の必要がない要介護者に対して、在宅復帰を目的とした医療ケアやリハビリテーション、日常生活の援助などを提供します。介護職だけでなく医師や看護職の配置も義務付けられています。
4.(×)特別養護老人ホーム(特養、介護老人福祉施設)は、自立が困難である要介護1以上の認定患者に対して、日常生活支援サービスや介護サービスを提供します。介護老人保健施設に比べて、より介護の提供が重視される施設だといえます。
第9問
機能別看護方式の説明で正しいのはどれか。
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1.1人の看護師が毎日異なる患者を受け持つ。
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2.内容別に分類した看護業務を複数の看護師が分担して実施する。
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3.1人の看護師が1人の患者を入院から退院まで継続して受け持つ。
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4.患者をいくつかのグループに分け、各グループを専属の看護師チームが受け持つ。
- 解答・解説
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1.(×)チームナーシングの説明です。チームリーダーが全体の状況を把握し、個々の看護師の担当業務を割り振ります。個々の看護師に能力差があっても、チームとして看護の水準をコントロールしやすくなります。
2.(○)機能別看護方式の説明です。個々の看護師にとって担当業務が明確になるため、技術の向上を図りやすく、業務効率が高くなります。一方で、患者一人ひとりとの信頼関係が築きにくく、看護師の仕事に対する満足度は低くなる傾向にあります。
3.(×)プライマリーナーシングの説明です。患者との信頼関係が築きやすく、きめ細かい看護の提供が可能になります。
4.(×)固定チームナーシングまたはモジュール型看護方式(プライマリーナーシングと固定チームナーシングの折衷方式)の説明です。患者を全体的に把握できるため、看護計画が立てやすくなります。
第10問
免疫機能に関与する細胞はどれか。
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1.血小板
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2.白血球
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3.網赤血球
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4.成熟赤血球
- 解答・解説
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1.(×)血小板は血液凝固に関与します。血管損傷部位で露出したコラーゲンに血小板が粘着・凝集して止血機能が働きます。
2.(○)白血球は「顆粒球」「単球」「リンパ球」の3つに分類され、このうちのリンパ球が主に免疫機能に関与します。顆粒球は、白血球の大部分を占めており、主に病原微生物を駆逐する貪食機能に関与します。単球は、マクロファージや樹状細胞へ分化することなどを通して免疫機能に関与します。
3.(×)網赤血球は、赤血球の前身細胞で、成熟赤血球と同じように酸素運搬能を有します。
4.(×)成熟赤血球は、網赤血球と同じように酸素運搬能を有します。肺でヘモグロビン分子に酸素を結合して(酸化ヘモグロビン)、全身の組織へ運びます。
第11問
月経周期が順調な場合、最終月経の初日を0日とすると分娩予定日はどれか。
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1.240日目
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2.280日目
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3.320日目
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4.360日目
- 解答・解説
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分娩予定日は、最終月経初日を0日として280日目(40週0日)に当たります。月経周期が28日で順調であれば、分娩予定日の簡易計算法としてネーゲレの概算法が使えます。最終月経のあった月の数から3を引き(引けない場合は9を足す)、最終月経初日の数に7を足して、分娩予定の月日を算出する方法です。実際には月経周期や排卵日にずれが生じることが多いため、超音波検査の測定結果をもとに調整する場合もあります。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第12問
最も緊急性の高い不整脈(arrhythmia)はどれか。
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1.心房細動(atrial fibrillation)
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2.心室細動(ventricular fibrillation)
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3.I度房室ブロック(first degree atrioventricular block)
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4.完全右脚ブロック(complete right bundle branch block)
- 解答・解説
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1.(×)心房細動は、心房が不規則に興奮して細かく震えている状態です。心室細動と違って致死的ではありませんが、患者QOLを大きく低下させます。
2.(○)心室細動は、心室の規則的な収縮が失われて不規則に細かく震えている状態で、心臓から血液が送り出されなくなります。緊急処置を行わなければ死に至るおそれが高く、非常に危険な状態です。直ちに胸骨圧迫を開始し、自動体外式除細動器(AED)を用いて洞調律に復帰させる必要があります。
3.(×)房室ブロックは、障害の程度によってI度・II度・III度(完全房室ブロック)に分類されます。I度房室ブロックは、房室接合部で伝道障害を起こしている状態ですが、緊急性は高くありません。
4.(×)完全右脚ブロックは、右脚の刺激伝導系が障害された状態ですが、心臓の働き自体には問題なく、緊急性は高くありません。
第13問
急性の頭痛を起こす可能性が最も高いのはどれか。
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1.複 視
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2.外斜視
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3.緑内障(glaucoma)
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4.眼瞼下垂
- 解答・解説
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緑内障(原発閉塞隅角緑内障)では、眼圧が急激に上昇して視神経が障害されます。視神経は眼圧の影響を受けやすく、急性の頭痛や吐き気、目の痛みや充血、視力低下などの出現につながります(急性緑内障発作)。最悪の場合には失明することもあります。急性緑内障発作による頭痛は、くも膜下出血による痛みと似ているため、受診後に頭蓋内の検査が優先され、原因究明が遅れるケースもあります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第14問
呼吸困難とはどれか。
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1.脈拍数の増加
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2.息苦しさの自覚
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3.動脈血酸素分圧〈PaO2〉の低下
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4.経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下
- 解答・解説
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呼吸困難とは、「息苦しさなどで呼吸がしにくいという患者の主観的な自覚症状」です。一方、呼吸不全は「呼吸機能障害のため動脈血ガスが異常値(吸気時の動脈血ガス分圧が60Torr以下)を示し、そのために正常な機能を営むことができない」という客観的な状態を指します。動脈血酸素分圧〈PaO2〉や経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下がみられるのは低酸素血症をきたした呼吸不全であり、呼吸困難とは明確に区別する必要があります。呼吸不全であっても呼吸困難を自覚しない場合もあり、逆に呼吸困難が必ずしも呼吸不全を伴うわけではありません。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第15問
生活習慣病の一次予防はどれか。
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1.早期治療
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2.検診の受診
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3.適切な食生活
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4.社会復帰を目指したリハビリテーション
- 解答・解説
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一次予防は、病気の原因を除去して健康の増進を図り、病気の発症自体を防ぐことです。健康な段階から心がける適切な生活習慣や予防接種などが該当します。二次予防は、病気になった後、早期発見して早期治療につなげることです。定期的な健康診断などが該当します。三次予防は、傷病の適切な治療を受け、リハビリテーションによって機能回復や機能維持に努め、再発を防止することです。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
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-
第16問
副作用(有害事象)として低血糖症状を起こす可能性があるのはどれか。
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1.ジゴキシン
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2.インスリン
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3.フェニトイン
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4.ワルファリン
- 解答・解説
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1.(×)ジゴキシンは、強心薬です。副作用にジギタリス中毒があり、循環器症状(不整脈や徐脈など)、消化器症状(食欲不振や嘔吐など)、精神神経症状(めまいや頭痛など)といった症状が現れます。
2.(○)インスリン製剤は、糖尿病の治療薬として用いられます。主な副作用に低血糖症状があり、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどが現れます。これらの低血糖症状を自覚したら、すぐにブドウ糖やブドウ糖を含む清涼飲料水、砂糖などを摂取し、安静を保持します。
3.(×)フェニトインは、抗てんかん薬です。副作用として小脳症状(眼振や運動失調など)、歯肉増殖、無顆粒球症などが現れます。
4.(×)ワルファリンは抗凝固薬であり、血栓形成の予防に用いられます。副作用として出血傾向が現れます
第17問
医薬品に関する禁忌を示すことが定められているのはどれか。
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1.処方箋
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2.診断書
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3.看護記録
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4.添付文書
- 解答・解説
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医薬品医療機器等法第52条には、「医薬品は、これに添付する文書又はその容器若しくは被包に、当該医薬品に関する最新の論文その他により得られた知見に基づき、次に掲げる事項が記載されていなければならない」とあり、その必要な記載事項に禁忌の情報も含まれています。なお、本来なら投与禁忌とすべきであるものの、当該医薬品に診断あるいは治療上の必要性が特に認められ、慎重に投与することもありうるケースは「原則禁忌」として記載されます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第18問
関節可動域〈ROM〉の単位はどれか。
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1.回
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2.度
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3.kg
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4.cm
- 解答・解説
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関節可動域は、人体の各関節の自然な(生理的な)運動範囲を指します。手掌を前方に向けて静止直立した状態の各関節の肢位を0度とし、これを基本肢位として角度計を用いて関節可動域を測定します。関節可動域が狭くなると運動能力の低下に直結し、日常生活動作(ADL)への影響が大きくなります。これを避けるため、関節拘縮を予防する肢位(良肢位)を保持する、可動域を回復させるリハビリテーションを行うといったことが大切になってきます。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第19問
女性患者の床上排泄で洋式便器をあてる位置を図に示す。 適切なのはどれか。
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1.①
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2.②
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3.③
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4.④
- 解答・解説
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便器に腰かけたときの安定性と肛門の位置がポイントです。便器の左右の幅が広いほうを背側とし、便器の中央に肛門が位置するように当てれば、患者の姿勢が安定し、排泄物もこぼれにくくなります。選択肢2では、肛門の位置が便器(便座)の縁に近くなりますが、特に女性患者では排泄した尿が肛門方向へ流れやすいため、不適切なポジションです。難しく考えず、通常の洋式便座に置き換えて考えれば分かりやすくなるでしょう。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第20問
シーツ交換時にシーツを引っ張る動作でボディメカニクスを応用した姿勢はどれか。
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1.両足を前後に開き、両膝を伸ばす。
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2.両足を前後に開き、両膝を曲げる。
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3.両足をそろえ、両膝を伸ばす。
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4.両足をそろえ、両膝を曲げる。
- 解答・解説
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自身の体を支えるために床と接している各部を結んだ範囲を支持基底面と呼びます(設問のケースでは、両足の足底とその間の部分を合計した面積)。支持基底面が広いほど、支持基底面の中に重心があるほど、重心が低いほど安定した姿勢だといえます。
1.(×)支持基底面は広いものの、重心が高く、不安定な姿勢です。
2.(○)シーツを引っ張る動作では、ベッドと垂直になるよう前後に足を開き、両膝を曲げた姿勢が安定します。これは支持基底面を広く、重心を低くした状態であり、ボディメカニクスを応用した姿勢です。
3.(×)支持基底面が狭く、重心が高い状態であり、非常に不安定な姿勢です。
4.(×)重心は低いものの、支持基底面が狭く、不安定な姿勢です。
第21問
生理食塩水の塩化ナトリウム濃度はどれか。
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1.0.9%
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2. 5%
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3. 9%
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4. 15%
- 解答・解説
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生理食塩水は、体液と浸透圧がほぼ等しい0.9%の塩化ナトリウム水溶液のことを指します。1Lの生理食塩水には9gの食塩が含まれていることになります。生理食塩水は生体組織に与えるダメージが少ないため、脱水時の点滴、皮膚や創傷面の洗浄、摘出器官の保存のほか、薬物の溶解や希釈など、さまざまな用途に使用されます。さらに生体組織へのダメージを抑えるため、電解質を調整したリンゲル液が用いられることもあります。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第22問
血中濃度を確認する必要性が最も高い医薬品はどれか。
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1.アスピリン
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2.フロセミド
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3.テオフィリン
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4.インドメタシン
- 解答・解説
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1.(×)アスピリンは、解熱・鎮痛作用のある非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。
2.(×)フロセミドは、高血圧や浮腫の治療に使われるループ利尿薬です。
3.(○)テオフィリンは、気管支拡張作用と抗炎症作用があり、気管支喘息など呼吸器系疾患の治療に用いられます。テオフィリンは有効血中薬物濃度の範囲が狭く(8~15μg/mL)、それより低すぎると効果がなく、それより高すぎると副作用(悪心・嘔吐や頭痛など)が出現するため、入念なモニタリングを行って有効血中薬物濃度を保つ必要があります。
4.(×)インドメタシンは、関節リウマチなどで第一選択薬となる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。
第23問
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
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1.10~30度
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2.35~40度
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3.55~60度
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4.75~80度
- 解答・解説
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静脈血採血の刺入部位は通常は肘正中皮静脈が選択され、適切な刺入角度は10~30度です(皮下注射とほぼ同じ)。採血針の刺入角度が大きすぎると、静脈に達するまでの距離が短くなるために静脈を貫通してしまうおそれがあります。なお、筋肉注射の刺入角度は45~90度が適切です。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第24問
体位ドレナージの直接の目的はどれか。
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1.痛みの軽減
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2.睡眠の導入
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3.排痰の促進
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4.廃用症候群(disuse syndrome)の予防
- 解答・解説
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体位ドレナージ(体位排痰法)は、種々の体位を取ることによって重力を利用し、肺に貯留した痰の排出を促す方法です。例えば、痰が肺尖部に貯留していれば仰臥位、上下葉区であれば腹臥位、外側肺底部であれば側臥位というように、貯留する肺区画ごとに有効な体位があります。貯留部が気管支分岐部より高くなるような体位を取ることがポイントです。スクイージング(胸郭圧迫)やハフィング(強制呼出手技)などと併用することもあります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第25問
振動が原因となる職業性疾病はどれか。
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1.中皮腫(mesothelioma)
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2.熱中症(heat illness)
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3.高山病(altitude sickness)
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4.白ろう病(white finger disease)
- 解答・解説
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1.(×)中皮腫は、アスベスト(石綿)の吸引が原因となります。
2.(×)熱中症は、高温多湿の環境が原因となります。
3.(×)高山病は、高地など気圧の低い環境での酸素欠乏が原因となります。
4.(○)白ろう病(白蝋病)は、削岩機やチェーンソーなどの振動工具を長期使用して強い振動を体に受け続けることが原因となる職業性疾病です。寒冷時に現れる手指の白色化(レイノー現象)を特徴とする末梢循環障害のほか、末梢神経障害(手指のしびれなど)、運動器障害(関節の疼痛や握力の低下など)をきたします。根本的な治療法がないため、予防に努めることが大切です。
第26問
胸管で正しいのはどれか。
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1.弁がない。
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2.静脈角に合流する。
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3.癌細胞は流入しない。
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4.主に蛋白質を輸送する。
- 解答・解説
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1.(×)胸管は下半身と左上半身のリンパが集まるリンパ系の主管です。血管と同じように弁が備わっており、逆流防止の機能を果たしています。
2.(○)左内頸静脈と鎖骨下静脈の合流部である静脈角にて合流し、リンパ液が静脈系へ流入します。
3.(×)異物や病原体は、リンパ管に回収され、リンパ節で濾過されます。癌細胞も同様であるため、リンパ管やリンパ節には癌が転移しやすいことが知られています。
4.(×)主に脈管を通して輸送されるのは脂肪で、静脈角を経て静脈系へ流入します。タンパク質は、主に毛細血管で吸収されます。
第27問
ホルモンとその作用の組合せで正しいのはどれか。
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1.バソプレシン―利尿の促進
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2.オキシトシン―乳汁産生の促進
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3.テストステロン―タンパク合成の促進
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4.アルドステロン―ナトリウムイオン排泄の促進
- 解答・解説
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テストステロンは男性ホルモンの一つで、思春期には第二次性徴の発現に関して重要な働きをします。タンパク質の合成を促進して、筋肉や体毛の成長を促します。バソプレシンは抗利尿ホルモンであり、水の再吸収を促進するため尿量は減少します。オキシトシンは乳腺上皮筋を収縮させる作用を持ち、乳汁放出を促します。乳汁産生を促進するホルモンは、プロラクチンです。アルドステロンは、腎臓に作用してナトリウムイオンの再吸収を促進します。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第28問
低体温からの回復に伴う生体の反応はどれか。
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1.廃 用
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2.発 汗
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3.ふるえ
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4.乳酸の蓄積
- 解答・解説
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低体温の場合に起こる体温調節反応(寒冷反応)には、ふるえ(細かい筋収縮を起こして熱を産生する)のほか、末梢血管収縮や立毛筋収縮などがあります。熱量の喪失が発熱量を上回った場合は、ふるえは止まり、体温はさらに低下していきます。一方、発汗は高体温からの回復に伴う生体反応で、汗が蒸発するときの気化熱によって体温を下げる働きをします。なお、乳酸は糖質燃焼の際に産生される中間物質です。激しい運動などで骨格筋のエネルギー消費量が増えると、乳酸の蓄積がみられます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第29問
胸部エックス線写真を別に示す。 心胸郭比について正しいのはどれか。
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1.小さい。
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2.正常である。
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3.大きい。
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4.測定できない。
- 解答・解説
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心胸郭比(%)は「心横径/胸郭横径×100」で算出されます。胸郭横径に対する心横径の比率であり、心拡大の程度の指標となります。成人では通常は50%未満が正常で、50%以上の場合に心拡大と判断します。胸部X線写真の撮影時には、十分に空気を取り入れないと胸郭横径が小さくなって過大評価(心胸郭比が大きくなる)しかねないため注意が必要です。設問の画像では50%以上の心胸郭比となっていることは明らかで、同時に肺動脈の拡張や肺うっ血像が認められます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第30問
乳癌(breast cancer)について正しいのはどれか。
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1.乳房の内側に多い。
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2.有痛性の腫瘤が特徴である。
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3.エストロゲン補充療法を行う。
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4.センチネルリンパ節生検により郭清する範囲を決める。
- 解答・解説
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1.(×)乳癌の好発部位は、乳腺組織が最も多く集まる乳房の外側上部です。
2.(×)乳癌では、痛みを伴わない腫瘤が特徴です。したがって、ほとんどの患者が「痛みがあること」ではなく「しこりがあること」を主訴に受診します。
3.(×)エストロゲンは乳癌の増殖を促進するため、エストロゲン補充療法は禁忌です。
4.(○)センチネルリンパ節は、癌の病巣から最初に転移するリンパ節です。センチネルリンパ節生検で転移がみられなければ、その先へ転移している可能性はありません。まずはセンチネルリンパ節生検を行うことで、郭清の範囲を最小限に抑えることができます。
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第31問
日本の平成24年(2012年)における女性の年齢階級別労働力率の推移を示すグラフの特徴はどれか。
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1.20歳代をピークとする山型
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2.40歳代をピークとする山型
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3.20歳代と40歳代をピークとするM字型
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4.20歳代から50歳代にかけての逆U字型
- 解答・解説
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労働力率とは、生産年齢人口(15歳以上65歳未満)に対する、労働力として経済活動に参加している人の割合です。女性の年齢階級別の推移をグラフにすると、20歳代と40歳代をピークとするM字型を描きます。これは、結婚・出産期に当たる年代にいったん低下し、育児から手の離れる頃に上昇に転じるためです。ただし、近年はM字の谷の部分が浅くなだらかに変化してきています。独身者の増加、未婚化、晩婚化、高齢出産の増加、出産・育児休暇の充実による退職動向の変化、就業形態の多様化など、様々な要因が影響していると考えられます。なお、欧米の女性の場合は、選択肢4の逆U字型を描くことが多いです。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第32問
生活保護法に基づき保護を決定するのはどれか。
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1.保健センター
-
2.福祉事務所
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3.保健所
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4.病 院
- 解答・解説
-
福祉事務所は、社会福祉法に基づき、地域住民に対して生活保護法を含む福祉6法に定められた社会福祉全般に関する相談・指導・評価・給付などを行います。生活保護の申請を受理・判定することは、福祉事務所の業務に含まれます。選択肢1の保健センターは、地域保健法に基づき、地域住民に対して健康診査、健康相談、保健指導などの保健サービスを提供します。選択肢3の保健所は、地域保健法に基づき、疾病予防、健康増進、環境衛生など公衆衛生の向上と増進に関わる業務を担います。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第33問
環境要因と健康への影響の組合せで正しいのはどれか。
-
1.高 温―難 聴(deafness)
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2.ヒ 素―イタイイタイ病(Itai-Itai disease)
-
3.オゾンホール―赤外線障害
-
4.光化学オキシダント―粘膜刺激
- 解答・解説
-
1.(×)難聴を招く環境要因としては、騒音などが考えられます。
2.(×)四大公害病の一つであるイタイイタイ病の原因物質は、ヒ素ではなくカドミウムです。
3.(×)オゾン層は有害な紫外線の多くを吸収し、地球上の生物を保護しています。したがって、オゾンホールが生じると、紫外線障害のリスクが高まります。具体的には、角膜炎や結膜炎などの眼障害、色素沈着や発赤、紅斑などの皮膚障害、白内障や皮膚癌などを引き起こすことがあります。
4.(○)光化学オキシダント(光化学スモッグ)は、紫外線によって窒素酸化物や炭化水素が光化学反応を起こすことで生成される有害物質です。粘膜や皮膚を刺激して、眼の痛みや異物感、流涙、喉の痛み、咳などを引き起こすことがあります。
第34問
大気汚染に関する環境基準が定められている物質はどれか。
-
1.二酸化炭素
-
2.一酸化窒素
-
3.フッ化水素
-
4.微小粒子状物質
- 解答・解説
-
1.(×)一酸化炭素(CO)については、環境基準が定められています。
2.(×)二酸化窒素(NO2)については、環境基準が定められています。
3.(×)環境基準の定めはありません。
4.(○)大気中に浮遊している微小粒子状物質(2.5μm以下)は、浮遊粒子状物質(10μm以下)よりもさらに小さな粒子で、人体の呼吸器系や循環器系への影響が懸念されています。環境基本法に基づく微小粒子状物質の環境基準は、1年平均値15μg/m3以下、かつ1日平均値35μg/m3以下とされています。
第35問
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉で定められているのはどれか。
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1.妊産婦が請求した場合の深夜業の禁止
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2.産後8週間を経過しない女性の就業禁止
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3.生後満1年に達しない生児を育てる女性の育児時間中のその女性の使用禁止
-
4.小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合の時間外労働の制限
- 解答・解説
-
1.(×)労働基準法第66条第3項において、妊産婦が請求した場合の深夜業(午後10時~午前5時)の禁止が規定されています。
2.(×)労働基準法第65条第2項において、産後8週間を経過しない女性の就業禁止が規定されています。
3.(×)労働基準法第67条において、生後満1年に達しない生児を育てる女性の育児時間中の使用禁止が規定されています。
4.(○)育児・介護休業法第17条において、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合の時間外労働の制限が規定されています。この場合、1カ月に24時間、1年に150時間を超える時間外労働をさせてはなりません。
第36問
看護師と患者の信頼関係の構築において最も考慮すべき要素はどれか。
-
1.病院の方針
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2.看護師の思い
-
3.患者の価値観
-
4.家族の経済状況
- 解答・解説
-
信頼関係を築くために最も重要なのは、お互いを理解することです。価値観には個人差が大きいため、患者の言動を観察し、その価値観を踏まえながらコミュニケーションすることで、より良い信頼関係が構築されていきます。疾患や治療の内容、年齢、性別、家族環境、職歴など、患者の基礎的な情報を知ることも重要です。病院の方針や看護師の思いを一方的に押しつけることのないよう心がける必要があります。なお、患者家族の経済状況は、患者を理解するための情報の一つではありますが、信頼関係の構築において最も考慮すべき要素とはいえません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第37問
終末期の患者の妻は患者の死期が近いことを受け入れがたい状態である。 妻の気持ちを受容する看護師の言動として最も適切なのはどれか。
-
1.「今がつらいときですね」
-
2.「死を受け入れるしかないと思いますよ」
-
3.「最期にしてあげたいことを考えましょう」
-
4.「亡くなった後の準備をすぐに始めましょう」
- 解答・解説
-
受容とは、相手の感情や言葉を、否定も肯定もせずありのままに受け入れることです。相手を受容するには、注意深い傾聴や、相手の立場に立って感情に思いを寄せること、指導するのではなく理解する態度などが大切になります。したがって、「今がつらいときですね」という言葉は、夫の死期が近いことを知った妻の混乱や悲しみといったつらい状況を受容した共感的態度であり、最も適切だといえます。選択肢3は柔らかい言葉ではありますが、受容せずに指導しています。妻は夫の死期が近いことを受け入れがたい状態であり、この言動は悲しみを増長してしまいます。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第38問
成人の立位の腹部エックス線写真を別に示す。 この所見から最も考えられる疾患はどれか。
-
1.胆石症(cholelithiasis)
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2.イレウス(ileus)
-
3.潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
-
4.十二指腸潰瘍(duodenal ulcer)
- 解答・解説
-
設問の画像では、小腸に複数のニボー像(ガスと腸管内液が水平面を形成した鏡面像)や、普段はみられないケルクリング皺襞(ケルクリングひだ)が確認できます。小腸が閉塞して通過障害を起こし、ガスが貯留して拡張した状態であり、イレウス(腸閉塞)の特徴的な所見です。なお、選択肢1の胆石症が疑われる場合は胆道造影、選択肢3の潰瘍性大腸炎が疑われる場合は注腸造影検査、選択肢4の十二指腸潰瘍が疑われる場合は確定診断のため胸部X線撮影を行います。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第39問
血液の付着した注射針を廃棄する容器はどれか。
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1.黄色バイオハザードマーク付きの容器
-
2.橙色バイオハザードマーク付きの容器
-
3.赤色バイオハザードマーク付きの容器
-
4.非感染性廃棄物用の容器
- 解答・解説
-
1.(○)黄色バイオハザードマーク付きの容器は、鋭利な医療廃棄物(注射針、メス、穿刺用ガイドワイヤーなど)の廃棄に使用します。
2.(×)橙色バイオハザードマーク付きの容器は、可燃物・不燃物を問わず、固形状の感染性廃棄物(血液や汚染物が付着したガーゼや紙、タオル、プラスチック製品、ビンなど)の廃棄に使用します。
3.(×)赤色バイオハザードマーク付きの容器は、液状・泥状の感染性廃棄物(血液、血漿、血清、体液、血液製剤、病理廃棄物など)の廃棄に使用します。
4.(×)血液の付着した注射針のように感染のおそれのある廃棄物は、感染性廃棄物として保管・収集・処分することが義務付けられています。
第40問
臥床している患者に対して看護師が手袋を装着して口腔ケアを実施した。 口腔ケア後の看護師の行動で適切なのはどれか。
-
1.手袋を外し、すぐに新しい手袋を装着して別の患者のケアを行う。
-
2.使用した手袋を装着したまま患者の寝衣を交換する。
-
3.手袋を装着したまま患者の歯ブラシを洗浄する。
-
4.使用した手袋は一般廃棄物の容器に捨てる。
- 解答・解説
-
口腔ケア後、手袋を装着したまま、その患者の歯ブラシを洗浄しても、感染の拡大にはつながりません(ケア後に外して処理することは必要です)。一方、唾液が付着した手袋を装着したまま患者の寝衣を交換することは、感染の拡大につながるおそれがあります。また、別の患者のケアを行う前に新しい手袋を装着することは適切な行動ですが、手洗い・手指消毒を行ってから装着する必要があります。なお、使用した手袋は、橙色のバイオハザードマーク付き容器に廃棄します。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第41問
慢性膵炎(chronic pancreatitis)の患者の食事療法で制限が必要なのはどれか。
-
1.糖 質
-
2.脂 質
-
3.蛋白質
-
4.脂溶性ビタミン
- 解答・解説
-
慢性膵炎患者の食事療法では、長期的な脂質のコントロールが必要です。膵液の分泌は腹痛を引き起こすため、膵液分泌を抑制する目的で脂質を制限します。脂質制限により、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)が不足する可能性が高いため、食事の中で十分に摂取できるよう留意します。多くの患者でビタミン剤の投与による補給も行われます。糖尿病を合併している場合は糖質制限も考えられますが、基本的には必要ありません。タンパク質も、特に制限する必要はありません。鶏のささみや卵白など、脂質の少ないものが適しています。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第42問
肺血流量が最も減少する体位はどれか。
-
1.立 位
-
2.座 位
-
3.仰臥位
-
4.Fowler〈ファウラー〉位
- 解答・解説
-
肺血流量は総循環血流量の約10~20%ですが、体位や呼吸などの影響を受けて変化します。静脈還流量が少ないほど肺血流量は減少しますが、静脈還流量は重力の影響を受けるため立位で最も減少します。選択肢の体位について言えば「立位>座位>ファウラー位>仰臥位」の順で肺血流量が減少します。なお、仰臥位から立位になる際は、重力の急激な変化で循環系に大きな負荷がかかり、肺血流量は約25%減少するとされています。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第43問
ベンチュリーマスクによる酸素吸入で正しいのはどれか。
-
1.最適な酸素流量は18L/分である。
-
2.酸素流量に関係なく加湿器が必要である。
-
3.24~50%の安定した吸入酸素濃度が得られる。
-
4.マスクに空気を溜めることのできるバッグがある。
- 解答・解説
-
ベンチュリーマスクは、ダイリュータと呼ばれるアダプタ部分が流体力学のベンチュリー効果を生み出し、それを利用して酸素と空気を混合するものです。混合比を調節することで、24~50%の範囲で一定の吸入酸素濃度が得られるため、正確な酸素濃度の管理が必要なケース(慢性呼吸不全や慢性閉塞性肺疾患など)で用いられます。ベンチュリーマスクでは、総流量30L/分以上を確保するように酸素濃度を調節します。酸素濃度40%までは加湿器の必要はありません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第44問
成人の心臓マッサージ法の圧迫部位を図に示す。 正しいのはどれか。
-
1.①
-
2.②
-
3.③
-
4.④
- 解答・解説
-
成人の心臓マッサージにおける圧迫部位は、胸骨正中の尾側1/2で、左右の乳頭を結んだ線上の中心点となります。胸骨の左右を圧迫すると肋骨・肋軟骨を圧迫することになり、骨折して肺や心臓を傷付け、血気胸などを引き起こすおそれがあるため注意が必要です(一般の救助者は、心臓が胸の左側にあると思って、そこを圧迫してしまうことがある)。また、胸骨の下部を圧迫すると剣状突起を圧迫することになり、胃を傷付けるおそれがあります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第45問
生体検査はどれか。
-
1.尿検査
-
2.血液検査
-
3.心電図検査
-
4.脳脊髄液検査
- 解答・解説
-
生体検査とは、医療機器を用いて人体の機能や構造を直接的に調べる検査です。生体検査には、心電図検査、X線撮影、CT・MRI、内視鏡検査、超音波検査、核医学検査などがあります。一方、検体検査とは、患者から採取した検体を調べ、間接的に患者の状態を知る検査で、尿検査、血液検査、脳脊髄液検査などがあります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
-
-
第46問
日本の最近10年の成人を取り巻く社会状況で正しいのはどれか。
-
1.生産年齢人口の占める割合の増加
-
2.単独世帯の占める割合の増加
-
3.非正規雇用者の比率の低下
-
4.平均初婚年齢の低下
- 解答・解説
-
日本社会では、婚姻率の低下などの影響を受けて単独世帯(世帯員が一人だけの世帯)が増加しており、介護者の不在や社会的孤立の可能性などが懸念されています。「平成27年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省)によると、2015年における単独世帯の割合は26.8%となっています。なお、生産年齢人口(15歳以上65歳未満の生産活動の中核をなす年齢の人口層)は減少、非正規雇用者は増加、平均初婚年齢は上昇の傾向にあります。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第47問
廃用症候群(disuse syndrome)の説明で適切なのはどれか。
-
1.二次的に低カルシウム血症を発症する。
-
2.加齢とともに症状の進行は遅くなる。
-
3.二次的に起立性低血圧を発症する。
-
4.癌患者ではみられない。
- 解答・解説
-
廃用症候群とは、長期臥床や活動性の低下によって生じる心身の障害の総称です。活動性は加齢とともに低下するため、廃用症候群が進行しやすくなります(癌によって心身の活動性が低下した場合も同様)。廃用症候群では、筋萎縮、筋力低下、関節拘縮、心機能低下、褥瘡、血栓塞栓現象、骨萎縮、起立性低血圧、精神症状などがみられます。この場合の起立性低血圧は、長期臥床などで交感神経の活動が障害されて下肢の血管収縮が不十分になり、静脈還流量が減少して脳血液量が低下するために生じます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第48問
鮮紅色の底面をした水疱を形成し、痛みが強い熱傷創の回復に要する期間はどれか。
-
1.2~3日
-
2.1~2週
-
3.3~4週
-
4.2~3か月
- 解答・解説
-
熱傷の重症度はI~IIIの3段階に分類されます。
・I度熱傷は、水疱を形成せず表皮にとどまり、数日で瘢痕を残さずに回復します。
・II度熱傷は、ダメージが真皮浅層にとどまり、鮮紅色の底面をした水疱を形成し、強い疼痛がみられます。回復には1~2週を要しますが、瘢痕をほとんど残さずに再生します。同じII度熱傷でも真皮深層に達したものは、真皮上層の壊死により水疱底面が白色となり、知覚鈍麻がみられ、回復には3~4週を要します。
・III度熱傷は、ダメージが皮下組織までに及び、水疱の形成や疼痛はみられず、壊死組織の切除や植皮が必要であり、回復には数カ月を要します。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第49問
フローボリューム曲線を図に示す。 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)の患者の結果はどれか。
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1.①
-
2.②
-
3.③
-
4.④
- 解答・解説
-
慢性閉塞性肺疾患(COPD)では、残気量が増加し、肺活量が減少するため、ピークフローが低下します。また、呼気抵抗があるために呼気流量が減少して、曲線が急激に低下します。健常者のフローボリューム曲線よりも全体的に小さく、山がへこんだ形(下に凸)なのは、COPDなどの閉塞性換気障害でみられるフローボリューム曲線の特徴です。なお、選択肢1は健常者のフローボリューム曲線(一瞬でピークに達し、一次関数のグラフのようになだらかに低下する)、選択肢4は喉頭癌などの腫瘍による上気道の狭窄でみられるフローボリューム曲線(曲線が台形に近く平坦な部分がある)です。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第50問
Aさん(39歳、男性、会社員)は、最近口渇が強く、飲水量が増えた。毎日5L以上の水のような薄い排尿があり、夜間に何回も排尿に起きるようになったため病院を受診しホルモン分泌異常を指摘された。 原因と考えられるホルモンが分泌される部位はどれか。
-
1.視床下部
-
2.下垂体後葉
-
3.甲状腺
-
4.副腎皮質
- 解答・解説
-
口渇、多飲、多尿(希釈尿)は、典型的な尿崩症の症状です。尿崩症の原因は抗利尿ホルモンであるバソプレシンの分泌不全であり、腎臓の水再吸収機能が低下するため、通常1.5L/日程度の尿量が3~10L/日以上にもなります。バソプレシンは視床下部で作られ、下垂体後葉から血液中に分泌されます。なお、選択肢3の甲状腺からはトリヨードサイロニン(T3)およびサイロキシン(T4)という2種の代謝促進に関わるホルモン(水代謝には関与せず)が、選択肢4の副腎皮質からはコルチコイド(ステロイドホルモン)が分泌されます。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第51問
眼底検査の前処置で散瞳薬を点眼する際の看護で適切なのはどれか。
-
1.白内障(cataract)の既往の有無を確認する。
-
2.羞明が強くなると説明する。
-
3.散瞳薬による症状は30分程度で消失すると説明する。
-
4.眼を閉じた状態で検査室に誘導する。
- 解答・解説
-
眼底検査では、眼底の広い範囲を調べるため、前処置として散瞳薬を投与し、瞳孔を散大させます(眼圧を上昇させるため、緑内障の既往の有無を要確認)。そのため、光が極端にまぶしく感じられたり(羞明)、ピントの調節がしにくくなったりします。そのことを患者に説明しておくことが必要です。散瞳薬の効果は30分程度で現れ、症状は4~5時間持続します。症状が治まるまでは、車や自転車の運転、運動、繊細な作業などは控えるよう伝えます。なお、検査室へ誘導する際、眼を閉じる必要はありませんが、散瞳により周囲が見えにくい状態であるため、誘導や介助を行うことが適切です。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第52問
脊髄造影について正しいのはどれか。
-
1.検査前の食事制限はない。
-
2.造影剤を硬膜外腔に注入する。
-
3.検査中のけいれん発作に注意する。
-
4.検査後は水平仰臥位で安静を保つ。
- 解答・解説
-
脊髄造影は、造影剤を脊髄くも膜下腔に注入して行う造影検査です。造影剤の副作用として、頭痛や悪心・嘔吐、眩暈、振戦などのほか、重篤なものとしてけいれん発作や意識障害などがあります。重篤な副作用は、造影剤が頭蓋内に流入した場合に高頻度となるため、検査後は頭部を拳上して床上安静を保ちます。検査当日は禁飲食となり、午後からの検査の場合でも昼食は摂取せず、水分も控えるようにします。検査後の食事制限は特にありませんが、造影剤の排泄を促すため水分を多めに摂るようにします。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第53問
Aさん(52歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)で広汎子宮全摘術後に排尿障害を発症した。退院に向けて自己導尿の練習を開始したが、39.0℃の発熱と右背部の叩打痛が出現した。 Aさんの症状の原因として考えられるのはどれか。
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1.膀胱炎(cystitis)
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2.虫垂炎(appendicitis)
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3.腎盂腎炎(pyelonephritis)
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4.骨盤内膿瘍
- 解答・解説
-
自己導尿による上行感染から腎盂腎炎を生じた可能性が最も考えれられます。腎盂腎炎の原因菌は大腸菌などの腸内細菌が多く、悪寒を伴った38℃以上の発熱(弛緩熱)や右背部(片腎性)の叩打痛が特徴的です。治療には抗菌薬が用いられます。膀胱炎や虫垂炎、骨盤内膿瘍では、右背部の叩打痛はみられません(虫垂炎では右下腹部のマックバーニー点での圧痛が特徴的)。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第54問
流動性知能はどれか。
-
1.新聞を読む。
-
2.町内会の役員を務める。
-
3.結婚式のマナーを知っている。
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4.携帯電話に電話番号を登録する。
- 解答・解説
-
過去の経験や蓄積した知識から得られる結晶性知能に対して、初めての経験や環境に適応する生得的な能力が流動性知能です。流動性知能は、神経系の成熟に影響を受けるため、青年期でピークとなり、加齢とともに低下します。すなわち、新聞を読むための言語能力や理解力、町内会の役員を務めるための判断力や統合力、結婚式のマナーという知識の蓄積は、すべて結晶性知能に当たります。一方、携帯電話に電話番号を登録するのに必要なのは情報処理能力であり、これは流動性知能です。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第55問
Aさん(66歳、男性)は、尿管結石症(ureterolithiasis)で入院し、鎮痛薬の投与と点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。日常生活は自立している。輸液開始の1時間後、Aさんの病室で大きな音がしたので看護師が駆けつけると、Aさんはベッドサイドに座り込んでいた。「トイレに行こうとベッドから立ち上がろうとして、点滴のスタンドをつかんだら滑った」と話した。転倒後の診察の結果に異常はなかった。 Aさんが再び転倒しないための対応で最も適切なのはどれか。
-
1.床上排泄にする。
-
2.誰の過失か明らかにする。
-
3.転倒の原因を一緒に考える。
-
4.夜間は家族に付き添いを依頼する。
- 解答・解説
-
転倒の一次的な原因は患者の話から明らかになっていますが、その根本にある原因や予防策を一緒に考えることで患者の理解が深まり、転倒リスクの軽減につなげることができます。点滴スタンドにつかまって立ち上がると危険であることは、医療従事者にとっては自明の理ですが、患者にとっては扱い慣れていない器具であり、考えが及ばないこともあります。転倒リスクを含むアセスメントに不足がなかったかなどを確認して今後に生かします。なお、患者の日常生活は自立しており、床上排泄にしたり、家族に夜間の付き添いを依頼したりする必要はありません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第56問
Aさん(88歳、女性)は、中等度の認知症(dementia)である。介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。Aさんに入浴を勧めるとAさんは「風呂なんて嫌だ」と強い口調で言い、理由を聞いても話さない。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
-
1.全身清拭する。
-
2.入浴の必要性を説明する。
-
3.石けんとタオルを見せる。
-
4.気持ちが落ち着いてから再び入浴を勧める。
- 解答・解説
-
認知症患者では入浴拒否がみられることが多いですが、その理由は様々です。Aさんは強い口調で入浴を拒否しているため、気分転換を図るなどしてタイミングをずらしてから、再度入浴を勧める対応が適切だといえます。険しい表情で入浴を無理強いすると、言葉の理解力が不足している認知症患者には警戒心が芽生え、次回も入浴拒否をする可能性が高くなってしまいます。入浴の必要性を説明することも間違いではありませんが、認知症患者では理解力や判断力の低下がみられるため、効果がないこともあります。なお、Aさんは入浴という言葉自体は理解できている可能性が高いため、石けんとタオルを見せることによる効果は期待できません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第57問
Aさん(75歳、女性)は、自立した生活を送っている。尿失禁があるため、尿失禁用パッドを使用している。大腿内側部と外陰部の掻痒感を訴え、皮膚科を受診し、外陰部掻痒症(pruritus vulvae)と診断された。 このときの指導内容で適切なのはどれか。
-
1.水分摂取を控える。
-
2.間欠的自己導尿を行う。
-
3.尿失禁用パッドの交換頻度を増やす。
-
4.搔痒感のある部位をアルコール綿で清拭する。
- 解答・解説
-
外陰部搔痒症の原因として、排泄物で汚染された尿失禁用パッドが長時間皮膚に接触することで、菌が繁殖しやすくなっていることが考えられます。パッドの交換頻度を増やし、患部を清潔に保つよう指導することが適切です。刺激の強いアルコール綿での清拭は、外陰部には不適切です。特に高齢者では皮膚のバリア機能が低下しているため、弱酸性の石けんで洗浄するなど、刺激を与えないように皮膚の清潔を保つ方法を指導します。なお、尿量を少なくする目的での水分摂取制限は、脱水をきたすおそれがあるため不適切です。尿失禁がある場合は自発的に水分を控える傾向があるため、脱水予防のためにも適切な水分量を摂るよう指導します。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第58問
手指の巧緻性が低下している高齢者が操作しやすい補聴器の種類はどれか。
-
1.骨導補聴器
-
2.耳あな型補聴器
-
3.耳かけ型補聴器
-
4.ポケット型補聴器
- 解答・解説
-
ポケット型補聴器は、小型ラジオをイヤホンで聞くようなスタイルの補聴器です。スイッチやボリュームの操作部品が大きく、目で見て確認しながら調節できるため、最も操作しやすい補聴器だといえます。一方、耳あな型補聴器や耳かけ型補聴器は、小型で目立ちにくいメリットはあるものの、スイッチが小さいため手指の巧緻性が低下した高齢者には扱いにくいと考えられます。なお、高齢者の難聴は感音性が多く、骨導も低下しているため、一般的に骨導補聴器は使用されません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第59問
インフルエンザが流行しているが、小規模多機能型居宅介護を行う事業所では罹患者はいない。 この事業所で看護師が行う罹患予防の対策で最も適切なのはどれか。
-
1.宿泊の利用を断る。
-
2.湿度を10%以下に保つ。
-
3.利用者に手洗いを勧める。
-
4.利用者に予防的に抗インフルエンザ薬を与薬する。
- 解答・解説
-
手洗い、うがい、マスク着用といった基本的な感染予防策を励行することが第一です。それとともに、室内の乾燥状態が続くとウイルスが浮遊しやすくなり、喉や気管支の粘膜も乾燥して身体の防御機能が低下するため、室内の湿度を少なくとも50%程度に保つことが有効です。なお、通常は治療薬として用いられる抗インフルエンザ薬を予防的に用いるのは、事業所内に罹患者がいるなど罹患者と接触する可能性が高い場合です。インフルエンザの発症・重症化の予防のためには、流行時期以前のワクチン接種が有効です。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第60問
A君(8歳、男児)は、先天性内反足(congenital clubfoot)の手術後、両下腿のギプス固定を行う予定である。手術前にA君に対してギプス固定後の日常生活に関する説明をすることになった。 A君に対する看護師の説明で適切なのはどれか。
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1.「シャワー浴はやめておきましょう」
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2.「ギプスの部分を高くしておきましょう」
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3.「足のゆびを動かさないようにしましょう」
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4.「ギプスを外すまでベッド上で過ごしましょう」
- 解答・解説
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患肢がうっ血すると、ギプスに圧迫されて神経麻痺や血流障害などをきたすおそれがあります。浮腫予防のためにギプスの部分を高くしておくことが適切であり、そのことを事前に説明しておくことで患児も納得し、安心して処置を受けることができます。先天性内反足の場合、術後のギプス固定は約3週間です。術後の経過が良好であれば、ベッド上安静を続ける必要はありません。早期離床や気分転換のため、車椅子や松葉杖を利用して病院敷地内を散歩することなどを促してもいいでしょう。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
-
-
第61問
肺高血圧が長期に持続し、肺血管抵抗が上昇することにより、短絡血流が主に左右短絡から右左短絡になった状態はどれか。
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1.拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy)
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2.総肺静脈還流異常症(total anomalous pulmonary venous return)
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3.Fallot〈ファロー〉四徴症(tetralogy of Fallot)
-
4.Eisenmenger〈アイゼンメンジャー〉症候群(Eisenmenger syndrome)
- 解答・解説
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左右短絡をきたす先天性心奇形が未矯正のときに起こる合併症の一つにEisenmenger〈アイゼンメンジャー〉症候群があります。肺高血圧があるために静脈血が動脈側へ流れ込み、チアノーゼが出現します。選択肢1の拡張型心筋症では、心筋が薄くなって心室の拡張と収縮不全をきたし、心不全症状が起こります(血流の短絡はみられません)。選択肢2の総肺静脈還流異常症は、本来なら左房に戻る肺静脈の4本すべてが、右房や上大静脈、下大静脈などに戻ってしまう先天性心疾患です。選択肢3のFallot〈ファロー〉四徴症は、心室中隔欠損、肺動脈狭窄、右室肥大、大動脈騎乗の4つの特徴を持つ先天性心疾患です。新生児期から右左短絡となりますが、肺動脈狭窄のため肺高血圧を生じることはありません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第62問
出生前診断について正しいのはどれか。
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1.遺伝相談は勧めない。
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2.胎児異常を理由に人工妊娠中絶はできない。
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3.治療不可能な疾患に関する診断結果は伝えない。
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4.胎児の超音波検査は出生前診断の方法に含まれない。
- 解答・解説
-
母体保護法第14条において、人工妊娠中絶が認められているのは、母体の健康を著しく害するおそれがある場合と、暴行や脅迫によって姦淫されて妊娠した場合のみです。胎児異常を理由とした人工妊娠中絶は認められていません。出生前診断を希望する場合は、専門医などによる遺伝相談(遺伝カウンセリング)を受けた後に検査を受けるかどうかを自己決定することが望ましいとされています。超音波検査を含む出生前診断の結果は、受診者の利益・不利益にかかわらず、すべてを事実として伝える必要があります。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第63問
妊娠中の母体の要因が胎児に及ぼす影響について正しいのはどれか。
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1.飲酒の習慣による巨大児
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2.喫煙による神経管形成障害
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3.妊娠初期の風疹の罹患による先天性心疾患(congenital heart disease)
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4.ビタミンAの過剰摂取による低出生体重児
- 解答・解説
-
免疫のない妊婦が妊娠初期に風疹を罹患すると、先天性風疹症候群を引き起こすことがあります。先天性風疹症候群の3大症状は、先天性心疾患、白内障、難聴です。なお、妊娠中の飲酒習慣・喫煙・ビタミンAの過剰摂取は、それぞれ以下のような影響を及ぼすおそれがあります。
・飲酒習慣:胎児細胞の増殖や発達を障害し、流産や死産、成長障害、中枢神経障害、特異顔貌などの先天性異常(胎児性アルコール症候群)を引き起こすことがあります。
・喫煙:胎児毒性や血管収縮作用により胎児発育遅延を招くため、低出生体重児、早産、胎盤早期剥離などを引き起こすことがあります。
・ビタミンAの過剰摂取:口唇口蓋裂や耳の形態異常など、先天性異常を引き起こすことがあります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第64問
高齢女性に生じやすい疾患と原因の組合せで正しいのはどれか。
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1.腟炎(vaginitis)―腟分泌物の酸性化
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2.外陰炎(vulvitis)―プロゲステロンの減少
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3.子宮脱(uterine prolapse)―骨盤底筋群の筋力低下
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4.子宮体癌(uterine corpus cancer)―プロラクチンの増加
- 解答・解説
-
子宮脱は、骨盤の中にある子宮や膀胱、直腸を支える骨盤底筋群や骨盤底支持組織の加齢による筋力低下が原因となります。そのため、骨盤底筋体操の習慣化が予防に有効とされています。選択肢1については腟分泌物の酸性化が弱まり細菌の抑制力が低下して腟炎につながる、選択肢2についてはエストロゲンが減って膣酸性度が低下することで外陰炎につながる、選択肢4についてはエストロゲンの増加(プロゲステロンの減少)により子宮内膜増殖症から子宮体癌につながるというのが正しい関係性になります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第65問
在胎38週に正常分娩で出生した児で、体重2,400gの児が体重3,000gの児に比べて起こしやすい症状はどれか。
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1.高血糖
-
2.心雑音
-
3.低体温
-
4.無呼吸
- 解答・解説
-
新生児は、体温調節機能が未熟であり、体重に対して体表面積が大きいため不感蒸泄が多く、熱を失いやすい状態にあります。特に低出生体重児では、皮膚が薄く皮下脂肪も少ないため、低体温を起こしやすくなります。また、新生児では胎外環境へ適応する過程で生理的に血糖値が低下しますが、低出生体重児は胎内で蓄えた糖が少ないために低血糖を起こしやすくなります。心雑音や無呼吸については、出生体重の差による影響はみられません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第66問
神経伝達物質と精神疾患の組合せで最も関連が強いのはどれか。
-
1.ドパミン―脳血管性認知症(cerebrovascular dementia)
-
2.セロトニン―うつ病(depression)
-
3.ヒスタミン―Alzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)
-
4.アセチルコリン―統合失調症(schizophrenia)
- 解答・解説
-
うつ病は、神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンが減少することで発症すると考えられています。抗うつ薬として使われるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)は、セロトニンやノルアドレナリンの再取り込みをブロックして量を増やし、脳の活動を活発にすることで症状を改善します。なお、選択肢1のドパミンは統合失調症と、選択肢3のヒスタミンはアレルギー症状との関連性が強い神経伝達物質です。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第67問
Aさんの母親は過干渉で、Aさんが反論すると厳しい口調でいつまでもAさんを批判し続けるため、Aさんは母親との関係に悩んできた。その母親と同年代で体格が似ている担当看護師に対し、Aさんは常に反抗的な態度をとり、強い拒絶を示している。 Aさんにみられるのはどれか。
-
1.投 影
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2.逆転移
-
3.反動形成
-
4.陰性転移
- 解答・解説
-
1.(×)投影は、自身にとって受け入れがたい不快な感情を、他者が持っているものとして知覚する防衛機制です。
2.(×)逆転移は、主に心理療法の領域で使われる言葉で、治療者が過去の人間関係を被治療者に重ね合わせるといった非合理的な感情を指します。
3.(×)反動形成は、自分が持つ受け入れがたい不快な感情を抑圧し、正反対の感情や行動に置き換える防衛機制です。
4.(○)転移は、過去に自分に影響を与えた重要他者との関係性を、治療者に重ね合わせている状態です。プラスの方向性(尊敬や信頼、愛情など)であれば陽性転移、マイナスの方向性(反抗や不信感、嫌悪など)であれば陰性転移と呼びます。
第68問
精神科病院に医療保護入院をしている患者から退院請求があった。入院継続の適否について判定するのはどれか。
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1.保健所
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2.地方裁判所
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3.精神医療審査会
-
4.地方精神保健福祉審議会
- 解答・解説
-
精神医療審査会は、都道府県知事の下に置かれた行政組織で、独立した第三者機関として機能しています。人権擁護の観点から、医療保護入院や措置入院に対する必要性の審査や、退院請求・処遇改善請求の審査などを行います。審査は合議によって行われ、委員は精神科医療、法律、精神障害者の保健または福祉に関する学識経験者を都道府県知事が任命します。なお、地方精神保健福祉審議会は、都道府県知事の諮問機関であり、精神保健や精神障害者の福祉に関する審議を行う機関です。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第69問
訪問看護師の関わりで最も適切なのはどれか。
-
1.看護師の判断で訪問時間を延長する。
-
2.療養者のライフスタイルを尊重する。
-
3.1人暮らしの療養者では家族のことは考慮しない。
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4.訪問時間以外での療養者との個人的な付き合いを大切にする。
- 解答・解説
-
訪問看護では、療養者が住み慣れた地域の居住環境で、個々のライフスタイルを損なわずに治療が受けられるようケアを提供します。そのためにも、訪問看護師が療養者や家族との付き合いを深めることは重要ですが、同時に公平で中立な立場を保持する必要があり、業務としてケアに徹するという一線を引いた関係性を築くことが望ましいといえます。なお、訪問看護のサービス提供時間はケアプランに基づいて決定されており、延長には料金の発生も伴うため、看護師が独断で時間を延長することは適切ではありません。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第70問
Aさん(59歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson’s disease)で、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類ステージIIIであり、嚥下に困難がある。要介護2の認定を受けている。 食事の見守りを行う妻への訪問看護師による指導で適切なのはどれか。
-
1.「食事はきざみ食にしましょう」
-
2.「食事は決まった時間にしましょう」
-
3.「食事中はテレビをつけておきましょう」
-
4.「食べ物を飲み込んだことを確認しましょう」
- 解答・解説
-
パーキンソン病では、ドパミンの不足により筋固縮の症状が現れるため、誤嚥や残留を招きやすくなります。誤嚥性肺炎を起こすリスクも高いため、食事はゆっくりと落ち着いて摂ることが大切であり(テレビも消すことが望ましい)、口の中の食べ物を飲み込んだことを確認してから次の食べ物を口に入れるよう指導します。食事形態としては、パーキンソン病では嚥下障害がみられるため、とろみをつけたりミキサーにかけたりして飲み込みやすく工夫します。パーキンソン病の治療に用いられるドパミンの副作用には、吐き気や食欲不振があるため、食欲がないときは少量を複数回に分けるなど、食べられるときに食べられるだけ摂ることができるよう工夫します。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第71問
Aさん(52歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。妻は末期の肺癌(lung cancer)で、今朝自宅で亡くなった。 主治医が死亡診断を行った後のAさんへの訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
-
1.葬儀を手配するよう勧める。
-
2.医療機器は早急に片づけるよう勧める。
-
3.Aさんの希望に沿って、死後の処置を行う。
-
4.本日中に死亡診断書を役所に提出するよう説明する。
- 解答・解説
-
妻の死亡診断を受けた直後であり、Aさんは大きな悲しみや喪失感の中にあります。まずはAさんの気持ちに寄り添い、妻とのお別れの時間を持てるよう環境を整えることが適切な対応です。そして、できる限りAさんの希望に沿いながら、死後の処置を行っていきます。葬儀の手配や医療機器の片付けなどは、少し落ち着いた後で心の整理を付けながら行うほうが望ましく、早急に行う必要性もありません。なお、死亡診断書は、死亡地・本籍地・住民登録地のいずれかの市区町村戸籍・住民登録窓口に提出します。届出の期限は、死亡の事実を知った日から7日以内であり、当日中である必要はありません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第72問
在宅中心静脈栄養法〈HPN〉について適切なのはどれか。
-
1.輸液ポンプは外出時には使えない。
-
2.24時間持続する注入には適さない。
-
3.輸液の調剤は薬局の薬剤師に依頼できる。
-
4.家族が管理できることが適用の必須条件である。
- 解答・解説
-
在宅用の輸液ポンプは、軽量でバッテリー駆動のコンパクトタイプであり、外出時も使用可能です。使いやすく遮光性の高い中心静脈栄養法専用のジャケットやバッグが利用されていますが、普通のリュックサックなどに入れて持ち運ぶこともできます。在宅中心静脈栄養法の投与方法には、24時間連続の持続投与と、日中や夜間に一時中断する間欠投与の2種類があります。輸液の調剤は、無菌調剤室の設備がある調剤薬局の薬剤師に依頼することができます。なお、家族が管理できることは、適用の必須条件ではありません。本人や訪問看護師が管理するケースもあり、一人暮らしの患者でも在宅中心静脈栄養法を実施することができます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第73問
看護サービスの質の評価は、①ストラクチャー(看護サービス提供のための仕組み)、②プロセス(提供される看護サービス)、③アウトカム(看護サービスの成果)に分類される。 アウトカムはどれか。
-
1.患者の満足度
-
2.退院指導の実施
-
3.看護手順の整備の有無
-
4.看護師1人当たりの患者数
- 解答・解説
-
アウトカムは、看護サービスを提供した結果としての、患者の健康状態の変化などを評価するもので、患者満足度や理解度、再入院率、QOLなどが指標となります。退院指導の実施はプロセス(提供する看護サービスの方法や内容を評価するもの)、看護手順の整備の有無および看護師1人当たりの患者数はストラクチャー(看護サービスを提供する人的・物理的・財政的資源を評価するもの)に分類されます。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第74問
医療法で医療機関に義務付けられているのはどれか。
-
1.医療安全管理者の配置
-
2.厚生労働省へのインシデント報告
-
3.患者・家族への医療安全指導の実施
-
4.医療安全支援センターへの医療事故報告
- 解答・解説
-
2002年(平成14年)の医療法一部改正において、病院および診療所は医療安全管理体制を整備することが義務化されました。医療安全は医療の質の根幹にかかわる重要な課題であることから、施設の規模に応じた医療安全対策が求められるようになってきています。その一環として、医療安全管理者の配置が医療機関に義務付けられており、特に特定機能病院や臨床研修病院には「専任」の医療安全管理者を配置することが定められています。医療安全管理者は、施設内の医療安全対策に関する立案・評価・教育、事故後の対応業務などを担います。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第75問
災害発生後の時期と災害看護活動の組合せで最も適切なのはどれか。
-
1.災害発生直後~数時間―食中毒予防
-
2.災害発生後3日~1週―外傷後ストレス障害〈PTSD〉(post-traumatic stress disorder)への対応
-
3.災害発生後1週~1か月―廃用症候群(disuse syndrome)の予防
-
4.災害発生後1か月以降―救命処置
- 解答・解説
-
災害看護では、生命や健康への被害を最小限に抑えるため、災害サイクルに合わせた活動を行います。具体的には、以下のような活動が想定されます。
・災害発生直後~数時間(超急性期):安全確保、トリアージ、救命処置などが最優先されます。
・災害発生後3日~1週(急性期):看護ケアと同時に、食中毒予防や感染症対策が重要になります。
・災害発生後1週~1カ月(亜急性期):日常と異なる避難生活が長期化する時期であるため、廃用症候群の予防は適切な災害看護活動となります。狭い避難所生活による活動制限の状況や、定期的なリハビリテーションが行えない患者への対応などが重要です。
・災害発生後1カ月以降(慢性期):心的外傷後ストレス障害(PTSD)の発症が予想される時期であり、生活指導とともに長期的な心のケアが重要になります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
-
-
第76問
平成24年(2012年)の国連エイズ合同計画〈UNAIDS〉の報告において、ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉陽性者が最も多い地域はどれか。
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1.東アジア
-
2.北アメリカ
-
3.オセアニア
-
4.サハラ以南のアフリカ
- 解答・解説
-
国連エイズ合同計画〈UNAIDS〉の報告によると、平成24年(2012年)末のヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉陽性者数は約3,530万人と推定されています。地域別ではサハラ以南のアフリカが約2,500万人で圧倒的に多く、全世界の約70%を占めています。この地域で特に感染率が高い国には、スワジランド、レソト、ボツワナ、南アフリカ、ジンバブエなどがあります。次いで南アジア・東南アジアの陽性数が多く、390万人(約11%)となっています。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第77問
タンパク合成が行われる細胞内小器官はどれか。
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1.核
-
2.リボソーム
-
3.リソソーム
-
4.ミトコンドリア
-
5.Golgi〈ゴルジ〉装置
- 解答・解説
-
1.(×)核にはDNAが存在し、細胞分裂(遺伝)に重要な働きをします。
2.(○)リボソームはRNA・蛋白複合体であり、mRNA(メッセンジャーRNA)の塩基配列情報をもとにアミノ酸を結合させ、蛋白質の合成を行っています。この働きを翻訳と呼びます。
3.(×)リソソームは内部に加水分解酵素を持ち、不要になった糖質・脂質・蛋白質・核酸などの細胞内消化を行っています。
4.(×)ミトコンドリアは、ATP(アデノシン三リン酸)合成や呼吸代謝の役割を担っています。
5.(×)Golgi〈ゴルジ〉装置は細胞内の代謝に関与し、蛋白質への糖結合やペプチド切断を行って選別分泌する役割などを担っています。
第78問
閉眼に関与する神経はどれか。
-
1.動眼神経
-
2.滑車神経
-
3.三叉神経
-
4.外転神経
-
5.顔面神経
- 解答・解説
-
顔面神経は、眼輪筋を含む顔面の表情筋を支配しているため、閉眼に関与しています。顔面神経が障害されると顔面神経麻痺(ベル麻痺、ハント症候群など)をきたし、顔面麻痺や閉眼不能を生じます。顔面神経は、味覚や涙・唾液分泌にも関与します。なお、選択肢1の動眼神経は縮瞳や眼球運動に、選択肢2の滑車神経および選択肢4の外転神経は眼球運動に、それぞれ関与しています。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、5.(○)、となります。
第79問
血管造影写真を別に示す。 造影部位で正しいのはどれか。
-
1.脳動脈
-
2.冠動脈
-
3.肺動脈
-
4.肝動脈
-
5.腎動脈
- 解答・解説
-
血管造影は、血管に挿入したカテーテルから造影剤を注入し、コントラストを強めた詳細な血管像をX線撮影する検査方法です。設問の画像は、左冠動脈の観察に適した、左冠動脈造影の最も標準的な方向から撮られたものです。上部左側にJ字型にカテーテルが入っており、左冠状動脈(LCA)が主幹部(LMT)から分岐する前下行枝(LAD)と回旋枝(LCX)が確認できます。回旋枝には狭窄も認められます。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。
第80問
健常な幼児の基本的生活習慣の獲得で正しいのはどれか。
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1.1歳6か月でうがいができるようになる。
-
2.2歳6か月で靴を履けるようになる。
-
3.3歳でコップを使って飲めるようになる。
-
4.4歳で手を洗って拭くようになる。
-
5.5歳で昼寝は1日1回になる。
- 解答・解説
-
健常な幼児の基本的生活習慣の獲得は、標準的には次のような順序で達成されます。子どもの成長は個人差が大きく、保育者の意識やきょうだいの有無などの環境も影響を及ぼします。入園・入学などの社会的生活への参加を目安にして、年齢に合った生活習慣を身につけられるような援助が必要です。
・1歳~1歳半:コップを使って飲めるようになる。
・1歳~2歳:昼寝が1日1回になる。
・2歳頃:ブクブクうがいができるようになる(ガラガラうがいは4歳頃)。
・2歳6カ月頃:靴を履けるようになる(この時期には左右を逆に履くことも多いが、5歳頃には間違いが少なくなる)。
・2歳半~3歳頃:一人で手を洗って拭くようになる。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。
第81問
不妊症(infertility)について正しいのはどれか。
-
1.6か月間避妊せずに性交渉があっても妊娠しない状態である。
-
2.頻度は妊娠を希望し避妊しないカップル10組に3組である。
-
3.体外受精に要する費用の公的な助成制度がある。
-
4.女性の年齢と不妊症(infertility)の治療効果は関係しない。
-
5.男性側の原因は7割程度である。
- 解答・解説
-
WHOの定義では、正常な性生活を営む夫婦において2年間の不妊期間がある場合が不妊症とされます。不妊症の頻度は、妊娠を希望し避妊しないカップルの約10%(10組に1組)ですが、近年は増加傾向にあります。不妊症の原因は男女比1:1とされています。女性側の原因としては卵巣機能や卵子の質の低下などが考えられ、女性の年齢が高くなるほど不妊症の治療効果は低下します。体外受精に関しては、特定不妊治療費助成事業により費用の助成を受けることができます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、5.(×)、となります。
第82問
介護保険制度におけるケアマネジメントで適切なのはどれか。
-
1.スクリーニングで介護保険の対象の可否を判断する。
-
2.アセスメントで利用者の疾患を診断する。
-
3.利用者は居宅介護サービス計画書を作成できない。
-
4.ケアサービスの提供と同時にモニタリングを行う。
-
5.ケアマネジメントの終了は介護支援専門員が決定する。
- 解答・解説
-
1.(×)介護保険対象の可否を判断するのは要介護認定です。介護保険制度におけるスクリーニングとは、ケアマネジメントの過程で、要援護者や家族が抱える問題を分類することを指します。
2.(×)アセスメントは利用者の状況やニーズを把握するものであり、疾患の診断ではありません。
3.(×)居宅介護サービス計画書(ケアプラン)は、書類の作成自体は介護支援専門員(ケアマネジャー)に依託する場合が多いですが、その内容は利用者の自己決定によることが基本です。
4.(○)ケアサービスの提供と同時にモニタリング(実施状況の把握や評価)を行い、必要に応じて計画の修正を検討します。
5.(×)ケアマネジメントの終了は、利用者の希望を考慮して決定します。
第83問
伸張反射の構成要素はどれか。2つ選べ。
-
1.骨 膜
-
2.筋紡錘
-
3.腱紡錘
-
4.脊髄側角
-
5.運動神経
- 解答・解説
-
伸張反射は、骨格筋が急激に引き延ばされたとき、その筋自身が対抗して収縮する現象であり、脊髄反射の一つです。この筋収縮は、筋肉内の筋紡錘が筋肉伸展によって生じる張力を感受し、その情報がIa線維を通って脊髄に伝わり、運動神経を刺激することで起こります。膝蓋腱反射(大腿四頭筋が収縮して膝が伸びる)や、アキレス腱反射(下腿三頭筋が収縮して足関節が伸びる)などは、伸張反射です。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、5.(○)、となります。
第84問
吸息時に収縮する筋はどれか。2つ選べ。
-
1.腹直筋
-
2.腹横筋
-
3.横隔膜
-
4.外肋間筋
-
5.内肋間筋
- 解答・解説
-
吸息時には、横隔膜が収縮して下降し、肺を拡張させます。また、外肋間筋が収縮して胸郭を広げることで、胸腔内の容積が増加します。選択肢の中では、この2つが吸息時に収縮する筋です。他の腹直筋、腹横筋、内肋間筋は、いずれも努力呼気時に収縮する筋です。腹直筋は収縮することで腹圧を高め、呼気を促進します。腹横筋は収縮することで補助的に呼気を促進します(側腹壁の深層に存在するため、呼吸への関与は大きくない)。内肋間筋が収縮すると。肋骨が下降して胸腔内の容積が減少し、呼気が促進されます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(○)、5.(×)、となります。
第85問
多発性硬化症(multiple sclerosis)で正しいのはどれか。2つ選べ。
-
1.脱髄病変が多発する。
-
2.髄液中のIgGは低下する。
-
3.視力低下は網脈絡膜炎(retinochorioiditis)による。
-
4.MRIは病変の検出に有用である。
-
5.末梢神経が障害されることが多い。
- 解答・解説
-
多発性硬化症は、中枢神経系(脳・脊髄、視神経)の慢性炎症性脱髄疾患で、手足の麻痺や感覚異常、視覚障害といった重篤な症状が生じます。再発と寛解を繰り返すのも特徴の一つです。神経線維を覆っている髄鞘が変性・脱落して、中心部を走る軸索がむき出しになる脱髄病変が多発します。髄液中のIgGは上昇し、リンパ球および蛋白質は増加します。視神経が障害された場合は、目を動かすと目の奥に痛みを感じる球後視神経炎を起こしやすくなり、視力障害や視野欠損がみられます。MRI画像では病変と脳室などが見分けやすく、脳・脊髄での病変検出にきわめて有用です。造影MRIを用いると、1回の検査でも確定診断が可能です。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、5.(×)、となります。
第86問
食道癌(esophageal cancer)について正しいのはどれか。2つ選べ。
-
1.頸部食道に好発する。
-
2.放射線感受性は低い。
-
3.アルコール飲料は危険因子である。
-
4.日本では扁平上皮癌に比べて腺癌が多い。
-
5.ヨードを用いた内視鏡検査は早期診断に有用である。
- 解答・解説
-
食道癌の好発部位は、胸部中部食道が約50%と最も多くなっています。次いで、胸部下部食道、胸部上部食道と続きます。食道の粘膜は扁平上皮からできており、日本では食道癌の90%以上が扁平上皮癌です。扁平上皮癌は腺癌と比べて放射線感受性が高いため、放射線治療が有効です。近年では、早期癌や切除可能な局所進行癌でも、放射線治療が選択される場合があります。食道癌の最大の危険因子は、飲酒と喫煙です。そのほかにも、熱い/冷たい食べ物、香辛料、肉や魚のこげなどもリスクになりうるとされています。また、家族性因子も影響します。食道癌の病変はヨードで染色されないため、範囲が明瞭に確認できます。内視鏡検査では、ヨードを散布して食道を染色することで小さな病変も発見しやすくなり、早期診断に有用です。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、5.(○)、となります。
第87問
心電図を別に示す。 所見として正しいのはどれか。2つ選べ。
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1.R-R間隔の不整
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2.細動波の出現
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3.QRS波の消失
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4.STの上昇
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5.陰性T波
- 解答・解説
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設問の心電図にはP波がみられず、R-R間隔が不規則で、基線が細かく動揺しています(細動波の出現)。心房細動の典型的な心電図です。心房細動とは、心房内の高頻度で無秩序な電気的興奮が、無秩序に心室に伝導している頻脈性不整脈です。なお、QRS波は明確にみられ、STの上昇および陰性T波はみられません。
よって、1.(○)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。
第88問
喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者でみられるのはどれか。2つ選べ。
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1.誤嚥をしやすい。
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2.咀嚼がしにくい。
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3.においが分かりづらい。
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4.高い音が聞こえにくい。
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5.飲み込んだ食物が鼻に逆流しやすい。
- 解答・解説
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喉頭摘出および気管孔造設術を受けた患者は、鼻呼吸をすることができないため、嗅覚を感じる部分ににおいが届かず、においが分かりづらくなります。また、気道と食道の完全分離や食道の狭窄などが原因となり、飲み込んだ食物が鼻に逆流しやすくなります。ただし、咽頭と気管の接触がなく、気道と食道が完全に分離されているため、誤嚥を起こすことはありません。発声に関しては、喉頭を喪失するため、術前と同じようにはできなくなります。通常は大きな聴覚障害はみられません。鼻から耳にかけての通気がなくなるため、耳管機能障害をきたす可能性はありますが、その場合には低い音が聞こえにくくなります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、5.(○)、となります。
第89問
改訂版デンバー式発達スクリーニング検査について正しいのはどれか。2つ選べ。
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1.4領域について判定を行う。
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2.適応年齢は0~6歳である。
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3.判定結果は数値で示される。
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4.知能指数の判定が可能である。
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5.1領域に10の検査項目がある。
- 解答・解説
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改訂版デンバー式発達スクリーニングは小児の精神発達を評価する検査で、発達に障害がある可能性の高い子どもを抽出する目的で、外見上問題のない子どもに対して実施されます。適応年齢は0~6歳で、特定の行動が獲得される年月齢が視覚的に図示された検査用紙を用いて行います。「個人-社会」「微細運動-適応」「言語」「粗大運動」の4領域があり、それぞれ10以上の検査項目(4領域合わせて104項目)により評価します。判定結果は、発達指数などの数値ではなく、年齢水準より遅れている項目がどの領域にどれくらいあるかによって、「正常」「異常」「疑問」「不能」で示されます。
よって、1.(○)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。
第90問
精神障害者のリカバリ〈回復〉の考え方で正しいのはどれか。2つ選べ。
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1.患者に役割をもたせない。
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2.薬物療法を主体に展開する。
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3.患者の主体的な選択を支援する。
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4.患者のストレングス〈強み・力〉に着目する。
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5.リカバリ〈回復〉とは病気が治癒したことである。
- 解答・解説
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精神看護におけるリカバリとは、疾患と上手に付き合いながら、患者本人が主導権を持ち、地域での自分らしい生活を取り戻すことを意味します。医学的な観点による疾患の治癒とは異なる考え方です。医療従事者は、患者の主体的な選択を可能とするように、患者のストレングスに着目して環境作りや情報提供といったサポートを提供します。例えば、小さなことでも役割や責任を担い、自信を取り戻していくことは、自分らしく生きるための重要な要素となるでしょう。薬物療法も、回復のための資源の一つとして位置付けられます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(○)、5.(×)、となります。
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第91問
Aさん(54歳、男性)は、10年前に心筋梗塞(myocardial infarction)を発症し、2年前に慢性心不全(chronic heart failure)と診断され外来受診を続けてきた。1週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、4日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、Aさんは定期受診のため来院し、心不全(heart failure)の増悪と診断され入院した。入院時、体温36.3℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整で、血圧124/72mmHgであった。心エコー検査で左室の駆出率28%であった。体重は1週間で4kg増加し下肢の浮腫がみられる。 このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
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1.ショック状態の可能性が高い。
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2.左心不全(left heart failure)の症状はみられない。
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3.NYHA心機能分類のI度に該当する。
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4.浮腫は右心不全(right heart failure)の症状によると考えられる。
- 解答・解説
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Aさんは、心拍出量の低下、肺うっ血(左心不全症状)、下肢浮腫(右心不全症状)、体重増加がみられ、両心不全の状態であると考えられます。
1.(×)Aさんは血圧124/72mmHgと基準範囲内であり、体温や呼吸数、脈拍も維持されています。したがって、ショック状態ではありません。
2.(×)左室駆出率が28%と低下しており、収縮不全がみられます。これにより肺静脈圧が上昇し、肺うっ血をきたしています。
3.(×)NYHA心機能分類は、慢性心不全患者の心機能を自覚症状からI~IV度に分類したものです。Aさんは通常~通常以下の身体活動(トイレ歩行)で息苦しさを訴えていることから、NYHA心機能分類ではII~III度に該当すると考えられます。
4.(○)下肢の浮腫は、右心不全による体静脈圧の上昇が原因だと考えられます。
第92問
Aさん(54歳、男性)は、10年前に心筋梗塞(myocardial infarction)を発症し、2年前に慢性心不全(chronic heart failure)と診断され外来受診を続けてきた。1週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、4日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、Aさんは定期受診のため来院し、心不全(heart failure)の増悪と診断され入院した。入院時、体温36.3℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整で、血圧124/72mmHgであった。心エコー検査で左室の駆出率28%であった。体重は1週間で4kg増加し下肢の浮腫がみられる。 Aさんの咳嗽を軽減する方法で最も適切なのはどれか。
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1.起坐位を保つ。
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2.腹式呼吸を促す。
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3.部屋の湿度を30%に保つ。
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4.超音波ネブライザーを使用する。
- 解答・解説
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夜間に咳嗽や息苦しさが悪化するのは、仰臥位になることで心臓への血液還流量が増え、肺毛細血管圧が上昇し、肺うっ血が増悪することが原因です。起坐位を保つことで血液の還流を少なくすることができ、症状が軽減されます。腹式呼吸、湿度調節、超音波ネブライザーでは、左心不全に由来する咳嗽への効果は期待できません。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第93問
Aさん(54歳、男性)は、10年前に心筋梗塞(myocardial infarction)を発症し、2年前に慢性心不全(chronic heart failure)と診断され外来受診を続けてきた。1週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、4日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、Aさんは定期受診のため来院し、心不全(heart failure)の増悪と診断され入院した。入院時、体温36.3℃、呼吸数24/分、脈拍96/分、整で、血圧124/72mmHgであった。心エコー検査で左室の駆出率28%であった。体重は1週間で4kg増加し下肢の浮腫がみられる。 入院治療によりAさんの症状は改善し、2日後に退院予定である。 退院後の受診についての説明で最も適切なのはどれか。
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1.「夜間の咳で受診する必要はありません」
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2.「体温が38.0℃以下なら受診の必要はありません」
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3.「今回のように体重が増加したときは受診してください」
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4.「仕事から帰って足に浮腫がみられたら受診してください」
- 解答・解説
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1.(×)夜間の咳嗽や息苦しさは左心不全の症状であることが考えられるため、早期に受診するよう指導します。
2.(×)体温にかかわらず、異常があれば早期に受診するよう指導します。
3.(○)体重の増加は、慢性心不全増悪の徴候の一つです。特に短期間(日の単位)で2kg以上増加したときは、早期に受診するよう指導します。
4.(×)右心不全の症状として下肢浮腫が生じることがあります。しかし、心不全患者でなくても、仕事が終わって帰宅する頃には、重力によって足に浮腫が生じやすくなっています。このことだけをもって受診の要否を判断することはできません。
第94問
Aさん(52歳、男性)は、5年前に健康診断で高血圧を指摘されていたが、そのままにしていた。5年ぶりに健康診断を受けたところ尿蛋白+で、内科を受診し腎機能障害を指摘された。Aさんは、身長160cm、体重56kgであり、体温36.1℃、呼吸数18/分、脈拍64/分、整で、血圧166/96mmHgであった。血液検査データは、Hb 9.3g/dL、アルブミン3.6g/dL、クレアチニン2.3mg/dL、HbA1c 5.6%、K 3.9mEq/L、推算糸球体濾過量〈eGFR〉25mL/分/1.73m2であり、特に自覚症状はなく、浮腫はみられない。 腎機能の悪化によるものと考えられるデータはどれか。
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1.体 重
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2.血清カリウム値
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3.ヘモグロビン値
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4.血清アルブミン値
- 解答・解説
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1.(×)身長160cmおよび体重56kgからBMIは21.9であり、浮腫も認められていません。体重は標準の範囲内です。
2.(×)血清カリウム値の基準範囲は3.5~5.0mEq/Lです。
3.(○)ヘモグロビン値の基準値は、男性で13g/dL程度です。AさんはHb 9.3g/dLと低下しており、腎機能の悪化によりエリスロポエチンの産生が低下した腎性貧血が原因だと考えられます。
4.(×)血清アルブミン値の基準範囲は3.5~5.5g/dLです。
第95問
Aさん(52歳、男性)は、5年前に健康診断で高血圧を指摘されていたが、そのままにしていた。5年ぶりに健康診断を受けたところ尿蛋白+で、内科を受診し腎機能障害を指摘された。Aさんは、身長160cm、体重56kgであり、体温36.1℃、呼吸数18/分、脈拍64/分、整で、血圧166/96mmHgであった。血液検査データは、Hb 9.3g/dL、アルブミン3.6g/dL、クレアチニン2.3mg/dL、HbA1c 5.6%、K 3.9mEq/L、推算糸球体濾過量〈eGFR〉25mL/分/1.73m2であり、特に自覚症状はなく、浮腫はみられない。 Aさんは、慢性腎臓病(chronic kidney disease)ステージ4と診断され、精査目的で入院した。「特に症状がないのに腎臓が悪いと言われて本当に驚いたよ。高血圧が関係していると医師に言われたけれど、どういうことですか」とAさんが看護師に尋ねた。 Aさんへの説明で適切なのはどれか。
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1.「高血圧で尿が少なくなり腎臓を悪くします」
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2.「高血圧が続くと腎臓の濾過機能が低下します」
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3.「高血圧では腎臓病の症状が現れにくくなります」
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4.「腎臓の機能がさらに低下すると血圧は低くなります」
- 解答・解説
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高血圧が続くと、糸球体の細動脈にも圧力がかかり、血管内腔が狭小化します(腎硬化症)。血流が悪くなった糸球体自体も硬化し、腎臓の濾過機能が低下します。腎機能が低下すると、尿量が減少し、循環血液量が増加するため、血圧は上昇します。持続する高血圧は、慢性腎臓病を引き起こし、進行させるリスクファクターです。選択肢1については
腎機能障害により尿量が減少することで高血圧が進行しますが、高血圧そのものが原因で尿量が減少することはありません。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第96問
Aさん(52歳、男性)は、5年前に健康診断で高血圧を指摘されていたが、そのままにしていた。5年ぶりに健康診断を受けたところ尿蛋白+で、内科を受診し腎機能障害を指摘された。Aさんは、身長160cm、体重56kgであり、体温36.1℃、呼吸数18/分、脈拍64/分、整で、血圧166/96mmHgであった。血液検査データは、Hb 9.3g/dL、アルブミン3.6g/dL、クレアチニン2.3mg/dL、HbA1c 5.6%、K 3.9mEq/L、推算糸球体濾過量〈eGFR〉25mL/分/1.73m2であり、特に自覚症状はなく、浮腫はみられない。 現時点でAさんに起こる危険性が高いのはどれか。
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1.低リン血症
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2.血糖値の上昇
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3.虚血性心疾患(ischemic heart disease)
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4.甲状腺機能亢進症(hyperthyroidism)
- 解答・解説
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1.(×)腎機能が低下するとリンの排泄も低下するため、高リン血症となります。
2.(×)腎機能障害が原因で血糖値が上昇することはありません。
3.(○)腎機能障害により尿量が減少することで高血圧が進行します。高血圧は動脈硬化の促進因子であり、虚血性心疾患につながるリスクが高くなります。
4.(×)腎機能が低下すると、カルシウムの尿中喪失やビタミンDの産生低下により、副甲状腺が刺激されて二次性副甲状腺機能亢進症となるリスクが高まります。
第97問
Aさん(72歳、男性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。家族や親戚はいない。15年前から心不全(heart failure)のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を週に2回利用している。早朝、Aさんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4℃、呼吸数20/分、脈拍98/分、血圧100/70mmHgであった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。 Aさんは看護師に「頭がふわふわして歩けない。めまいもする。昨日の夜から気持ちが悪くなり、朝までに2、3回吐いた。体に力が入らない」と話した。 Aさんの脱水症について追加で情報収集すべき内容で最も適切なのはどれか。
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1.昨日の経口摂取量
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2.排尿の自立状況
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3.生活活動強度
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4.睡眠の状況
- 解答・解説
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心不全を患うAさんは、心臓にかかる負荷を軽減する目的で利尿薬を服用しています(体内に過度の水分を貯留させないようにするため)。高齢者は脱水をきたしやすく、薬剤の効果も強く現れることがあるので、脱水症に対する警戒が必要です。摂取水分量を把握するためには、飲み物による水分量と食事に含まれる水分量を合わせて知る必要があり、すでに脱水症と診断されているAさんについては、昨日の経口摂取量を把握することが最も適切だといえます。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、となります。
第98問
Aさん(72歳、男性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。家族や親戚はいない。15年前から心不全(heart failure)のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を週に2回利用している。早朝、Aさんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4℃、呼吸数20/分、脈拍98/分、血圧100/70mmHgであった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。 外来で点滴静脈内注射が開始され、入院した。夕方からAさんの表情に落ち着きがない様子や看護師の説明を聞かない様子がみられた。夜間から朝までぶつぶつと独り言を話していた。 Aさんの看護で最も適切なのはどれか。
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1.夜間の病室内の照明を消す。
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2.日中に車椅子での散歩を介助する。
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3.Aさんに点滴を抜かないように説明する。
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4.夜間は睡眠導入薬の処方を医師に依頼する。
- 解答・解説
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Aさんには、入院による環境の変化や不安、ストレスを要因とした夜間せん妄が起こっていると考えられます。せん妄では認知症と類似した症状も現れますが、経過は一過性であり、本質的には認知症と異なります。生活リズムを整えて日中の活動性を高めることは、せん妄の改善に有効です。日中に車椅子での散歩を介助して気分転換を図り、覚醒している時間を積極的に作ることは、最も適切な看護だといえます。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第99問
Aさん(72歳、男性)は、アパートの1階に1人で暮らしている。家族や親戚はいない。15年前から心不全(heart failure)のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援2の認定を受け、介護予防通所介護を週に2回利用している。早朝、Aさんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4℃、呼吸数20/分、脈拍98/分、血圧100/70mmHgであった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。 入院後5日。Aさんの症状は改善し、明日退院する予定である。床頭台の隅に利尿薬が残っていたため看護師が質問すると、Aさんは「看護師さんから薬をもらうとすぐ飲んでいるよ」と話した。また、自分の病室を間違えることが数回あった。 Aさんが在宅療養を継続するために、看護師が介護支援専門員へ伝える情報として優先度が高いのはどれか。
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1.生活リズム
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2.食事の摂取量
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3.服薬管理の状況
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4.脱水症の治療内容
- 解答・解説
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一人暮らしのAさんが在宅療養を継続するためには服薬管理が重要であり、看護師が介護支援専門員へ伝える情報として最も優先度が高い情報だといえます。高齢の心不全患者が利尿薬を飲み忘れると、体内に過度の水分が貯留して心臓に前負荷がかかり、心不全が増悪するリスクが高まります。また、すでに飲んだことを忘れて規定量以上に内服してしまった場合は、脱水症を再発することがあります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第100問
Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。 現在のAさんの Alzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)の状態で最も適切なのはどれか。
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1.視線を動かすことができる。
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2.車椅子を操作することができる。
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3.季節に合わせて服を選ぶことができる。
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4.Mini-Mental State Examination〈MMSE〉20点である。
- 解答・解説
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1.(○)アルツハイマー病では、眼球運動の抑制や視力障害は生じません。
2.(×)要介護4とは、日常生活の広範囲において介護を必要とする段階であり、車椅子を操作することは難しいと考えられます。
3.(×)重度の認知機能の低下がみられていることから、見当識障害により、季節に合わせた服を選ぶことは難しいと考えられます。
4.(×)Mini-Mental State Examination〈MMSE〉は認知機能のレベルを測るテストであり、30点満点中23点以下で認知症が疑われます。重度の認知機能の低下がみられる場合は、10点未満になると考えられます。
第101問
Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。 Aさんは、誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)のために入退院を繰り返している。今回の入院で主治医はAさんの家族に胃瘻の造設を含めた今後の方針を説明した。Aさんの長男は胃瘻の造設を希望せず、主に介護を行ってきた長男の妻は「私には決められない」と迷っている。 Aさんの長男の妻に対する看護師の対応として最も適切なのはどれか。
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1.「あなたがAさんの立場ならどうしますか」
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2.「介護支援専門員の考えを聞いてみましょう」
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3.「私の経験から胃瘻を造らないことを勧めます」
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4.「Aさんはこのような状況になったとき、どうしたいと言っていましたか」
- 解答・解説
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本人の意思や希望が最優先されますが、その意思確認が困難な場合は、家族によって本人の意思を推定することが最も適切な対応です(それも難しい場合は、医療ケアチームによる検討が推奨されています)。長年、長男夫婦が自宅で介護してきた経緯からも、長男の妻はAさんが意思表示できていた頃の考えを話すことができると考えられます。一方、選択肢1のような問いは、家族に大きな精神的負担を与えかねません。Aさんの長男の妻は夫が胃瘻の造設を希望していない状態で、ますます混乱しています。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第102問
Aさん(90歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)で、重度の認知機能の低下がある。要介護4で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。 Aさんは、誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)のために入退院を繰り返している。今回の入院で主治医はAさんの家族に胃瘻の造設を含めた今後の方針を説明した。Aさんの長男は胃瘻の造設を希望せず、主に介護を行ってきた長男の妻は「私には決められない」と迷っている。 その後、Aさんは誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)の症状が軽快し、胃瘻を造設せずに退院する予定である。家族は自宅での介護を考えていたが、長男の妻が脳出血(cerebral hemorrhage)で入院したため、Aさんの退院先の再検討を行うことになった。 Aさんの退院先として最も適切なのはどれか。
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1.軽費老人ホーム
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2.介護老人福祉施設
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3.回復期リハビリテーション病棟
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4.認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
- 解答・解説
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1.(×)軽費老人ホームは、基本的な日常生活の自立が入所の前提となるため、要介護4のAさんは対象外です。
2.(○)介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、在宅介護を受けることが難しく、自立が困難な要介護1以上の利用者に対して、日常生活支援サービスや介護サービスを提供します。看護師によって日常の健康管理が行われ、誤嚥性肺炎予防にも対処が可能であることなどから、Aさんの退院先として最も適切だと考えられます。
3.(×)回復期リハビリテーション病棟は、ADLの向上による寝たきりの防止と、家庭復帰を目的とした集中的なリハビリテーションを提供します。
4.(×)認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)は、比較的安定した状態にある認知症患者が自立した共同生活を送る施設であり、医療は提供されません。
第103問
Aちゃん(3歳、男児)は、斜視(strabismus)の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は3日の予定である。3週前に外来で医師と看護師がAちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、Aちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に2つ泊まるんだよ」と看護師に話した。 Aちゃんの眼の状態を図に示す。 Aちゃんの斜視(strabismus)はどれか。
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1.右内斜視(right convergent strabismus)
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2.右外斜視(right divergent strabismus)
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3.左内斜視(left convergent strabismus)
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4.左外斜視(left divergent strabismus)
- 解答・解説
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斜視とは、両眼の視線が正しく見る目標に向かわない状態です。斜視は小児眼科の代表的な疾患であり、動眼神経や外眼筋の異常、両眼視の異常、遠視、視力不良などが原因となります。外見上、片眼が正常な方向を向いているのに、反対の眼が内側に向かっている状態が内斜視であり、外側に向かっている状態が外斜視です。Aちゃんの眼の状態は、右眼が正面、左眼が内側に向かっていて、左内斜視であることが分かります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第104問
Aちゃん(3歳、男児)は、斜視(strabismus)の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は3日の予定である。3週前に外来で医師と看護師がAちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、Aちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に2つ泊まるんだよ」と看護師に話した。 手術当日の朝、Aちゃんは麻酔の前投薬としてミダゾラムとアトロピンを経口で服用した。両親が早朝から面会に来てAちゃんのそばに付き添っている。Aちゃんは少し興奮気味で、両親に「おなかがすいた。のどが渇いた」と話しかけている。30分後に手術室に入室する予定である。 手術室に入室するまでのAちゃんへの対応で適切なのはどれか。
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1.水を飲ませる。
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2.前投薬の追加を医師に相談する。
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3.ベッド上で絵本を読み聞かせる。
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4.両親と一緒にプレイルームで遊ばせる。
- 解答・解説
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少し興奮気味のAちゃんを落ち着かせることができるような対応を考えます。30分後には手術室に入室する予定であり、ベッド上で絵本を読み聞かせるなど、安静に過ごせる方法で対応することが適切だといえます。麻酔の前投薬後はふらつきが出て危険があるため、プレイルームで遊びたがったとしても、抱っこするかベッド上で安静を保てるように誘導します。なお、前投薬の副作用として口渇が現れていますが、術前の経口制限を維持する必要があるため、水を飲ませてはいけません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第105問
Aちゃん(3歳、男児)は、斜視(strabismus)の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は3日の予定である。3週前に外来で医師と看護師がAちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、Aちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に2つ泊まるんだよ」と看護師に話した。 Aちゃんの手術は無事終了した。翌日、Aちゃんは眼のガーゼと眼帯が外され、抗菌薬の点眼が始まり、退院が決まった。Aちゃんは眼を触らないように両上肢に肘関節抑制帯をつけている。母親は「手術が無事に終わってほっとしました」と話した。 母親に対する退院後の留意点の説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
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1.「家でも点眼を続けてください」
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2.「家に帰ったら洗顔してもよいです」
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3.「眼脂が続いたら受診してください」
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4.「物が二重に見えることがあります」
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5.「家に帰ったら肘関節の固定は必要ありません」
- 解答・解説
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1.(○)抗菌薬の点眼は、感染予防のため、退院後も医師の指示通りに続ける必要があります。
2.(×)感染予防のため、術後1週間程度は洗顔しないように指導します。顔をタオルなどで軽く拭く程度にとどめます。
3.(×)斜視の術後には、眼脂や結膜の充血がみられることがありますが、発熱など感染が疑われる場合以外では受診する必要はありません。
4.(○)斜視の術後には、物が二重に見えることがあります。これは以前の見え方とずれが生じることが原因であり、次第に改善することを伝えます。
5.(×)退院後も感染予防が重要であり、眼を触ったりこすったりしないように注意する必要があります。退院後もしばらくは肘関節の固定を継続したほうがよいと考えられます。
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第106問
Aさん(48歳、専業主婦)は、夫と2人で暮らしている。月経周期が35~60日と不規則となり、外来を受診した。診察時、Aさんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。 医師は更年期障害(climacteric disorder)と診断した。診察後、Aさんは「どうしてこのような症状が出るのかしら」と看護師に尋ねた。 Aさんへの説明で適切なのはどれか。
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1.「子宮が固くなったためです」
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2.「卵管が狭くなったためです」
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3.「卵巣の機能が低下したためです」
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4.「視床下部の機能が低下したためです」
- 解答・解説
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閉経前後の更年期には、卵巣の機能低下によって、女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少するため、ホルモンバランスが崩れて視床下部の自律神経中枢に影響を及ぼします。こうして引き起こされるのが更年期障害です。ただし、更年期障害の発症には社会的・心理的要因も複合的に関係しており、ストレスの強い環境では症状が増悪する傾向にあります。更年期の症状は多様で個人差が大きいのが特徴です。薬物療法を行う場合は、個々の症状に合わせて、自律神経調整薬、漢方薬、抗うつ薬、抗不安薬などの投与やホルモン補充療法が選択されます。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第107問
Aさん(48歳、専業主婦)は、夫と2人で暮らしている。月経周期が35~60日と不規則となり、外来を受診した。診察時、Aさんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。 医師は更年期障害(climacteric disorder)と診断した。 Aさんは「汗をかきやすくイライラする以外に、どのような変化が起こりますか」と看護師に尋ねた。 Aさんへの説明で最も適切なのはどれか。
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1.手足が温かくなる。
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2.寝つきが悪くなる。
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3.乏尿になる。
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4.乳房が張る。
- 解答・解説
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更年期障害では、自律神経失調症状のほかに、イライラ、寝付きが悪くなる、不安感、集中力の低下、頭痛、憂うつ、うつ状態、めまい、耳鳴りなどの精神神経症状がみられます。また、泌尿器系の症状として、頻尿や尿もれ、残尿感、排尿痛などもみられます。なお、乳房の緊満感などの水分貯留症状は、月経前症候群でみられる症状です。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第108問
Aさん(48歳、専業主婦)は、夫と2人で暮らしている。月経周期が35~60日と不規則となり、外来を受診した。診察時、Aさんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。 医師は更年期障害(climacteric disorder)と診断した。 Aさんは「私はこれからどうしたらよいでしょうか。日常生活の過ごし方を教えてください」と看護師に尋ねた。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
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1.「外出は控えてください」
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2.「家事は今までどおり頑張りましょう」
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3.「夫と会話をする機会を増やしましょう」
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4.「娘さんに週に1回遊びに来てもらいましょう」
- 解答・解説
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1.(×)更年期障害では特に安静の必要はなく、外出を控える必要もありません。
2.(×)体調が悪いときに無理して家事を頑張ると、症状が増悪するおそれがあります。
3.(○)家族との会話をできるだけ多くすることでストレスが解消され、症状が軽減する可能性が高くなります。Aさんの場合は、同居する夫の理解を得て、会話や外出の機会を増やすことが効果的だと考えられます。
4.(×)遠方に住んでいる娘に週に1回遊びに来てもらうことは、経済的にも時間的にも負担が大きく、現実的には難しいと思われます。
第109問
Aさん(35歳、初産婦)は、夫と2人で暮らしている。妊娠28週2日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。Aさんは、身長155cm、体重56kg(非妊時体重50kg)である。 Aさんの観察項目で最も注意するのはどれか。
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1.破 水
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2.激しい腹痛
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3.子宮底の上昇
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4.痛みを伴わない性器出血
- 解答・解説
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Aさんのケースは、正常な着床部位である子宮体部より下部に位置する子宮壁に受精卵が着床し、胎盤が内子宮口を完全に覆っている状態であり、全前置胎盤であると考えられます。子宮頸部は妊娠後半期に伸展するため、子宮口に胎盤が乗っていると物理的にずれが生じて大量出血を起こすことがあります。無痛性かつ突発的な性器出血は、前置胎盤の特徴的な症状です。なお、前置胎盤の出血は主に外出血(性器出血)であるため、子宮底の上昇はみられません。常位胎盤早期剥離の出血では卵膜に守られて主に内出血となるため、子宮底が上昇します。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第110問
Aさん(35歳、初産婦)は、夫と2人で暮らしている。妊娠28週2日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。Aさんは、身長155cm、体重56kg(非妊時体重50kg)である。 その後、Aさんの妊娠経過は順調で、妊娠37週0日の午後1時から帝王切開術が予定された。 手術前日の対応で最も適切なのはどれか。
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1.浣腸を実施する。
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2.夕食を禁食とする。
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3.輸血の準備を確認する。
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4.下肢に間欠的空気圧迫装置を使用する。
- 解答・解説
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前置胎盤は癒着胎盤を合併していることも多く、胎盤剥離後に大量出血を起こすおそれがあります。十分な量の輸血の確保が必要であり、事前に自己血貯血を行う場合もあります。また、子宮収縮や出血を誘発するおそれがあるため、浣腸は行いません。通常の帝王切開術であっても、一般的には手術当日(術前)に行います。なお、設問のケースは午後1時からのオペであるため、術前日の夕食は摂取可能です(その後は禁飲食)。また、間欠的空気圧迫装置は肺栓塞症の予防に有効ですが、一般的には手術時~術後に使用します。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第111問
Aさん(35歳、初産婦)は、夫と2人で暮らしている。妊娠28週2日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。Aさんは、身長155cm、体重56kg(非妊時体重50kg)である。 Aさんは、妊娠37週0日に帝王切開で体重2,800gの児を出産した。術後3日、Aさんは看護師に「どうすることもできなかったのは分かっているのですが、自然なお産をしたかったです。赤ちゃんを産んだ実感がありません」と話した。 看護師の対応として最も適切なのはどれか。
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1.精神科の受診を勧める。
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2.妊娠期からの振り返りをする。
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3.次の出産で経腟分娩を試みるよう勧める。
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4.数日前に帝王切開術を受けた褥婦に話をしてもらうよう勧める。
- 解答・解説
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帝王切開術による出産では、分娩の実感が持てずに、喪失感や挫折感を覚える母親も多くみられます。希望に反して帝王切開となったAさんの葛藤は正常な心理変化です。妊娠期からの振り返りを行い、大切な児と自身のために安全な出産の方法として帝王切開術を選択したことを、Aさんが肯定的に受け止められるようにすることが重要です。状況を受容するためには自分の気持ちを正直に表出することも必要な過程であり、まずはAさんの話を傾聴して気持ちを受け止めることが大切です(帝王切開術を受けるまでのプロセスは多様であり、必ずしもほかの褥婦の話がAさんの問題解決につながるとは限りません)。なお、帝王切開術後は子宮壁傷口部位が薄くなっているため、次回の経膣分娩では子宮破裂のリスクを伴います。次回の妊娠経過にもよりますが、再び帝王切開術が選択される可能性も高く、安易に経膣分娩を勧めることは不適切です。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第112問
Aさん(20歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、1人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。Aさんの両親がAさんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。Aさんは「1日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。Aさんは、統合失調症(schizophrenia)と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。 Aさんは5日目ころから日中は臥床して過ごし、夜間は熟睡するようになった。食事の時間に遅れてくることが多く、看護師の声かけにほとんど反応しない。他の患者との交流もない。 この時期の看護師の対応として最も適切なのはどれか。
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1.食事摂取の介助をする。
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2.作業療法への参加を促す。
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3.日中の休息時間を維持する。
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4.食事時間を守るよう注意する。
- 解答・解説
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1.(×)Aさんは、食事の時間には遅れてきていますが、自力での食事は不可能ではないため、介助の必要はないと考えられます。
2.(×)入院5日目であり、看護師の声かけにほとんど反応しない段階で、作業療法は時期尚早でしょう。
3.(○)日中は臥床していますが、夜間は熟睡しており、少しずつ症状の改善が認められます。この時期には、Aさんの日中の休息時間を維持し、必要な支援ができるような体制を整えて見守りを継続します。この後、徐々に信頼関係を築きながら、Aさんの状態に合わせて活動性が高まるような支援を始めることが望ましいでしょう。
4.(×)Aさんの状態からして、時間を守るように注意しても効果は期待できません。
第113問
Aさん(20歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、1人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。Aさんの両親がAさんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。Aさんは「1日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。Aさんは、統合失調症(schizophrenia)と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。 入院後1か月。Aさんは体重が3kg増加した。バイタルサインに異常はない。血液検査データは空腹時血糖200mg/dL、HbA1c 5.2%である。入院時の空腹時血糖は80mg/dLであった。Aさんと両親に特記すべき既往歴はない。 Aさんにみられる非定型抗精神病薬の副作用(有害事象)で最も考えられるのはどれか。
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1.水中毒(water intoxication)
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2.拘禁反応
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3.悪性症候群(malignant syndrome)
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4.耐糖能の異常
- 解答・解説
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非定型抗精神病薬は、従来の定型抗精神病薬に比べて副作用が少なく、陰性症状や抑うつ症状、認知機能障害の改善も期待できるため、統合失調症の薬物療法で第一選択薬とされています。しかし、副作用がないわけではありません。Aさんは、投与後に体重が3kg増加、血糖値が80mg/dL→200mg/dLと上昇しており、非定型抗精神病薬の副作用である耐糖能の異常をきたしていると考えられます。また、Aさんでは問題となっていませんが、口渇から多飲となりやすく、体内に大量の水分が貯留して水中毒をきたすおそれもあります。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第114問
Aさん(20歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、1人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。Aさんの両親がAさんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。Aさんは「1日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。Aさんは、統合失調症(schizophrenia)と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。 入院後2か月。症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はもう治ったのに、いつまで薬を飲まなければならないのか。薬を飲むと頭がぼんやりする。体力がなくなった気がする」と話した。 Aさんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。
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1.回想法
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2.復学準備
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3.服薬心理教育
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4.筋力トレーニング
- 解答・解説
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Aさんの発言からは、退院後の継続的な服薬に不安が感じられます。自宅で安定した生活を送るには服薬を継続する必要がありますが、そのためには服薬の重要性を認識することが重要です。Aさんが服薬の効果と大切さを理解して服薬アドヒアランスを高めるためには、服薬心理教育の優先度が最も高いといえます。なお、「体力がなくなった気がする」という発言もあり、筋力トレーニングを行うことも有効な支援ではありますが、優先度が高いとはいえません。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第115問
Aさん(14歳、男子、中学生)は、両親と弟(7歳)との4人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)で2年前に誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。Aさんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。Aさんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。 Aさんと両親への呼吸管理の説明で最も適切なのはどれか。
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1.鼻根の皮膚トラブルにはマスクを外す。
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2.機器が故障したときは訪問看護師に連絡する。
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3.機器が過剰送気を示したときは回路の点検をする。
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4.息苦しいときは非侵襲的陽圧換気の設定を変更する。
- 解答・解説
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1.(×)マスクは在宅酸素療法に必須のものであり、外すことは不適切です。鼻根などに皮膚トラブルがみられた場合は、まずはマスクのサイズやストラップの締めすぎがないかなどフィッティング状態を確認します。必要があれば、ほかの種類のマスクからフィットするものを再選択したり皮膚保護材を使用したりするなどして、皮膚トラブルを回避する方法を考えます。
2.(×)機器が故障したときは、その機器のメーカーに連絡するよう説明します。
3.(○)機器が過剰送気を示したときは、フィッティングの状態や、回路に破損や外れなどの異常がないかを点検します。
4.(×)息苦しいときは、訪問看護師に連絡し、必要があれば医師が診察を行って設定を変更します。非侵襲的陽圧換気の設定は、家族が勝手に変更してはいけません。
第116問
Aさん(14歳、男子、中学生)は、両親と弟(7歳)との4人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)で2年前に誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。Aさんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。Aさんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。 退院後1週。夜間に落雷による停電が起こった。Aさんの父親から「まだ停電は続いていますが人工呼吸器は動いています。私は今から何をすればいいでしょうか」と慌てた様子で訪問看護師に電話があった。 この時点の訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
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1.「救急車で病院に行きましょう」
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2.「主治医に連絡をとりましょう」
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3.「用手換気に切り替えましょう」
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4.「主電源を外部バッテリーに切り替えましょう」
- 解答・解説
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1.(×)救急車で病院に行く必要はありません。あわてて混乱している父親に対しては、落ち着いて対処するよう指導します。
2.(×)ただちに主治医に連絡する必要はありません。
3.(×)停電は続いていても人工呼吸器は動いている状態です。ただちに用手換気に切り替える必要はありません。夜間でも落雷による停電が長時間にわたることはまれですが、万が一停電が長時間続いた場合のバッテリー切れに備えて、用手換気の準備をしておくことは適切です。
4.(○)ひとまず人工呼吸器は動いているものの、内蔵バッテリーが切れるおそれがあります。主電源を用量の大きな外部バッテリーに切り替えるよう説明することが、最も適切な対応だといえます。
第117問
Aさん(14歳、男子、中学生)は、両親と弟(7歳)との4人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)で2年前に誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。Aさんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。Aさんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由1級)が交付されている。 退院後6か月。Aさんは特別支援学校に通学している。弟の小学校でインフルエンザが例年より早い時期から流行し始めた。弟はインフルエンザの予防接種を受けていた。Aさんの母親は「Aにインフルエンザがうつらないか心配です」と訪問看護師に話した。 母親への訪問看護師の助言として最も適切なのはどれか。
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1.「Aさんを隔離しましょう」
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2.「ショートステイを利用してみましょう」
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3.「予防接種について主治医に相談してみましょう」
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4.「弟さんは予防接種を受けているのでAさんにはうつりませんよ」
- 解答・解説
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インフルエンザが例年より早い時期から流行し始めているという状況から、弟の感染の有無にかかわらず、予防接種について主治医に相談することが最も適切です。ただし、予防接種を受けていても、インフルエンザに罹患する可能性はあります。予防接種は、感染予防だけでなく重症化の予防も目的の一つです。設問の時点でAさんを隔離する必要はありませんが、家族がインフルエンザに罹患した場合には、ショートステイの利用を検討することもあり得るでしょう。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、となります。
第118問
山間部の地域で、1時間雨量80mm以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。 発災直後の避難所で対応する看護師の行動で最も適切なのはどれか。
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1.ボランティアを手配する。
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2.災害給付金の説明をする。
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3.心のケアに時間をかける。
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4.重症度に応じて診療の優先順位をつける。
- 解答・解説
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発災直後のタイミングでは、短時間でより多くの被災者を救出・救助するため、重症度に応じてトリアージを行い、診療の優先順位を付けることが現場に到着した看護師の最優先事項だといえます。トリアージによって状況を把握することが、追ってボランティアの手配や災害給付金の説明、じっくりと時間をかけた心のケアにも役立つでしょう。
よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、となります。
第119問
山間部の地域で、1時間雨量80mm以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。 土石流で家を失った被災者は市民体育館から仮設住宅へ移動した。仮設住宅には1人暮らしの世帯が多い。看護師が仮設住宅の巡回訪問を行うことになった。 災害の慢性期(復興期)の看護師の巡回訪問の主な目的として適切でないのはどれか。
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1.感染症を予防する。
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2.救援物資を届ける。
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3.室内の安全性を確認する。
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4.生活習慣病の重症化を予防する。
- 解答・解説
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災害の慢性期(復興期)であれば、感染症予防、室内の安全性確認、生活習慣病の重症化予防などが、看護師の巡回訪問の重要な目的になります。巡回訪問では、生活環境が急激に変化した被災者に対して不安を傾聴したり生活のアドバイスを行ったりし、必要に応じてカウンセリングや精神専門医の紹介も行います。災害の慢性期では、すでに救援物資配給の流れはできあがっているはずであり、これが巡回訪問の主な目的となることは考えにくいでしょう。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、となります。
第120問
山間部の地域で、1時間雨量80mm以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。 看護師のAさんは、土石流の発生直後から被災地に1か月派遣された。その後、病院に戻り3か月が経過した。Aさんは勤務中に表情が乏しく考え込む様子がみられた。 Aさんへの看護管理者の対応として最も適切なのはどれか。
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1.忙しい部署に異動させる。
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2.仕事に専念するよう伝える。
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3.すぐに忘れるものだと励ます。
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4.体験を語ることができる場を設ける。
- 解答・解説
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看護師のAさんは、被災者のつらい体験に共感したり、自分の活動に無力感を覚えたりして、ストレス状態にあることが考えられます。ASD(急性ストレス障害)からPTSD(心的外傷後ストレス障害)に進行している可能性もあり、注意が必要です。
1.(×)忙しい部署に異動させることは、ストレスの増大につながりかねません。
2.(×)仕事に専念するよう伝えることは、ストレスの増大につながりかねません。
3.(×)すぐに忘れるものだと励ますことは、忘れられなくて苦しんでいるAさんを否定する言動になってしまいます。
4.(○)安全な環境の中で体験を語り、感情を吐露して他人と共有することで症状が軽減する可能性があるため、場の設定は有効な手段です。ただし、ストレスの原因となるトラウマを具体的に思い出すことで症状が悪化するおそれもあるため、無理に語らせることはせず、必要があれば専門医への受診を勧めることも大切です。
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年度別過去問題集
看護師国家試験について
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看護師国家試験について
第112回看護師国家試験の基本情報から最新の出題傾向まで、ご紹介します。
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【国試】最新試験会場
グーグルマップ付き!第112回看護師助産師保健師国家試験試験会場についてご紹介します。
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【国試】過去問題集
看護師国家試験の過去問題集です。過去問をチェックすることで、知識の定着率を高めましょう。
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看護師国家試験まるわかりガイド
看護師国家試験の速報をお知らせします!気になる試験日程、合格率・ボーダー、合格発表について解説します。
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助産師国家試験まるわかりガイド
助産師国家試験の速報をお知らせします!気になる試験日程、合格率・ボーダー、合格発表について解説します。
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保健師国家試験まるわかりガイド
保健師国家試験の速報をお知らせします!気になる試験日程、合格率・ボーダー、合格発表について解説します。