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看護師の足の悩みトップ3! 「むくみ」「冷え」「こむら返り」は、冬本番の前に栄養でケアを

第44回目

仕事が終わるころには足がパンパン、1日中足が冷たい、夜中に足がつって目が覚めてしまう――。立ち仕事である看護師の業務には、そうした足の悩みがつきものです。
それこそ、「本当はパンプスを履きたいけれど、足が冷えるから分厚い靴下が手放せない!」と、おしゃれが二の次になっている人も多いかもしれません。また、生活に支障が出るほどではないものの、足がだるいし、重いし、冷たいし……という症状に悩まされている人も、少なくないことでしょう。

そこで、「むくみ」「冷え」「こむら返り」といった症状を改善し、快適な足元をつくるための栄養対策について、管理栄養士・分子栄養学カウンセラーの篠塚明日香さんに伺ってみました。

むくみの原因は塩分過多だけではない!? たんぱく質不足の可能性も

まずは、「むくみ」の原因や対処方法について解説していきます。

人間の体は約60%が水分でできていて、その液体成分を体液といいます。体液が存在する場所は次の三つにわけられますが、このうち、②の「細胞と細胞のあいだ」にある体液が増えた状態がむくみです。

①「細胞のなか」
②「細胞と細胞のあいだ」
③「血管のなか」

では、なぜむくみが出てしまうのでしょう? 食事面からその原因を考えると、大きく二つの要素があげられます。一つは塩分のとり過ぎによるもの。塩分をとり過ぎると、体液を薄めるために体内に水分をためこもうとする機能が働き、そこでためこまれた水分がむくみの原因になってしまうのです。ラーメンなど塩分の多いものを食べた翌日に「顔がむくんでしまった」という経験は、みなさんにもあるのではないでしょうか。

もうひとつの原因は、たんぱく質不足によるもの。血液検査の際、栄養状態の目安になる「アルブミン」という項目がありますが、これがむくみに関係しています。血液中にはいろいろなたんぱく質が含まれていますが、アルブミンはそのうちの約6割を占めるたんぱく質成分。栄養素や薬の成分を運ぶ働きのほか、血管のなかに水分を保持するためのスポンジのような役割もあり、血管中の体液の濃さを調整する役割を担っています。

アルブミンは食事で摂ったたんぱく質を材料に肝臓でつくられるので、たんぱく質不足の食生活が続けば、血液中のアルブミンの量も必然的に減ってしまいます。そして、アルブミンが少なくなると血液中に水分を保持しにくくなり、血管の外に水分が漏れ出てしまうことに……。その結果、体がむくんでしまうわけです。

ですので、むくみ対策には日頃からしっかりとたんぱく質をとることが有効です。日々の運動量によっても必要なたんぱく質の量は異なりますが、大まかには体重1kgにつき、1g1日あたりの摂取量の目安。参考までに、60gのたんぱく質量をご紹介しておくと、牛ヒレ肉100g、鮭1切、納豆1パック、豆腐半丁、卵1個など。これでだいたい60gです。

なにをしても改善されない足の冷えは、鉄とビタミンEを意識して

次に、「冷え」について見ていきましょう。

意識的にしょうがなどを食べているのに効果が感じられない、入浴剤を入れて半身浴をしてもお風呂から出たらすぐに冷えてしまう……。そんな看護師の方は、根本的に解決したほうがいい原因があるかもしれません。

さて、冷えの話をする前に、まずは体温維持の仕組みについて説明しましょう。人は食べた物を消化吸収し、そこから代謝を経てエネルギーに変え、そのエネルギーで体温を上げていきます。そして、その熱エネルギーを血液で隅々まで運ぶことで、通常の体温を維持しています。そのメカニズムをふまえて、冷えの原因を考えると、大きく次の2つがあげられます。

①「エネルギーがうまくつくれていない(エネルギー不足)
②「つくったエネルギーをうまく運べていない(血流が悪い)」

まず、一つ目の「エネルギーがうまくつくれていない(エネルギー不足)」ですが、食べたものからエネルギーをつくるためには、ビタミンB群やマグネシウム、鉄など、たくさんの栄養素が必要です。つまり、これらが食事からとれていれば、エネルギーをしっかりとつくることができて冷えにくい体になるわけです。

そして、これらのなかでも、とくに女性に不足しやすいのが鉄。厚生労働省が実施する「国民健康・栄養調査」でも、女性の鉄の摂取量がとても少ないことがわかっています。

日本人の1日平均鉄摂取量(男女計)

厚生労働省「国民健康・栄養調査」(平成30年)をもとに編集部が作成

鉄欠乏性貧血の人は、冷え性だけでなく頭痛持ちだったりするケースもありますが、これもしっかりとエネルギーがつくれていないために起こる症状です。ここでのポイントは、貧血の判定に使われるヘモグロビンが基準値だからといって、鉄が足りているとは限らないということ。わたしのところに相談にくる方のなかにも、冷えやむくみ、やせにくさなどに悩む人がたくさんいますが、ヘモグロビンは基準値に保たれているのに、フェリチン値(貯蔵している鉄の量)が低いケースがほとんどです。

たとえるなら、お財布にはお金が入っているけれど、銀行には貯金がないような状態といったところなので、気になる場合は、フェリチン値を測定してみるのもいいでしょう。

また、月経で毎月、鉄を失う女性は、かなり気をつけていないと鉄が不足しがち。冷えがなかなか改善されない場合は、意識して鉄を摂取するようにしてください。おすすめはレバーや赤身肉、しじみ、かつおなどの動物性食品です。鉄はとても吸収の悪いミネラルで、小松菜やプルーンなどの植物性食品に含まれる鉄は平均で5%ほどの吸収率しかありませんが、赤身肉などの動物性食品なら約20%の吸収率になるので、効率よく補給できるでしょう。週に1回はレバー串を食べる、朝晩の汁ものをしじみ汁にするなど、鉄たっぷりのメニューを取り入れることをおすすめします。

さて、冷えの二つめの原因である、「つくったエネルギーをうまく運べていない(血流が悪い)」ですが、こちらに有効なのはビタミンEです。ビタミンEはその抗酸化作用によって血流をよくする働きがあるため、冷え性の人は積極的に食事に入れてください。アボカドやかぼちゃ、ごまなどに豊富に含まれているほか、おやつに簡単に取り入れられるアーモンドも、ビタミンE摂取源としておすすめです。

こむら返りには、「良質な塩」の摂取とふくらはぎマッサージが効果的

足がつる(こむら返り)メカニズムについては、まだ詳しく解明されていませんが、「ミネラルバランスが関係している」のは確かなよう。なかでも、ポイントとなるのは「カルシウムとマグネシウム」の摂取バランスです。

簡単にいうと、カルシウムには筋肉を収縮させる働きがあり、マグネシウムには反対に筋肉をゆるめる働きがあります。そして、このふたつがバランスよく摂取できると、体はいい状態を保つことができます。

ちなみに、カルシウムとマグネシウムの割合は、2(カルシウム):1(マグネシウム)~1(カルシウム):1(マグネシウム)が理想です。とはいえ、忙しい毎日を送っていると、加工食品が多くなったり、寝不足やストレス過多になったりして、マグネシウムが不足してしまうことも……。そうすると、相対的にカルシウム過剰の状態になるため、筋肉が硬くなり、足がつりやすくなってしまいます。
そこに、冬の冷えによる血流の悪さが加わると、夜間のこむら返りを起こしやすくなるので注意しましょう。心配な人は、下の【マグネシウム不足チェックリスト】で、日頃の生活を再確認してみてくださいね。

マグネシウム不足チェックリスト

□乳製品の摂取量が多い
□海藻や豆類をあまり食べない
□調理に精製塩を使っている
□ホットヨガや岩盤浴など汗をかくことが多い
□ストレスが多い
□寝不足になることが多い
□筋肉がこりやすい

乳製品は、カルシウムとマグネシウムのバランスが1020(カルシウム):1(マグネシウム)程度になっており、頻繁に摂取するとマグネシウムが不足したような症状が出やすくなります。乳製品を好む人は、意識的にマグネシウムをとるようにしましょう。

マグネシウムは、わかめやあおさなどの海藻類や納豆などの大豆製品、または、海塩に多く含まれます。注意したいのは、サラサラに加工された精製塩ではマグネシウムがうまくとれないということ。精製塩は使い勝手がよくなるように、塩分(ナトリウム)以外のものを取り除いてサラサラにしてあるため、マグネシウムが失われているのです。毎日のお料理には、天日干しなどの自然な塩を使用するのがおすすめです。

また、マグネシウムは汗をかいた際に失われてしまうため、岩盤浴などのあとはきちんと補うようにしてください(そうしないと、足がつりやすくなったり、筋肉が緩まなくなったりする原因にもなります)。汗だけでなく、ストレスや寝不足によってもマグネシウムが消耗することがわかっているので、そちらもご注意を。

なお、鉄と同じようにマグネシウムも吸収率が悪いミネラルです。食品として摂取するのはもちろんのこと、マグネシウムの入ったスプレーやオイルなどを使ってふくらはぎをマッサージするのもいいでしょう。

日本で手軽に手に入るものとしては、豆腐をつくるときの「にがり」や入浴剤の「エプソムソルト」が代表例。どちらもマグネシウムをたくさん含み、皮膚から吸収して体内に取り入れることができます。にがりをマッサージオイルに混ぜるのも効果的ですし、定期的にエプソムソルトを入れて入浴をするのは、足のつりだけでなく、肩こりの緩和にも有効です。

食生活の見直しで足の悩みを改善するためのフロー

[1]むくみにはしっかりとたんぱく質を摂取する
[2]冷える女性は意識してを摂る
[3]血流UPにビタミンEを摂る
[4]マグネシウムは食事だけでなく皮膚からも補う

食べるものを変えると、それだけで体が少しずつ変わっていくのが実感するはず。冬本番の寒さに負けないような、エネルギーに満ちたいい状態の体を目指して、今日からできることを実践していきましょう。

撮影/櫻井健司

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篠塚 明日香(しのつか あすか)

プロフィール

篠塚 明日香(しのつか あすか) 管理栄養士/分子栄養学カウンセラー

1977年、茨城県に生まれる。管理栄養士、分子栄養学カウンセラー。東京家政大学短期学部栄養科卒業後、老人介護保健施設での給食管理の実務を経て管理栄養士となる。体調不良をきっかけに、栄養療法クリニックのカウンセラーに転職。中医学や分子栄養学を学びながら、栄養療法で自身の副腎疲労を改善した経験を持つ。
現在は、フリーランスとして分子栄養学を一般家庭でも使える知識まで落とし込んだセミナーを開催。1,000人以上の体調不良者の血液検査データを見てきた経験を活かし、個別の栄養相談にも対応するなど、分子栄養学の普及活動をしている。その他、エステティックサロンでの専属講師としてダイエット指導、企業商品の考案などにも携わる。

所属:合同会社スリップストリーム: https://slipstream-web.com/

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