• 2022年9月5日
  • 2022年9月2日

<医師監修>朝活とは? メリットと継続のコツ、おすすめ朝活9選も!

 

記事:ナースプラス編集部/監修:内科医 橋本将吉

勉強や自分の趣味などに取り組むため、朝の時間をうまく活用したいと考えている方は多いでしょう。出勤前や登校前の時間を使って行う「朝活」にはどのようなメリットがあり、どのように行うと効果的に継続できるでしょうか。

当記事では、朝活に取り組むメリットや注意点、朝活を継続するための5つのコツについて解説します。おすすめの朝活も紹介するため、自分に適した朝活の方法・継続のしかたを検討し、朝の時間を有効に活用しましょう。

朝活とは? 朝活をするメリット

朝活とは、出勤前や登校前といった朝の時間を有効活用して、勉強や自分の趣味などに取り組むことを指します。一般的には自己研鑽やストレス解消につながる活動に取り組む人が多いといわれていますが、朝活をすることにはどのようなメリット・効果があるのでしょうか。

ここでは、朝活を行うことで得られるメリット・効果について解説します。メリットや効果を踏まえて、自分に適した朝活の内容を考えてみましょう。

心に余裕が生まれる

朝は出勤や登校などの準備に追われるうえに、朝食やお弁当の準備、掃除・洗濯など、行うべき家事もたくさんあります。。子育てをしている家庭であれば、子どもを送り出すための準備も必要になることがあり、精神的にも時間的にもゆとりを持つことは難しいでしょう。しかし出勤前・登校前の時間を慌ただしく過ごすと、心に余裕がない状態となり、日中の仕事や学業にも悪影響が出る恐れがあります。

早起きして朝活に取り組めば、早起きした分だけ時間にゆとりを持てるようになります。出勤準備・登校準備に十分な時間をかけられるだけでなく、計画的に自分のやりたいことにも取り組めるため、余裕のある1日を送れるでしょう。

自由な時間を過ごせる

朝は出かける準備で忙しく、帰宅後に自由時間を設ける方のなかには、疲れや残業により、計画通りの余暇を過ごせない方も少なくありません。疲れを感じることが多い夜間には、資格勉強や運動のような、エネルギーを必要とする活動を十分に行えないときもあるでしょう。

一方、十分に睡眠をとった日の朝は、体の疲れもとれており、思考もすっきりと整理されている場合がほとんどです。勉強や運動、趣味などに集中して取り組めるため、結果につながりやすい点が朝活のメリットです。

生活リズムが整う

体内時計を整えるためには、規則正しい生活を送ることが大切です。光を浴びると体内時計がリセットされるため、毎朝決まった時間に起きて朝活に取り組むと生活リズムを整えられます。早起きの習慣は、規則正しい生活を送ることにつながります。

また、太陽光を浴びると夜の睡眠を誘導するメラトニンという物質が増加します。生活リズムを整えて朝と夜のメリハリをつけ、昼間に明るい光を浴びることで、より質の良い睡眠をとれるようになるでしょう。
(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」

生産性が上がる

朝の時間帯は頭がすっきりとしていることが多く、勉強や仕事に効率よく取り組めます。仕事の時間を自分で調整できる方や資格の取得を目指す方は、朝活で早くから仕事を始めたり、資格の勉強に取り組んだりすると良いでしょう

また、重要なタスクを朝の時間帯に完了させて達成感を味わうと、その日に取り組むべき残りの仕事・勉強へのモチベーションになります。朝活の時間帯をうまく使うことは、その日全体の生産性を上げることにもつながります。

1日が長く感じる

早起きをして、午前中に十分な時間を確保すれば、1日を長く感じられます。重要な仕事を終わらせて達成感を得る、趣味に没頭するなど、朝活で充実した時間を過ごせば1日をすっきりとした明るい気持ちで過ごせるでしょう。

また、朝早く起きて活動すると、本来のスケジュールにも余裕が生まれます。スケジュールにない出来事が起こった場合でも、時間的・精神的なゆとりを持って対応できるでしょう。

新しい出会いがある

朝活は自分1人で取り組むこともできますが、同じ目的・目標を持った人たちと一緒に取り組むこともできます。

朝活をしている方は珍しくなく、さまざまな分野・テーマで勉強会やセミナー、交流会などの朝活イベントが開催されています。自分がやりたいこと、興味のあることに関するイベントに参加すれば、似たような目的・目標を持った新しい友人・仲間と出会えるでしょう。

人脈を広げ、新しい仲間たちと一緒に朝活に取り組むと、新しい知識や意見、教養などが身につきます。自分自身のスキルアップも見込める、関心のあるイベントやコミュニティを探してみましょう。

朝活を行うときの注意点

朝活を行うときの注意点

朝活に取り組むことにはさまざまなメリット・魅力がありますが、朝活の取り組み方を間違えると、デメリットの側面が大きくなる恐れがあります。ここでは、朝活に取り組む際の注意点とともに、デメリットを改善するためのポイントを確認しましょう。

昼間眠くなる場合がある
これまで夜遅い時間帯に就寝していた方が、朝活のために早起きすると、昼間に眠くなることがあります。朝活の時間を有効に活用できても、日中に眠くなると生産性は低下します。睡眠不足により健康にも悪影響が出るでしょう。

朝活に取り組む際には、睡眠時間を削らないように、夜は早めに寝る習慣を身につけることが大切です。働き盛りの成人の場合、7〜8時間程度を目安に睡眠時間を確保するようにしましょう。

早起きがストレスになる可能性がある
朝活をするために今までの生活リズムを変えて早寝早起きをすると、人によっては体にストレスがかかる可能性があります。シフト制勤務や残業が多く、夜型生活を送っている方は、生活リズムの変化に対して特にストレスを感じやすいため注意しましょう。

早起きを習慣化するためには時間がかかるため、最初から無理をせずに少しずつ体を慣らすことが大切です。早起きを継続するうちに、徐々にストレスを感じにくくなっていくでしょう。

家族と生活リズムがずれることがある
家族と一緒に生活している場合、自分が朝活を始めることでほかの家族を起こす恐れがあります。家族と一緒に住んでいる方は、家族の同意を得て一緒に朝活を行う、家族に影響がないよう個室で朝活を行う、1人で静かに取り組める朝活を選ぶなどの配慮をするのが望ましいでしょう

朝活のデメリットについて理解し、改善するための方法を実践することで、デメリットを最小限にできます。注意すべきポイントを押さえて、自分に合った朝活に取り組みましょう。

朝活を続けるコツ5つ

朝活を続けるコツ5つ

朝活を行うためには早起きをする必要があるため、朝活を始めても長続きしないかもしれないと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。朝活を続けるためには、習慣化して自分のライフスタイルに組み込むことが大切です。

ここでは、朝活を無理なく続けるためのコツを5つ紹介します。ポイントを押さえて朝活に取り組み、継続することで時間を有効活用しましょう。

目標を明確にする

朝活を続けるためには、早起きや朝活に対するモチベーションを高められるような目標・目的を明確に決めておくことが大切です。自分が朝活を始めたいと思った理由や動機を踏まえて、ポジティブかつ明確な目標を立てましょう。

目標を立てる際には、具体的な数字や期限などを設定することも重要です。立てた目標は紙などに書いて自分の目のつくところに貼り、常に意識して行動するようにしましょう。

夜更かしをしない

朝活に向けて早起きをするためには、夜更かしをせず早めに就寝し、朝型生活に切り替えることが大切です。成人の場合、一般的に睡眠状態に入ってから7~8時間ほどで自然に目覚められるため、起きたい時間から逆算して就寝できるよう準備しましょう。
(出典:厚生労働省「眠りのメカニズム|e‐ヘルスネット」

「うまく睡眠をとれていない」「寝つきが悪い」と感じている方は、睡眠の質を高めることも重要です。「有酸素運動で適度に体を疲れさせる」「就寝の2~3時間前にはお風呂に入る」「就寝前にはスマホを見ない」など、リラックスできる環境を作ると快眠につながります。

朝活のルーティンを作る

朝は心身の疲れも少なく、思考もまとまりやすい時間帯ではありますが、起床後に「何をしようか」と考えていると、その分時間のロスが発生します。朝活をスムーズに進めるためにも、朝活やその前後で行うことを事前に細かく決め、モーニングルーティンとして生活に取り入れてみましょう。

たとえば「起床後すぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びる」「コップ1杯の白湯を飲む」など、小さな習慣をルーティンとして設定してみましょう。早起きすることの意味や楽しみを作れば、早起きや朝活を習慣づけられます。

自分のペースで行う

朝活を始めたばかりの方や物事に真面目に取り組む方は特に、「毎日朝活を続けなければ」と思いがちです。しかし、ほかのことで忙しいときや体調が悪いときなどは、無理に朝活を行う必要はありません。自分の仕事や勉強の状況、体調などを考慮して、自分のペースで朝活に取り組むようにしましょう。

また、無理なく朝活を続けるためには、仕事が休みの日には朝活も休むなど、継続しやすいスケジュールを立てることも大切です。自分の仕事や健康に支障が出ないよう、少しずつ様子を見ながら朝活に取り組みましょう。

朝ごはんを食べる

朝活を始めたばかりの方や早起きに慣れていない方のなかには、朝活に取り組むために朝ごはんを抜いて時間を作る方もいます。しかし、朝ごはんを食べないと脳のエネルギーが不足し、集中力や記憶力が低下する恐れがあります。

朝活の時間を有効活用するためには、朝食として、ごはんやパンなどの炭水化物とともに、タンパク質やビタミンなどの栄養素もバランスよく摂取しましょう。
(出典:農林水産省「朝ごはんを食べないと? 」

おすすめの朝活9選

おすすめの朝活9選

「朝活を始めたい」と思っていても、実際に何をしようか迷っている方もいるでしょう。

ここでは、朝活におすすめの活動を9つ紹介します。それぞれの朝活の内容や朝活で取り組むメリットも併せて紹介するため、どの朝活が自分に合っているのか考えてみましょう。

読書

朝の時間帯は周囲からの邪魔が入りにくいうえに、頭がすっきりとした状態であるため、読書に最適な時間帯であるといえます。新しい知識や情報をスムーズに吸収できるため、新しいアイディアも生まれやすいでしょう。

また、読んだ本に書かれていた内容をその日のうちに実践しやすいことも、朝活で読書を行うメリットの1つです。ビジネス書やエッセイ、伝記などを中心に、自分の目標や気分に合った書籍を選んで朝の読書を楽しみましょう。

資格・語学の勉強

頭や体の疲れが少なく、集中力も高まっている朝の時間帯には、資格や語学の勉強も効率よく進められます。人間は眠っている間に記憶を整理し知識を定着させるといわれているため、就寝前には暗記系の勉強を中心に行い、朝活ではその知識の復習や応用に取り組むと効率が良いです。

また、朝に行われている勉強会や、語学の会話レッスンに参加するのも良いでしょう。仲間たちや先生と一緒に勉強することで、独学よりも充実した時間を過ごせます。

セミナー参加

朝活で取り組みたいことが定まっていない方や、さまざまな活動に触れてみたい方は、朝活セミナーに参加するのも1つの手段です。朝活セミナーはさまざまな団体・サークルが各地で開催しており、取り上げるテーマも多種多様です。テーマが毎回異なるセミナーもあるため、朝活を通してさまざまな経験を得られるでしょう。

また、「セミナーに参加する」という予定があれば、早起きする理由ができるため朝活の時間を作りやすくなります。最近ではオンラインイベントも多く開催されているため、朝早くの外出が難しい方でも参加しやすくなっています。

ウォーキング

代表的な有酸素運動の1つであるウォーキングは、運動強度が比較的低く、普段あまり体を動かす習慣がない人でも取り組みやすい朝活です。朝活で運動習慣を身につけたいと考えている方や運動不足を感じている方は、まず10〜15分程度のウォーキングから始めましょう。

ウォーキングを朝に行うことには、「生活のリズムが整う」「体力作りにつながる」「前向きな気持ちになれる」などのメリットがあります。また、太陽光は免疫機能で重要な役割を果たすビタミンDの合成を促進するため、健康な体作りにも役立ちます。運動強度を上げたい方は、ジョギングやランニングを行ってみましょう。
(出典:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』「ビタミンD」

ヨガ

天候に左右されない運動に興味がある場合には、室内でできるヨガに取り組んでみましょう。自宅で取り組むことも、ヨガスタジオなどで取り組むこともできます。

朝早くにヨガを行うことには、自律神経を整え、体を目覚めさせるという効果があります。また、ほかにも「体が温まる」「リラックスできる」「生活習慣病の予防につながる可能性がある」などもヨガのメリットです。ベッドの上でパジャマのまま取り組めるような簡単なものもあるため、気軽にチャレンジできます。
(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「ストレッチングの効果」

朝食

朝食は、1日の始まりを迎えるために重要な、脳のエネルギー源です。毎朝規則正しく起きられず、朝ごはんの時間がなかったり、栄養バランスの整った朝食を十分に摂取できていなかったりする方は、朝食を朝活に取り入れてみましょう。

朝食を用意する際には、炭水化物、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった栄養素がバランス良く含まれる献立を考えることが大切です。ただしバランスの良い食事を毎日作ることは大変なため、たまにはカフェのモーニングで気分転換をするなど、うまくメリハリをつけて朝活としての朝食を楽しみましょう。

日記

朝は心身ともに疲れが少なく、物事をポジティブに捉えられる傾向があります。朝に日記を書くことで、前日にあった出来事を整理したうえで前向きに考えられるため、自己肯定感や幸福感に満ちた毎日を送れるようになるでしょう。

朝に書く日記の内容としては、前日の出来事以外にも、直近の目標、1日の予定や取り組みたいことなどが挙げられます。テーマや一定のルールを定めたうえで、朝日記を習慣化させましょう。

タスク整理

日中の業務や勉強を効率よく進めるためには、朝の時間を利用して取り組むべきタスクを整理したうえで、スケジュールを組み立てることも大切です。思考力が高まっている朝の時間帯に、作業効率アップのための手順やスケジュールを考え、生産性の向上を図りましょう。

また、スケジュールをしっかり立ててタスクを効率よく進めることで、不測の事態が起きてもすぐに対応できる余裕を作れます。ゆとりを持って日中の業務や勉強に取り組みたい方は、これらの下準備を朝活に取り入れてみましょう。

趣味

仕事や勉強、運動を朝活として行う人も多数いますが、朝活を趣味に没頭する時間に充てている人も少なくありません。自分が心から楽しいと感じる活動に取り組むことで、早起きや朝活の継続がしやすくなります。

特に趣味のない方は、朝活の開始を機に趣味を探してみましょう。趣味が増えることにより、視野が広がり、新しい知識を吸収できるため、自分の人生をより豊かにできます。

まとめ

出勤前や登校前などの朝時間を使って仕事や勉強、趣味などの活動に取り組む「朝活」には、「心に余裕ができる」「生活リズムが整う」など多くのメリットがあります。睡眠不足や早起きへのストレス、同居家族の生活リズムなどに注意して対策を講じながら、自分に適した朝活をスタートさせましょう。

朝活を継続するためには、「明確な目標を持つ」「早く寝る」「ルーティンを作る」などのポイントを押さえることが大切です。朝活を始めたいと思ったきっかけや、多くの人が取り組んでいる朝活内容を踏まえ、自分に合った活動を行い、朝時間を有効に活用しましょう。

※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています

■監修者
ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)
杏林大学医学部医学科を卒業。2011年に株式会社リーフェ(リーフェグループ)を設立し、医大生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営と、健康情報の発信を通した啓蒙活動に力を入れる。実際に現役の内科医として診療を行う一方で『医学生道場』にて医学生の指導を行いつつ、YouTuber『ドクターハッシー』としての顔も持つ。
株式会社リーフェ(リーフェグループ):https://li-fe.co.jp
医学生道場:https://igakuseidojo.com
Twitter:@karada_plan

著者プロフィール