• 2023年12月1日
  • 2023年11月28日

更年期のゆらぎをととのえるオンラインフィットネスサービス|ミズノ「yoriFit(ヨリフィット)」を体験取材!

 

心身にさまざまな変化をもたらす更年期。一般的には、閉経を迎える前後の10年間を指し、この時期には頭痛、ほてり、憂うつといった心身の不調があらわれる人が多く見られます。そして、それらの不調が影響して、家庭や仕事での活動に支障をきたすケースも少なくありません。しかし、更年期は「ネガティブなイメージ」で語られることが多いため、自身の状態を周囲に相談できず、結果的にひとりで悩んでしまう女性が多いことも事実です。悩みを抱え込んだまま過ごすのは、とてもツラい状況ですよね。

そうしたなか、更年期の女性たちに寄り添うべく誕生したのが、ミズノのオンラインフィットネスサービス「yoriFit」です。開発元であるミズノによれば、「更年期にみられる心や体のゆらぎを整えるためのプログラム」とのことですが、一体どのような内容なのでしょう?また、なぜスポーツメーカーが更年期対策に乗り出したのでしょう?そうした疑問を解消するため、ナースプラス編集部が体験取材してきました。

更年期は「社会全体の課題」として考えるべき!?

そもそも、更年期症状のある女性はどれくらいいるのでしょうか。NHKなどが全国の40代と50代の男女約4万5000人を対象におこなった「更年期と仕事に関する調査2021」によると、女性の約37%が更年期特有の症状を「現在、経験している」、または「過去3年以内に経験した」と回答したそう。つまり4割近くの女性が更年期症状を経験しているということになります。

ただし、更年期の症状は人によって千差万別。女性ホルモンと運動の専門家である、日本体育大学児童スポーツ教育学部教授の須永美歌子先生に聞いたところ、「更年期症状は種類や強さの個人差が大きいのが特徴」だと教えてくれました。 「日本人の閉経年齢は40歳代前半から50歳代後半だといわれています。また、その時期には一気に女性ホルモンが急激に減少して、めまいや頭痛、ほてり、不眠、肩こりといった心身の不調が起こりやすくなります。人によっては自覚症状のない場合もありますが、日常生活に支障をきたすほどの症状に悩むケースも、けっして少なくありません」(須永先生)

<更年期の主な症状>

精神神経系の症状 頭痛、めまい、耳鳴り、もの忘れ、抑うつ感、倦怠感、判断力・集中力の低下、不眠、不安感など
血管運動神経系の症状 のぼせ、ほてり、発汗、冷え、動悸、息切れ、手足の冷え
皮膚・分泌系の症状 皮膚や粘膜の乾燥、湿疹、発汗、ドライマウス(唾液分泌の低下)、ドライアイ
消化器系の症状 食欲不振、吐き気、便秘、下痢、腹部膨満感
運動器官系の症状 肩こり、腰痛、関節痛、背部痛、手のこわばり、手足のしびれ
泌尿器・生殖器系の症状 月経異常、頻尿、尿失禁、残尿感、性器下垂感、外陰掻痒症、膣萎縮症状

また、須永先生は「働く女性のなかには、更年期症状によって仕事のパフォーマンスに影響が出ている人も多い」と言います。

経済的な損失は約4,200億円!

「更年期と仕事に関する調査2021」によると、過去3年以内に更年期症状を経験した人のうち、「症状によって仕事にマイナスの影響があった」と答えた女性は約15.3%。内訳でもっとも多かったのは「仕事を辞めた」人で、9.4%となっています。この数字を40~50代の働く女性の数に当てはめて試算すると、その数は推計で45.9万人!経済損失は約4,200億円にのぼるとされています。

約4,200億円もの経済損失があるとなると、もはや個人の健康問題の範疇を超えていますよね。そうした現状がわかってきた昨今、更年期の不調は「個々の女性が抱えるヘルスケアの課題」であると同時に、「潜在的で重大な社会課題」だと認識されるようになってきました。

つまり、更年期によって生じる課題は「社会全体で支えるべきもの」だという考え方が、少しずつ広まっているわけです。

更年期にみられる体と心のゆらぎを整える「yoriFit」とは?

そんななか、ミズノが取り組んでいるのが、更年期にみられる“心身のゆらぎ”に寄り添うフィットネスサービス「yoriFit」です。スポーツメーカーであるミズノは、どういった理由で更年期に着目し、こうしたサービスを提供するに至ったのでしょうか。

「軽い運動」をすることで更年期症状の改善が期待できる

きっかけは、ミズノの女性社員が自身の経験をもとに「PMS(月経前症候群)に悩む女性に寄り添うコンディショニングサービス」を発案したことでした。

当時、サービスの開発チームは、事業化を目指してさまざまな年代に女性ホルモンに関する悩みをヒアリングしていましたが、そのときに「更年期の不調で仕事を辞めてしまう女性が一定数いる」という現実に直面。女性の更年期症状が深刻な社会課題であることに気づいたといいます。

そこでミズノでは、解決すべき課題を女性の更年期症状に定め、あらためて専門家へのヒアリングを開始。医療機関にかかるほどの重い症状でない場合、「コンディションの改善には軽い運動が効果的」との知見を得て、ヨガやストレッチを取り入れたプログラムの開発に着手しました。

ただし、更年期症状に悩む女性へのヒアリングでは「コンディション緩和のためジムやヨガスタジオに行くと、若い女性を見てついがんばりすぎてしまう」「大人数のレッスンでは更年期の不調について気軽に先生に相談できない」「体調が悪いときは出かけるのがつらい」といった意見もたびたび耳にしており、そうした声に対応する必要もあったそうです。

そして、そうしたさまざまな課題を解消するべく生まれたのが、「yoriFit」なのです。以下では「yoriFit」の主な特徴を紹介しましょう。

●特徴1:1回30分、体調に合わせた6つのプログラムを用意

レッスンの時間は1回につき約30分。呼吸をととのえることに重きを置いた「もやもや発散」、有酸素運動を通してイライラする気持ちの発散を促す「イライラ発散」、自律神経をととのえる「寝る前リラックス」、自重トレーニング中心の「体力作り」、上半身をほぐして血流を促す「上半身ほぐし」など、その時々の自分の体調に合わせて6つのプログラムから選ぶことができます。

●特徴2:コミュニケーションを重視した少人数制

「一人ひとりに寄り添う」というコンセプトのもと、レッスンの定員を最大12名に限定。インストラクターはレッスン前に体調を確認し、レッスン中も一人ひとりの動きを⾒ながらレッスンを行います。レッスン後にはインストラクターへの質問タイムも用意されており、参加者同士で悩みを共有することもできます。

●特徴3:専門家によるオンラインセミナーも実施

月4回のオンラインフィットネスに加えて、2か月に1回は会員向けの座学講義も実施。医師や⼤学研究者など、更年期の専⾨家によるレクチャーで、更年期についての知識を深め、これからの健康づくりに役⽴てることができます(セミナーでは、専⾨家に直接質問することも可能です)。

現役看護師が「yoriFit」のプログラムを実体験!

さて、ここまでを読んで「サービスの概要はわかったけれど、実際にどんなことをするんだろう」と思っている人もいますよね。

今回は、現役看護師である高山真由子さんに、ナースプラス読者代表として実際のレッスンを体験してもらったので(経験に勝る知識なし、です)、ここからはその様子をリポートしていきます。 高山さんはトライアスロンが趣味というアクティブな40歳代。長年運動してきたおかげか、いまのところ目立った更年期症状はないそうですが、最近はトレーニングを億劫に感じることが多く、以前よりも身体を動かす頻度が減っているのだとか。

レッスンに参加するのは同じ悩みを持った女性のみ!

この日、高山さんが選んだレッスンは「腰などの下半身のほぐし」。事前に用意するものは、パソコン(タブレットやスマートフォンでも可)、ヨガマット、タオル、飲み物です。 レッスンはオンラインで行われるため、開始10分前以降にZoomにログインし、スタートの時間を待ちます。なお、今回は体験取材なので少人数でのレッスンとなりましたが、通常は6〜7名でおこなうことが多いそうですよ。

●STEP1:まずは参加者全員の体調確認から

定刻になってレッスンがスタートすると、インストラクターの内藤聖子先生が参加者一人ひとりに「今日の調子はいかがですか?」「身体に痛みはありますか?」と声をかけていきます。高山さんは「真由子さんの趣味はトライアスロンとのことですが、体調に気になる点はありますか?」と聞かれて「元気です!」と答えていました。

全員の体調チェックが終わると、内藤先生からレッスンについての説明があります。この日の「腰などの下半身のほぐし」は、骨盤底筋群へアプローチするエクササイズが中心。女性ホルモンの低下とともにゆるくなる骨盤底筋群を鍛えることで、美しい姿勢や排泄機能を保つ効果が期待できるのだそうです。

STEP2:エクササイズスタート!

「まずは両足を前に投げ出してください」という先生の言葉に従って、参加者全員が体を動かしていきます。先生はその動きを確認しながら、「次に膝裏をとんとんと叩きほぐしましょう」「つま先を内と外にふってください」「膝を曲げて足首をつかんだら、組みやすい足であぐらをつくってお尻を左右にゆっくり動かします」と言ってエクササイズを進行。

ポーズを変えるたびに「頭の位置は動かさず、お尻の位置を動かして」「もっと手の力を抜いてリラックスしてみてください」などとアドバイスがもらえるので、とまどったり不安になったりする心配はありません。

その後、合蹠(がっせき)のポーズや牛面のポーズといったメジャーなヨガのポーズなども取り入れつつ、終始なごやかな雰囲気でレッスンは続きました。

●STEP3:レッスンが終わったら参加者との対話タイム

エクササイズ終了後は、参加者全員で合掌のポーズ。先生が「エクササイズはいかがでした?」と一人ひとりに声をかけていきます。参加者からは「もも裏を伸ばすエクササイズは、これまで伸ばしたことのない箇所を伸ばしている感じがしました」「最近運動不足だったので、体が硬くなっていることを痛感しました」といった声が上がっていました。

さて、レッスンのリポートはここまで。運動不足の人でも参加できそうなプログラム構成もさることながら、先生が参加者にしっかりと寄り添う姿がとても印象的でした。

では最後に、体験を終えた高山さんの感想も紹介しましょう。

リアルなヨガスタジオでエクササイズしている気分に
オンラインでのレッスンは初めてでしたが、先生が随時声がけしてくださるので、リアルなヨガスタジオにいるような気分です。また、先⽣ご⾃⾝の更年期の体験談もお話しいただけたので、「自分だけじゃないんだな」と気持ちがラクになれました。エクササイズは負荷とゆるさのバランスが絶妙で、比較的運動に慣れている私でも、体の硬い部分がじわっと伸びているのを実感できました。

肩や腰も少し軽くなった印象です。最近は「寒いから」などと自分に言い訳してエクササイズやトレーニングに出かけるのを怠りがちでしたが、これなら無理なく続けられそうですね。(40代 看護師 高山さん)

好きな時間にセミナーを視聴できるのも◎!企業として参加できるプログラムも

自宅でマイペースにエクササイズを続けられるのが「yoriFit」のメリットですが、このサービスにはもうひとつ大きな特徴があります。それは、企業向けのサービスも用意されていること。会社の福祉厚生や健康増進活動に活用すれば、「更年期は社会全体で支えるもの」という意識がより定着しやすくなるのではないでしょうか。 興味のある方は、「yoriFit」の公式サイトをチェックしてみてくださいね。

まとめ

1回30分のエクササイズを通じて、更年期の不調にアプローチするだけでなく、参加者同士で励まし合ったり、誰かの経験談を生活に取り入れたりすることができる「yoriFit」。いま更年期の症状に悩んでいる方、あるいはこの先訪れる更年期に備えたいという方は、気軽に体験レッスンを受けてみてはいかがですか?

取材・文/岸良ゆか 写真/小林学

yoriFit の詳細はこちらで確認!

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