• 2024年2月15日
  • 2024年2月13日

薄っぺらいアドバイスをする先輩にイラッとしちゃう。どう反応すればいい?

 

励ますだけで手伝ってくれない先輩にイライラ。薄っぺらいアドバイスなんかいらないのに…。そんなお悩みに、 産業医の井上智介さん、作家のワタナベ薫さん、ロリータモデル兼看護師の青木美沙子さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!

イラスト:菜々子

今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち

薄っぺらいアドバイスをする先輩にイラッとしちゃう。どう反応すればいい?

ナースプラスのお悩み相談室
相談者

業務が忙しくて猫の手でも借りたい時、先輩からの薄っぺらいアドバイスや励ましに、非常にモヤっとしています。

だったら手伝ってくれよと思いつつも、先輩は手隙でも手伝ってくれることはなく……。最近はそれがエスカレートし始めており、「自己啓発本の引用?」と思うほど。

「明るく前向きに接したら、きっと患者さんにも伝わるよ!」

「今日もポジティブに仕事頑張ろう!」

そのテンションの高さにもついていけませんし、具体的なアドバイスは一切ありません。

イライラしてしまうのですが、どう接するべきでしょうか?

スペシャリスト3人のアドバイスは?

産業医
井上智介さん

おそらく先輩は相談者さんへの励ましや職場の士気を高めるために、悪気なく高いテンションで振る舞っているのでしょう。しかし、それを相談者さんは求めていない。そうやって先輩が空回りし続けていると、そのすれ違いはどんどん広がって、結局「口だけ先輩」のように感じてモヤモヤしますよね。

先輩に直接指摘するのも難しいので、先輩のハイテンションに飲み込まれないように、あなたは「低いテンション」と「薄いリアクション」、「適度な距離感」で中和しましょう。

具体的には「大丈夫です…」「ありがとうございます…」くらいの最低限の受け答えで構わないです。先輩から「打っても響かない後輩だな」と思われることで、今のような高いテンションで関わってくることは減り、本当に必要なときにだけ話かけられる、適切な距離感に変わっていきます。

ただし、低いテンションと無礼は異なるので、自分から挨拶や報連相をするのはもちろん、間違いがあればすぐに謝るように心がけて、目の前にある仕事を淡々とこなしてください(by 井上智介さん)。

▶︎私にだけ態度が違う先輩看護師。無視されることも…どう対応すればいい?


ワタナベ薫_profile
作家・実業家
ワタナベ薫さん
ひとことで片付けてしまえば、その先輩は相談者さんの嫌いなタイプなのですね。正論を言うと、社会にはいろんなタイプの人がいて、そういう人々ともうまくやっていくことが日本の文化なのかもしれません。とはいえ、嫌なものは嫌ですよね。実は私もそういうタイプの人が苦手です(笑)。

こんなときは、相手のポジティブさを逆手に取ることをおすすめします。なぜなら超ポジティブ人間は承認欲求が高めだからです。先輩を承認してあげて、手伝ってもらえる方に持っていく方法があります。

たとえば具体的なアドバイスが欲しければ「アドバイスいただけますか?」、手伝ってほしいなら「手伝って欲しいのですが…」と自分からストレートにお願いしてみる。そして小さなことでも手伝ってくれたら大げさに喜ぶ。「先輩にフォローいただいてとても助かっています!」と言ってみる。手の上で転がすイメージです。それはお互いwinwinになります。

ちなみに、イライラが増殖する理由は、そのイライラにフォーカスしているからなので、違うことに意識を向けてみるトレーニングをするといいかもしれませんね。スルースキルが磨かれていくことでしょう。大変かもしれませんが頑張ってくださいね!(by ワタナベ薫さん)

▶︎前の職場と何もかも違いすぎてモヤモヤ。郷に入ったら郷に従うべき?


ロリータモデル・看護師
青木美沙子さん
それはきっと「早く一人前になって欲しい」と思っての指導な気がします。

「私のために言ってくれているんだ」と前向きに捉えつつ、あまりにも忙しいときは理由を説明して手伝ってもらうよう伝えるのも大事です。そういう先輩ならなおのこと、頼られるときっと嬉しいはずです。

本当に先輩からのアドバイスが欲しいときは、受け身ではなく自分から具体的に質問することも大切だと思います!

私の場合、ストレスが溜まったときは同期に愚痴っていました。ストレス発散も大事なので、イライラを抱え込みすぎないよう、お仕事頑張ってください(by青木美沙子さん)。


三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 先輩も考えがあってのその指導なのかもしれません。先輩にフォローしてもらいたいときは、待ってないで直接お願いしてみたら、案外手伝ってくれるかもしれませんね。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。

企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)

井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。

ワタナベ薫さん
株式会社WJプロダクツ代表取締役
メンタルコーチ、作家。国内最大級のオンラインサロン運営やコーチング養成スクール運営など。女性たちの悩みを解決すべく人生を謳歌する方法を発信している。自身がプロデュースした手帳『人生が変わる未来手帳』ほか、著書多数。

青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌『KERA』『姉ageha』でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。

著者プロフィール