• 2022年5月30日
  • 2024年3月28日

看護師を辞めたい理由とは? つらいときの対処法や退職の判断基準を解説

 

ハードな業務や労働環境への不満、人間関係の悩みなどを理由に、看護師を辞めたいと考えている人は多いでしょう。しかし、つらいからといって、すぐに退職するのはおすすめできません。

この記事では、看護師を辞めたい理由や辞めるか悩んだときの判断基準、仕事を辞めるデメリットを解説しています。転職を成功させるポイントや退職の流れもまとめているので、看護師を辞めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

目次

看護師を辞めたい理由8選

看護師を辞めたい理由は人によってさまざまです。なかには、漠然と「看護師を辞めたい」と考えている方もいるでしょう。

以下では、看護師を辞めたいと思う主な理由を8つ紹介します。看護師を辞めたいと考えている方は、自分の悩みと照らし合わせてみてください。

1.人間関係の悩みがある

看護師に限らず、人間関係の悩みによって仕事を辞めたいと思う人は多い傾向にあります。

ただし、人間関係の悩みといっても「いじめやパワハラがある」「上司と馬が合わない」など、悩みは人それぞれです。人間関係の悩みには、以下のようなものが挙げられます。

  • いじめがある(嫌がらせをされている)
  • 職場に馴染めない
  • 性格が合わない上司や同僚がいる
  • パワハラがある
  • 噂話や陰口がある
  • 悪意のある接し方をしてくる人がいる
  • 職場の雰囲気が悪い
  • 医師や患者さんとの関わり方が難しい

上司や同僚との関係が上手くいかないといった悩みを抱える看護師は多いようです。また、忙しさのあまり、心に余裕がなくなってギクシャクしてしまうことも少なくありません。人間関係が良好でないと、仕事に行くこと自体に苦痛を感じてしまいます。

2.人手不足でしんどい

「業務量が多い」「残業が多い」など、人手不足による不満を抱える看護師は多くいます。看護師が人手不足によって抱える不満や悩みは以下のとおりです。

  • 看護師一人の業務量が多い
  • 残業が多い
  • 希望休が取れない
  • 休日出勤がある
  • 夜勤の回数が多い

なかには、人手不足で満足に休憩を取れていない看護師もいるでしょう。しっかり休めないことで心身に負担を感じ、辞めたいと考える看護師もいます。

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について」によると、全職業の有効求人倍率が1.23倍なのに対し、看護師(保健師・助産師含む)は2.29倍でした。需要に供給が追いついておらず、看護業界は人手不足の状況に陥っています。

参照元:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和5年12月分及び令和5年分)について」

3.看護師に向いていないと感じる

責任の重さやミスによって、看護師に向いていないと感じて仕事を辞める看護師もいます。看護師に向いていないと感じる理由として、以下が挙げられます。

  • ミスをしてしまった
  • 仕事ができずに自信を喪失してしまった
  • 業務の責任の重さに耐えられない
  • 勉強し続けるのがつらい

大学や看護学校で学んだのに、現場で思うように仕事ができないと悩む看護師はいます。ミスをしてしまったり、患者さんと思うようにコミュニケーションが取れなかったりして、自信をなくしてしまう看護師もいるでしょう。想像していた看護師像に遠く及ばず、自分は看護師に向いていないと感じ、辞めたいと考える人もいます。

4.夜勤がつらい

病棟勤務の看護師に夜勤はつきものです。看護師が夜勤をつらいと思う理由として、以下が挙げられます。

  • 生活リズムが乱れる
  • 急患があると休めない
  • 夜勤は看護師の人数が少ないので一人の負担が大きい
  • 夜勤の回数が多い
  • 拘束時間が長い

日本看護協会の「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」によると、病院の65.9%が2交代制を採用していました。2交代制における夜勤時間は、16時間以上17時間未満が最も多い結果に。もちろん休憩時間はありますが、16時間の拘束は負担が大きいでしょう。

なお、夜勤回数は2交代制の場合で月に4~5回、3交代制の場合で7~8 回が最も多い割合でした。3交代制は夜勤回数が多い傾向にあるうえ、生活リズムが乱れやすい勤務形態といえるでしょう。

参照元:日本看護協会「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」

5.プレッシャーが大きい

看護師は患者さんの命を預かっているため、精神的な負担が大きいといえるでしょう。些細なミスが命に関わる大きな事故につながる可能性もあります。そのため、責任の重さに耐えられず、辞めたいと思う看護師は多いようです。看護師が精神的な負担を感じる理由として、以下が挙げられます。

  • ミスが許されない
  • 急患対応に不安がある
  • 休みの日も気が休まらない
  • しっかりアセスメントができているか不安

看護師は小さなミスも許されません。たとえ、新人であっても患者さんから見れば、立派な看護師です。経験の浅い看護師ほど、精神的なプレッシャーを感じやすいでしょう。どの仕事においてもミスは許されることではありませんが、もっと楽な気持ちで働きたいと思う看護師は少なくありません。

6.給料が安い

「業務内容と給料が見合わない」など、給料に不満を感じて看護師を辞めたいと考える人は少なくあません。看護師が給料に不満を感じる理由として、以下が挙げられます。

  • 業務内容に対して給料が安い
  • 残業代がつかない
  • 手当が少ない
  • 評価制度に不満がある

看護師の給料は、一般的な企業と比べても比較的高いといわれています。しかし、働き方や業務内容に、給料が見合っていないと考える看護師は多くいます。基本給はもちろん、評価制度や手当は勤務先によってさまざまです。そのため、給与アップをめざして転職をする看護師は多い傾向にあります。

7.自分のやりたい看護ができない

「自分のやりたい看護ができない」という悩みから、看護師を辞めたいと考える人も一定数います。自分のやりたい看護ができない理由として、以下が挙げられます。

  • 多忙で患者さん一人ひとりに丁寧に向き合えない
  • 病院の方針と自分の理想とする看護が異なる
  • 希望する科目・病棟とは違う配属になった

仕事を覚えるのに精一杯で自分の理想とする看護を実践できなかったり、多忙のあまり患者さんと丁寧に向き合えなかったりなど、理想と現実とのギャップに悩む看護師は少なくありません。また、病院の方針と自分の考えが合わず、窮屈さを感じている人もいます。

8.休暇を取得しづらい

人手不足の職場では、休暇を取得しづらい状況にあるようです。休みに関する悩みとして、以下が挙げられます。

  • 希望休の日数が少ない
  • 土日祝に休めない
  • 連休が取れない
  • 思うように有給休暇が取れない
  • 休日出勤になることがある

365日24時間稼働している医療機関や施設では、土日祝に出勤することが多々あるでしょう。人手不足の場合は希望休が取れず、プライベートを充実できない看護師もいるようです。また、なかには勤務が続いたり休日出勤になったりして、上手くリフレッシュできずに疲れを溜め込んでしまう看護師も。心身ともに疲れてしまい、辞めたいと考える看護師もいます。

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1年目で辞めたい新人看護師は多い

日本看護協会の「2022年  病院看護・助産実態調査 報告書」によると、新卒採用の看護師の離職率は10.3%でした。過去5年で見ると、新卒看護師の離職率は8%前後です。

一生懸命勉強して看護師になったにもかかわらず、1年目の段階で仕事を辞めたいと考える看護師は多い傾向にあります。新人看護師が仕事を辞めたいと考える理由は、以下のとおりです。

  • 勉強が大変
  • 仕事ができない
  • ミスをした
  • 知識不足を痛感する
  • 先輩や上司と上手く人間関係を築けない
  • 夜勤が大変
  • 想像以上に忙しい
  • 患者さんとの関わり方が難しい
  • 精神的負担が大きい
  • 仕事とプライベートで上手く気持ちを切り替えられない
  • 不規則な生活がつらい

責任の重い仕事に負担を感じたり、リアリティショックに苦しんだりする新人看護師は多い傾向にあります。なかには、仕事が想像以上に大変で、看護師になったことを後悔する人もいるようです。

参照元:日本看護協会「2022年 病院看護・助産実態調査 報告書」

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看護師を辞めたいと感じたときの7つの対処法

看護師を辞めたいと感じたときに、すぐに辞めるのは得策ではありません。まずは、以下の対処法を試してみましょう。

1.同僚や上司に相談する

辞めたいと思うような悩みがあれば、まずは周囲の人に相談してみましょう。

仕事のことで上司に相談しにくければ、身近な先輩に相談するのもおすすめです。先輩も過去に同じような悩みを抱えていた可能性があるため、解決策が見いだせるかもしれません。また、思いを打ち明けるだけで、気持ちがスッキリして辞めたい気持ちが落ち着く場合があります。

2.休暇を取得して心身ともにゆっくり休む

辞めたいと思いながら無理して仕事に行くとますますつらくなるため、可能であれば有給休暇を取得するなどして休みましょう。状況によっては、休職をするのもひとつの手です。

休暇中は家族や友人と旅行に行ったり趣味の活動をしたりなど、思いっきり休みを楽しむのがポイント。リフレッシュしてストレス解消することで、冷静に物事を考えられるようになるでしょう。

3.異動希望を出す

今働いている職場の人間関係などで悩んでいる場合は、異動希望を出すという方法があります。異動をすることで人間関係が一新され、新たな環境で仕事に励めるでしょう。

なお、希望が受理されてすぐに異動できるとは限りません。しかし、気持ちの面で少し楽になるはずです。

4.自分は仕事ができないと悩みすぎないようにする

自分は仕事ができないと悩みすぎず、ポジティブに物事を考えてみましょう。

特に新人看護師の場合、すぐに仕事ができるようになるわけではありません。医療現場はイレギュラーも多く、学校で勉強した内容が通用しないことも多々あります。「看護師として未熟だからできなくて当たり前」「これから経験を積んでできるようになろう」と、少し肩の力を抜いて業務に取り組んでみましょう。

5.生活のためと割り切る

給料をモチベーションにして働くことは、悪いことではありません。

看護師は患者さんの命に関わる仕事を行っているので、一般的な職業よりも比較的給料は高めです。そのため、転職して給料が下がれば後悔する可能性もあります。

「生活のため」「お金のため」と割り切ることで、少しだけ気持ちが楽になるかもしれません。

6.看護師をめざした理由を思い返す

看護師として働くモチベーションが下がってしまったときは、看護師をめざした理由を思い返すのもひとつの手です。「人の役に立ちたい」「救命で働きたい」「高齢者のケアをしたい」など、看護師をめざした理由は人それぞれでしょう。

初心に帰ることで目標がはっきりして、モチベーションを回復できる場合があります。

7.転職をして環境を変える

すぐに看護師を辞めるのではなく、まずは転職をして違う環境で働いてみるのも一つの方法です。

特に職場の人間関係や労働環境が問題の場合は「看護師を辞めたい」のではなく、「職場を辞めたい」だけかもしれません。働く環境を変えることで、再び看護師として活き活きと働ける可能性があります。

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看護師を辞めたほうが良い場合

自分の力で解決できない問題を抱えている場合は、辞めることを検討しても良いでしょう。たとえば、以下のような状況や理由が該当します。

心身ともに不調をきたしている

疲れやストレスで心身に不調をきたしている場合は、無理をしないほうが賢明です。

たとえば、気分が落ち込む・眠れない・プライベートを楽しめない・つねに不安・理由もないのに泣いてしまうなどの症状がある場合は、我慢をして仕事を続ける必要はありません。仕事を辞めて、まずは心身ともに健康な状態になるまでゆっくりと休みましょう。

いじめやハラスメントがある

いじめやハラスメントといった、本人の努力で解決できない問題が蔓延している職場であれば、被害者でなくとも辞めるのが無難といえます。いじめやハラスメントの被害者であり、職場に訴えても改善に繋がらない場合はなおさらです。

人間関係の良い職場はごまんとあります。自分が気持ちよく働ける転職先を探しましょう。

労働環境が悪い(労働基準法に違反している)

休憩がない・サービス残業がある・法定労働時間を超えている・有給休暇を取得できない・休日がないなど、労働基準法に違反している職場の場合も、早めに退職するのがおすすめです。

職員がいくら労働環境改善の声を上げても、慢性的に悪化した環境を良くすることは難しいのが現状です。なかには、同僚が頑張っているから自分も頑張らなければいけないと思ってしまう人もいるかもしれませんが、無理して体調を崩す前に転職をするほうが良いでしょう。

看護師を辞めないほうが良い場合

抱えている問題が自身の努力や時間の経過で解決できる場合は、すぐに辞めないほうが良いでしょう。たとえば、以下のような状況や理由が該当します。

看護師に向いていないと感じている

特に経験の浅い看護師のなかには、仕事がうまくいかないと「看護師に向いていないのでは? 」と考える方もいます。しかし、今は上手くできなくても、仕事を続けていくうちに成長するものです。

経験不足や能力不足であれば、大抵は自身の努力で解決できます

もっと楽な仕事をしたいと考えている

「楽な仕事をしたい」と考えている人の場合、新しい職に就いても大変なことやつらいことがあったときに、すぐに辞めたいと考えてしまう可能性があります。どのような仕事でも大変なことやつらいことはあるので、すぐに辞める考えを持つのはおすすめできません。転職を繰り返してしまい、後悔する恐れもあります。

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看護師を辞めるデメリット

仕事を辞めたらつらい状況からは解放されるかもしれませんが、看護師を辞めることで発生するデメリットもあります。辞めたいと考えている方は、以下のデメリットを理解したうえで退職を検討しましょう。

お礼奉公中は奨学金の返済を求められる可能性がある

病院の奨学金制度を利用している人の場合、お礼奉公中に退職するとすぐに返済を求められる可能性が高いです。

病院の奨学金制度を利用する際は、「看護師資格を取得したあとは〇年間勤務すること」「お礼奉公中に退職する場合は奨学金を即時返還すること」「〇年間働いたら、奨学金の返済は不要になる」といった、いくつかの契約を交わします。具体的な期間や契約内容は病院によって異なりますが、お礼奉公中に退職すると奨学金の一括返還を求める病院がほとんどでしょう。

そのため、病院の奨学金制度を利用している人は、退職をする前に奨学金に関する規約を確認しておきましょう。

収入が下がる可能性がある

看護師の平均給料は、一般企業の会社員よりも比較的高い傾向にあります。そのため、もし看護師を辞めて一般企業に就職すると、給料が下がる可能性があるでしょう。なかでも、夜勤手当や資格手当、役職手当などの諸手当が付いていた人は、大幅な給料ダウンが予想されます。

仕事がつらいからといって、衝動的に看護師を辞めるのは得策ではありません。転職することで、今度は収入面の悩みを抱える可能性もあります。そのため、収入が減る可能性も踏まえて、転職を検討しましょう。

1年目で辞めると転職先の選択肢が限られる

経験を積んだ看護師に比べて、新人看護師は転職先の選択肢が少ない傾向にあります。中途採用をする多くの医療機関は即戦力を求める傾向にあるため、経験が浅くスキルが未熟な新人看護師は求める人材とマッチしないのです。特に看護師としての基本が身についていない新人看護師は、転職先の選択肢が限られるでしょう。

希望の転職先がある人は、中途採用者の傾向や教育体制などをしっかりと調べておきましょう。

1年目で辞めると長続きしない人と思われる

辞めた理由は何であれ、新人のうちに退職すると、「採用しても、またすぐ辞めてしまうのではないか」というイメージを持たれる可能性が高いです。そのほか、「忍耐力がない」「責任感がない」と思われてしまう場合も。そのため、経験を積んだ看護師よりも、新人看護師の転職活動は難航する恐れがあります。

新人看護師が経験の少なさをカバーをして転職を成功させるには、採用担当者が興味を持つような志望動機や自己PRを準備しておくことが大切です。

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看護師を辞めたいのに辞められない理由

看護師を辞めたいのに辞められない理由

「看護師を辞めたくても辞められない」という人は少なくありません。看護師を辞められない理由として、以下の3つが挙げられます。

上司から退職の許可が下りない

上司に退職を相談しても、「退職を考え直してほしい」「人がいないからもう少し待ってほしい」など、退職を引き留められるケースは珍しくありません。

しかし、実際には民放第627条によって、雇用期間の定めがない労働者は解約の申し入れをすることができ、なおかつ解約の申し入れの日から2週間後には退職できると定められています。そのため、どうしても辞めたい場合は無理せずに辞めることが可能です。

親や知人から反対される

「苦労して看護師になったのだから、もう少し頑張ってみたら? 」と親や知人に言われる人は多いようです。また、看護師は雇用が安定しているうえ、年齢を重ねても働ける仕事です。そのため、看護師を辞めるのはデメリットが大きいと反対する人もいます。

辞めるかどうかを決めるのは自分自身です。しかし、親や知人から反対されて、辞めたいけど辞められない人は多いでしょう。

お礼奉公中である

看護師を辞めたいのに辞められない理由として多く挙げられるのが、お礼奉公中であるということです。前述のとおり、病院の奨学金を利用して看護師になった人は、基本的に一定期間その病院で勤務しなくてはなりません。もし、お礼奉公期間中に辞める際は、ほとんどの場合、退職時に奨学金の返金を求められます。そのため、辞めたくてもなかなか辞められないという人は多いでしょう。

看護師を辞めたいと感じたときのNG行動

看護師を辞めたいと感じたときに取る行動によっては、トラブルを生む可能性もあります。後悔をしないためにも、以下の行動を起こさないように注意しましょう。

あまり考えずに決断を急ぐ

辞めたい気持ちが強くなると、辞めたい原因やその解決法を考えずに決断を急いでしまう人がいます。決断を急ぎすぎるあまり、冷静な判断ができなくなる場合も。なかには、よくよく考えたら「大きな悩みではなかった」「解決できる問題だった」ということもあります。

後悔しないためにも、まずは現状の問題と解決策を考えてみましょう

無断欠勤をする

「仕事を辞めたい」「仕事に行きたくない」という気持ちが大きくなり、無断欠勤をしてしまう人がいます。無断欠勤は会社に心配や迷惑をかけるだけでなく、自身の信用を失ってしまう行為です。

どうしても休みたい場合は、必ず会社に連絡をするようにしましょう。

職場の不満を口にする

職場の不満があっても、口にするのは避けましょう。

もし辞めることが決まったとしても、職場の雰囲気が悪くなり、辞めるまで気まずくなってしまいます。また、万が一辞めたあとに職場に戻りたいと思っても、出戻りは難しいでしょう。たとえ労働環境や人間関係に不満があったとしても、口にしないのが賢明です。

突発的に退職する

転職先が決まっていないまま、突発的に退職するのは避けましょう。

無職になって、「辞めなければ良かった」と後悔する可能性があります。また、焦って転職活動をしても、理想の会社に就職できる可能性は低いでしょう。転職を繰り返してしまうリスクもあるため、将来のビジョンをしっかりと決めてから退職するのがおすすめです。

看護師が仕事を辞めるときの退職手続きの流れ

円満退職をするためにも、適切な退職手続きを行うようにしましょう。退職手続きの流れを以下で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

1.退職意思を伝える

退職を決意したら、まずは退職意思を上司に伝えましょう。

退職意思は、辞める1ヶ月前までに伝えるのが一般的です。しかし、勤務先によっては「退職する3ヶ月前までに退職意思を伝える」などと決まっている場合もあるので、就業規則を確認しましょう。

2.退職日の調整をする

上司と相談しながら、退職日の調整をします。退職希望日を自身でしっかり決めておかないと、退職日を先延ばしにされる可能性があるので注意しましょう。

なお、退職希望日を決める際は、ボーナスの算定期間や支給時期を確認しておくのがおすすめです。特に退職してから転職活動をする方は、ボーナスが退職後の生活資金として役に立ちます。退職後すぐに再就職できるとは限らないため、ボーナスはしっかりと受け取っておいたほうが良いでしょう。

3.業務の引き継ぎをする

退職日までに業務の引き継ぎを行います。「聞いていない」「わからないことがある」など、退職後に残ったスタッフが混乱しないように、必要に応じて資料などを作成しておくと良いでしょう。

4.退職

退職日までにお世話になったスタッフはもちろん、患者さんやその家族にも挨拶しておきましょう。

退職日は、名札や制服といった貸与物の返却も忘れないようにします

5.失業保険の申請・健康保険の切り替え手続き

退職後に転職先が決まっていない場合は、ハローワークで失業保険の申請を行いましょう。
また、健康保険の切り替え手続きも必要です。国民健康保険の加入手続きか、前職の健康保険を継続する手続きをします。

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看護師が転職を成功させる5つのポイント

ここでは、転職を成功させるポイントを5つ紹介しています。理想の職場へ転職できるように、下準備をしっかりと行っておきましょう。

1.辞めたい理由を明確にする

仕事を辞める前に、まずは仕事を辞めたい理由を明確にしておきましょう。

辞めたい理由が曖昧なままだと、転職先の希望条件を明確にできないためです。また、たとえ転職しても再びつらいことがあった際に、原因や解決策を考えずに「辞めて転職したら良い」という思考になり、転職を繰り返してしまう恐れがあります。

退職をする前に、まずは「なぜ辞めたいのか」を紙に書き出すなどして、自身の気持ちを整理しておきましょう。

2.キャリアの棚卸しをする

自身の強みを知るためにも、キャリアの棚卸しをすることをおすすめします。

キャリアの棚卸しとは、これまでに行ってきた業務や取得したスキルを書き出して、整理することです。自分の長所・短所、得意なこと・不得意なことなどがわかれば、スキルを活かせる業務や挑戦してみたい分野が明確になります。また、魅力的な志望動機や自己PRを作成しやすくなるのも、キャリアの棚卸しを行うメリットです。

3.キャリアプランを明確にする

「将来どんな看護師になりたいか」「どんな分野に携わりたいか」など、キャリアプランを明確にするのも転職を成功させるために大切なことです。

看護師の場合、「3年目:産婦人科で勤務する」「6年目:助産師課程を修了する」「7年目:助産師になる」というように、具体的な目標を立てると良いでしょう。キャリアプランを明確にすることで、目標に至るまでの道筋を逆算して具体的な計画を立てられます

4.事前に職場見学をする

入職後のミスマッチを防ぐためにも、事前に職場見学をするのがおすすめです。

求人サイトや転職先の公式サイトなどで、診療科目や病床数、教育体制などを確認することはできます。しかし、実際に職場の雰囲気を知ることはできません。

自分に合った職場か判断するためにも、実際に職場に行ってスタッフの年齢層や看護師同士の関係性、患者さんへの接し方、見学者への対応などをチェックしましょう。

5.転職エージェントに登録する

転職を成功させるために、転職エージェントへ登録するのもひとつの方法です。

転職エージェントでは、経歴や希望、適性に合った求人を紹介してもらえます。また、応募書類の作成や面接のサポートが受けられるほか、希望する職場の内部事情を得られる場合も。さらに、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。

「転職が初めて」「書類選考や面接が不安」「プロのサポートを受けたい」という方は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すると良いでしょう。

看護師/准看護師求人・転職・募集おすすめ一覧 – マイナビ看護師・公式

病院だけじゃない! 看護師の職場とは?

病院以外の看護師の職場

看護師が働く職場は病院だけではありません。病院勤務がつらくて看護師を辞めたいと考えている方は、別の職場にも目を向けてみましょう。

クリニック

クリニックは入院施設がないことがほとんどです。病床のないクリニックであれば夜勤がないので、比較的規則正しい生活を送りやすいでしょう。さらに、土曜日の午後や日曜日を休診日にしていることが多く、プライベートの予定を組みやすいのもメリットです。また、病院に比べて軒数が多いので、自宅近くで職場を探しやすいといえます。

内科や整形外科、耳鼻科、眼科など、特定の診療科目に特化したクリニックも多いため、極めたい分野がある人にもおすすめです。

介護・福祉施設

有料老人ホームやデイサービス、サ高住、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの介護・福祉施設では、主に高齢者の看護をメインに行います。自立状態の人や要介護状態の人など対象者は施設によって異なりますが、いずれも利用者の健康管理や日常生活の援助などを行うのが主な仕事です。そのため、それほど高い看護技術は求められないでしょう。施設によっては、季節のイベントやレクリエーションに参加することもあり、看護業務以外にも携われます。

日勤のみの施設であれば、プライベートを重視した働き方も叶いやすいでしょう。

美容クリニック

美容皮膚科や美容整形外科といった美容クリニックは、年々需要が増しており、看護師の求人も増えています。美容クリニックでは、看護師は主にカウンセリングのほか、ピーリングや脱毛、レーザー治療、美容点滴を担当します。また、美容整形外科では手術のサポートをすることもあるでしょう。

美容クリニックは、基本的に予約制なので残業になることはほぼありません。また、多くは集客のためにアクセスの良い場所に立地しているので通勤しやすいのも魅力。最新の美容医療に触れられるので、美容に興味のある方に最適な勤務先です。

健診・検診センター、献血ルーム

健診・検診センターは、病気予防や早期発見のために健康診断や人間ドックなどを行う施設です。看護師は身長・体重測定のほか、採血、血圧測定、心電図検査、視力・聴力検査などを行います。一方、献血ルームでは献血者の健康チェックと献血を行うのが仕事です。

いずれも夜勤がなく、残業も少ないため、規則正しい生活を送りやすいでしょう。また、基本的にルーティンワークで健康な人を相手にしているので、精神的負担が少ないのもメリットです。

保育園・幼稚園

保育園や幼稚園でも看護師は活躍しています。特に私立保育園では看護師の常駐が義務付けられているため、保育園看護師の需要は高めです。

保育園や幼稚園では、園児の体調管理や怪我・体調不良時の応急処置のほか、アレルギーへの対応、保護者へ向けた保健指導などを行います。子どもと関われるのはもちろん、子どもの成長を間近で見られるため、子ども好きな人にとっては魅力的な環境です。自身の育児経験も活かせるでしょう。

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まとめ

仕事がつらく、辞めたいと考えている看護師の方もいるでしょう。しかし、決断を急いで突発的に退職するのはおすすめできません。まずは、周囲の人に相談して現状の悩みを解決できないか考えてみましょう。また、仕事に行くのがつらければ、有給休暇の取得や休職をして一旦仕事から離れるのもおすすめです。

もしも、自身の力で解決できない悩みであれば「看護師を辞める」のではなく、転職して職場を変えることも検討してみましょう。

「マイナビ看護師」では、看護師の転職をサポートしています。キャリアアップや給与アップが叶う職場など、一人ひとりの希望や適性に合った求人をご紹介。現状の悩みを解決できるよう、今後のキャリアを含めたご提案をしているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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