ハードな業務や労働環境への不満、人間関係の悩みなどを理由に、「仕事を辞めたい」と考えている看護師の方も多いのではないでしょうか。しかし、辞めたいからといって、すぐに退職するのはおすすめできません。
この記事では、看護師が仕事を辞めたい理由や辞めるか悩んだときの判断基準、辞めたいときの対処法を紹介。そのほか、1年目の看護師が仕事を辞めるデメリットも解説しています。
転職を成功させるポイントや退職の流れもまとめているので、仕事を辞めたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
看護師が仕事を辞めたい理由とは?
仕事を辞めたい理由は人によってさまざまです。なかには、漠然と「仕事を辞めたい」と考えている方もいるでしょう。
以下では、看護師が仕事を辞めたいと思う主な理由を7つ紹介します。仕事を辞めたいと考えている方は、自分の悩みと照らし合わせてみてください。
人間関係の悩みがある
看護師に限らず、人間関係の悩みによって仕事を辞めたいと思う人は多い傾向にあります。
ただし、人間関係の悩みといっても「いじめやパワハラがある」「上司と馬が合わない」など、悩みは人それぞれです。人間関係の悩みには、以下のようなものが挙げられます。
- いじめがある(嫌がらせをされている)
- 職場に馴染めない
- 性格が合わない上司や同僚がいる
- パワハラがある
- 噂話や陰口がある
- 悪意のある接し方をしてくる人がいる
- 職場の雰囲気が悪い
- 医師や患者さんとの関わり方が難しい
上司や同僚との関係が上手くいかないといった悩みを抱える看護師は多いようです。1日の大半を職場で過ごすため、人間関係が良好でないと仕事に行くこと自体を苦痛に感じてしまうでしょう。
人手不足でしんどい
「残業が多い」「休日出勤がある」など、人手不足による不満を抱える看護師は多くいます。
看護師が人手不足によって抱える不満や悩みは以下のとおりです。
- 看護師一人ひとりの業務量が多い
- 残業が多い
- 希望休が取れない
- 休日出勤がある
- 夜勤の回数が多い
看護師に向いていないと感じる
責任の重さやプレッシャーなどにより、看護師に向いていないと感じて仕事を辞める看護師もいます。
看護師に向いていないと感じる理由には、以下のようなものが挙げられます。
- ミスをしてしまった
- 仕事ができずに自信を喪失してしまった
- プレッシャーが大きい
- 業務の責任の重さに耐えられない
- 勉強し続けるのがつらい
人手不足が要因で、残業や過重労働になっている医療機関は多いようです。
「2021年 看護職員実態調査」の超過勤務の状況によると、2021年9月の1カ月の間に「超過勤務をした」と答えたのは78.4%で、超過勤務の平均時間は17.4時間でした。
ほとんどの看護師が残業を行っており、なかには、行った残業を申告できていない人もいるようです。そのため、今よりも良い労働環境を求めて転職を考える看護師は多い傾向にあります。
看護師に向いていないと感じる
責任の重さやプレッシャーなどから看護師に向いていないと感じて、仕事を辞めたいと考える人もいます。
看護師に向いていないと感じる理由には、以下のようなものが挙げられます。
- ミスをしてしまった
- 仕事ができないと感じ、自信を喪失してしまった
- プレッシャーが大きい
- 業務の責任の重さに耐えられない
- 勉強し続けるのがつらい
些細なミスが患者さんの命に関わる可能性もあるため、業務の責任の重さに耐えられなくなって退職を考える看護師は多いようです。どの仕事においてもミスは許されることではありませんが、もっと楽な気持ちで働きたいと思う看護師は少なくありません。
夜勤がきつい・業務内容がハードで疲れた
病棟勤務の看護師に夜勤はつきものです。
また、看護師の仕事は医師の診療サポートやバイタルチェック、病棟の巡回、移乗介助、体位変換、食事・入浴・排泄介助、カンファレンスへの参加、看護記録の作成・管理などさまざまです。業務内容がハードなため、体力的に負担を感じて辞めたいと感じる看護師は一定数います。
看護師が業務内容がハードと感じる理由は、以下のとおりです。
- 夜勤がきつい
- 重症度が高い患者さんが多い
- 体位交換や移乗介助など体力的負担が大きい
- 急患対応が多い
看護師はハードな業務を日々緊張感を持って行っています。患者さんの命を預かる仕事のため、休日であっても気が休まらないという人もいるでしょう。そのため、体力的な負担だけでなく、精神的に負担を感じて辞める決意をする看護師もいます。
給料が安い
「業務内容と給料が見合わない」など、給料に不満を感じて仕事を辞めたいと考える看護師は少なくありません。看護師が給料に不満を感じる理由には、以下のようなものが挙げられます。
- 業務内容に対して給料が安い
- 残業代がつかない
- 手当が少ない
- 評価制度に不満がある
看護師の勤務先は病院やクリニック、介護施設、訪問看護ステーションなど多岐にわたります。評価制度や手当、給料も勤務先によって異なるので、給与アップをめざして転職をする看護師は多い傾向にあります。
自分のやりたい看護ができない
「自分のやりたい看護ができない」という悩みから、仕事を辞めたいと考える看護師も一定数います。自分のやりたい看護ができない理由には、以下の2点が挙げられます。
- 多忙で患者さん一人ひとりに丁寧に向き合えない
- 病院の方針と自分の理想とする看護が異なる
仕事を覚えるのに精一杯で自分の理想とする看護を実践できなかったり、多忙のあまり患者さんと丁寧に向き合えなかったりなど、理想と現実とのギャップに悩む看護師は少なくありません。また、病院の方針と自分の考えが合わず、窮屈さを感じている人もいます。
看護師を辞めて違う仕事がしたい
「ほかにやりたい仕事ができたから看護師を辞めたい」と考える人もいます。たとえば、以下のような例が挙げられます。
- 現場で働くのではなく、看護師の育成に携わりたい
- 保健師や助産師をめざしたい(キャリアアップ)
- 看護師以外にやりたい仕事がある
キャリアを重ねていくと、看護師ではなく保健師や助産師として活躍したいと考える人も出てきます。なかには、看護師以外にやりたい仕事を見つけて、キャリアチェンジをする人もいます。
仕事を辞めたい1年目の新人看護師は多い

一生懸命勉強して看護師になったにもかかわらず、1年目の段階で仕事を辞めたいと考える看護師は多い傾向にあります。
以下では、1年目の新人看護師が辞めたい理由と仕事を辞めるデメリットを紹介します。
1年目の新人看護師が辞めたい理由
看護師1年目は覚えることが多かったり仕事が上手くいかなかったりと、つらいと感じることが多い時期です。1年目の看護師がつらくて仕事を辞めたいと考えるのには、以下のような理由があります。
- 勉強が大変
- 仕事ができない
- ミスをした
- 知識不足を痛感する
- 先輩や上司と上手く人間関係を築けない
- 夜勤が大変
- 想像以上に忙しい
- 患者さんとの関わり方が難しい
- 精神的負担が大きい
- 仕事とプライベートで上手く気持ちを切り替えられない
- 不規則な生活がつらい
責任の重い仕事に負担を感じたり、リアリティショックに苦しんだりする1年目の看護師は多い傾向にあります。なかには、仕事が想像以上に大変で、看護師になったことを後悔する人もいます。
1年目の新人看護師が辞めるデメリット
仕事を辞めることでつらい状況からは解放されるかもしれませんが、早期退職にはデメリットもあります。
1年目の新人看護師の方は、以下のデメリットを理解したうえで仕事を辞めるか検討しましょう。
転職先の選択肢が限られる
経験を積んだ看護師に比べて、新人看護師は転職先の選択肢が少ない傾向にあります。中途採用をする多くの医療機関は即戦力を求める傾向にあるため、経験が浅くスキルが未熟な新人看護師は求める人材とマッチしないのです。とくに看護師としての基本が身についていない1年目の新人看護師は、転職先の選択肢が限られるでしょう。
もしも希望する転職先があるのであれば、中途採用者の傾向や教育体制などをしっかりと調べておくことをおすすめします。
お礼奉公中は奨学金の返済を求められる可能性がある
病院の奨学金制度を利用している人の場合、お礼奉公中に退職するとすぐに返済を求められる可能性が高いです。
病院の奨学金制度を利用する際は、「看護師資格を取得したあとは〇年間勤務すること」「お礼奉公中に退職する場合は奨学金を即時返還すること」「〇年間働いたら、奨学金の返済は不要になる」といった、いくつかの契約を交わします。具体的な期間や契約内容は病院によって異なりますが、お礼奉公中に退職すると奨学金の一括返還を求める病院がほとんどでしょう。
そのため、病院の奨学金制度を利用している人は、退職をする前に奨学金に関する規約を確認しておきましょう。
すぐに辞める人というネガティブなイメージを持たれる
辞めた理由は何であれ、新人のうちに退職すると、「採用しても、またすぐ辞めてしまうのではないか」というイメージを持たれる可能性が高いです。そのほか、「忍耐力がない」「責任感がない」と思われてしまう場合も。そのため、経験を積んだ看護師よりも、新人看護師の転職活動は難航する恐れがあります。
新人看護師が経験の少なさをカバーをして転職を成功させるには、採用担当者が興味を持つような志望動機や自己PRを準備しておくことが大切です。
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勤務場所によって看護師の辞めたい理由はさまざま

看護師が仕事を辞めたい理由は、勤務場所によっても異なります。
以下では、「介護・福祉施設」「美容クリニック」「検診センター・献血ルーム」それぞれの、看護師の辞めたい理由を紹介します。
介護・福祉施設の看護師を辞めたい理由
有料老人ホームやデイサービス、サ高住、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの介護・福祉施設では、主に高齢者の看護をメインに行います。看護する対象が病院やクリニックとは異なるほか、業務内容にも差があるため、仕事を辞めたい理由も少々異なります。
介護・福祉施設の看護師を辞めたい理由は、以下のとおりです。
- 看護師の人数が少なく負担が大きい
- 給料が安い
- 医療的な判断を担う責任が重い
- 看護業務以外行う必要がある
- オンコール対応が大変
- 看護師スキルの低下が不安
- 書類作業が多い(地域包括支援センター)
- 他職種との連携が大変
- 利用者さんとコミュニケーションを取るのが難しい
介護・福祉施設は病院よりも落ち着いて仕事ができると考えている方もいますが、看護師の人数が少ないうえ、一人で多くの利用者さんを相手にするため負担が大きい仕事です。施設によっては看護業務以外に介護業務やレクリエーションなども行う必要があるので、看護業務に専念したい人は苦痛に感じる場合があるでしょう。
また、施設に医師がいないことも多く、医療的な判断を担う責任が大きいため、プレッシャーに耐えられず辞めたいと考える看護師もいます。
美容クリニックの看護師を辞めたい理由
美容外科や美容皮膚科などの美容クリニックで働く看護師には、病院勤務では想像のつかない悩みがあります。
美容クリニックの看護師を辞めたい理由は、以下のとおりです。
- ノルマがきつい
- 接客が大変
- 医療行為を行いたい
- 会社や院長と考え方が合わない
- 看護師のスキルの低下が不安
- やりがいを見つけられない
- 将来が不安
美容外科や美容皮膚科には病気やケガの人が来院することは少なく、ほとんどが「綺麗になりたい」といった願望のある自由診療の患者さんです。看護師は脱毛やレーザー治療といった美容を目的とした施術のほか、整形手術のサポート、患者さんのカウンセリングなどを行います。
美容クリニックは自由診療がメインのため、クリニックによっては看護師に契約や販売のノルマが課せられることも。ノルマが厳しく、辞めたいと考える看護師は多くいます。また、美容クリニックでは「患者さん」というよりも「お客さま」として接するため、接客に苦手意識のある人は向いていないと感じやすいでしょう。
健診センター・献血ルームの看護師を辞めたい理由
健診センターや献血ルームでは、血圧測定や採血といった単調作業を行います。基本的には、毎日同じ業務を行うルーチンワークの仕事といえるでしょう。ルーチンワークが好きな方にとっては働きやすい環境ですが、ルーチンワークが苦痛で辞めたいと考える看護師もいます。
健診センター・献血ルームの看護師を辞めたい理由は、以下のとおりです。
- 単純作業が苦痛
- 早く正確な採血を求められるのがプレッシャー
- 臨床スキルが身につかない
- 接遇が苦手
- 検体の処理・確認作業が大変
- モチベーションを維持できない
健診センターでは1日に数十名の受診者の健康診断を行うため、効率よく血圧測定や採血などを行わなくてはなりません。同じ作業を何時間も続けて行うのは負担が大きく、苦痛に感じる看護師は多いようです。
また、単調作業であるが故にモチベーションを維持するのが難しく、自分がやりがいを見出せる職場に転職したいと考える看護師もいます。
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看護師の離職率は10.6%

日本看護協会の「2021年病院看護実態調査」によると、2020年度の正規雇用の看護師の離職率は10.6%でした。新卒採用者だけで見ると8.2%、既卒採用者だけで見ると14.9%です。過去5年で見ると、正規雇用の看護師の離職率は10%ほど、新卒看護師の離職率は8%前後でした。
看護師は専門職としてニーズが高い職種です。どの医療機関も比較的人材不足なほか、超高齢化社会における日本では介護施設でも年々需要が高まっています。そのため、キャリアアップをめざしたり、働きやすい勤務先を求めたりといった理由で転職する看護師が多いと考えられます。
看護師を辞めたいと思った時期
マイナビ看護師にて、現役看護師708人を対象に「看護師を一番辞めたいと思ったのはいつ頃? 」という内容のアンケートを実施したところ、以下のような結果となりました。

第1位 1年目(48.7%)
第2位 2~3年目(27.1%)
第3位 5~10年目(11.3%)
第4位 その他(8.3%)
第5位 10年目以降(4.5%)
※2020年12月、看護師708人を対象に実施
第1位は、新人として働く1年目でした。看護師1年目は知識や技術、社会人としてのマナーなど、覚えることが多い時期です。慣れない環境によってストレスを感じたり、ミスをして自信を失くしたりする看護師が多くいます。
第2位は、2~3年目でした。2~3年目は仕事にも慣れて、新たな仕事を任せられる時期です。新人とは違うプレッシャーがあり、辞めたいと感じる人が多い傾向にあります。
第3位は、5~10年目です。5~10年目は、キャリアアップのために転職を考える看護師が多い時期といえます。また、結婚・妊娠・出産といったライフステージの変化に伴い、仕事を辞める看護師が増える時期です。
30代後半〜40代前半になると体力的な面も考慮し、老健や特養、老人ホーム、訪問看護などへシフトする看護師も多く見受けられます。
看護師を辞めたいけれど…悩んだ際の判断基準は?

看護師を辞めることで、現状の悩みから解放される場合もあるでしょう。しかし、安易に看護師を辞めない方が良い場合もあります。
以下では、看護師を辞めるか・続けるか悩んだ際の判断基準を紹介します。
看護師を辞めたほうが良い場合
自分の力では解決できない問題を抱えている場合は、辞めることを検討しても良いでしょう。
たとえば、以下のような状況や理由が該当します。
- 心身ともに不調をきたしている
- いじめやハラスメントがある
- 労働環境が悪い(労働基準法に違反している)
いじめやハラスメント、労働環境などは、本人の努力で簡単に解決できる問題ではありません。職場に訴えても改善に繋がらない場合はなおさらです。
また、理由は何にしろ、疲れやストレスで心身に不調をきたしている場合も無理をしないほうが賢明です。我慢をして仕事を続けるのではなく、新たな職場で再スタートを切ることを検討しても良いでしょう。
看護師を辞めないほうが良い場合
抱えている問題が自身の努力や時間の経過で解決できる場合は、すぐに辞めないほうが良いといえます。
たとえば、以下のような状況や理由が該当します。
- 看護師に向いていないと感じている
- もっと楽な仕事をしたいと考えている
- やりがいを感じられない
経験の浅い看護師のなかには、仕事がうまくいかないと「看護師に向いていないのでは? 」と考える方もいます。しかし、今は上手くできなくても、仕事を続けていくうちに成長するものです。経験不足や能力不足であれば、自身の努力で解決できます。
また、「楽な仕事をしたい」と考えている人の場合、新しい職に就いても大変なことやつらいことがあったときに、すぐに辞めたいと考えてしまう可能性があります。どのような仕事でも大変なことやつらいことはあるので、すぐに辞める考えを持つのはおすすめできません。転職を繰り返してしまい、後悔する恐れもあります。
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看護師を辞めたいと感じたときの7つの対処法

看護師を辞めたいと感じたときに、すぐに辞めるのは得策ではありません。まずは、以下の対処法を試すことをおすすめします。
1.同僚や上司に相談する
辞めたいと思うような悩みがあれば、まずは周囲の人に相談してみましょう。
仕事のことで上司に相談しにくければ、身近な先輩に相談するのもおすすめです。先輩も過去に同じような悩みを抱えていた可能性があるため、解決策が見いだせるかもしれません。また、思いを打ち明けるだけで、気持ちがスッキリして辞めたい気持ちが落ち着く場合があります。
2.休暇を取得して心身ともにゆっくり休む
辞めたいと思いながら無理して仕事に行くとますますつらくなるため、可能であれば有給休暇を取得するなどして休みを取りましょう。状況によっては、休職をするのもひとつの手です。
休暇中は家族や友人と旅行に行ったり趣味の活動をしたりなど、思いっきり休みを楽しむのがポイント。リフレッシュしてストレス解消することで、冷静に物事を考えられるようになるでしょう。
3.異動希望を出す
今働いている職場の人間関係などで悩んでいる場合は、異動希望を出すという方法があります。異動をすることで人間関係が一新され、新たな環境で仕事に励めるでしょう。
なお、希望が受理されてすぐに異動できるとは限りません。しかし、気持ちの面で少し楽になるはずです。
4.自分は仕事ができないと悩みすぎないようにする
自分は仕事ができないと悩みすぎず、ポジティブに物事を考えてみましょう。
とくに新人看護師の場合は、すぐに仕事ができるようになるわけではありません。医療現場はイレギュラーも多く、学校で勉強した内容が通用しないことも多々あります。「看護師として未熟だからできなくて当たり前」「これから経験を積んでできるようになろう」と、少し肩の力を抜いて業務に取り組んでみましょう。
5.生活のためと割り切る
給料をモチベーションにして働くことは、悪いことではありません。
看護師は患者さんの命に関わる仕事を行っているので、一般的な職業よりも比較的給料は高め。そのため、転職して給料が下がれば後悔する可能性もあります。
「生活のため」「お金のため」と割り切って看護師を続けるのも一つの選択肢です。
6.看護師をめざした理由を思い返す
看護師として働くモチベーションが下がってしまったときは、看護師をめざした理由を思い返すのもひとつの手です。「人の役に立ちたい」「救命で働きたい」「高齢者のケアをしたい」など、看護師をめざした理由は人それぞれでしょう。
初心に帰ることで目標がはっきりして、モチベーションを回復できる場合があります。
7.転職をして環境を変える
すぐに看護師を辞めるのではなく、まずは転職をして違う環境で働いてみるのも一つの方法です。
とくに、職場の人間関係や労働環境が問題の場合、「看護師を辞めたい」のではなく、「職場を辞めたい」だけかもしれません。働く環境を変えることで、再び看護師として活き活きと働ける可能性があります。
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看護師を辞めたいと感じたときのNG行動

看護師を辞めたいと感じたときに取る行動によっては、トラブルを生む可能性もあります。後悔をしないためにも、以下の行動を起こさないように注意しましょう。
あまり考えずに決断を急ぐ
辞めたい気持ちが強くなると、辞めたい原因やその解決法を考えずに決断を急いでしまう人がいます。決断を急ぎすぎるあまり、冷静な判断ができなくなる場合も。なかには、よくよく考えたら「大きな悩みではなかった」「解決できる問題だった」ということもあります。
後悔しないためにも、まずは現状の問題と解決策を考えてみましょう。
無断欠勤をする
「仕事を辞めたい」「仕事に行きたくない」という気持ちが大きくなり、無断欠勤をしてしまう人がいます。無断欠勤は会社に心配や迷惑をかけるだけでなく、自身の信用を失ってしまう行為です。
どうしても休みたい場合は、必ず会社に連絡をするようにしましょう。
職場の不満を口にする
辞めたいからといって、職場の不満を口にするのは避けましょう。
もし辞めることが決まったとしても、職場の雰囲気が悪くなり、辞めるまで気まずくなってしまいます。また、万が一辞めたあとに職場に戻りたいと思っても、出戻りは難しいでしょう。たとえ労働環境や人間関係に不満があったとしても、口にしないのが賢明です。
突発的に退職する
転職先が決まっていないまま、突発的に退職するのは避けましょう。
無職になって、「辞めなければ良かった」と後悔する可能性があります。また、焦って転職活動をしても、理想の会社に就職できる可能性は低いといえます。転職を繰り返してしまうリスクもあるため、将来のビジョンをしっかりと決めてから退職をするようにしましょう。
看護師が仕事を辞めるときの退職手続きの流れ

円満退職をするためにも、適切な退職手続きを行うようにしましょう。退職手続きの流れを以下で解説しているので、ぜひ参考にしてください。
1.退職意思を伝える
退職を決意したら、まずは退職意思を上司に伝えましょう。
退職意思は、辞める1カ月前までに伝えるのが一般的です。しかし、勤務先によっては「退職する3カ月前までに退職意思を伝える」などと決まっている場合もあるので、就業規則を確認しましょう。
2.退職日の調整を行う
上司と相談しながら、退職日の調整をします。退職希望日を自身でしっかりと決めておかないと、退職日を先延ばしにされる可能性があるので注意しましょう。
なお、退職希望日を決める際は、ボーナスの算定期間や支給時期を確認しておくのがおすすめです。とくに退職してから転職活動をする方は、ボーナスが退職後の生活資金として役に立ちます。退職後すぐに再就職できるとは限らないため、ボーナスはしっかりと受け取っておいたほうが良いでしょう。
3.業務の引き継ぎを行う
退職日までに業務の引き継ぎを行います。「聞いていない」「わからないことがある」など、退職後に残ったスタッフが混乱しないように、必要に応じて資料などを作成しておくと良いでしょう。
4.退職
退職日までにお世話になったスタッフはもちろん、患者さんにも挨拶しておきましょう。
退職日は、名札や制服といった貸与物の返却も忘れないようにします。
5.失業保険の申請・健康保険の切り替え手続き
退職後に転職先が決まっていない場合は、ハローワークで失業保険の申請を行いましょう。また、健康保険の切り替え手続きも必要です。国民健康保険の加入手続きか、前職の健康保険を継続する手続きをします。
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退職を円満にする「5つのステップ」
看護師が転職を成功させる5つのポイント

仕事を辞める決断をしたら、転職先を決めてから退職をすることをおすすめします。ここでは、転職を成功させるポイントを5つ紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
1.辞めたい理由を明確にする
仕事を辞める前に、まずは仕事を辞めたい理由を明確にしておきましょう。
辞めたい理由を曖昧なままにしておくと、転職先の希望条件が明確にできないためです。また、もし転職したとしても再びつらいことがあった際に、原因や解決策を考えずに「辞めて転職したら良い」という思考になり、転職を繰り返してしまう恐れがあります。
そのため、退職をする前にまずは「なぜ辞めたいのか」を紙に書き出すなどして、自身の気持ちを整理しておきましょう。
2.キャリアの棚卸しを行う
自身の強みを知るためにも、キャリアの棚卸しをすることをおすすめします。
キャリアの棚卸しとは、これまでに行ってきた業務や取得したスキルを書き出して、整理することです。自分の長所・短所、得意なこと・不得意なことなどがわかれば、スキルを活かせる業務や挑戦してみたい分野が明確になります。また、魅力的な志望動機や自己PRを作成しやすくなるのも、キャリアの棚卸しを行うメリットです。
3.キャリアプランを明確にする
「将来どんな看護師になりたいか」「どんな分野に携わりたいか」など、キャリアプランを明確にするのも転職を成功させるために大切なことです。
看護師の場合、「3年目:産婦人科で勤務する」「6年目:助産師課程を修了する」「7年目:助産師になる」というように、具体的な目標を立てると良いでしょう。キャリアプランを明確にすることで、目標に至るまでの道筋を逆算して具体的な計画を立てられます。
4.事前に職場見学をする
入職後のミスマッチを防ぐためにも、事前に職場見学をするのがおすすめです。
求人サイトや転職先の公式サイトなどで、診療科目や病床数、教育体制などを確認することはできます。しかし、実際に職場の雰囲気を知ることはできません。
自分に合った職場か判断するためにも、実際に職場に行ってスタッフの年齢層や看護師同士の関係性、患者さんへの接し方、見学者への対応などをチェックしましょう。
5.転職エージェントに登録する
転職を成功させるために、転職エージェントへ登録するのもひとつの方法です。
転職エージェントでは、経歴や希望、適性に合った求人を紹介してもらえます。また、応募書類の作成や面接のサポートが受けられるほか、希望する職場の内部事情を得られる場合も。さらに、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。
「転職が初めて」「書類選考や面接が不安」「プロのサポートを受けたい」という方は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すると良いでしょう。
まとめ
仕事がつらく、辞めたいと考えている看護師の方もいるでしょう。しかし、決断を急いで突発的に退職するのはおすすめできません。
まずは、周囲の人に相談して現状の悩みを解決できないか考えてみましょう。また、仕事に行くのがつらければ、有給休暇を取得したり休職したりなどして、一旦仕事から離れるのもおすすめです。
もしも、自身の力で解決できない悩みであれば「看護師を辞める」のではなく、転職して職場を変えることも検討してみましょう。
「マイナビ看護師」では、看護師の転職をサポートしています。キャリアアップや給与アップが叶う職場など、一人ひとりの希望や適性に合った求人をご紹介。現状の悩みを解決できるよう、今後のキャリアを含めたご提案をしているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。