• 2023年2月16日
  • 2023年2月13日

看護師資格が使える珍しい求人20選! 理想の職場の探し方も紹介

 

「看護師の珍しい勤務先とは? 」「病院やクリニック、介護施設以外で看護師資格は活かせる? 」など、医療機関や介護施設以外での勤務を考えている看護師はいるでしょう。また、キャリアチェンジをして看護師以外の仕事に就きたいと考えている看護師もいるはずです。

この記事では、看護師資格が使える珍しい求人20選を紹介します。また、珍しい職場で働くメリット・デメリットのほか、求人の探し方もまとめているので参考にしてください。

看護師の活躍の場は病院やクリニックだけではない

看護師は医療機関で患者さんの看護や医師の診療の補助をするのが主な仕事ですが、勤務先は病院やクリニックだけではありません。日本看護協会の「2021年 看護職員実態調査」によると、看護職員の勤務先と勤める人数は以下のとおりです。

勤務先 人数
病院 4287
診療所 107
助産所 3
保健所・市区町村保健センター 70
省庁・都道府県・市区町村 39
検(健)診センター・労働衛生機関 11
企業・事業所の健康管理部門 3
学校・幼稚園・保育所等 21
訪問看護ステーション 149
地域包括支援センター・在宅介護支援センター 14
介護老人福祉施設 28
介護老人保健施設 49
ケアハウス・グループホーム・有料老人ホーム 11
その他の居宅サービス事業所 12
その他の社会福祉施設 26
看護系教育研究機関 133
その他 65

看護師の勤務先として最も多いのは病院です。一方で、訪問看護ステーションや看護系教育研究機関、保健所・市区町村保健センターで勤務している看護師もいます。また、ごく少数ですが、企業・事業所の健康管理部門で働いている看護師もいました。

参照元:日本看護協会「2021年 看護職員実態調査」

看護師資格が使える珍しい求人20選

看護師資格が使える珍しい求人

病院やクリニック、助産院、訪問看護ステーション、介護施設といった看護師の主な勤務先以外に、看護師資格を活かせる珍しい勤務先を20ヶ所紹介します。看護師資格を活かして病院以外で働きたい方や新たなキャリアを考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.企業の健康管理室

企業の健康管理室で働く看護師は「産業看護師」とも呼ばれており、会社に勤務する社員の健康管理を行います。一般的に保健師が「産業保健師」として働いていることが多いですが、保健師資格が必須ではないため看護師も勤務可能です。

主な業務は、健康診断後の健康指導や怪我・病気時の応急処置、メンタルヘルスケアなどです。基本的に日勤のみで夜勤はなく、土日休みの場合がほとんどです。大手企業の健康管理室勤務は、高い給料が期待できるでしょう。

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2.保育園・幼稚園

保育園や幼稚園で園児の日々の健康管理や食事のアレルギー対応、怪我・病気の応急処置をするのが主な仕事です。また、「保健だより」の作成や保護者向けに保健指導をすることもあります。

看護の対象が乳児・幼児なので、助産師の資格を持っている方や小児科病棟での勤務経験がある方は活躍しやすいでしょう。

3.教育機関の保健室

小学校・中学校・高校・大学といった教育機関の保健室で、学生・教員の健康管理を行います。主な業務内容は、怪我・病気の応急処置や救急搬送時の付き添い、健康相談などです。

看護師が小学校・中学校・高校の保健室で働く場合は、養護教諭資格が必須です。語学堪能な看護師の場合は、インターナショナルスクールでの活躍も期待できるでしょう。

4.自由診療クリニック

近年は自由診療クリニックにおいて看護師の需要が増えており、特に美容クリニックは若い看護師を中心に人気の勤務先となっています。

自由診療クリニックでは、医療脱毛やアートメイク、薄毛治療などを行っており、看護師はカウンセリングやレーザー脱毛・アートメイク・注射・美容点滴などの施術をします。インセンティブがつくクリニックでは、頑張り次第で給料アップがめざせるでしょう。

5.看護系大学・看護学校の教員

看護系の大学や看護学校で、教員として看護師を育成します。
主な業務内容は、講義・学内実習・病院実習の引率・レポートの添削・テストの作成と採点などさまざまです。ほかにも、就職活動のサポートをしたり学生の相談に乗ったりします。

6.治験コーディネーター

治験コーディネーターとは、治験が円滑に行われるようにサポートする職種のことです。「CRC」とも呼ばれています。

製薬会社か治験施設支援機関(SMO)に所属し、新薬を開発した製薬会社・治験を実施する医療機関・治験に参加する被験者の調整役として活躍します。

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7.医療機器メーカー

医療機器メーカーで働く看護師は、「フィールドナース」や「クリニカルスペシャリスト」と呼ばれています。医師や看護師などの医療従事者に向けて、自社の医療機器のプレゼンテーションやデモンストレーションをするほか、納品後のアフターフォローを行うのが主な仕事です。
人前で話すのが得意な方や、機械操作の多いICU・手術室などでの勤務経験がある方は活躍しやすいでしょう。

8.ホテル

ホテルの医務室で宿泊客や勤務するスタッフの怪我・病気時の応急処置のほか、病院への付き添いなどを行います。看護師常駐の医務室を設置しているホテルもあれば、観光客が多い夏休みや年末年始だけ求人を出しているホテルもあります。

9.テーマパーク

テーマパークの救護センターで、来場者や働くスタッフの怪我・病気時の応急処置を行うのが仕事です。「ナースキャスト」や「ナースクルー」とも呼ばれています。

10.豪華客船

豪華客船で働く看護師は「シップナース」と呼ばれ、船内にある医務室で乗務員や乗船客の怪我・病気時の応急処置を行います。数日間の船旅もあれば、数ヶ月かけて海外を回る船旅もあるので、拘束時間は長めといえるでしょう。

傷病者が出てもすぐに病院に行けるわけではないので、臨機応変に対応する救急外来での勤務経験を活かせます。また、外国に行ったり外国人の乗船客がいたりするため、語学堪能な看護師は活躍しやすいでしょう。

11.ツアーナース

修学旅行や社員旅行に帯同する看護師のことを、「ツアーナース」といいます。
参加者の健康管理や怪我・病気時の応急処置、病院への付き添いなどが主な仕事です。また、旅行の前に主催者とスケジュールや参加人数、参加者の健康状態などの確認・打ち合わせも行います。

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12.イベントナース

コンサートや花火大会、お祭りのときに働く看護師のことを「イベントナース」といいます。
会場に設置される救護室に待機して、来場者の怪我・病気時の応急処置をするのが主な仕事です。イベントナースはイベントが行われる日のみの勤務となるため、単発バイトでの募集がほとんどです。

13.スポーツナース

スポーツナースは野球やサッカー、マラソンなどのスポーツイベントが行われる会場の救護室に待機して、参加者や来場者の怪我・病気時の応急処置をするのが仕事です。

また、フィットネスクラブやジム、スポーツセンターで勤務したり、スポーツトレーナーとして選手のコンディション管理や治療後のリハビリをメインに行ったりする人もいます。

14.厚生労働省

厚生労働省で「看護系技官」として働く看護師もいます。
大臣官房や医政局、健康局、労働基準局など、看護系技官が活躍するフィールドは多々あり、仕事内容は配属先によって異なります。看護系技官になるには、看護師資格に加え、保健師資格または助産師資格が必要です。

参照元:厚生労働省「看護系技官 採用サイト」

15.自衛隊看護師

特別職国家公務員」として、自衛隊に所属して活躍する看護師もいます。日本各地にある自衛隊病院や基地、国内外の災害地などで看護を行うのが主な仕事です。

自衛隊看護師には自衛官看護師技官看護師の2種類があり、自衛官看護師はほかの自衛官と同じように日頃から射撃訓練や戦闘訓練などを行います。一方、技官看護師は自衛隊病院や防衛医科大学校病院に勤務し、業務内容は一般的な病院勤務の看護師と同様です。

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16.刑務所

刑務所で働く看護師は、受刑者の健康管理や怪我・病気時の応急処置をします。勤務先は刑事施設にある一般刑務所、もしくは全国に4ヶ所ある医療刑務所のいずれかです。
看護対象が受刑者であるため、安全のために一人で対応はせず、必ず刑務官または法務教官が付き添います。

17.エアポートナース

空港で働く看護師を「エアポートナース」といいます。
エアポートナースには空港内にあるクリニックで働く看護師と、検疫官として働く看護師の2種類があります。空港内にあるクリニックで働く看護師の業務は、一般的な看護師の業務と同様です。一方、検疫官は検疫や衛生調査、健康相談、予防接種などを行います。

18.運転免許センター

高齢ドライバーの増加に伴い、運転免許センターで働く看護師も増えています。
認知機能や運動機能に支障がないか医療従事者目線で判断して、免許の返納を促したり、医療機関の受診を勧めたりするのが仕事です。また、病気や障がいのある人が問題なく運転できるかを判断する際のサポート役として従事しています。

19.コールセンター

自治体や製薬会社、保険会社のコールセンターで働く看護師もいます。
2020年以降は新型コロナウイルスに関する相談窓口もでき、コールセンターで働く看護師の需要は増加傾向に。コールセンターでは主に、健康・病気・怪我・メンタルヘルス・アレルギーなど、健康に不安を抱える人のさまざまな相談に対応しています。

20.ライター

医療関連のメディアで記事を執筆する看護師ライターも増えています。
科学的根拠のないサイトはWeb上で表示されにくいため、医療知識のある看護師が書く権威性のある記事が求められているのです。医療関連のメディアを運営する会社に属して働く人もいれば、フリーランスとして働く人もいます。

看護師資格が使える珍しい求人の勤務先で働くメリット

看護師資格が使える珍しい求人の勤務先で働くメリット

看護師資格が使える珍しい求人には、夜勤がなかったり命に関わる業務が少なかったりなどのメリットがあります。メリットを事前に知って、転職をする際の検討材料としてください。

夜勤がない

看護師の主な勤務先の病院と比べると、夜勤がない仕事が多い傾向にあります。企業や保育園・幼稚園、学校などでの勤務は基本的に日勤のみです。夜勤の仕事がつらいと感じている看護師にとって、夜勤がない仕事はメリットが大きいでしょう。

命に関わる業務が少ない

病院は大病を患っていたり大怪我をしていたりする患者さんも多く、命に関わる場面が多々ありますが、 珍しい求人の大半は急変などが起こる可能性が低いため、命に関わる業務は少なめです。なかでも、大学・看護学校の教員やコールセンター、ライターの仕事では、命に関わる業務どころか、患者さんに接すること自体がほぼないといえます。

看護技術以外のスキルアップができる

看護師以外の職種に就くことで、看護技術以外のスキルアップが望めるでしょう。たとえば、治験コーディネーターとして働く場合や医療機器メーカー勤務の場合は、コミュニケーション力営業スキルの向上が見込めます。また、コールセンター勤務の場合は接遇マナー、ライターとして活躍する場合は看護師の知識を活かしつつ文章力を磨けるでしょう。

看護師資格が使える珍しい求人の勤務先で働くデメリット

看護師資格が使える珍しい求人の勤務先で働くデメリット

看護師資格が使える珍しい求人にはメリットがある一方で、一人で判断しなければならなかったり、給与が下がったりといったデメリットもあります。転職をする際はデメリットをしっかりと理解し、後悔しないようにしましょう。

自分一人で判断して対応しなくてはならない

病院やクリニックで勤務する場合はまわりにほかの看護師がいますが、珍しい求人の職場では看護師が自分一人というケースもあります。そのため、基本的にすべての判断を自分一人で行なわなくてはなりません。命に関わる業務は少ないといえど、看護師が自分一人しかいないプレッシャーを感じる人もいるでしょう。

看護技術のスキルアップが難しい

珍しい求人の職場では看護ケアや医療処置をする場面は少ないため、看護スキルが低下する恐れがあります。処置をしたとしても、怪我の応急処置や発熱時のケアなど軽症の場合がほとんどです。現場で看れない場合は救急搬送になるため、看護技術のスキルアップは難しいでしょう。看護技術の向上をめざす人にとっては、デメリットが大きいといえます。

給与が下がる場合がある

珍しい求人は病院勤務に比べて基本給が低い可能性があるほか、夜勤がない仕事が多いため夜勤手当が得られず給与が下がる恐れがあります。

日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」によると、2交代制勤務の看護師の1ヶ月の夜勤回数は平均4~5回で、得られる夜勤手当は約5万円です。看護師の給料において夜勤手当は大きな割合を占めているため、夜勤のない職場だと必然的に得られる給与は下がってしまうでしょう。

また、看護師以外の職に就くことによって給与が下がる可能性もあります。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、看護師の平均給料は31万2,600円ですが、職種全体の平均給料は30万7,400円です。特に女性だけで見ると、女性看護師の平均給料が31万1,800円なのに対して、全職種の女性の平均給料は25万3,600円と、約6万円もの差があります。珍しい求人への転職を考える際は、給与が下がる可能性があることを理解しておきましょう。

参照元:
日本看護協会「2020年病院看護実態調査」
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

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看護師資格が使える珍しい求人を探す3つの方法

看護師資格が使える珍しい求人を探す方法

看護師資格が使える珍しい求人を探すには、主に3つの方法があります。

  1. 求人サイトで見つける
  2. 知人の紹介
  3. 転職エージェントを利用する

それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合った方法で転職先を探しましょう。

1.求人サイトで見つける

仕事の探し方の基本として、求人サイトの利用があげられます。
ほとんどの求人サイトは無料で会員登録ができ、パソコンやタブレット、スマートフォンからいつでも気軽にアクセスできます。思い立ったときに、すぐに求人をチェックできるのがメリットです。
また、希望条件や経歴などを登録しておくと、会社側からオファーを受けられる求人サイトもあるので活用してみましょう。

求人サイトは自分のペースで仕事探しができる反面、マイペースな人やなかなか行動に移せない人には向いていないといえます。応募や面接のスケジュール調整などを自身で行わなければならないため、転職活動が捗らない可能性があります。

2.友人・知人の紹介

友人や知人に紹介してもらうのも、珍しい求人を探す一つの方法です。
近年は、「リファラル採用」といって、自社の社員から友人や知人などを紹介してもらい採用活動をする企業が増えています。

友人や知人がすでに勤めている会社なので、内情が詳しく聞けるのがメリットです。また、リファラル採用でなくても、友人や知人の紹介であれば、ある程度の内情は聞けるでしょう。
ただし、友人や知人の紹介だからといって、必ずしも採用になるわけではありません。そのため、しっかりと試験や面接の対策をしておきましょう。

3.転職エージェントを利用する

看護師資格が使える珍しい求人を探すなら、転職エージェントを活用するのもおすすめです。
転職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが条件に合った求人の紹介応募書類の添削面接対策などを行っています。非公開求人を紹介してもらえる場合もあるので、上手く活用して求人を探しましょう。

なお、転職エージェントには第二新卒向けや女性向け、IT専門職向けなど、さまざまな種類があります。ターゲットの異なる転職エージェントに登録すると、なかなか希望する求人が見つからず効率が悪くなってしまう可能性があるため、転職エージェント選びは慎重に行いましょう。

まとめ

看護師資格が活かせるのは、病院・クリニックなどの医療機関や介護施設だけではありません。
保育園・幼稚園のほか、ホテルやテーマパーク、イベント会場などでも看護師として活躍できます。また、治験コーディネーターやクリニカルスペシャリストにキャリアチェンジしたり、大学・看護学校の教員になって看護師の育成に携わったりもできます。

看護師資格が使える珍しい求人は、いくつもあります。医療現場以外で勤務したい方や看護師とは異なる職に就きたい方は、「マイナビ看護師」にご相談ください。

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