【質問】カテーテル患者に感染リスクの高い処置を
している同僚、どうしたらいい?
バルーンカテーテルを使用している患者さんがおり、⽪膚トラブルを起こさないようにカテーテルとチューブのジョイント部分をガーゼで巻いていました。
ところが……。ある時期から、別の看護師が尿道⼝からタオルを巻くようになり、尿路が汚染されやすい状態になっています。
『感染リスクが高まるからやめてほしい」と伝えても、「こっちが正解」といい張って、まったくわかってもらえません。どうしたら良いのでしょう。(静岡県在住 看護師歴33年目 55歳)
【回答】ほかのスタッフに協力してもらうことも視野に入れて
まずは「伝え方」を工夫してみましょう
たとえ正しい知識を伝えても、相手が「自分のことを否定された」と感じた場合、素直に受け入れてもらえないケースは数多く存在します。そうした場合、「これまで私のやり方で問題なかったから大丈夫」などと弁明する方も少なくないのですが、ご相談者様の状況はいかがでしょうか。
感染予防というのは、細菌やウイルスが目に見えないだけに、日頃から意識を高めていくことが大事です。
一度伝えても理解が得られない場合、「理解してもらえるまであきらめずに伝え続ける」というのもひとつの方法ですが、伝え方を誤ると前述のようにかたくなに拒否をされる場合も出てきます。
そんなときは、相手が理解しやすいように「感染リスクが高くなる理由」を理論立てて説明し、「行動を変えることを強制する」のではなく、「協力を依頼する」というスタンスで接することが望ましいでしょう。
また、場合によっては相手の言い分にも耳を傾け、その理由に「共感」することで、相手もこちらの話を受け入れやすくなるかもしれません(「共感」であって「同意」ではないので、その点はお間違いなく)。
直接ではなく、「間接的」に伝えてみるのも手
では、相手の立場を尊重した態度で接したのに、それでも受け入れてもらえないという場合は、どうすればいいでしょうか。
相手がかたくなになっているときは、1対1で注意するよりも、間接的にアプローチするほうが話を聞いてもらいやすいもの。「上司に相談してみる」「勉強会を開催するなどして、正しい情報を共有してみる」「会議でスタッフ全体に問題提起して、決まりごとを作ってみる」など、間接的に情報を伝える方法を試してみてください。
なお、これらの方法を試しても相手に変化が見られない場合は、その問題に執着していてもご相談者様ご自身のストレスがたまるだけ。「問題を一度手放す」という勇気も必要ではないでしょうか。より良い進展が見られるようにお祈りしています。