「結婚をしたら看護師の仕事はどうする? 」「結婚の報告は誰から伝えたら良いの? 」など、結婚に関する疑問を抱えている看護師の方もいるでしょう。
この記事では、結婚後の働き方に関するアンケートの結果と結婚に対する考え方、看護師の結婚率について紹介しています。また、結婚報告をするタイミングやマナーについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
看護師の結婚率はどのくらい?
厚生労働省の「年齢別未婚率・有配偶率」のデータによると、看護職の有配偶率は20歳から24歳までが4.2%、25歳から29歳までが24.3%、30歳から34歳までが46.9%、35歳から39歳までが56.5%でした。40歳になるまでに結婚しているのは約半分の割合で、有配偶率が7割を超えるのは40代半ばです。
一方、一般女性の有配偶率は20歳から24歳までが10.4%、25歳から29歳までが38.2%、30歳から34歳までが62.7%、35歳から39歳までが72.4%と、40歳になるまでに約7割の人が結婚しています。
20代から50代をとおして見ると、いずれの年代でも看護職より一般女性のほうが結婚率が高くなっています。
50代になると有配偶率にほぼ差がなくなることから、看護職は一般女性に比べて晩婚傾向にあるといえるでしょう。
結婚についての看護師の考え
前述したデータからもわかるとおり、看護師は晩婚の傾向にあります。看護師が晩婚傾向にある要因には、結婚への考え方が関係しているといえるでしょう。ここでは、結婚や仕事、パートナーについての看護師の考えを紹介します。
結婚よりもスキルアップやキャリアを優先したい
認定看護師や専門看護師、助産師、保健師などの資格を取得して、スキルアップをしたいと考える看護師は数多くいます。資格を取得するには勉強が必要です。取得する資格によっては、進学しなければなりません。そうなると、プライベートの時間はどうしても減ってしまうため、資格取得をめざす期間は結婚が難しいでしょう。恋愛や結婚といったプライベートのことよりも、仕事を優先的に考える看護師は多いようです。
また、女性の場合は結婚をして出産・育児となると、どうしても一時的にキャリアが途絶えてしまいます。そのため、自身のキャリアを優先したい女性看護師の中には、パートナーがいても、なかなか結婚に踏み出せないという場合もあるようです。
経済的に自立しているので結婚しなくても金銭面の不安が少ない
給料が少なく将来の生活に不安を感じていると、経済的に安定したパートナーを見つけて結婚したいと考える人もいるでしょう。しかし、看護師の給料は一般労働者に比べて高い傾向にあります。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均給料は35万1,600円でした。一方、一般労働者の平均給料は30万7,400円で、約5万円ほど看護師の給料のほうが高い結果となっています。また、女性だけの平均給料を見た場合、一般労働者が25万3,600円、看護師が35万600円と、約10万円もの差になります。
看護師は比較的高い給料を得て経済的に自立しているので、金銭面の不安から結婚を考えることは少ないようです。
勤務時間が不規則なのでパートナーとすれ違いが起きないか不安
看護師は早番や遅番、夜勤など、勤務時間が不規則な傾向にあります。勤務先によってはオンコール勤務があり、緊急時に呼び出されることもあるでしょう。また、一般的な企業は土日祝日が休みですが、看護師はシフト勤務が基本になるため休みも不規則です。
そのため、パートナーと連絡が取りづらかったり、なかなか会えなかったりなどして、すれ違いが起きて破局してしまうケースも少なくありません。結婚をしてもすれ違いが起きるのではないかと不安になり、結婚に対して前向きになれないこともあるようです。
家事や育児に協力的なパートナーが良い
看護師は、家事や育児に協力的な人に魅力を感じるようです。
看護師の仕事は想像以上にハードです。体位交換や移乗などで体力が必要なのはもちろん、命に関わる仕事なので精神的な負担もあります。シフト勤務で生活も不規則になりがちで、なかなか疲れが取れない看護師も多いでしょう。
そのため、看護師の仕事の大変さを理解をしてくれて、家事や育児に協力的なパートナーと結婚したいと考える看護師は多いようです。
看護師にアンケート! 結婚してもバリバリ働きたいですか?
「マイナビ看護師」が、看護師209人に行った「結婚後の働き方」に関するアンケートによると、「バリバリ働きたい(働いている)」が87票(41.6 %)、「パートや時短勤務をしたい(している)」が86票(41.1%)、「寿退社をしたい(した)」が36票(17.2%)という結果になりました。
約80%の人がパート勤務や時短勤務を含め、看護師を続けたいという意見でした。なお、看護師から寄せられた意見は以下のとおりです。
- 看護師として働くのが夢だったので、結婚しても働きたい
- 働くかどうかは、結婚相手の生活力による
- 本当は自宅でゆっくりしたいけれど、現実は3交代夜勤をこなして毎日クタクタです
- 理想をいえば、パート勤務をしたかった
- 寿退社をしたけれど、いつの間にか全力で働いています
- 夫の給料だけでは生活できないので、結婚前同様きっちり3交代勤務で働いています
- 今は育休中ですが、育休が明けたら3交代が待っています
- 子供が小さいので扶養内のパートです
結婚後もバリバリ働いている人からは、「本当はパート勤務をしたかった」という意見もありました。これは、看護師の仕事と家庭の両立が大変なためと考えられます。
看護師の結婚におすすめなパートナーの特徴
激務をこなす看護師にとって、支えとなるパートナーの存在は重要です。ここでは、看護師の結婚相手におすすめな人の特徴を紹介します。
看護師の仕事について理解がある人
シフト勤務で働いている看護師は、夜勤があったり土日祝日に出勤したりするなど、勤務時間や休日が不規則です。週休2日制のな社会人とは生活リズムが異なるため、看護師の仕事内容について十分理解していないパートナーの場合、「なぜ休日を合わせてくれないのか」「家族より仕事が大事なのか」という不満が生まれる可能性があります。
そのため、看護師が結婚後も仕事を続けるにはパートナーの理解が重要です。看護師と同じシフト勤務の方や医療関係者であれば、不規則な勤務の大変さや仕事の苦労を理解してもらいやすいでしょう。
家事や育児に協力的な人
看護師の仕事は、体力的にも精神的にもハード。疲れて帰宅して、家事に手が回らないこともあるでしょう。そんなときに、家事や育児に協力的なパートナーは頼もしい存在です。分担して行うことで、時間だけでなく心の余裕もできるでしょう。一方、共働きなのに家事をしないパートナーだと不満が溜まってしまいます。
結婚生活は、お互いを思いやることが大切です。家事や育児の役割分担をして、協力し合えるパートナーが良いでしょう。
お互い仕事が忙しく家事が負担になる場合は、家事代行サービスやミールキットを活用するのもひとつの手です。家事代行サービスの中でもミニメイド・サービスやダスキンメリーメイドサービス、ニチイライフなどは全国展開をしています。また、ミールキットはオイシックスやセブンミール、パルシステムなど、各社でメニューが異なるので自分たちの好みにあった会社を選ぶと良いでしょう。
おおらかで包容力のある人
看護師は普段、めまぐるしく働いています。命に関わる仕事をしているため、責任感や使命感からプレッシャーに押しつぶされそうになる人もいるでしょう。なかには、激務によってストレスが溜まり、パートナーにイライラをぶつけてしまう人もいます。
そのため、家ではゆっくり休めるように気遣ってくれたり、ときには黙って愚痴を聞いてくれたりなど、包容力のあるパートナーが良いでしょう。
近年は新型コロナウイルスの影響で、異性と出会うパーティやイベントが減少しています。また、看護師は多忙なため、パーティやイベントがあっても参加が難しい場合があるでしょう。近頃はオンラインでパートナーを探せる「オンライン婚活」もあります。時間や場所を気にせずにさまざまなタイプの異性と出会えるので、活用してみるのも良いでしょう。
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看護師の結婚報告はいつどうやってするのが正解?
ここでは、結婚報告をするタイミングや伝える順番、内容について解説します。タイミングや順番を間違えるとトラブルになる可能性もあるので、結婚報告のマナーをしっかりと理解しておきましょう。
タイミング
結婚報告は、3カ月ほど前には行うようにしましょう。とくに結婚式をする場合は、自身だけでなく参列をお願いする人のシフト調整も必要です。予定を明けてもらう必要があるので、できるだけ早い段階で伝えるようにしましょう。
なお、結婚をしたら職場で年金や保険の手続きが必要です。そのため、式をしない場合でも最低1カ月前には報告するようにしましょう。
順番
結婚が決まったら、まずは師長に報告しましょう。その後、主任や先輩に報告し、最後に同僚や後輩に伝えます。
結婚することが嬉しくて、思わず仲の良い同僚から話をしてしまいたくなるでしょう。しかし、先に伝えた同僚から話が広がり、人づてに師長の耳に入るのは好ましくありません。結婚は嬉しい話題ですが、大事なことを人づてに聞くのは気分の良いものではないでしょう。そのため、結婚報告をする順番には配慮が必要です。
なお、結婚はあくまでプライベートな話になるため、業務時間外に伝えるのがベストです。
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内容
結婚報告をする際は「結婚します」だけでなく、以下の項目を伝えるようにしましょう。
- 入籍をする時期
- 結婚式をするか
- 結婚式の参列をお願いする場合は式の日取り
- 休暇を取得するか
- 仕事を続けるか
- 仕事を続ける場合の働き方
妊娠をしている場合は、今後の働き方についても相談しましょう。また、結婚を機に引っ越す場合は、その旨も伝えます。
伝え漏れがあるとトラブルになる可能性もあるので、事前に報告する内容をまとめておくのがおすすめです。
結婚で姓が変わったら看護師免許更新手続きが必要
結婚をして姓が変わったら、看護師免許の名前を変更しなければなりません。ここでは、看護師免許を更新する方法や必要な書類を解説します。
手続きに必要な書類
看護師免許の名前変更に必要な書類は、以下のとおりです。
- 籍(名簿)訂正・免許証書換え交付申請書
- 変更事項を証する戸籍抄本または戸籍謄本(発行から6カ月以内のもの)
- 現在の看護師免許証
- 1000円分の収入印紙(申請書の収入印紙欄に貼る)
看護師免許に旧姓も併記したい場合は、氏名の変更経過がわかる戸籍抄本または戸籍謄本が必要です。
参照元:厚生労働省「籍(名簿)訂正・免許証書換え交付申請書」
手続き方法
看護師免許証の名前変更を行う際の手続きの流れは、以下のとおりです。
1.名前変更を行う保健所を調べる
看護師免許証の変更手続きは、就業地を管轄する保健所で行います。就業中でない場合は、自身の住所地を管轄する保健所です。
2.籍(名簿)訂正・免許証書換え交付申請書を記入する
申請書は保健所の窓口でもらえるほか、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。本籍や氏名、生年月日、性別、変更の事由などの指定項目を記入しましょう。
3.申請書を保健所窓口に提出する
記入した申請書と現在の看護師免許証、変更事項を証する戸籍抄本または戸籍謄本を保健所の窓口に提出しましょう。更新手続きには、3カ月から4カ月ほどかかります。
看護師免許更新手続きをする際の注意点
変更手続きは、名前が変わってから30日以内に行いましょう。もしも名前が変わってから30日以上経過した場合は、「遅延理由書」の提出が必要です。
遅延理由書は、申請書と同じく保健所の窓口に用意されています。もちろん、厚生労働省のホームページからダウンロードすることも可能です。
遅延理由書には、氏名・戸籍に変更があった日付・申請が遅れた理由・申請日を記入します。
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看護師が結婚生活を円滑に送るために心がける3つのこと
ここでは、看護師が結婚生活を送るために心がける3つのポイントを紹介します。円満な家庭を築くための参考にしてください。
1.パートナーに高収入を求めすぎない
前述したとおり、看護師の平均給料は35万1,600円、一般労働者の平均給料は30万7,400円と、5万円ほど看護師の給料のほうが高い結果となっています。よって、パートナーよりも高い収入を得ている看護師は多くいるでしょう。
パートナーの仕事内容や企業規模、役職によっては、看護師の給料に遠く及ばない場合もあります。頑張って働いても高い収入が得られず、引け目に感じるパートナーもいるでしょう。
給料格差や金銭感覚の違いなど、お金に関することで夫婦仲に亀裂が入ることはよくあります。そのため、とくに高い収入を得ている看護師は、パートナーに高収入を求めすぎないのが賢明です。
2.家族との時間をできるだけ作るようにする
シフト制で働いている看護師は、勤務時間だけでなく休みも不規則です。
家族より早く家を出る日もあれば、帰宅が遅くなる日もあります。また、一般的な休日である土日祝日に出勤することも多いため、家族と一緒に過ごす時間が短くなってしまうのです。とくに3交代制の勤務をしている看護師は深夜勤と準夜勤が続くことで、家族とまったく顔を合わせない日もあるでしょう。
家族と生活時間が異なるために会話が少なくなり、心がすれ違ってしまうこともあります。そのため、家族とできるだけ過ごせるように休みを合わせるなど、シフトの調整をすると良いでしょう。
3.キャリアプランやライフプランをしっかりと立てる
看護師として働くなかで「認定看護師の資格を取りたい」「管理者をめざしたい」など、スキルアップやキャリアアップに関する目標を持つことがあるでしょう。目標達成のためには、勉強をしたり経験を積んだりする必要があります。
独身であれば、すぐにスキルアップやキャリアアップのために行動を始めても問題ないでしょう。しかし、結婚している場合、パートナーは「これから子どもを作りたい」「勤務時間を減らして家庭中心の生活にしてほしい」と考えている可能性があります。
パートナーに相談せずに行動すると、すれ違いが起きてしまいます。そのため、キャリアプランやライフプランについて、パートナーと話しあって計画しておくことが大切です。
まとめ
看護師は比較的給料が高く自立しているうえ、スキルアップやキャリアアップを優先する人が多いことから晩婚傾向にあります。また、看護師の需要は高く、正社員だけでなくパートや派遣などの働き方が可能なため、結婚後も継続して働く人が多くいます。
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