知らなきゃ困る!? 今さら聞けない一般常識

看護師退職の手続きガイド
【年金・健康保険・失業保険】(後編)

退職をすると、国民年金・国民健康保険への加入や、失業保険を受け取るための申請など、さまざまな手続きが必要になります。前編では、退職・入職のタイミング別に必要な手続きについて詳しく見てきました。後編では、転職の際に必要な生活費や具体的な手続きについて詳しく紹介します。

「年金」の手続き方法

国民年金の被保険者には、第13号の3種類があります。
1号被保険者は、国民年金のみの被保険者で、自営業、フリーランス、学生、無職などです。
2被保険者は、国民年金のほかに厚生年金や共済年金の被保険者で、雇用されて働く会社員・公務員が該当します。
3被保険者は、年収130万円未満で、配偶者や両親(第2号被保険者)に扶養されている人が該当し、年金保険料の支払いを免除されながら、年金の受給資格を得ることができます。

通常、退職後は第1号被保険者となりますが、条件を満たす場合は第3被保険者になることもできます。第1号被保険者の場合、勤務先の厚生年金に加入していた方は、退職の日から14日以内に国民年金の加入手続きをしなければなりません。年金手帳もしくは基礎年金番号通知書を持参し、お住まいの市区町村の役所で加入手続きをしましょう。

年金のポイント

【第1号被保険者への切り替え手続き】
・手続きの期間:退職後14日以内
・手続きの場所:市区町村役所・役場の国民年金窓口
・必要なもの:年金手帳、印鑑、離職票や退職証明書など退職日が確認できる書類

 

【第3号被保険者への切り替え手続き】

・「第2号被保険者である配偶者や両親に扶養されていること」「退職者の年収が130万円未満であること」などの条件を満たす必要がある。
加入手続きは、第2号被保険者の勤務先を経由して年金事務所が行います。必要書類や提出方法は勤務先によって異なるため、担当者に確認が必要。

退職日が月末でない場合は、残日数が少なくても退職した月の分から保険料を納付する必要があります。当年度の所得が少なくて保険料の納付が難しい場合などには、退職(失業)による国民年金保険料の特例免除制度を利用することもできます。窓口で相談してみましょう。
退職者に第3号被保険者である配偶者がいる場合は、配偶者も同時に第1号被保険者への切り替え手続きを行い、保険料を納める必要があるので注意が必要です。
再就職が決まったら、職場に年金手帳を提出し、厚生年金への加入手続きを行って、再び第2号被保険者となります。その際、扶養している配偶者は、再び第3号被保険者となります。
再就職先でも扶養の範囲内で働くというケースであれば、第3号被保険者のままで新たに手続きを行う必要はありません。

「健康保険」の手続き方法

退職後の健康保険は、「国民健康保険に加入する」「それまで加入していた健康保険の任意継続をする」「家族の扶養に入る」のいずれかから選択し手続きを行います。
国民健康保険に加入する方は、健康保険脱退の日から14日以内に国民健康保険の加入手続きをしなければなりません。加入している健康保険から「資格喪失証明書」をもらい、お住まいの市区町村の役所で加入手続きをしましょう。

一方で、健康保険には、所定の要件を満たせばそれまで加入していた健康保険に退職後も一定期間加入できる「任意継続制度」があります。任意継続制度と国民健康保険の保険料を比較して、有利なほうを選ぶといいでしょう。具体的な健康保険の保険料は加入している健康保険組合で、国民健康保険料はお住まいの市区町村で確認できます

「被保険者により生計を維持されていること」「年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者の場合は年間収入180万円未満)」「同一世帯」の条件を満たせば、家族の扶養に入ることもできます。

健康保険のポイント

【退職後に加入する健康保険の選択肢は3つ】
1.「国民健康保険」
2.「それまで加入していた健康保険の任意継続」
3.「家族の扶養に入る」

「失業保険」の手続き方法

勤務先から離職票をもらい、ハローワークに提出しましょう。離職票に提出期限はありませんが、ハローワークで所定の手続きを行わないと、失業保険などの給付が受けられません。また、失業保険の受給期間は、離職日における年齢、雇用保険の被保険者であった期間および離職の理由などにより90360のあいだで決定されます。自己都合で離職をする場合は、下記のように期間が決められています。ただし、被保険者であった期間が1年未満の場合は失業保険の給付が受けられません。

<自己都合退職の場合の失業保険受給期間>

(ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」をもとに作成)

失業保険のポイント

【失業保険を受け取るまでの流れ】
1.退職した職場から離職票を受け取る
  ↓
2.ハローワークで求職の申し込み手続きをする
[必要なもの]離職票、雇用保険被保険者証、本人確認書類(運転免許証など)、写真2枚、本人名義の預金通帳、印鑑、求職申込書、個人番号確認書類(マイナンバーカードなど)
  ↓
37日間待機
  ↓
4.雇用保険受給者説明会に参加する
  ↓
51回目の失業認定を受ける
  ↓
6.初回の失業認定日後、3カ月の給付制限ののちに初給付
(会社都合退職など、給付制限がない場合は認定後、約1週間で初給付)
  ↓
7.以降は、再就職または給付期限終了まで、4週間に1回の失業認定と給付を繰り返す

転職までに必要な貯金は生活費の約4カ月分!

生活費に不安があると、なかなか落ち着いて転職活動もできませんよね。下記Aさんの月々の生活費の例をもとに、転職までに蓄えておきたい貯金額を計算してみましょう。

 

Aさんの 1カ月の生活費】
10万円

[内訳]
・家賃 5万円
・水道光熱費 1.5万円
・通信費 0.5万円
・食費 2万円
・その他の出費 1万円


A
さんは毎月決まって支出する金額が約10万円です。そこで、再就職までの期間や、新しい職場から給料が支払われるまでの時期を計算して、必要な生活費を事前にためておきましょう。

【退職時に転職先が決まっている場合】

生活費10万円×1カ月~2カ月=目標貯金額10万円~20万円
給料の支払日は就職先によって異なり、なかには「25日締め、翌20日支払い」など、支給日がかなり先になるケースもあります。また、初回の給料は勤務開始日の関係で、満額支給されない場合も。再就職先の給料規定に合わせて、生活費の1カ月~2カ月分の貯金をしておきましょう。

【退職をしてから転職先を決める場合】

生活費10万円×4カ月(失業保険受給までの間)=目標貯金額40万円
前項で紹介したように、在職中に雇用保険に加入していた方は、ハローワークで手続きをすれば失業保険が受け取れます。しかし、自己都合退職の場合、失業保険が給付されるのは7日間の待機期間が満了してから約3カ月後です。落ち着いて就職活動をするためにも、失業保険が受け取れるまでの4カ月分の生活費を事前に貯金しておきましょう。

まとめ

転職を成功させるためには、落ち着いて自分にふさわしい転職先を探すことが大切です。転職を考え始めたらお金の心配をせず就職活動に集中できるように、事前に準備をしておきましょう。

文:FPライター 斉藤

<関連記事>
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<参考>
日本年金機構ホームページ 国民年金に加入するための手続き
東京都福祉保健局ホームページ 国民健康保険の加入・喪失手続
地方職員共済組合ホームページ 退職後の医療
全国健康保険協会ホームページ 任意継続とは
ハローワークインターネットサービス 基本手当について
ハローワークインターネットサービス 雇用保険の具体的な手続き

 

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