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ウイルスを防いでかぜやインフルエンザ知らず! 必要な栄養素とその摂取方法は?

第59回目

かぜやインフルエンザを予防するには、ウイルスに負けない体をつくることが、なにより大事。そして、そうした体をつくるには「栄養バランスのとれた食事」と「良質な睡眠」が基本になることは、いうまでもないでしょう。とはいえ、「栄養バランスの大切さはわかっているけど、どんな栄養素をとればいいかまではわからない」という人が多いのも事実。そこで今回は、管理栄養士・分子栄養学カウンセラーの篠塚明日香さんに、免疫力を高め、ウイルスから体を防御するために必要な栄養素とそれらの摂取方法について教えてもらいました。しっかり覚えて、かぜやインフルエンザ知らずの毎日を送りましょう!

人間の体内には2段階で防御システムが用意されている

新型コロナウイルスの世界的な流行もあり、「免疫力」という言葉が連日メディアを賑わせています。もはや説明の必要はないと思いますが、免疫力はウイルス感染で引き起こされるかぜ、あるいはインフルエンザの予防にも大きく関わる機能。健康な毎日をおくるためにも、免疫力を高めることは、とても大事です。

ところで、免疫力とは、具体的にどのような働きを指す言葉なのでしょうか? まずはそこから見ていきましょう。病原菌やウイルスのような外敵から体を守るために、人間の体内に次のような2段階の防御システムが用意されています。

①外敵が体に侵入しないように防御するシステム
②侵入してしまった外敵を排除するシステム

簡単にいえば、第1段階が「防御」で、第2段階が「攻撃」といったところ。人間の体にはこうしたシステムが生まれつき備わっていますが、この二つにはそれぞれに“働きを助けるための栄養素”があり、それらを欠乏させないことと強化することが、ウイルスに負けない体をつくるポイントになります。

では、一つめの「外敵が体に侵入しないように防御するシステム」に必要な栄養素から説明していきます。

外敵の侵入を防ぐために、最前線で働く兵士のような役割をしているものは、なんだと思いますか? そう、のどや鼻、腸などの粘膜です。それらの粘膜のなかには外敵を排除するIgA抗体があり、ウイルスや細菌などの病原体を感知すると、つかまえて動けなくしてくれます。そして、活動できなくなった病原体は、最終的に便として排泄されます。つまり、このIgA抗体をしっかりつくれるようにすることが、風邪やインフルエンザの予防に役立つわけです。

では、どうすればIgA抗体を増やせるのでしょうか?栄養学的見地からいえば、ビタミンAをとることを推奨します。ビタミンAは、IgA抗体をつくるのに欠かせない材料であるほか、粘膜の強化にも役立つ栄養素です。粘膜が弱い状態——。たとえば、ドライアイやドライマウス、いつものどからかぜをひくといった症状が多い場合は、粘膜が弱い状態ですから、意識的してビタミンAを摂取するようにしましょう。

ビタミンAがとれる食材とおすすめの時短スープレシピ

ビタミンAを豊富に含む食材の代表格といえば、卵やレバー。レバーの串焼き1本で、国の推奨量の約3日分のビタミンAをとることができます。

ビタミンAは体内にある程度の量を溜めておけるビタミンなので、「週に1回はレバーを食べる」などの食習慣を身につけるといいと思います。レバーが苦手な人は、卵を毎日1~2個程度食べるといいでしょう。

また、ビタミンAの摂取源は、緑黄色野菜に含まれるβカロテンでもOKです。βカロテンは、「体内で必要な分だけビタミンAに変換される」という特性を持ったすぐれもの。色の濃い野菜を取り入れてカラフルなメニューを意識するだけで、自然にβカロテンがとれるので、ぜひ実践してみてください。ちなみに、βカロテンが多い野菜としておすすめしたいのはかぼちゃ。調理に手間がかかるイメージがありますが、最近はフレーク状になった便利な素材も売られているので、時間がない方はそちらを利用するのも手です。

下に、かぼちゃフレークを使った簡単なポタージュレシピを紹介しておきますので、朝食やおやつにぜひ取り入れてみてください。

◎混ぜるだけの簡単かぼちゃのポタージュ

【材料】1人分
・かぼちゃフレーク(粉タイプ)……30g
・牛乳または豆乳……150㏄
・固形コンソメ……1/2個

【つくり方】
すべての材料を鍋にいれて火にかけ、とろりとしたらできあがり。お好みでバターを少々入れてもおいしいですよ。

ウイルスからの防御力をサポートするビタミンC

続いては、「侵入してしまった外敵を排除するシステム」に必要な栄養素を見ていきましょう。

粘膜から外敵の侵入を防げなかったとき、次に働くのは免疫細胞の白血球です。白血球はまるで生き物のように動いて、外敵を食べてくれる心強い存在ですが、その白血球の動きをよくする栄養素は何かというと? ビタミンCです。

体のなかのビタミンC濃度がしっかりしていれば、白血球の動きがよくなって、かぜやインフルエンザにかかりにくい状態(ウイルスから体を守れる状態)がキープできます。ただし、ここで忘れてはいけないのが、「ビタミンCを一度にたくさんとっても、数時間で体外に排泄されてしまう」という事実。ビタミンCは水溶性ビタミンであるため、体にためておくことができないのです。そのため、ビタミンCは「こまめに摂取すること」が大事です。

たとえば、かぜ予防のために1日2000㎎のビタミンCをサプリメントでとるとします。その場合は、1日1回まとめて2000mg飲むのではなく、1000㎎ずつ、朝、夕の2回にわけて飲むほうが体内のビタミンC濃度を長時間維持できるでしょう。また、ビタミンCは、飲酒や喫煙、ストレスなどで消耗してしまうビタミンなので、それらの生活習慣がある人は、より多くのビタミンC摂取を心がけましょう。

食品では、野菜や果物に多く含まれており、赤ピーマンやブロッコリー、レモン、いちご、キウイなどがおすすめです。「そうはいっても、新鮮な野菜や果物を毎食とる時間がない」という人は、補助的にサプリメントに頼るのもいいと思います。

知っておきたいビタミンCサプリメントの選び方

ビタミンCは、化学名称で「アスコルビン酸」といい、とても酸味がつよい成分です。サプリメントに頼る場合は、このアスコルビン酸だけがとれるサプリメントを選ぶのがいいでしょう。

コツは成分表示を確認して、できるだけ添加物が少ないものを選ぶこと。市販品にはたくさんの商品がありますが、飲みやすくするために、固めたり、甘みをたしたり、ツルリとさせたりという加工のための添加物や人工甘味料が入っているものがほとんどです。できるだけ添加物が少なものを選んで、効率よくアスコルビン酸をとりましょう。

ただし、添加物が少ないほど酸味が強くて飲みにくい傾向があるので、いろいろ試しながら、好みの形状や味を探してみてください。粉末のアスコルビン酸も売られていますが、とても酸味が強いので水に溶かして飲みましょう。タンブラーにアスコルビン酸入りの水を入れて持ち歩き、こまめに補給するのもいい方法ですが、時間がたつと酸化する心配もあるため、その場合は早めに飲み切ってください。

もっとも重要なのはたんぱく質

ここまでは、ビタミンAとビタミンCの重要性について解説してきましたが、かぜやインフルエンザの予防対策は、それだけで十分なわけではありません。

なぜなら、防御に働く粘膜も、IgA抗体も、白血球も、すべてたんぱく質からつくられているからです。加えて、ビタミンAは体内でRBP(レチノールバインディングプロテイン)という運搬用たんぱく質のなかに入れて運ばれます。つまり、たんぱく質が不足した状態でビタミンAばかりとっても、体内でうまく使えないということになるのです。

それをふまえて、食事では毎食たんぱく質が入ったメニューをとるようにしてください。肉、魚、卵、大豆をローテーションで食べるようにすれば、たんぱく質以外の栄養素もしっかりとれるので、さらにバランスがよくなりますよ。

繰り返しになりますが、かぜやインフルエンザに負けない体をつくるには、主食・主菜・副菜の組み合わせを意識したバランスのいい食事と、十分な睡眠があってこそ。まだまだ寒い日が続きますが、食事と睡眠の意識を高めて、はつらつとした日々を過ごしてください。

撮影/櫻井健司

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篠塚 明日香(しのつか あすか)

プロフィール

篠塚 明日香(しのつか あすか) 管理栄養士/分子栄養学カウンセラー

1977年、茨城県に生まれる。管理栄養士、分子栄養学カウンセラー。東京家政大学短期学部栄養科卒業後、老人介護保健施設での給食管理の実務を経て管理栄養士となる。体調不良をきっかけに、栄養療法クリニックのカウンセラーに転職。中医学や分子栄養学を学びながら、栄養療法で自身の副腎疲労を改善した経験を持つ。
現在は、フリーランスとして分子栄養学を一般家庭でも使える知識まで落とし込んだセミナーを開催。1,000人以上の体調不良者の血液検査データを見てきた経験を活かし、個別の栄養相談にも対応するなど、分子栄養学の普及活動をしている。その他、エステティックサロンでの専属講師としてダイエット指導、企業商品の考案などにも携わる。

所属:合同会社スリップストリーム: https://slipstream-web.com/

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