• 2023年8月26日
  • 2023年8月22日

看護師免許は再発行できる? 手続き方法や必要書類について解説

 

看護師免許の原本は、転職や更新手続きの際に提出しなければならない重要な書類です。運転免許証や保険証のように手に持てるサイズのカードではなく、B4サイズの書類となっているうえ、日常的に携帯する必要はないため自宅に保管している方も多いでしょう。

しかし、いざ看護師免許の原本が必要となったとき、保管していたはずの場所に看護師免許の原本がないことに気づくケースや、大切な物入れの奥底に保管していたことから破損・汚損していたケースも少なくありません。この場合は、看護師免許の再発行が必要です。

そこで今回は、看護師免許の再発行の可否・再発行に必要な書類・再発行の手順を詳しく解説します。さらに、再発行前に看護師免許が必要な場合の対処法と看護師免許を失くさないためのコツも紹介しているため、ぜひご一読ください。

看護師免許は再発行できる?

看護師免許を紛失したとき、または破損・汚損したときは、保健所にて申請手続きを行うことで再発行が可能です。

再発行申請手続きの注意点として、就業中の方と離職中の方とで申請場所が異なることもおさえておきましょう。就業中の場合は、勤務先を管轄する保健所が申請先であり、離職中の方は住民票に記載の住所地を管轄する保健所が申請先となります。

また、紛失・破損・汚損の際は再発行しなければなりませんが、結婚などで姓や本籍が変更されたときは再発行手続きではなく、看護師籍訂正および免許証書換え交付申請が必要です。

なお、准看護師免許証の再発行手続きは、居住地の保健所で可能です。ただし、准看護師免許が交付された都道府県以外の保健所で手続きを行う場合は、取得した都道府県の手数料を支払わなければならない点に注意してください。

ここからは、看護師免許の再発行に必要な書類を詳しく説明します。

(出典:公益社団法人 兵庫県看護協会「看護師等免許の書換え及び再交付」
(出典:ひろしまナースネット「保健師・助産師・看護師の免許証の再交付を申請するとき」
(出典:厚生労働省「○保健師免許証、助産師免許証、看護師免許証の再交付申請手続について」
(出典:板橋区「准看護師免許証の再交付」

看護師免許の再発行に必要な書類

看護師免許の再発行に必要な書類には、下記が挙げられます。

  • 看護師免許証再交付申請書
  • 本籍地が記載された住民票もしくは戸籍抄本(謄本)
  • 手数料額分の収入印紙(3,100円)
  • 破損・汚損した免許証の原本(用意できる場合のみ)
  • 顔写真付き身分証明書

住民票や戸籍抄本は、住所を置いている地域の役所や行政サービスの窓口にて手続きを行えば、当日に取得できます。申請窓口で手続きを行う時間がない場合は、郵送による請求も可能です。

また、マイナンバーカードを所有している場合は、コンビニで簡単に発行できます。コンビニ交付サービスを利用すれば夜間でも取得できるため、最速の方法といえるでしょう。

なお、住民票と戸籍抄本の取得に必要な料金は、下記の通りです。

  役所・行政サービスの窓口 コンビニ交付サービス
住民票 300円(税込)/1通 200円(税込)/1通
戸籍抄本 450円(税込)/1通

(出典:厚生労働省「14.免許証再交付申請書」
(出典:新宿区「住民票等の証明」
(出典:大阪市「戸籍謄本・戸籍抄本の交付請求」

看護師免許を再発行する手順

看護師免許を再発行する手順

看護師免許を再発行したいときは、事前に準備できる必要書類を揃えたのち、適切な保健所にて再発行の申請手続きを行うことが基本です。

ここからは、看護師免許を再発行する際の手順を詳しく説明します。添付書類を準備しておくだけでなく、あらかじめ手順を把握しておくことで、よりスムーズに看護師免許を再発行できるでしょう。

申請書を用意する

看護師免許を再発行したいときは、住民票や戸籍抄本の発行とともに、免許証再交付申請書も用意しておきましょう。再交付申請書は、申請者本人がわざわざ保健所の窓口に出向かなくても、インターネット上から簡単にダウンロードすることが可能です。

再交付申請書のダウンロードはこちら

上記のフォーマットをダウンロード・印刷したのち、記載されている項目に従って情報を記入しましょう。事前に記入しておけば、保健所での再発行手続きがスムーズになります。

再交付申請書は本籍地や氏名、生年月日、住所といった基本情報のほか、看護師免許の登録番号や取得年月日も記入しなければなりません。取得年月日を思い出せない場合は、管轄の保健所に問い合わせるか、窓口に届け出るまで空けておくとよいでしょう。

窓口に届け出る

再交付申請書をはじめとした必要書類の準備が済んだら、それらを持って保健所に出向き、窓口で看護師免許の再発行をしたい旨を伝えます。前述の通り、就業中の方は就業先を管轄する保健所、離職中の方は住所地を管轄する保健所が申請先となることに注意してください。

看護師免許の再発行手続きでは、準備していた申請書類もすべて提出し、担当者によって細かくチェックされます。万が一、書類の記入内容にミスがあったときは書き直しまたは訂正の必要があるため、印鑑も忘れずに持っていきましょう。

再発行された免許を受け取る

保健所にて看護師免許の再発行手続きを行ってから4か月程度が経てば、自宅に「免許証交付のお知らせ通知」が郵送されます。この通知が届き次第、申請した保健所の窓口まで再発行された看護師免許を受け取りに行きましょう。

再発行された看護師免許を受け取る際には、下記の持ち物が必要です。

  • 自宅に郵送された免許証交付のお知らせ通知
  • 印鑑
  • 顔写真付き身分証明書

また、窓口での免許証受け取りは本人ではなく代理人でも可能ですが、代理人受け取りの際は委任状が必要となることも覚えておきましょう。

再発行される前に看護師免許が必要な場合は?

再発行される前に看護師免許が必要な場合は?

保健所窓口での看護師免許再発行申請から、実際に再発行された看護師免許証が手元に届くまでには4か月程度の期間がかかるといわれています。そのため、紛失や破損・汚損に気づいた時点で速やかに再交付手続きを行うことが大切です。

しかし、転職や免許更新などで再発行期間中に看護師免許証が必要となった場合はどうすればよいのでしょうか。

厚生労働省では、免許証の発行期間中に免許証が必要となった方に向けて「登録済証明書」を発行しています。登録済証明書とは、免許証代わりに使用できる書類のことで、希望すれば約1か月で厚生労働省から自宅へと郵送されます。

登録済証明書は、厚生労働省のホームページ「医師等免許登録確認システム」からオンラインで発行できます。発行の主な流れは、下記の通りです。

STEP1 医師等免許登録確認システムにアクセスし、申請情報を入力する

STEP2 申請情報の入力が完了後、仮登録を経て本登録を申請する

STEP3 厚生労働省にて申請内容の確認が行われたのち、本登録完了メールが送付される

STEP4 本登録完了メールの内容に従って、登録済証明書を発行する

本登録申請から本登録完了メールの受信までは、厚生労働省による審査が行われるため一定の期間を要します。おおよその期間は1か月程度ですが、年度当初の繁忙期には2か月程度の期間を要する可能性があることも覚えておきましょう。

(出典:厚生労働省「04.免許申請にかかる留意事項について
(出典:厚生労働省「保健師・助産師・看護師の皆様へ」
(出典:千葉市「登録済証明書とは」

看護師免許を失くさないようにするコツ

看護師免許を失くさないようにするコツ

看護師免許証は紛失や破損・汚損しても再発行は可能ですが、多大な時間と手間を要するだけでなく、転職や免許更新がスムーズに進まなくなる可能性があるため、なるべく紛失や破損・汚損のないよう適切な場所に保管しておくことが大切です。

看護師免許を失くさないようにするためにも、下記3つのポイントをおさえておきましょう。

  • 保管場所を決めておく
  • 基本的には持ち出さないようにする
  • 原本のコピーを数枚とっておく

看護師免許が必要となるシーンは、転職や免許更新など非常に限られています。また、転職先から免許証の提出を求められたときはコピーでも問題ないとされることも多いため、まずはコピーを数枚とっておき、持ち出しやすい場所に保管しておくとよいでしょう。

そして、看護師免許の原本は「基本的に持ち出さない」とルール付け、保管場所を決めることが大切です。保管場所を定期的に変えていると紛失のもととなるため、一度決めた保管場所で固定しておきましょう。

紛失した免許証が見つかったときは?

看護師免許証を再発行した後に紛失したはずの免許証が出てきたときは、元の免許証を保健所へ返納しなければなりません。返納先の保健所は、就業中の方は就業先を管轄する保健所、離職中の方は住所地を管轄する保健所となります。

看護師免許の返納時は、免許証返納書と印鑑が必要です。忘れずに持っていきましょう。

なお、紛失した看護師免許が見つかってから5日以内に返納手続きを行わなければ、遅延理由書を提出しなければなりません。そのため、速やかに返納するようにしましょう。

まとめ

看護師免許を紛失、または破損・汚損したときは、保健所にて申請手続きを行えば再発行できます。再発行手続きから実際に看護師免許が手元に届くまでには4か月ほどの期間を要するため、期間中に看護師免許が必要な場合は登録済証明書を活用するとよいでしょう。

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※当記事は2023年6月時点の情報をもとに作成しています

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