• 2024年5月13日
  • 2024年5月13日

【5月12日は看護の日】「私の心温まった看護エピソード」~#看護師さんへ届けこの思い~

 

5月12日は「看護の日」。ナースプラスでは、医療の最前線で尽力する看護師の皆さんに心から感謝の思いを届けるために、医療系インフルエンサー5名の方々に心温まった看護エピソードを伺いました。

日頃の看護業務にまつわるお話から、患者さまとの関わりの中で感じた想い等、インフルエンサーの皆様の実体験を基にした忘れられないエピソード集になります。(一部フィクションも含みます。)看護の日を記念した特別なエピソードをぜひご覧ください!

▶ハリセンボンはるか「入院中、看護師さんの雑談に救われた」患者から見た医療従事者の“名もなき仕事”

▶︎「看護師は向いてなかった……でも」おかずクラブ・オカリナさんが語る看護師経験から得たもの

①看護師インフルエンサー・ハルさん(ハルジローのオンライン看護学院〕

「心打たれた家族の言葉」

小児集中治療室の夜は、静けさと緊張が入り混じる独特の空気を持つ。
私はそこで働く看護師で、この夜も例外ではなかった。
しかし、その日が来るまで、私は自分がどれほど強くなければならないか、そして同時にどれほど脆い存在かを知らなかった。

数ヶ月前、小さな命が緊急で運び込まれてきた。
私はこの顔に見覚えがある。以前入院していた子だ。
心臓が止まり、私たちは必死に心臓マッサージを施した。
それでも、小さな体は反応を示さなかった。時間は容赦なく過ぎ、希望は次第に霧散していった。

そして、家族が到着した。彼らは以前、患児が入院していた際、
日々病院を訪れては、その小さな手を握りしめていた。
その温かさに、私たちスタッフとも家族の一員のように交流があった。

彼らが部屋に入った瞬間、絶望的な現実が彼らを襲った。
号泣する家族の姿は、私の心をも無力感で満たした。彼らの悲しみは深く、それでも彼らは強さを見せた。

「抱っこしてあげてください」という母親の声は、私の魂に響いた。

その瞬間、私は医療者としての自分と、ただの人間としての自分が交錯するのを感じた。
私は、その小さな体を優しく抱きしめた。
わずかに残るかすかな温もりは今も私の記憶に深く刻まれている。
その時、私は涙を流した。自分の力のなさ、生と死の境界で何を感じ、何を思うのか。
そして、こんな時でも温かさを分け与えることのできる家族の強さに。

私は、患者を救う立場にあると同時に、彼らに救われているのだと深く感じた。
看護師として、また一人の人間として、その経験は私を成長させ、
私の看護への姿勢を深く刻まれている。
私たちはしばしば、自分の専門性や技術に自信を持ち、それに依存する。
しかし、この夜は私に、医療の現場で最も重要なのは、技術や知識だけではなく、
人間としての温かさと寄り添う心だということを教えてくれた。
この痛みとともに、家族との絆、患者との絆を大切にし、それを力に変えていく、
その理念を胸に仕事を続けていく。

看護師インフルエンサー・ジローさん(ハルジローのオンライン看護学院〕

まだ生きていますよね?

新人で集中治療室に配属となって、私がまだ2年目の頃。
80代の末期心不全患者さんを夜勤で受け持ちました。
人工呼吸器を装着しており、先輩は申し送りで「今日はもう、もたないかもしれない。」と言っていました。

16時に患者さんと対面。
意識はなく、人工呼吸器の音だけがする部屋に、患者さんの奥さんは座っていました。
挨拶をすると、奥さんは明るく返答してくれました。
その明るさとは対照的に、17時、18時、19時、20時、21時と時間が経つにつれ、患者さんの心拍数は徐々に低下して行きました。

「そろそろ先生を呼ぼうか」
22時。消灯されたICUのフロアで、リーダー看護師はカーテンの外でモニターを見ていた私に、そう声掛けをしてくれました。
23時。心拍数も下がり、心拍がまばらになってくる頃。主治医が部屋の前に現れました。一緒に揺らぐ心拍をモニターで眺める時間が続きました。そして、消えそうな心拍。まずは私から奥さんに関わりたいと思い、主治医には合図をしたらカーテンの内側に入ってもらうことにしました。

もうすぐ0時。部屋に入ると、私の対面に座っている奥さんが、私に患者さんとの結婚前の思い出の話を始めました。

「心拍数0」と表示されているモニターを私はそっと自分に向けて、アラーム消音ボタンを押し、話を聞き始めました。終始笑顔で話をされている奥さん。

消音ボタンを5回ほど押した頃。
奥さんは「まだ生きていますよね?聞こえていますよね?」と私に声を掛けました。
「聞こえていますよ。」と私は返答しました。

それから消音ボタンを2回ほど押した頃。
「主治医の先生も来ています。入ってもらいましょうか。」と私から奥さんへ声がけをし、主治医にカーテンの中に入ってもらいました。

その後は、少し話があった後、主治医が使うペンライトの光、呼吸器を切る音、聴診器を胸に当てる姿を医師の白衣の後ろから見守り、時間が読み上げられました。

時間は翌日0時×分。
私は今でも、私と患者さんと奥さんのあの空間の中で、患者さんは0時×分まで確かに生きていたなと思います。

“生きている”ということは“人との関わりの中で生じている”。
“数値では表せない”と言うことを学ばせていただいた体験でした。

看護師インフルエンサー・QQナーシングさん

「つないだ命と笑顔」

心肺停止の状態で救急搬送されてきた40代の男性がいました。
付き添いには泣きながら旦那さんに声をかけ続ける奥様と小さな男の子。

救急外来でなんとか自己心拍は再開し、急性心筋梗塞の疑いで緊急の心臓カテーテル治療が始まりました。

心臓カテーテル治療中も心室細動を起こし除細動するなどかなり緊迫した状況でしたが、なんとか再還流し、集中治療室へと申し送ることができました。

ただ、命は助かったけれど、どれくらいの後遺症が残るのか、社会復帰はできるのか、ご家族は…など心配でならなかったです。

数週間経ったある日、男性が歩いて
「今日退院します、救急車で来た日のことは全然覚えていないけど、お世話になったようで、ありがとうございました。」
とわざわざ救急外来に寄って挨拶をしてくれました。

隣には笑顔の奥様と男の子がいました。
大きな後遺症もなく歩いて退院することができたことがあまりにも嬉しく、胸が熱くなりました。

緊張感が強く厳しい場面も多々ある現場ですが、こういう嬉しい出来事があるからこそ前に進み何度も頑張れるのだなと思いました。

看護師インフルエンサー・ミユチャンヌさん

「会話が全てじゃない」

入職して徐々に受け持ち患者さんが増えた頃、多重課題に直面し、
何から手付けたらいいか分からなくなっていた時に、焦りと自分の不甲斐なさで泣いてしまった事がありました。

それから気持ちを切り替えて再度患者さんの元に向かった時、泣いた事はその日受け持ちだったほとんどの方に気付かれなかったけれど、連日受け持ちだった90代女性患者さんから、

「どうしたの?辛い事でもあった?」と声をかけられて、再び涙が溢れてしまいました。

その方は基本的にベッド上で、ニコニコしているものの普段声をかけてもあまり喋らず、
窓の外を眺めている方だったので、その言葉にとてもびっくりしたのを覚えています。

「自分の要領の悪さが悔しくて…こんな事でAさんの前で泣いてしまってすみません」と返すと、

「一生懸命やってるじゃない。あなたの名前は分からないけど、いつも担当でニコニコしてるから顔は覚えてるよ。ゆっくり頑張れば良いんだから泣かないで」

と励ましの言葉を頂きました。

会話が少なくても、日頃の表情や態度から私自身を見て下さっていた事を知って、とても嬉しくなり、これからは焦らず自分のペースで、私にしか出来ない看護をして行こうと心に決めました。

それと同時に、『名前覚えてないんかい笑』と内心ツッコミ、ほっこりと心温まりました。

薬剤師インフルエンサー・ひゃくさん

「小さな気配りが信頼へ」

ある日、薬剤師の私は病棟を訪れ、患者さんの薬の説明をしていました。
その時、隣のベッドで、ある看護師さんが患者さんに声をかけているのが聞こえました。

「今日は、薬剤師の○○さん(私)が来てくれていますよ。いつも皆さんのために一生懸命ですから、何か質問があれば遠慮なく聞いてくださいね。」

その言葉を聞いた瞬間、私は驚きました。

看護師さんが私の名前を患者さんに伝えてくれているなんて、想像もしていませんでした。

病院という大きな組織の中で、私はただの一員でしかないと思っていました。

その後、私はその看護師さんに感謝の言葉を伝えました。

「私の名前を覚えていてくれて、ありがとうございます。
 患者さんに私のことを伝えてくれたこと、とても嬉しかったです。」

その時、看護師さんは微笑みながらこう言いました。

「もちろんです。○○さんはいつも私たちと一緒に
 患者さんのために頑張ってくれていますから。
 一人ひとりを大切にすることは、私たちの仕事ですからね。」

この出来事は、私にとって忘れられない経験となりました。

仕事をする上で、人と人との繋がりがいかに重要であるか、
そして、小さな気配りが周りの人々に大きな影響を与えることができるということを学びました。

私も、その看護師さんのように、周りの人々に気を配り、支え合う心を持ち続けたいと強く思いました。

マイナビ看護師公式Instagramでは、2024年5月12日から17日までの看護週間中、看護師さんへの特別な応援メッセージと心温まる感動リール動画を毎日配信します!ぜひご覧ください。

また、感謝の思いの輪を広げるために、ぜひ皆さんの気持ちや感想も「#看護師さんへ届けこの思い」をつけてSNSでご投稿ください!

皆さんの思いと一緒に、ぜひ拡散してもらえると嬉しいです!!

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