• 2020年1月28日
  • 2023年12月27日

【直前対策】看護師国家試験の理想的な勉強法

 

看護師国家試験直前! ここでは国試対策の効果的な勉強法をご紹介します。実習やアルバイトなどが大変で、直前まで国試の勉強を開始できない方も多いと思いますが、やる気が出ないときの対策や隙間時間でもできる勉強方法についても触れておくので、ぜひ参考にしてください。

合格につながる勉強だけをしよう

教科書は量が多く、学術的な順番で書いてあるため、繰り返し読むことができません。そこで活用したいのが、レビューブックに代表される要点集。良く出る要点をプロが厳選し、わかりやすくまとめてくれているのでおすすめです。

勉強の範囲を絞ることに不安を覚える方もいるかもしれませんが、心配は無用です。国試は質と難易度を一定に保つために、過去の問題を一部変更したものが約4問に1問程度あるといわれています。では、なぜ毎回同じような問題が出るのでしょう。それは、臨床に出てからも大切でよく使う知識だからです。つまり、要点集に載ってないような珍しい内容にまで勉強の幅を広げるより、集中して要点集に取り組んだ方が効率的なのです。

ただ、要点集にはよく出る範囲がまとめられているものの、どの深さまで覚えれば良いかまではわかりません。その点をカバーするにはどうすればいいか。問題集の出番です。国試の過去問を実際に見てみると、どこまで勉強すればいいのかが一目でわかります例えば、「12脳神経の役割」を選ぶ問題が載っていたとすれば、「12脳神経の名前や順番だけでは不十分で、役割まで覚えなくては!」ということが把握できるわけです。効率を上げ、合格につながる知識を身につけるためにも、要点集と問題集をリンクさせながら勉強を進めるようにしましょう。

あなたの24時間を上手に活用しよう

時間を有効に使うために大切なポイントは二つあります。一つは考える時間を使わないことです。問題集を解くとき、あなたは1問に何秒の時間をかけますか? ついやってしまう間違いが、問題を読んだあと、正解を考える時間を取ってしまうことです。厳しい話になるかもしれませんが、問題を読んで「1秒」で答えがわからないのは、知識が不足している証拠です。そして、「1かな、2かな」と正解を迷っていると、ほかの問題に取り組む時間を失ってしまいます。知識を増やすことを意識した勉強を心がけましょう。

といっても、やみくもに問題集を解くだけでは、知識は一つも増えません。1秒だけ正解を考え、解説を読む→わからないところを調べる→要点集の項目に戻って復習をする(例えば、三叉神経の役割が出題されていた場合、要点集では12脳神経の項目まで戻って、他の脳神経の役割も復習します)という工程こそが、知識と理解を深めるためのポイント。地道な作業で大変ですが、繰り返し復習を行えば「わかった」という範囲が、少しずつ確実に増えていくはずです。要点集を読むときも、赤字を赤いシートで隠すなどして、1秒だけ考えながら読み進めるようにしましょう。

次に二つめのポイント。それは、「やらないもの、やめるものを決める」ということです。1日は24時間しかありませんから、新たに「要点集を読む」「問題集を解く」という習慣を追加する場合、その時間を作るために何かをやめなければいけません。スマホのゲームやSNSなど、まずは日常生活の中の何をやめるかを選んでみてください。何もやめずに、勉強の時間を追加していくと、忙しすぎて三日坊主になりかねませんよ。

あわせて、普段の生活の隙間時間を上手に活用することも実践しましょう。洗面所やトイレなどの壁に覚えたい内容の紙を貼ったり、移動中に自分がレビューブックを読み上げた音声やYouTubeを聴いたりするのが効果的です。国試本番までの時間には限りがあります。時間を有効に使いながら、しっかりと知識を増やしてください。

勉強がはかどるための工夫をしよう

国試の勉強は、暗記が必要だったり、理解に時間がかかったりするため、なかなか進みません。「さぁ、やろう」と思っているのに、眠気が襲ってくることもあります。そんなときにおすすめの方法は「歩きながら声に出して読む」ことです。私自身もよく使う方法なのですが、体を動かすので驚くほど目が覚めます。また、記憶は感情が動くほど定着するといわれているので、問題を解くたびに「やったー!」「間違えた!」と声を出してみるのもいいでしょう。

一人では勉強が進まないからと、友達と一緒に勉強をする方もいると思いますが、その場合は注意が必要です。下記に当てはまらない場合は、「楽しかったけど、あまり進まなかった」という結果になることが多いので、気をつけてください。

①問題を出しあうレベルまですでに勉強が進んでいる場合 

すごく勉強ができる人に教えてもらう(得意分野がお互いに違い、教え合うことができる)場合

国試の合格に必要な知識は大変多いため、勉強は一人で行ったほうが効率があがります。一人で勉強するときは、「今日は2時間勉強しよう」ではなく「今日は30問解こう」「今から20ページ読もう」という具合に、具体的な目標を立てるのが、やる気を維持するコツ。30問解いたら自分にご褒美をあげるなどの工夫をしながら、頑張る自分を応援してあげてください。

模擬テストの点数はこうやって上げる

国試本番に向けて勉強を続けているのに、なかなか模擬テストの点数が上がらずに焦っている方もいるかもしれません。ここでは、問題ごとの特性に合った勉強方法をご紹介しましょう。

必修問題は、暗記をしなければならないタイプの問題(「知識」を問う問題)が多く、専門書を振り返って「理解」を深めるような勉強法はあまり活用できません。「国試の過去問から多く出題される」という特徴をふまえて、国試アプリを取り入れたり、過去問を反復したりするのが有効でしょう。40点以上/50点(80%以上)がボーダーラインなので、心配もあるとは思いますが、隙間時間を使ってできる勉強法なので、生活の中に上手に組み込んでみてください。

一般問題や状況設定問題は、「知識」に加えて「理解」「分析」「判断」を問われる問題です。なかなか点数が上がらないとしたら、勉強量が足りていないことが一番の要因ですが、もう一つ意識しておくポイントがあります。「特徴を覚える」だけでなく「違いを覚える」ということです。

上記は前頭葉の症状に関する問題ですが、似たような側頭葉や頭頂葉の症状を混ぜて、受験者が迷うように出題されています。この場合、丸暗記したり、前頭葉の特徴だけ覚えたりしても、うろ覚えになってしまって点数が取れません。近年、5肢2択問題が増えてきたことからもわかるように、「うろ覚えの人」と「正確に理解している人」で合格者が分けられるようになっているのです。

ここで大切なのは、「前頭葉と頭頂葉の違い」まで意識しながら勉強すること。そうすれば自然と「分析や判断」までできるようになります。慣れてくると特徴を覚えるだけの方法より勉強がしやすくなると思いますよ。

受験生のあなたには頑張って合格してほしい

看護師国家試験は、看護学校で学んだ3、4年間の経験が試される機会であると同時に、受験勉強という形で、看護師になる力を「一気に身につける」機会でもあります。

ここまで、テクニカルな内容や、どこまで勉強するかの基準を示す内容を織り交ぜながら、いくつかの勉強法をご紹介しましたが、アルバイトや実習を頑張りながら、勉強をするのは本当に大変なことだと思います。ですから、「ここまではできない…」と落ち込む必要はありません。全部取り入れるのが難しければ、一つでも二つでも取り入れてもらえれば、結果が変わってくると思います。

目には見えなくても今の努力は確実に積み上がっています。看護師への扉は目の前です。自分を大切にしながら最後まであなたらしく走り抜けてください。応援しています。

なお、もう少し詳しく知りたい方は、以前出版した「国試完全攻略ガイドライン!/看護師国家試験に絶対合格する27の法則」(https://amzn.to/2H4bQ5O)のデジタル書籍に具体的に書いてあるので、興味があれば読んでみてください。

\自分にぴったりな職場を見つける♪/

著者プロフィール