新型コロナウイルス感染リスクへの不安と心の葛藤への対処法とは?
第70回目

新型コロナウイルス感染症が流行している今、医療現場で働くうえで感染リスクに対する不安や葛藤はありませんか?
看護師のあなたへ、心の専門家である坂口さんから「乗り越えるためのアドバイス」をご紹介します。
自分を立て直す意識を
日本にいる私たちをはじめ、世界中の人々が新型コロナウイルス感染症による未曾有の事態に陥っているなか、もはや「大変」という二文字では言い表せないほどの状況に置かれている看護師さんは多いかと思います。
特に今は、医療現場で勤務しているがゆえに危機感が強くなりやすい状態。
マスク不足はもちろんのこと「自分が知らぬ間に感染源になったらどうしよう」「いったい、いつ終息するのか」という不安感や閉塞感にもとらわれやすいのではないでしょうか。
ご自身や大切なご家族、そして、患者さんの命を守らなければならないといった責任感も、いつも以上に強くなりがち。そのため、連日のありとあらゆる報道に対し、非常にナーバスになりやすく、怒りや悲しみなどが過剰反応しやすい状態であるともいえます。
また、新年度がはじまってからは、新人教育や体制の整備に奔走され、ご自身の日常生活を維持するだけで精いっぱいという方もたくさんいらっしゃると思います。
たしかに、このような非常事態においては、気分が沈みやすく不安も強くなるのも無理はありません。しかし、このまま精神的重圧と慢性疲労の状態が続くと、そう遠くない未来に心身ともにダウンする危険性があります。
ご自身のメンタルが不安定ですと、ますます世間や周りの情報・人に振り回されやすくなります。ですから、意図的に「ゆるみを創る」という意識が大切です。もし、これを読んでいるあなたが「自分の命を守ること優先なのに、そんな悠長なことはいっていられない」と思っている場合、心に余裕がなくなっている可能性があります。
「必死で立ち向かう」「困難でも負けない」と自分自身を奮い立たせるということではなく、気持ちに余裕やゆとりを創りだすという意味で、今一度、しっかりと自分を立て直す意識を持ちましょう。
デメリットがあれば必ずメリットもある
今の状況が自分にとって、どんなにデメリットが大きいと感じることがあったとしても、物事には必ずメリットも存在しています。
無理にポジティブ思考になる必要はありませんが、環境から受ける悪影響を最小限にするためにも、ニュートラルな視点を意識的に保つことが必要。今後はますますこうした思考が役に立つでしょう。
医療現場で働いている方たちは、感染のリスクと隣り合わせになる機会が多いぶん、不安や恐怖を感じるようなことばかりに意識を向けがちです。
しかし、今回の事態は短期的な視点でみるほど疲労困憊し、思考停止状態になってしまいます。
いずれにしても、新型コロナウイルス感染症が医療業界にもたらす影響は非常に大きく、今後も大きな課題は残ります。長期的な対応をするためにも、今から少しずつ「情報や周囲に振り回されない自分」を確立していきましょう。デメリットにフォーカスするのではなく、ニュートラルな視点で物事に取り組むことがこれまで以上に大切になってきます。
あなたの不安が少しでも和らぐことを心よりお祈りしています。

坂口 千絵(さかぐち ちえ)
看護師、教育・指導サポート歴25年以上。コーチング、カウンセングなどの個人セッション実績豊富。2019年、「サポート職に携わる人のサポートに徹する」ことを決断し、25年間の看護師人生に幕を下ろす。
家族の死、最愛の夫の病死を通じ、死生観について学んだ経験をもとに、魂の望みを叶えながら、周りの人の幸せもしっかりとサポートしたい人に向け、オンライン講座を提供。セッションは「とにかく話しやすい」「具体的でわかりやすい」と好評。
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