夜勤を押し付けてくる主任。人手不足だし、私が対応しなきゃいけないのかな? この看護師さんのお悩みに対して、作家のoishi haru/尾石晴さん、ロリータモデル兼看護師の青木美沙子さん、ブロガーのDJあおいさんのスペシャリスト3人がアドバイスします!
イラスト:菜々子
今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち
主任が夜勤を押し付けてくる。人手不足は分かってるけど、対応すべき?
自分は特別だと主張して夜勤を回避する主任が嫌いです。
私の病院は、子どもが小学校へあがったらフルタイムに戻るのが条件で時短制度を使わせてもらってます。
ところが主任の場合、「私は旦那の帰りが遅いから!」という理由で、主任の子どもが小学6年生にあがってもなお夜勤を回避し続けています。
そのため、未就学児を育てるママ看護師にも「人手不足だから夜勤を担え」という圧力がかかっている現状です。しかも私はまだ時短中なのに「いつ夜勤ができるのか?」と聞かれる始末。
主任の言い分は「私は家庭の理由で夜勤免除だけど、あなた達は旦那さんに子どもを預けたら夜勤できるでしょ!」なんです。
でも、私自身まだ手のかかる3歳の子どもがいるので、夜勤はもう少し待ってもらいたいのですが、病棟のスタッフが少なくて人手不足なのもよく分かっています。
自分の都合を押し殺して夜勤を始めるべきか……それともこのままスルーすべきか悩んでいます。
また、もし夜勤を断るなら、どういう風に断れば角が立ちませんか?
出典:マイナビ看護師
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スペシャリスト3人のアドバイスは?
30〜40代であれば多かれ少なかれみんな事情があるのに、自分の主張だけされても困りますよね。
さて、主任からの「夜勤をしろ」圧力ですが、結論として相談者さんは何も返事をしなくていいです。
ここでの問題は、夜勤を担当する当事者たちが夜勤の有無を決めていることです。つまり、労働者である看護師さんに問題があるのではなく、管理者側のマネジメントに問題があるということ。
夜勤のルールがないから、主張する人だけの意見がまかり通ってしまい、相談者さんの不満が溜まっているように見えます。
相談者さんは、時短条件として「子どもが小学校入学時にフルタイム復帰」とありますが、そのような雇用契約書は交わしていますか? また、そこに「時短勤務者は夜勤免除」と書いてありますか?
雇用契約書に夜勤についての記載があるなら、主任が何を言おうと拒否していいですよ。記載がないなら、免除基準などの夜勤ルールを決めてもらうように、上司へ依頼してください。同じように不満を感じている職場の人達とみんなで上司に相談するのがいいですね。
これまでもルールがなく、みんなが少しずつ我慢し、成り立ってきていることが想像できます。主任も悪気があるのではなく、そういった先輩の都合に対応してきた過去があるかもしれません。悪いのは主任ではなく、夜勤のルールを明示してない職場です。応援しています(by oishi haru/尾石晴さん)。
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働き方で無理をするのは良くないので、 夜勤が人手不足でもスルーしていいと思います。
他の人が大変な思いをしているのを見ると申し訳ない気持ちになるとは思いますが、職場の環境によって自分のプライベートな時間を犠牲にすると、結局続かないと思います。
相談者さんの病院は、子どもが小学校へあがるとフルタイムに戻るのが時短勤務の条件ということなので、無理をして夜勤をする必要はないと思います。
規約の範囲内であれば自分がしたい働き方を主張しても、それは自己中心的でもわがままでもないので、自分の気持ちを大切にしてください!(by 青木美沙子さん)
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もし仮に自分だけが優遇されていたら、通常であれば罪悪感が生じて、それを隠しておきたいという心理が働くもの。
なぜなら、自分にだけの特別待遇が他者にバレたら、後ろ指を指されたり、よからぬ噂を吹聴されたりして、同じコミュニティの人たちと共存していくことが難しくなってしまうからですね。
ところが、自分にだけの特別待遇をアイデンティティの拠り所にしてしまう人がいるんです。そういう人は「私はアナタたちとは違うんだぞ!」ということを知らしめたいという禍々しい承認欲求の持ち主で、他者より優遇されている点をことあるごとにアピールしてきます。
ただアピールしてくるだけなら鬱陶しいだけで済みますが、多くの場合は優遇されている点を盾にして他者を攻撃してくるのでたちが悪いんですよね。
仲良くなっても手下にされるだけだし、敵に回せば毎日のようにネガティブなエネルギーを与えてくるので、敵にも味方にもならない関係でいることが最も平和的。
簡単に言えば、赤の他人でいることが最適解になりますね。なるべく関わりを持たないように、自分の都合だけにフォーカスして接してください(by DJあおいさん)。
三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 職場の夜勤ルールに則って働いている相談者さんが夜勤の負担を一身に背負う必要はありません。毅然とした態度で◎のようです。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。
企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)
ワーママはる(尾石晴)さん
作家・Voicyトップパーソナリティ・兼業大学院生・オンラインヨガ『ポスパム』代表。
外資系メーカーに16年勤務。子どもを育てながら管理職経験を持つ。ワンオペ育児の合間に、会社員以外での収入経路を複数確保し現在に至る。2020年4月退職。音声メディア「Voicy」では1,500万回再生超えのトップパーソナリティとして活躍中。SNSの総フォロワー数は7万人超え。2児の母。著書に『ワーママはるのライフシフト習慣術』など。
Twitter:https://twitter.com/wa_mamaharu
青木美沙子さん
ロリータファッションモデル / 看護師 / 日本ロリータ協会会長
雑誌『KERA』『姉ageha』でロリータモデルをしつつ正看護師としても働く。2009年、外務省任命カワイイ大使として25カ国45都市以上の国を歴訪。2013年、日本ロリータ協会を設立。ロリータファッションBOOKの発売やプロデュース業も行うなど、精力的に活動している。
Twitter:https://twitter.com/aokimisako
DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 』(ワニブックス)、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(KADOKAWA)、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』(幻冬舎)など。