• 2021年12月17日
  • 2022年9月14日

看護師同士で夜勤時のお菓子の持ち寄りって必要? 職場の悪しき慣習を断ち切るには?

 

夜勤や昼休憩で毎回差し入れする“お菓子配り看護師”に困っていませんか? 気配りはうれしいけどお返しが面倒……このお悩みに対して作家のワーママはるさん、ブロガーのDJあおいさん、産業医の井上智介さんの3人のスペシャリストがアドバイスします!

イラスト:菜々子

今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち

oishi haru/尾石晴さん
作家・Voicyトップパーソナリティ・兼業大学院生・オンラインヨガ『ポスパム』代表と、さまざまな顔を持つ二児のママ。

DJあおいさん
作家・アルファツイッタラー・人気ブロガー

井上智介さん
産業医・精神科医・yahoo!ニュース公式コメンテーター

看護師同士で夜勤時のお菓子の持ち寄りって必要? 職場の悪しき慣習を断ち切るには?

質問者
夜勤や昼休憩で毎回お菓子の持ち寄りをする同僚の看護師に困っています。

私の職場は2〜3人で昼休憩を取ることが多いのですが、毎日人数分のお菓子を用意して配る人がいます。周りももらってばかりというわけにもいかないので、お菓子の配り合いが当たり前になってしまいました。 正直、すごく気を遣うのでやめてほしいです。

一度試しに「ダイエットしてるので、もう買ってこないでください」と伝えましたが、「じゃあ旦那様に食べさせて」と無理矢理渡されました。

毎日、コンビニスイーツを配り合うのは金銭的にも厳しいのですが、どうしたらこの悪しき慣習を断ち切ることができるのでしょうか……?

出典:マイナビ看護師

スペシャリスト3人のアドバイスは?

作家
oishi haru/尾石晴さん

職場のお菓子持ち寄り文化。最初は善意で始まっても、好みや金額など、だんだん高い方に合わせるようになるので困りますよね。

同僚にお菓子を配ることを良しとしている人は、本当に好きで勝手にやっているのだと思います。損得勘定や下心があるなら、上司や利害関係者にだけ配ります。
つまり、この方は配る自分に満足しているだけ。ですから「ありがとうございます〜」と受け取ってやり過ごしても問題ありません。

しかし、「何かお礼をしなきゃ!」と忖度してしまうのが社会人です。
ではどうするのが現実的か考えると、職業柄「コロナのご時世」を口実に使ってみるのはいかがでしょうか?

衛生管理上、自分の飲食物は自分で用意することを提案する。「せっかくのご好意が裏目に出ると困るので念のため……」と伝えてみましょう。

お土産文化がコロナ禍で途絶えた職場もあります。これらの情報を挟みながら、「あなたの好意はうれしいけど、リスクがある」と提案してみることをおすすめします。

人気ブロガー
DJあおいさん

最も重要視すべきは、その人に悪意があるか否か。

たとえありがた迷惑であっても、それが善意による行為であるのなら、人としてまずは「ありがとうございます」と感謝を伝えましょう。

この感謝の言葉を先に言うか後に言うかで、人に与える印象はガラリと変わってきます。

はじめに否定から入り感謝を後で伝えると、その感謝は否定されてしまいますが、感謝から入り諸事情を話すと、その諸事情を受け入れてくれることが多いです。

職場の悪しき慣習をやめさせたいのが目的なら、まずは自分の意見を聞き入れてくれる状況を作り出すこと。話し合いの基本は肯定(感謝)から入ることですね。

産業医
井上智介さん

あなたが勇気を出してダイエットを理由に断ってみたのは、とてもすばらしいことです。しかし、世の中には悪気がなくても、言葉の裏まで読み取れない人はいるものです。

今回の件では、さまざまな食物アレルギーがある人、塩分・糖質の制限が必要な人、結婚式に向けてお金を節約している人など、個人的にお菓子の持ち寄りに参加できない人もいるでしょう。

しかし、この問題は個人間ではなく、組織として考える必要があります。さまざまな背景を抱えた“みんな”が満足するためには、その慣習をトップダウン式に禁止することでしょうから、一度病棟師長などに相談してみてください。

それでも、お菓子を持ち寄る人がいれば、その人の勝手にやらせておきましょう。あなたは徹底して、「自分のこだわり(マイルール)があるので」と、関わらないスタンスを貫きましょう。

この件に関して、持ち寄りに参加せず周りから白い目で見られようが、看護師としての仕事で返せば全く問題ありません。

三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 仕事とは関係のないことに強制力はありません。善意は受け取りつつも、毅然とした態度で伝えたり、断りやすい状況を作ったりするとよさそうです。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。

企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)

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oishi haru/尾石晴さん
作家/Voicyトップパーソナリティ/元子持ち女性管理職

外資系メーカーに16年勤務。子持ち管理職経験を持つ。ワンオペ育児の合間に、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター・ライフオーガナイザーなど、会社員以外での収入経路を複数確保。2020年4月退職。音声メディア「Voicy」では1,500万回再生超えのトップパーソナリティとして活躍中。SNSの総フォロワー数は7万人超え。現在は雑誌「レタスクラブ」での連載など文筆活動の傍ら、2020年ヨガスタジオ「ポスパムfukuokaスタジオ」を立ち上げ、代表を務める。2児の母。『ワーママはるのライフシフト習慣術』など。

Twitter:https://twitter.com/wa_mamaharu

DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 』(ワニブックス)、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(KADOKAWA)、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』(幻冬舎)など。

 

Twitter:
https://twitter.com/djaoi

https://twitter.com/DJ_aoi

井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
産業医・精神科医。大阪府在住。島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。すべての人に「大ざっぱ(rough)」に「笑って(laugh)」人生を楽しんでもらいたいという思いから「ラフドクター」と名乗り、赤縁の眼鏡、金色のアフロヘアと白衣姿でSNSや講演会などで心をラクにするコツや働く人へのメッセージを積極的に発信中。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。

Twitter:https://twitter.com/tatakau_sangyoi

著者プロフィール