• 2020年5月13日
  • 2022年5月11日

インシデント・アクシデントを極力減らす方法とは

 

インシデント・アクシデントを極力減らす方法とは

看護師が仕事をするにあたり、切っても切り離せないのがインシデントとアクシデント。日々、次から次へとさまざまな業務が押し寄せますが、ただルーチンでこなせばいいわけではありません。
安全に業務を遂行するためには、常に考えながら行動することが重要です。今回はインシデント・アクシデントを極力減らす方法についてご紹介します。

ルーチンワークに注意

インシデント・アクシデントの原因として「思い込み」や「確認不足」などがあります。これらが起こりやすくなるのは、病態急変などの「特別な場面」よりも、点滴管理や配薬など、日常的に繰り返し行っている業務です。これらはルーチン化され、一連の流れをスムーズに行うことに慣れているぶん、無意識の行動につながりやすいといえます。

なぜ自分がミスをしたのかが「わからない」「覚えていない」という場合、疲労や集中力の欠如、記憶力の低下などさまざまな原因が考えられますが、自身が行う業務を意識化する習慣がついていないことも大きな一因として挙げられます。

私が自分の行動を意識化するときによく行っていたのは、「新人に指導・説明するつもりで自分の行動を脳内で言語化する」ことです。これを習慣化させると実際の新人指導にも役立ちます。

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医師の指示変更の見落としに気をつける

医師の指示が変更された場合、変更直後は申し送りなどで情報共有されやすく、意識しながら作業を遂行することができます。しかし時間が経過すると未伝達となり、見落としてしまう場合があります。医師の指示を遂行する際は、必ず「遂行直前」に医師からの指示を再度確認しましょう。

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過去の事例を定期的に確認する

職場にはほかのスタッフが起こしたインシデントやアクシデントの事例が報告されているレポートが保管されています。

身近な事例は「明日はわが身」という気持ちになり、記憶にも残りやすくなります。

私が勤務していたころは、これらのレポートには定期的に目を通すようにしていました。自分を戒めるためにも定期的に時間をとって、どのような場面でどんなミスが起こっているのかを確認する習慣をつけることをおすすめします。

業務中断に注意

看護師の仕事はナースコールや急変対応、あるいは緊急入院など、突発的な出来事で業務を中断せざるを得ない場面が多々あります。中断しても「必ず思い出せるから大丈夫」という根拠のない自信をもつ人も中にはいますが、残念ながら人の記憶力はそれほどあてになりません。また、業務中断が連続で重なりやすいこともあるため、「思い出すための工夫」が必要です。

私はあまりにも多忙だと付箋を見ることすら忘れることがたまにあったため、以下を習慣づけていました。

・日常的に自分が携帯しているノートで忘れていることがないか確認する
・重要事項を赤字で囲む
・思い出せるようあえて付箋を業務の妨げになるようなところに貼る

など、徹底した工夫を行うことで、ほぼ、忘れることはなくなりました。

インシデント・アクシデントを完全にゼロにすることはできませんが、日ごろから流れ作業的な意識で仕事をしないことが大切です。

「今度から忘れないように気をつける」といった反省では次に活かすことは難しいため、「具体的に何を習慣化するのか」を明確にするよう心がけましょう。

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