軟膏は皮膚の状態や薬剤の性質によって塗り方を使い分けることが必要です。今回は軟膏塗布のマナーについてお伝えします。
塗布する部位を清潔に保つ
軟膏を塗布する部位に汚れが付着したままの状態だと、薬剤の十分な効果が期待できません。塗布の前に患部の汚れをタオルで拭き取る、ぬるま湯で洗い流すなどの処置をしてから塗布しましょう。
薬剤の性質によって使い分ける
軟膏塗布で使用する薬剤は、消炎鎮痛剤や保湿剤などの「塗擦」と違い、必要以上に力を入れて擦り込むと患部の状態が悪化する危険性があります。また、薬剤成分は皮膚に浸透する性質があるため、軽くなじませながら塗るとよいでしょう。
軟膏はクリームと比べると含まれる水分が少ないため、伸びが十分ではありません。背中など広範囲に塗布する際は、一点に塗って広げるのではなく、数カ所に塗布してから徐々に広げていくようにしましょう。
また、副腎皮質ステロイドなどの薬剤は、正常な皮膚に塗ると思わぬ副作用を引き起こす可能性があります。局所が狭い場合は綿棒を使用するなどの工夫をしましょう。
文:看護師/カウンセラー 坂口千絵