彼女があなたに対して不機嫌で理不尽な態度を取るのは、本当に“あなた”のせいでしょうか?
お話を伺っていると、彼女は所長さんや上司など目上の方に対して“機嫌を取る”ために行動をしているように思えます。
実は、そういった行動に出る人の多くは「認められたい」「好かれたい」という承認欲求や、「他人より優位に立って安心したい」という不安を常に抱えています。彼女は無意識のうちに、あなたと自分に優劣をつけることで安心や自信を得ようとしているのかもしれません。
あなたに何か非があるから機嫌が悪いというよりも、彼女は“自分自身の機嫌”に振り回されてしまっている可能性があります。
もちろん状況によると思いますが、決してあなたが常に一方的に悪いわけではないはず。自責の念に捉われると、何もかも悲観的に見えてしまいがちです。
まずは自分を責めすぎず、「相手の機嫌は、相手の問題」と相手と自分を切り離しましょう。
自分と相手を切り離すために有効なのが、捉え方を変えてみることです。
もし彼女がまた理不尽な態度を取ってきたら、彼女の立場で「何かプライベートで嫌なことでもあったのかな?」「あっ、今生理前なのかも…」「人間、そういうときもあるよね」と、一旦頭の中で仮説を作ってみましょう。
もちろん仮説を立てるだけで、相手にそれを伝える必要はありません。
人は相手の態度から圧力を感じると無意識のうちに圧力のある態度を返してしまったり、過剰に自己否定をしてしまったりするため、その結果、より相手の攻撃性をより高めてしまう…という悪循環に陥りやすくなります。
誰でも自分に余裕がないときは他人に優しくしづらいもの。
もしまた彼女の態度から圧力や不快さを感じたときは、自分に余裕が持てないときや持てなかった場面を思い出し、彼女に対して「きっと今、大変な時期なんだ」と頭の中で捉え方を変えて俯瞰し、相手を多面的にみてみましょう。
そうして広い視点で捉えられるようになると、それまで気づけなかった相手の思わぬ一面が見えやすくなり、無意識のうちに双方に形成されていた“戦闘モード”や“バリア”が緩和され、不思議とお互いに接しやすくなっていきます。
ポイントは
①自分と相手を切り離して考えること
②相手の態度に対する、自分の捉え方を変えること
意外に思われるかもしれませんが、無理に相手への態度を変えなくても、思考をほんの少し切り替えることで状況や関係性の変化につながります。お互いに心地よく機嫌よく仕事ができるようになるよう、願っています。