【質問】仕事もプライベートも思うように楽しめなくてつらい
仕事も職場の人たちも好きだし、生活の中で特別不満があるわけではありません。ただ、仕事やプライベートが思うように楽しめなくなったことで、“なんとなくつらい”という状態が続いていることは事実。どうやって、気持ちを前向きに切り替えていけばいいでしょうか?(東京在住 看護師歴12年目 34歳)
【回答】誰もが感じる時期を人生を見直すチャンスに変換
心や体が揺らぐ「原因」に気づき、立ち止まって冷静になろう
“コンフォートゾーン”という言葉を聞いたことはありますか? コンフォートゾーンとは、簡単にいうと「安心感があり居心地が良いと感じる心理領域」のこと。そして、その領域を出たところに、“ストレッチゾーン”という「(安心感や居心地の良さを感じる領域を出て)少し不安やストレスを感じる領域」があります。つまり、安心・安全の基点になるコンフォートゾーンと、その外側にあるストレッチゾーンとがバランスよく介在することで、人は少しずつ変化・成長したり、活動の幅を広げたりしていくことができるわけです。
これをいままでのあなたに当てはめると、職場がコンフォートゾーンで、私生活でのチャレンジがストレッチゾーン。少しずつ安全領域を広げながら、生活や仕事を続けられていたと推察されます。でも、いまは仕事環境というご自身の安全領域が脅かされているために、土台が揺らいで、ストレスや疲労が増大している状態。人生の土台が不安定で、身動きが取れなくなっているのです。そうしたなかでやるべきことはなんでしょう。安全領域を脅かすものを取り除ければいいのですが……。いまの状況を左右しているのは、社会情勢や職場の変化といった、自分ではコントロールしづらい因子です。となれば、揺らぐ中で無理に動こうとするのではなく、「一度立ち止まってみる」というのもひとつの方法ではないでしょうか。
安全にできる範囲で行動し、“意味のある充電期間”を過ごそう
現在、社会情勢は自由に外出がしづらく、仕事の体制としても劇的な改善が望みにくい(=プラスの変化を期待することが難しい)状況です。もし、仕事でも私生活でも気分が沈んだままの状態が続くようなら、転職や専門機関への受診なども考えたほうが良いかもしれません。ですが、いまの相談者様には、自身の心や体の状態を客観視できる冷静さがあります。だからこそ、この期間を“意味のある充電期間”と考えて、とことん自分と向き合い、自分の働き方や生き方、考え方を見つめ直してみてはいかがでしょう。
最近は、インターネット、SNSを通じた情報発信や、オンライン交流のツールも普及しています。そうしたツールを活用して、家にいながらネット上で新しい情報を収集したり、家族や友人とのオンライン交流を楽しんでみたり——。まずは、無理なく楽しめる範囲で「自分の心や生活が満たされること」に取り組んでみてください。これまでアクティブに活動してきたあなたなら、そうした活動は決して苦手ではないでしょうし、そうやって新しい情報に触れたり、自分を見つめ直したりすることは、今後の人生を整えていく絶好の機会になるはずです。
気持ちを無理に高めようとするのは、自分にプレッシャーをかけることにもなりかねません。だからこそ、いまはできること・興味が持てることを少しずつやっていくことが大切です。身体的にも精神的にも負担のない、“安全”なことから行動を起こし、自分を満たし、楽しみを見つけ、自ら動きたいと思える時期までの時間を有意義に過ごす。そこから思わぬ発見や新たな楽しみが見つかるかもしれませんよ。
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