• 2021年6月15日
  • 2022年5月13日

【看護師の悩み】陰湿でいじめが横行する看護師の世界、何とかならないの?

 

【質問】陰湿でいじめが横行する看護師の世界、何とかならないの?

看護師歴5年以上。これまでいくつかの病院を経験し、新人時代には陰湿ないじめにもあいましたが、いじめた人たちはいまや主任や師長に。そうした姿をみていると、「役職に人間性は必要ないの?」と違和感を覚えてしまいます。
一方で、ほかの投稿にもあるように、真面目でコツコツがんばっている看護師のなかには、傷つく言葉を言われ、悲しい思いをされている方もたくさんいます。お互いに気持ち良く働けるような環境をつくって、うまく協力ができれば、患者様への対応内容も充実するし、個々の知識やスキルも向上するはずなのに……。看護師の世界では、なぜ陰湿ないじめや人格否定の暴言が横行するのでしょうか。そうした行為がなくなって精神的に働きやすくなれば、潜在看護師の復帰率も上がると思うのですが、いかがでしょう。(大阪府在住 看護師歴6年目 29歳)

【回答】ご自身の優しさを大切に

管理職にも人間性は必要

看護師の世界は、患者さんの命を守る義務や責任感、あるいは使命感のもとで働いている人が多く、人間関係も非常に厳しい場であるといえます。そうしたなか、私自身も新人時代にパワハラやモラハラを経験してきましたし、人間性を疑う上司がいたことも事実。ですから、「役職に⼈間性は必要ないのか」と思うお気持ちは、十分理解できます。

実際のところ、管理職になる人は人間性以上に、「実務の管理能力」「経営者視点」が優先されることが少なくありません。また、年功序列や人の入れ替わりの激しい状況のなか、やむを得ず任命されている側面もないとはいい切れません。もちろん、どんな立場であれ人間性が大切なのはいうまでもありませんが、管理職は求められることが多い分、本人も心の余裕がなくなっている可能性があります。なかには、義務感や責任感をまっとうしようとする一心で、つい厳しいことを言ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

さまざまな要因がからみあってのこと

相談者様がおっしゃるとおり、スタッフ同士がうまく協力し、そこから“プラスの連鎖”が起きれば、非常に理想的です。にもかかわらず、いじめや暴言などが生じてしまうのは、さまざまな理由が複雑に絡み合ってのこと。要因を断定するとはできません。あえていうなら、義務感や責任感が強いがゆえに、「こうであるべき」という信念が厳しい否定へとつながっている。上下関係などの厳しいしきたりが現在も横行している。指導者の側が正しい教育方法を身につけられていない(未完成の教育システム)。一人ひとりの気持ちの余裕のなさやプライドがマウンティングにつながっているなどの要因が関係している可能性は、少なからずあると思います。

看護の世界が、より良くなるように問題意識を持つご相談者様のような方は、今後の看護業界のためにも大事な存在です。いろいろと大変なこともあるかと思いますが、その優しさをこれからも大切にしてくださいね。

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