• 2022年10月26日
  • 2022年10月28日

「ドクターX」級の面白さ!岡田将生「ザ・トラベルナース」の見どころをマンガでおさらい

 

マンガ家・藤沢チヒロさんが再現マンガを交えながら「ザ・トラベルナース」をレビュー!

10月20日(木)にスタートしたドラマ「ザ・トラベルナース」が面白い。初回の視聴率が11.9%と好スタートを切った。「ドクターX」の中園ミホ脚本の新作ということもあり、心待ちにしていた視聴者が多かったのだろう。

本作の主役は「ナース」だ。日本では医師の指示のもと、医療行為のサポートに徹するイメージが強い。その中でも主人公二人は特定の病院に所属せず、短期雇用で病院から病院へと渡り歩くさすらいの「トラベルナース」(フリーランス看護師)である。彼らを中心に、痛快な医療ドラマが展開される。

「ザ・トラベルナース」第1話のあらすじ

ドラマ「ザ・トラベルナース」第1話のあらすじ・登場人物の相関図

アメリカでNP(ナース・プラクティショナー)として活躍していた那須田歩(岡田将生)は、とある団体から帰国の要請を受け、看護師不足にあえぐ日本の民間病院・天乃総合メディカルセンターで働くことになった。

ドラマ「ザ・トラベルナース」第1話のあらすじ・主人公那須田歩(岡田将生)の過去

NPは、医師の許可を得ずにある程度の医療行為を行える優秀な看護師資格のことで、国内ではまだ浸透していない。診療看護の先進国で辣腕をふるってきた歩は、ナースを見下してくる日本の医師たちに、「自分の雇用契約期間である3か月以内に結果を出してみせる」と不遜な態度。周囲の不興を買ってしまう。

天乃総合メディカルセンターは、地域の医療を担う総合病院。しかし経営第一主義の院長・天乃隆之介(松平健)のもと、院内は旧態依然とした男尊女卑、VIP患者の優遇やスタッフの労働環境の悪化など、問題が山積み。

歩が赴任した当日も、ゴッドハンドと称される外科部長・神崎弘行(柳葉敏郎)しかできない難手術を後回しにし、新たに入院してきた議員・一ノ瀬(津田篤宏)の手術を優先する事態が起きていた。

神崎の執刀に助手として立ち会うことになった歩は、患者の一ノ瀬の体の異変に気付く。手術の続行に危険を感じた歩は中止を進言するが、神崎は聞く耳を持たず、歩は手術室から追い出されてしまう。

なすすべもなく立ち尽くす歩の前に、もう一人の新任ナース・九鬼静(中井貴一)が現れる。「医師に盾突くのは、馬鹿ナースのすることです!」とほほ笑む九鬼。彼にはこのオペの行く末が見えているようで――?

「ザ・トラベルナース」ここが楽しい!見どころ3つ

①優秀ナースの私生活の顔が垣間見れる【歩と九鬼の相部屋生活】

一般的にトラベルナースは移住先で住居を用意してもらえるが、「渡り鳥」生活の歩と九鬼は、病院の手違いで、男子禁制の看護師寮「ナースハウス」に滞在することに。二人一緒に古い和室に押し込まれてしまい、歩は待遇の悪さに憤慨する。

一方の九鬼は涼しい顔で部屋の拭き掃除をはじめる。九鬼は病院でもあちこちを拭き掃除していたが、潔癖症というわけではないらしい(医師にも清掃員と間違われていた)。

看護師同士のにぎやかな食事の様子をはじめ、職場の仲間の別の顔が見られる寮でのシーンは心和む。男嫌いだったり、遠距離恋愛中だったり、絶賛婚活中だったり――激務のなかでそれぞれの悩みを抱えるナースたちのバックグラウンドも今後明かされていくはずだ。

②九鬼のギャップが末恐ろしい【白衣の天使か?それとも悪魔か?】

ドラマ「ザ・トラベルナース」第1話のあらすじ・九鬼静(中井貴一)の牽制

物腰柔らかく、丁寧な敬語で誰にでも優しく接する九鬼

しかし、「ゴッドハンド」と持ち上げられる傲慢な外科医・神崎には、恐ろしい「裏の顔」を見せた。

それは肺炎で倒れた神崎と病室で二人きりになった時。

容体急変した神崎に対し、助けてやる代わりに、後回しにし続けた患者の手術を迫る九鬼の豹変ぶりと啖呵には思わず息をのんだ。

まるで“その筋”の人のような方言と声色、眼光の鋭さ!

その瞬間、冒頭の遠藤憲一によるナレーション「トラベルナース、彼らは日本の医療を救う天使か、悪魔か――」が脳内をめぐる。九鬼の過去が気になって仕方がない!

③ナースを尊重する唯一の医師【“地獄”で頑張る紅一点・真都】

男尊女卑がはびこる病院で、チーム内では紅一点の外科医・郡司真都(菜々緒)の成長も見どころだ。

当初は他の医師と同様「ナースから指示は受けない」という価値観を持っていたが、NPとして培われた歩の判断力や行動を見るうちに認識を改めていく。

同期の女医たちが、残業が少なく割りのいい診療科目に進むなか、私生活を犠牲にしてでも、外科医として人の命を救いたいという彼女の頑張りにエールを送りたい。(地獄の環境で働いているにしては、郡司先生、あまりにも美しいのだけれど……)

気になる今後の展開は――

「医師は病気を見て病気を治す。ナースは人を見て、人を治すことができる

印象的な九鬼のセリフは、今後もドラマを通して患者やナースたちの心に響いていくはずだ。

己のキャリアと技術を武器に、短期間契約で各地の病院を渡り歩く「トラベルナース」。

日本の医療の縮図のような総合病院に放り込まれた歩と九鬼が、混迷する医療体制をどのように変えていくのか、注目したい。

まだちぐはぐなコンビだけれど、これから二人が最強のバディになっていく予感を抱きつつ、10月27日(木)放送の第2話を待とう。

ところで――九鬼の裏の顔を垣間見て恐れをなし、改心したように見える神崎外科部長。彼に代わり、第2話では新たなる「ゴッドハンド」が登場するようだ。

「神野」という名字からして、今後登場するスター医師たちは、みな「神」の名を持っているのだろうか? そんな遊び心ある演出も楽しい本作。

第1話には一村と一ノ瀬、第2話では二階堂という名の患者が登場するのも、なるほど、各回でオペを受ける患者の名字は、放送回と同じ数字がつくのねと合点するが――そうなると気になるのは「九鬼」の名前ではないだろうか。第“9”回に何が起こるのか、今からハラハラしている……。


文・イラスト:藤沢チヒロ、編集・藤田佳奈美(TAC企画)

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