• 2021年8月11日
  • 2024年2月9日

産休・育休はいつから取れる? 制度の概要ともらえる手当について解説

 

出産の際には産休を取得できます。しかし、いつからいつまで休みを取れるのか具体的に知らないという人や、パート・アルバイトとして働いていても、産休を取れるのか疑問に思っている人もいるでしょう。

この記事では、産休の期間や受け取れる手当とその金額を分かりやすく解説しています。また、両親がともに取得可能な育休についての説明や、産休・育休に入る前の注意点、休業中の過ごし方も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

産休(産前産後休業)とは?

産休とは、出産前後に母親が取得できる休業制度のことです。出産前の準備期間に取る「産前休業」と、出産後に身体を回復する目的で取る「産後休業」の2つの休みをあわせて「産休」と呼びます。

産前休業は任意で取得できるのに対し、産後休業は取得が義務付けられています。出産は母親の身体に大きな負担がかかることから、労働基準法第六十五条により「産後8週間は勤務させてはならない」と定められているためです。ただし、産後6週間を過ぎた後であれば、医師が認めた場合に限り就業が可能です。
出典:e-Gov法令検索「労働基準法」

産休の対象となる人

産休を取得できるのは、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなどの雇用形態を問わず、出産を控えた女性です。また、産休の取得にあたって条件となる勤務日数などもなく、どのような働き方でも産休を取得する権利があります。

ただし、産後休業は本人の希望に関係なく取得が義務付けられていますが、産前休業を取得する際は自ら申請する必要があります。

産休の申請・取得方法

産休の申請は出産予定日の6週間前までに出せば問題ありませんが、妊娠が発覚した段階で早めに会社に申し出ると良いでしょう。申請の手続きは会社によって異なるため、事前に確認しましょう。

なお、産前休業の開始日は任意で決められます。

産休期間中にもらえる手当と金額の計算方法

 産休期間中は、「出産育児一時金」と「出産手当金」を受け取れます。

出産育児一時金

健康保険の加入者もしくは被扶養者である配偶者が出産した際に支給される手当です。2023年4月から支給額が変更されました。現行の支給額は、下表の通りです。

【出産育児一時金の金額】

産科医療補償制度に加入している医療機関などで妊娠週数22週以降に出産した場合 1児につき50万円
産科医療補償制度に未加入の医療機関などで出産した場合 1児につき48.8万円
産科医療補償制度に加入している医療機関などで妊娠週数22週未満で出産した場合
(出典:全国健康保険協会「出産育児一時金について」

出産育児一時金は、出産する被保険者または被扶養者が出産する場合に被保険者が受け取るほかに、直接支払制度を利用して、健康保険の保険者から被保険者に代わって医療機関が直接支給を受けられます。

直接支払制度とは、被保険者が事前に医療機関との間に契約を結ぶことで、医療機関が被保険者の代理で出産育児一時金を受け取れる制度です。直接支払制度を利用すれば、被保険者は一時的にでも高額な出産費用を支払う必要がなくなり、まとまった費用を用意できない場合でも出産に臨めます。

実際にかかった出産費用が出産育児一時金を下回った場合、差額は被保険者に支給される仕組みです。なお、すべての医療機関・産院が直接支払制度に対応しているわけではないため、制度の利用を希望する方は、事前に対応可否を確認しておきましょう。

出産手当金

産休中に給与の支払いがない人を対象に、標準報酬日額の3分の2の金額を支給する手当です。出産予定日の42日前から出産後の56日まで出産手当金を受け取ることが可能で、出産予定日から遅れた期間も支給対象としてカウントされます。ただし支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、後述するように計算方法が異なります。

標準報酬日額は、直近12か月間の標準報酬月額を平均し、30日で割った額です。一日あたりの出産手当金はその2/3の額になります。

支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、次の金額のうち低い額を使用して計算します。

1.支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額

2.標準報酬月額の平均額 30万円:支給開始日が平成31年4月1日以降の方

【一日当たり出産手当金の計算例】
直近12か月間の標準報酬月額の平均額18万円の場合
18万円÷30日=6,000円(標準報酬日額)
6,000円×2/3=4,000円(一日当たり出産手当金)
※出産手当金の額より少ない給与が支払われているときは、その差額が支払われます。

出産手当金を受給するには「産休中の給与支払いがない」だけでなく、「勤務先の社会保険に1年以上継続して加入している」という条件を満たす必要があります。勤務先の社会保険に加入していても就職・転職して間もない方は、出産手当金を受け取れない可能性があるので、事前に確認しておきましょう。
(出典:全国健康保険協会「出産手当金について」

産休はいつからいつまで取れる?

産休はいつからいつまで取れる?

産休は、「出産予定日の6週間前から出産後の8週間まで」取得できます。厳密にいうと、産前休業は「出産予定日の6週間前から出産当日まで」、産後休業は「出産翌日から8週間まで」です。

また、双子などの多胎児を妊娠した場合は、出産予定日の14週間前から産休に入ることが可能です。

なお、公務員の場合は「出産予定日の8週間前から出産後の8週間まで」産休を取得できます。産後休業の期間は変わりませんが、産前休業は民間企業よりも2週間早く取得できます。

出産予定日がずれたときの産休期間

出産が予定日より遅れた場合、「当初の出産予定日」をもとにして産前休業期間が認められます。当初の予定日から出産日までの期間は産前休業に含まれ、出産後8週間は産後休業が確保される仕組みです。出産予定日がずれたとしても、すでに取得していた産前休業期間が欠勤扱いになる、産後休業が短縮されるなどの心配はありません。

また、出産した女性労働者本人が希望する際は、出産後6週間を経過かつ医師が支障ないと認めた場合に限り、復帰予定日を早められます。
出典:e-Gov法令検索「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」

育休(育児休業)とは?

育休(育児休業)とは?

育休(育児休業制度)とは、産まれた子どもを育てる休業期間のことです。産休は労働基準法で定められている休業制度ですが、育休は育児・介護休業法によって定められています。

育休の対象となる人

産休は出産前後の女性なら誰でも取得できますが、育休は性別を問わず、以下の条件を満たす場合に取得できます。

子どもが1歳6か月(1歳半から2歳の育児休業の場合には、2歳)に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

労使協定の締結によって「雇用期間が1年未満」「1年以内に雇用が終了する」「1週間の労働日数が2日以下」の場合を対象外としている会社もあります。日雇いで働いている人も育休の対象外です。ただし、育休の取得に際して、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなどの雇用形態が問われることはありません。

契約期間に明確な規定がなく、1年後や2年後の契約がどうなるか分からない場合でも、育休取得を申請できます。しかし、子どもが2歳になる前々日までに契約満了を迎える契約社員や派遣社員の場合は、育休の取得が難しい可能性があります。

なお、男性の場合は通常の育休にくわえて、別途、男性版産休ともいわれる産後パパ育休を取得可能です。産後パパ育休については後述しているため、ぜひチェックしてみてください。

育児休業給付金の申請方法

育休を取得するには、まず被保険者が勤務先企業の担当部署(総務部・人事部など)に育休取得の申し出を行います。申し出を受けた事業主が必要書類を揃え、ハローワークに提出すれば育児休業給付金の申請手続きは完了です。

初回の育児休業給付金の申請に必要な書類は以下の4種類です。

<提出書類>

1 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書

2育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書

<添付書類>

3 賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカード、育児休業申出書、育児休業取扱通知書など育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払状況を証明できるもの

4 母子健康手帳(出生届出済証明のページと分娩予定日が記載されたページ)、医師の診断書(分娩(出産)予定日証明書)など育児の事実、出産予定日及び出生日を確認することができるもの(写し可)

なお、2回目からは以下の書類が必要です。

  • 申請書類
    育児休業給付金支給申請書
  • 添付書類
    賃金台帳、労働者名簿、出勤簿、タイムカードなど
    育児休業給付金支給申請書の記載内容を確認できるもの

(出典:厚生労働省「育児休業給付の内容と支給申請手続」

1〜3の書類は、基本的に会社側が用意します。被保険者は4のみ用意しましょう。

育休期間中にもらえる手当と金額の計算方法

育児休業給付金は、支給決定後約1週間で被保険者の口座に振り込まれます。初回の給付は、育児休業開始日から約3か月後、産休の開始時期から換算すると約5か月後を目処とするとよいでしょう。

なお、育児休業給付金の支給額は、育休前6か月の給与の総支給額をもとに算出されますが、総支給額の計算にはボーナスが含まれないため注意してください。

 

男性版産休である「産後パパ育休」

男性版産休である「産後パパ育休」

2022年10月に、男性向けの育休制度である「産後パパ育休」が新設されました。産後パパ育休は、男性が配偶者の出産後8週間以内に、4週間を限度に2回まで取得できる制度です。子どもが1歳になる前日まで取得できる通常の育児休業制度とは、制度自体が異なります。

産後パパ育休は、特に育休取得ニーズの高い産後8週間以内に、男性が柔軟に育休を取得できる環境を整えるのを目的として新設されました。男性は、原則として休業の2週間前までに事業主に申し出ることで、産後パパ育休を取得できます。

家庭の状況に応じて、4週間まとめて取得する・2回に分割するなど、柔軟に休業期間を調整できる点も特徴です。また、通常の育休期間中は原則として就業できない一方、産後パパ育休では、労使協定を締結している場合に、男性が合意した範囲内で休業中に就業できます。

産後パパ育休を活用して短期間の休業を分割取得すれば、従業員の不足など休業中の業務に関して不安がある男性でも、育児と仕事のバランスを保ちやすくなります。出産直後から男性が育児に参加して、子育ての喜びや大変さを実感しやすくなることもメリットです。

育休はいつからいつまで取れる?

育休はいつからいつまで取れる?

女性の場合は8週間の産後休業の後、子どもの1歳の誕生日の前日まで取得できます。男性の場合は、子どもが生まれた日から1歳の誕生日の前日まで取得可能です。なお、保育所への入所目処が立たない、配偶者が病気になったなどのやむを得ない理由がある場合、延長申請をすれば、育休を1年6か月・または最長2年まで延長できます。

従来の育休制度では、休業期間は原則として分割できませんでした。しかし2022年10月以降は制度内容が変わり、男女ともに分割して2回まで取得できるようになっています。休業期間を分割することで、夫婦で育休を交代できる回数が増え、男性の仕事の都合や女性の職場復帰などに合わせて、より柔軟に育休を取得可能です。

育休期間を延長できる「パパ・ママ育休プラス」

先述の通り、育休の取得期間は、原則として子どもが1歳になる日の前日までです。しかし、夫婦がともに育休を取得している場合、「パパ・ママ育休プラス」という制度を利用することで、育休期間を子どもが1歳2か月になる日の前日まで延長できます。

パパ・ママ育休プラスの利用条件は、以下の通りです。

  • 夫婦がともに育休を取得している
  • 配偶者が子どもの1歳の誕生日以前に育休を取得している
  • 育休を延長する本人の休業開始予定日が子どもの1歳の誕生日以前に設定されている
  • 育休を延長する本人の休業開始予定日が配偶者の育休の初日以降である

(出典:厚生労働省「両親で育児休業を取得しましょう!」

パパ・ママ育休プラスは、夫婦が別々に育休を取得することで、遅れて育休を開始した一方のみが育休期間を1年2か月まで延長できる制度です。パパ・ママ育休プラスを利用しても、夫婦それぞれの育休取得最大日数(産後休業を含めて1年間)が増えるわけではありません。

また、夫婦のどちらかが専業主婦(夫)の家庭や雇用状況により育休を取得できない場合は、パパ・ママ育休プラスの対象者から外れるため注意しましょう。

育休の取得率と平均的な育休取得日数

育休の取得率と平均的な育休取得日数

厚生労働省の資料によると、男女の育休取得率は、2022年時点で男性が17.13%、女性が80.2%でした。近年、女性の育休取得率は8割前後で推移しています。男性の育休取得率も上昇しているものの、女性と比べると低い水準にとどまっているのが現状です。

政府は、男性の育休取得率を2025年に50%、2030年に85%まで引き上げることを目標としていますが、実際の結果には大きな乖離があるのが分かります。
(出典:厚生労働省「「令和4年度雇用均等基本調査」結果を公表します ~女性の管理職割合や育児休業取得率などに関する状況の公表~」
(出典:厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」

また育休の取得日数については、2021年時点では男性の51.5%が2週間未満、女性の95.3%が6か月以上と大きな開きがありました。しかし、2023年には男性の平均育休取得日数は46.5日と大きく伸びています。
(出典:厚生労働省「「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」(速報値)」

産休・育休に入る前に注意したい3つのポイント

産休・育休に入る前に注意したい3つのポイント

産休・育休を取得するには、申請期限内に勤務先へ申し出る必要があります。実際の手続きは勤務先によって異なるため、前もって上司に確認することがベターです。こうした申請手続き以外にも、出産や育児で休業する際はいくつかの注意点が存在します。

以下では、産休・育休に入る前に注意したいポイントを3つ紹介します。

産休に入るまでに仕事の引き継ぎをする

産休に入るまでに、仕事の引き継ぎをしておきましょう。

産休・育休中は、これまで自分が行っていた仕事を誰かに引き継いでもらうことになります。産休・育休は短期間で終わる休業ではありません。保育園に入所できないなどの状況によっては、2年ほど業務から離れます。「前任者にしか分からない」「不明点を聞けない」など、産休に入ってから後任者が困らないよう、業務内容は事細かに連携しておきましょう。

引き継ぎ期間が短いと、すべての業務を指導することが難しくなる可能性があります。上長にも相談しながら、スケジュールに余裕を持って引き継ぎを進めましょう。

産休・育休中はボーナスの支給額が減る場合がある

産休・育休中でも基本的にボーナスは支給されますが、満額が出るとは限りません。「ボーナスの算定期間内に産休・育休に入った」「評価基準を満たしていない」などの理由から、ボーナスの支給額が減る可能性があります。

産休・育休中のボーナスに関する規定は、会社によって異なります。産休・育休中のボーナスがいくら支給されるか気になる場合は、会社の就業規則でボーナスの算定期間や算定条件をチェックしてみましょう。

なお、算定期間に出勤していたにもかかわらず、出産・育児を理由にボーナスを支給しないことは違法です。「休みに入っているからボーナスを出さない」と会社側から説明された場合は、労働組合や労働センターに相談しましょう。

出産後は勤務先に速やかに連絡する

子どもが無事に産まれたら、速やかに会社に報告しましょう。特に出産日が当初の予定日よりもずれた場合は、産前休業の終了日・産後休業の開始日が変わるため、会社側は変更届を出す必要があります。会社が所定の手続きを問題なく済ませられるよう、出産報告は欠かさず行うようにしましょう。

また、産休・育休中も定期的に会社に連絡することは大切です。「いつ復帰できるのか」「今の社内はどういう状況なのか」をお互いに共有すれば、会社は受け入れ体制を整えられます。休業中であっても音信不通にはならず、「報連相」を徹底しましょう。

また、職場でお世話になった人には、お礼と感謝の気持ちを伝える方法の1つとしてお菓子を配るのもおすすめです。

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産休前の挨拶で配るお菓子の選び方|配り方やポイントも

産休に入った後の過ごし方

産休に入った後の過ごし方

出産予定日までの約42日間を有意義に過ごしたいという方も多いでしょう。以下では、産休に入った後に、充実した産休を送り、出産準備をするための過ごし方を4つ紹介します。

趣味に没頭する

出産予定日までは、趣味に没頭してリラックスして過ごすのがおすすめです。

子どもが産まれたら育児にかかりきりとなり、なかなか自分の時間を取れません。せっかくの休日だからこそ、家に1人でいる時間を有意義に使いましょう。

最近は動画配信サービスでドラマや映画、アニメなど、さまざまな作品を鑑賞できます。小説や雑誌を読む、編み物をするなど、普段は仕事が忙しくてできなかった趣味に没頭するのも良いでしょう。

歯科医院や美容院に行く

赤ちゃんを抱えて歯科医院や美容院に行くのは難しいため、出産予定日までに行っておくのがおすすめです。

妊娠中はホルモンバランスの変化で唾液の分泌量が減るので、普段より虫歯や歯周病のリスクが高まります。そのため、お腹の調子が安定している妊娠中期に歯科検診を受けると良いでしょう。

また、美容院ではシャンプーで仰向けになる体勢がつらいと感じるときもあります。お腹の子や自分の体調をふまえて、無理のない範囲で歯科医院や美容院を利用することが大切です。

なお、妊娠中に歯科医院や美容院に出向く際は、産婦人科医に相談したうえで、歯科医院や美容院に妊婦である旨を伝えるようにしましょう。

入院準備や移動手段の確保を進める

出産予定日前に、パジャマやタオルといった入院に必要なものを用意しましょう。

また、陣痛が始まった際の移動手段を考えるのも重要です。陣痛は昼夜関係なく起こる可能性があり、公共交通機関を使うことが難しい場合もあります。家族に車で送ってもらうのか、タクシーを呼ぶのかなど、いざ陣痛が始まったときに慌てないよう前もって決めておくと安心です。

ベビーグッズを用意する

産休に入って体調が落ち着いている間に、赤ちゃんを迎えるために必要なベビーグッズを用意しましょう。

特におむつや哺乳瓶、ベビーベッド、ふとんなどは、退院したらすぐに使うことになります。また、抱っこ紐やベビー服、おしゃぶり、ベビーカーなども必要です。出産直前や出産後は買い物に行くことが難しくなるので、事前に必要なものをリストアップして赤ちゃんを迎える準備を整えましょう。

産休中に安心・安全に出かけるためには?

産休中に安心・安全に出かけるためには?

「赤ちゃんのお世話で忙しくなる前にお出かけしたい」という人もいるでしょう。しかし、出産予定日が近くなると、いつ破水や陣痛が起こってもおかしくありません。遠出は控え、できるだけ近場でお出かけを楽しむのが賢明です。

以下では、産休中の外出で注意するポイントとお産に備えるための持ち物リストを紹介します。

車や電車を使って近場に行く

産休中に出かける際は、家族が運転する車やタクシー、公共交通機関を使ってアクセスの良い場所に行きましょう。お腹が圧迫される恐れがあるため、自分で車を運転することは避けてください。

身体への負担を考えて、なるべく休憩の時間を取るのも大切です。車移動ではこまめにトイレ休憩を挟む、公共交通機関の席はトイレの近くに座るなど、トイレのことも考慮しましょう。

破水に備えて必要なものを持ち歩く

外出時の破水に備えて、以下のチェックリストに沿って荷物を用意しましょう。

  • 母子手帳
  • 出産予定の産院の診察券
  • 健康保険証
  • スマートフォン
  • お金
  • 大きめのナプキンまたは大人用のおむつ
  • レジャーシートやビニール袋
  • バスタオル

破水したらそのまま病院へ向かえるように、診察券や健康保険証、母子手帳は必ず持ち歩いてください。レジャーシートやビニール袋、バスタオルは、車やタクシーの座席に敷くために使います。また、いつでもすぐに連絡を取れるように、スマートフォンの電話帳に産婦人科の電話番号を登録しておきましょう。

産休・育休に関する疑問

産休・育休に関する疑問

以下では、産休・育休に関する疑問をQ&A形式で紹介します。疑問や不安を解消して、産休・育休に入りましょう。

Q.正社員やパートで産休が取れる期間は異なる?

雇用形態によって産休期間は変わりません。

産休期間は、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなど、すべての雇用形態で「出産予定日の6週間前から出産後の8週間まで」と定められています。ただし、公務員の場合は産前休業が民間企業よりも長く、「出産予定日の8週間前から出産後の8週間まで」です。

Q.父親は産休を取れない?

産休を取得できるのは子どもを産む母親のみのため、父親は産休を取得できません。

ただし、育児・介護休業法が改正されたことにより、「男性版産休」といわれている「産後パパ育休」が2022年10月1日から施行されています。

Q.産休・育休中に給料は支払われる?

産休・育休中に給料は支払われません。

ただし、出産育児一時金や出産手当金、育児休業給付金などの手当によって、給料の50~67%が支給されます。また、産休・育休中は健康保険や厚生年金といった社会保険料が免除される制度があります。

まとめ

産休は、「出産予定日の6週間前から出産後の8週間まで」取得可能です。多胎児を妊娠している場合は、出産予定日の14週間前から休業に入れます。

産休に入ったら母体の健康を優先し、安静に過ごすことが大切です。産休中に外出する際は、いつ破水や陣痛が起きても対処できるよう、診察券や保険証などを持ち歩くようにしてください。

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※当記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しています

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