助産師の資格を持っている方のなかには、パート・アルバイトとしての働き方に興味がある方もいるでしょう。助産師は非正規雇用でも比較的時給の高い職業ではあるものの、職場や地域によって給与水準が異なるため、職場選びは非常に大切です。
当記事では、助産師の時給相場について解説するとともに、パート・アルバイトで働ける職場を探すときのポイントを紹介します。ワークライフバランスを重視して働きたい方はぜひ参考にしてください。
助産師の時給相場は?
助産師の求人情報には正社員の雇用形態だけではなく、パートやアルバイトの雇用形態で働けるものも掲載されています。
非正規雇用は給与が安いというイメージが持たれやすいものの、助産師の場合はパート・アルバイトでも時給が比較的高い点が特徴です。実際、ライフスタイルの変化により非正規雇用で働いている助産師の方も多くいます。
ここでは、パートやアルバイトで働く助産師の時給と正社員の助産師の時給を紹介し、時給や働き方にどのような差があるかを解説します。
パート・アルバイトで働く助産師の時給
パート・アルバイトの助産師は、婦人科のある病院・クリニック・助産院などで非常勤として働きます。
厚生労働省が公表する「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、パート・アルバイトで働く助産師の平均時給(1時間あたり所定内給与)は「2,018円」です。
助産師と活躍する場所が近い看護師や保健師と比較すると、助産師の平均時給は高い傾向にあります。
職種 | 時給 |
---|---|
助産師 | 2,018円 |
看護師 | 1,773円 |
保健師 | 1,889円 |
また、パート・アルバイトで働く助産師の平均的な各種データは下記の通りです。
平均年齢 | 労働日数 | 1日あたりの所定労働時間 | 年間賞与 |
---|---|---|---|
47歳 | 12.3日 | 6.6時間 | 約12万円 |
パート・アルバイトで働く助産師の方は、週3日前後、1日あたり6~7時間働いているケースが多い傾向にあります。
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)
正社員として働く助産師の時給相場
正社員として働く助産師とは、婦人科のある病院・クリニック・助産院などの施設に常勤する助産師のことです。仕事内容として分娩介助業務はもちろん、妊娠前の女性への相談対応や妊婦さんへの生活指導・保健指導、出産後の体調管理や母乳指導なども行います。
厚生労働省が公表する「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、正社員として働く助産師のひと月の所定内給与は「約34.1万円」です。
所定内給与とは、あらかじめ支給条件などが定められている現金給与額(きまって支給する給与)のうち、時間外手当や深夜手当などの所定外給与を除いた給与額です。所定内給与を見ることにより、定められた労働時間で勤務した場合の給与額を正確に把握できます。
(出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査で使用されている主な用語の説明」)
正社員の時給を計算する場合は、ひと月の所定内給与を所定内労働時間数で割ることで算出できます。正社員として働く助産師の時給相場は「約2,120円」となり、パート・アルバイトで働く助産師の「2,018円」よりも給与水準はやや高いことが分かります。
また、正社員として働く助産師の平均的な各種データは下記の通りです。
平均年齢 | 所定内労働時間 | 超過実労働時間数 | 年間賞与 |
---|---|---|---|
37.1歳 | 161時間 | 7時間 | 約88.8万円 |
年間賞与は正社員のほうがパート・アルバイトよりも高く設定されており、時給の高さも合わせて、正社員のほうが収入につながりやすいことが分かります。
(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」)
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助産師の時給を左右する要素

助産師の時給は、さまざまな要素によって変わります。
勤務する病院・助産院や勤務先がある地域、勤務先が導入している手当制度などが時給に関わるため、事前に調べておくことが大切です。
ここでは、助産師の時給がどのような要素によって変わるかを具体的に解説します。
地域による違い
地域による違いとしては、都道府県ごとに異なる最低賃金の影響が挙げられます。
最低賃金とは、使用者が労働者に対して支払わなければならない賃金の最低額のことです。最低賃金は正社員・パート・アルバイトといった雇用形態の分類に関係なく、すべての労働者に適用されます。
最低賃金が地域別で定められている理由は、各都道府県における賃金の実態調査結果や労働者の生計費などを参考として最低賃金が決められているためです。
例を挙げると、令和4年度において最も高い最低賃金は東京都で1,072円であり、反対に最も低い最低賃金は沖縄県などの853円です。地域による最低賃金の差は219円もあります。
(出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」)
最低賃金は助産師の時給額にも影響する要素です。最低賃金が高い地域で就職先を探したほうが、高時給の助産師として働きやすくなります。
手当による違い
手当による違いは、勤務先でどのような手当支給があるかによって変わります。助産師がもらえる場合がある手当としては資格手当や夜勤手当が代表的です。
資格手当は、助産師の場合は助産師資格に対して支給される手当です。夜勤手当は、3交代シフト制の職場で夜勤を行った場合に手当が支給されるもので、夕方から深夜まで働く「準夜勤」と、深夜から朝方まで働く「深夜勤」があります。
また、助産師特有の手当として「分娩手当」があります。分娩手当とは、助産師が分娩を介助した回数に応じて支給される手当です。
各種手当の金額は、職場によって異なるため、職場を探す際は必ず確認しましょう。手当が多くもらえる職場を選ぶことで高収入を狙えます。
パート・アルバイト助産師として働くときに注意すること

助産師としてパート・アルバイトで働くときは、職場選びでいくつか注意すべきポイントがあります。正社員とは異なる働き方ができる点や、高い時給が扶養に影響しないかを意識して、職場選びを進めましょう。
最後に、パート・アルバイト助産師の職場選びにおける2つのポイントを解説します。
働き方を確認しておく
正社員として働く助産師はシフト制を採用しており、勤務する時間帯が定まらないことが多く、生活が不規則になりやすい傾向にあります。
対して、パート・アルバイトで働く助産師は日中のみや夜勤専従など、自由な働き方を選べます。子育て中の場合は日中のみ・夜勤なし、夜勤手当で高収入を狙いたい場合は夜勤専従など、希望に合った働き方ができる職場を探しましょう。
働き方の希望条件で探す際は、給与や手当について確認しましょう。日中のみの職場では思ったよりも時給が低いというケースや、夜勤専従の職場でも夜勤手当があまり高くないケースなどがあります。
自分に合った働き方ができて、かつ納得できる給与や手当の支給が受けられる職場を選ぶことが大切です。
扶養範囲で働けるか確認する
家族の扶養に入りながらパート・アルバイトの助産師として働く場合は、年収額に気を付ける必要があります。助産師は時給が高く、稼ぎすぎると家族の扶養範囲を外れる可能性があるためです。
家族の扶養には、扶養控除・配偶者控除の2つがあります。扶養控除は親族を養っている扶養者が受けられる控除であり、配偶者控除は配偶者を養っている扶養者が受けられる控除です。
助産師のパートを扶養の範囲で行いたい方は、給与収入を103万円以下にしなければなりません。パート・アルバイトの助産師が給与収入103万円を超えると、扶養控除が受けられなくなります。職場選びの際は、年収の調整をしてもらえるかどうかを職場に確認しましょう。
まとめ
パート・アルバイトで働く助産師の時給は約2,018円で、正社員で働くよりも若干低い水準となっています。助産師の給与は都道府県ごとの最低賃金や、職場が設定している手当の金額によっても変動するため、職場選びでは時給の手当や職場環境にも注目するとよいでしょう。
パート・アルバイトで働ける助産師の仕事を探している方は、ぜひマイナビ看護師をご活用ください。看護業界に精通したキャリアアドバイザーが、助産師の方が活躍しやすい求人をご紹介します。
※当記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています
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