HCU(高度治療室)で勤務する看護師
  • 2021年10月13日
  • 2021年11月16日

HCU(高度治療室)とは? 看護基準やICU(集中治療室)との違いを解説

 

HCU(高度治療室)とは?

HCUとは「High Care Unit(ハイケアユニット)」の頭文字をとった略称で、日本語では「高度治療室」や「準集中治療管理室」と呼ばれています。HCU(高度治療室)は、ICU(集中治療室)と一般病棟の間の立ち位置で、主に大手術の後や重症化のリスクが高い患者が入院しています。

2021年4月1日時点のHCU(高度治療室)のベッド数は、全国で6001床です。HCUの病床は東京都の809床を筆頭に、大阪府に549床、埼玉県に507床、神奈川県に469床、福岡県に428床と、都心部に多い傾向にあります。

参照元
一般社団法人日本集中治療医学会 各都道府県別 ICUおよびICUに準ずる治療室のベッド数

HCU(高度治療室)の施設基準

厚生労働省の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」によると、HCU(高度治療室)の施設基準は、以下のとおりです。

(1)専任の常勤医師が常時1名以上いること
(2)ハイケアユニット入院医療管理を行うにふさわしい専用の治療室を有していること
(3)救急蘇生装置(気管内挿管セット、人工呼吸装置等)、除細動器、心電計、呼吸循環監視装置を治療室内に常時備えていること(治療室が特定集中治療室と隣接しており、共有しても緊急の事態に十分対応できる場合はこの限りではない)
(4)HCU勤務の看護師は、HCUに勤務している時間帯はHCU以外での夜勤を行わないこと
(5)「ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」の基準を満たす患者が8割以上いること
(6)「ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」の記入は、院内研修を受けたものが行うこと

これらの基準を満たした治療室でないと、HCU(高度治療室)として認められません。

参照元
厚生労働省 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて

HCU(高度治療室)で治療する主な疾患

HCU(高度治療室)で治療する主な疾患や症状は、以下のとおりです。

  • 心筋梗塞
  • 急性心不全
  • 急性呼吸不全
  • 大動脈解離
  • ショック
  • くも膜下出血
  • 脳梗塞
  • 意識障害
  • 急性中毒
  • 心肺蘇生後
  • 大きな手術の術後

HCU(高度治療室)では、おもに術後の経過観察が必要な患者や重症化リスクのある患者の治療を行っています。医療機関によっても異なりますが、重病でも急変の可能性が低い慢性疾患を抱える患者は、HCU(高度治療室)ではなく一般病棟で治療することが多いようです。

HCU(高度集中治療室)とICU(集中治療室)の違い

HCU(高度集中治療室)とICU(集中治療室)の違い

HCU(高度治療室)とICU(集中治療室)は、いずれも症状の重い患者の治療を行いますが、重症度が異なります。以下では、HCU(高度治療室)とICU(集中治療室)の違いを、入室基準と看護師の配置基準の2つに分けて解説します。

入室基準

ICU(集中治療室)には、主に生命の危機にあるような重症患者が入室します。医師や看護師が24時間体制で生命維持を行うのです。

一方、HCU(高度治療室)は、ICU(集中治療室)の患者に比べ重症度は低いけれども、急変する可能性があったり一般病棟の看護配置ではケアが難しかったりする患者が入室します。HCU(高度集中治療室)への入室経緯は、「ICUからの転室」「救急外来からの入室」「術後管理のための入室」の3つのパターンに分けられます。

看護師の配置基準

HCU(高度治療室)とICU(集中治療室)の看護師の配置基準は、厚生労働省の「基本診療料の施設基準等」によって定められています。

特定集中治療室管理料の施設基準等の項目によると、「常時、当該治療室の入院患者の数が二又はその端数を増すごとに一以上であること」と定められています。つまり、ICU(集中治療室)では、患者2名に対し看護師1名の配置が必要です。

一方、ハイケアユニット入院医療管理料の施設基準の項目によると、「常時、当該治療室の入院患者の数が四又はその端数を増すごとに一以上であること」と定められています。つまり、HCU(高度治療室)では、患者4名に対し看護師1名の配置が必要です。

参照元
厚生労働省 基本診療料の施設基準等

HCU(高度治療室)での看護

HCU(高度治療室)で勤務する看護師

ここでは、HCU(高度治療室)で働く看護師の役割や仕事内容、求められていることを解説します。

HCU(高度治療室)で働く看護師の役割

HCU(高度治療室)で働く看護師の役割・仕事内容は、以下のとおりです。

  • 人工呼吸器やそのほかの医療機器の管理
  • 手術後の経過観察
  • 入院生活におけるサポート(食事・入浴・排泄介助)
  • 一般病棟への転棟支援
  • 退院支援

HCU(高度治療室)には、手術後の経過観察が必要な患者や急変する可能性がある患者が入室しています。そのため、人工呼吸器や心電計などの医療機器をモニタリングし、つねに患者の状態を把握しておかなければなりません。

また、できるだけ早く一般病棟への転棟や退院ができるように、身体回復のためのケアや日常生活を送るサポートを行います。

HCU(高度治療室)で働く看護師に求められること

HCU(高度治療室)には心筋梗塞や急性呼吸不全、大動脈解離、くも膜下出血など、さまざまな疾患を抱える患者がいます。そのため、看護師にはそれぞれの疾患の症状や治療法、医療機器の見方、操作方法など数多くの知識が求められます。また、急変する可能性のある患者も多くいるので、些細な変化に気づける観察眼も必要です。

医療は日進月歩です。医療機器はもちろん治療法も日々進化します。そのため、HCU(高度治療室)で働く看護師は、向上心を持って積極的に勉強できる人が向いているでしょう。

HCU(高度治療室)の看護師になるには

HCU(高度治療室)で看護を行う女性

HCU(高度治療室)の看護師になるために、特別な資格は必要ありません。希望すれば、新人看護師でも配属される可能性はあります。

HCU(高度治療室)看護師としてスペシャリストを目指すの方は、資格を取得するのもおすすめです。急性期看護に関する資格であれば、認定看護師はクリティカルケア、専門看護師は急性・重症患者看護があります。

また、 急性期看護に関するセミナーに参加したり、一次救命処置のBLS(Basic Life Suppor)や二次救命処置のACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)の研修を受講したりするのも良いでしょう。

参照元
日本看護学会 認定看護師
日本看護協会 専門看護師

まとめ

HCU(高度治療室)の看護師は、数多くの疾患に携われるのでスキルアップにつながります。症状の重かった患者が回復したときには、大きな達成感も得られるでしょう。

HCU(高度治療室)の看護師に、特別なスキルやキャリアは必要ありません。「急性期看護を極めたい」「看護師として数多くの経験を積んで成長したい」とお考えの方は、HCU(高度治療室)看護師を目指してみてはいかがでしょうか。

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